JPS6322006Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈技術分野〉 本考案は位相の異なる複数の加工個所を有する
工作物の割出機能を有するチヤツク装置に関する
ものである。

〈従来技術〉 チヤツクの回転軸線と直交する軸線回りに工作
物を割出して、放射方向に突出する複数の加工個
所を順次加工するチヤツク装置は例えば特公昭52
−49583号公報によつて公知である。しかし、こ
のものは、工作物の上下クランプ面に対向してチ
ヤツク本体に上下一対の顎部が設けられており、
この顎部間で工作物をクランプするようになつて
いる。このため、工作物はチヤツクの回転軸線方
向に搬入搬出させなければならず工作物の搬入搬
出の自動化が困難である。特に工作物の取付基準
が穴になつている場合には、この穴に嵌合する基
準ボスの軸線方向にも工作物をシフトしなければ
ならず、搬入搬出の困難性とともに搬入搬出に要
する時間が長くかかり、サイクルタイムを短縮す
ることが困難であつた。

〈考案の目的〉 本考案は上記従来の問題点に鑑み、工作物の搬
入搬出を容易にし、かつその時間短縮を図ると共
に、工作物を割出す割出軸の軸線方向への搬入搬
出を可能としたものである。

〈考案の構成〉 本考案は、工作物の取付基準座を有する割出軸
をチヤツク回転中心と直交してチヤツク本体に軸
承し、工作物を前記基準座に押圧するクランプア
ームを割出軸とチヤツク回転中心を通る平面内で
回動可能にチヤツク本体に枢支し、割出軸には割
出板を固着し、この割出板のノツチ溝に係脱可能
なノツチを有する位相決め手段と、割出軸を割出
回転駆動する手段と、割出軸の一端に設けた工作
物の基準穴を内径把持する把持手段と、この把持
手段をクランプ、アンクランプする操作手段を設
けたチヤツク装置である。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を図面によつて説明する。
第１図及び第２図において、３はチヤツク本体で
あり、主軸台１に回転自在に軸承されている主軸
２の端面に固設されている。このチヤツク本体３
に、工作物Ｗが取付けられる基準座５を有する割
出軸４をチヤツク回転中心と直交して軸承する。

６は工作物Ｗを前記基準座５に押圧するクラン
プアームであり、前記割出軸４とチヤツク回転中
心を通る平面内で回動可能にチヤツク本体３に枢
軸７によつて枢支されている。クランプアーム６
の先端には工作物Ｗに当接するフローチング当金
８が止金９を介して取付けられている。このクラ
ンプアーム６の開閉駆動装置は、チヤツク本体３
にシリンダ１０が設けられ、シリンダ１０内のピ
ストンと一体のピストンロツド１１とクランプア
ーム６に設けられた係合溝１２とを係合ピン１３
にて連繋した構造である。

前記割出軸４には割出板１４が固着されてい
る。この割出板１４は第４図に示すように、外周
面に所要の割出し角度で複数のノツチ溝１５が設
けられ、図略のノツチ用シリンダにて進退作動す
るノツチ１６が係脱して位相決めを行うようにな
つている。１７は割出板１４と割出軸４とを固着
するキー、１８はキー１７とキー溝のガタ抜き用
のテーパピンである。

さらに、割出軸４には前記割出板１４と一体に
結合された被動ギヤ１９が設けられている。この
被動ギヤ１９は隣接する駆動ギヤ２０と噛合され
ており、駆動ギヤ２０は割出軸４と平行な軸線で
チヤツク本体３に軸承された中間軸２１の内端に
設けられている。また中間軸２１の外端はチヤツ
ク本体３の外周面に突出している。

この中間軸２１を回転駆動する装置は、チヤツ
ク本体３の外部で、しかもチヤツク本体３の定位
置停止した位置で前記中間軸２１と位相を一致す
る位置に中間軸２１端と係脱する駆動軸２２と、
この駆動軸２２を回転駆動する割出シリンダ２３
によつて作動されるラツク２４及びピニオン２５
とから構成されている。

さらに、割出軸４の一端には工作物Ｗの基準穴
を内径把持する把持装置が設けられている。その
構造は、前記基準座５が形成されている側の割出
軸４の一端にテーパコーン２６を形成し、これに
嵌合するコレツト２７を設ける。このコレツト２
７は割出軸４の軸内を縦貫するドローバー２８の
一端に固着されている。また、ドローバー２８の
他端部には前記コレツト２７がテーパコーン２６
によつて拡開するクランプ方向にドローバー２８
を付勢する皿バネ２９が介装され、ドローバー２
８の端面はチヤツク本体３の外周面に突出し、前
記中間軸２１と並列している。そして、前記ドロ
ーバー２８を皿バネ２９の弾機力に抗してコレツ
ト２７のアンクランプ方向に軸移動させるための
操作手段として、チヤツク本体３の定位置停止位
置で、前記ドローバー２８の外端面に対向する位
置にアンクランプ用シリンダ３０が設けられてい
る。

第２図において、LS₁はクランプアーム６のク
ランプ確認用リミツトスイツチであり、LS₂はア
ンクランプ確認用リミツトスイツチであり、何れ
も主軸台１上に固設したブラケツト３１に取付け
られている。このクランプ確認用リミツトスイツ
チLS₁及びアンクランプ確認用リミツトスイツチ
LS₂の作動機構は、クランプアーム６の開閉装置
であるピストンロツド１１の軸端にドツグ３２を
固着し、また、チヤツク本体３にブラケツト３３
を介してアンクランプ確認用リミツトスイツチ
LS₂の作動片３４を設ける。前記ドツグ３２はク
ランプアーム６のクランプ時にクランプ確認用リ
ミツトスイツチLS₁を作動し、クランプアーム６
のアンクランプ時に、第２図においてピストンロ
ツド１１が下降動することによつてドツグ３２が
作動片３４と係合して作動片３４を回動し、アン
クランプ確認用リミツトスイツチLS₂を作動する
ものである。尚３５は作動片３４のリターンスプ
リング、３６はバランサを示す。

次に上記本考案装置の作用について説明する。
工作物Ｗの搬入搬出時にはピストンロツド１１を
第２図において下降動することによりクランプア
ーム６が枢軸７を支点にして大きく上方に回動す
る。従つて工作物Ｗはチヤツク回転軸線と直交す
る方向からでも搬入搬出することが可能である。

搬入された工作物Ｗは割出軸４に形成されてい
る基準座５上に支持されるとともに、工作物Ｗの
基準穴は縮少されているコレツト２７に嵌装され
る。しかる後にアンクランプ用シリンダ３０にて
ドローバー２８を押動し、前記縮少しているコレ
ツト２７を拡開して工作物Ｗを内径把持させるた
めに前記アンクランプ用シリンダ３０によるドロ
ーバー２８の押動を解除する。これによつてドロ
ーバー２８は皿バネ２９の弾機力にてコレツト２
７をテーパコーン２６に圧嵌合する方向に引き動
かし、拡開したコレツト２７で工作物Ｗの内径を
クランプするのである。

次いで、クランプアーム６をクランプ方向に回
動してフローチング当金８によつて工作物Ｗを基
準座５に押圧してクランプを完了し、工作物Ｗの
加工作業に移るものである。

一方、工作物Ｗの割出動作は、クランプアーム
６をアンクランプ位置に回動し、工作物Ｗをコレ
ツト２７で内径把持した状態にする。中間軸２１
はチヤツク本体３の定位置停止によつて駆動軸２
２と凹凸係合し、回転方向が連結されている。従
つて、割出シリンダ２３を作動することにより、
ラツク２４、ピニオン２５によつて駆動軸２２が
回転し、中間軸２１、駆動ギヤ２０及び被動ギヤ
１９を介して割出軸４を回転することにより工作
物Ｗはチヤツク内にて所要角度で割出し位相決め
が行われるのである。この工作物Ｗの所要角度の
割出し位相決めは、割出軸４に固着されている割
出板１４のノツチ溝１５に係脱するノツチ１６に
よつて規定される。

上記工作物Ｗの割出後に再びクランプアーム６
がクランプ方向に回動し、工作物Ｗを再びクラン
プするのである。

〈効果〉 以上のように本考案装置によると、工作物が取
付けられる基準座を有する割出軸をチヤツク回転
中心と直交してチヤツク本体に軸承し、工作物を
前記基準座に押圧するクランプアームを割出軸と
チヤツク回転中心を通る平面内で回動可能にチヤ
ツク本体に枢支したものであるから、クランプア
ームを開けば工作物の上方には何も障害物が存在
しないので工作物の着脱が容易に行える。また、
工作物の搬入搬出は割出軸の軸線方向、すなわ
ち、チヤツク回転軸線と直交する方向の運動のみ
で行うことができるため、工作物の搬入搬出の自
動化、構成の簡素化が達成できると共に、工作物
の搬入搬出時間も短縮できサイクルタイムの短縮
化が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の正面図、第２図は第１図
−線断面図、第３図は平面図、第４図は第２
図−線拡大断面図である。 ３……チヤツク本体、４……割出軸、５……基
準座、６……クランプアーム、１０……シリン
ダ、１１……ピストンロツド、１４……割出板、
１５……ノツチ溝、１６……ノツチ、１９……被
動ギヤ、２０……駆動ギヤ、２１……中間軸、２
２……駆動軸、２６……テーパコーン、２７……
コレツト、２８……ドローバー、２９……皿バ
ネ、３０……アンクランプ用シリンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 工作物が取付けられる基準座を有しチヤツク回
   転中心と直交してチヤツク本体に軸承された割出
   軸と、この割出軸とチヤツク回転中心を通る平面
   内で回動可能にチヤツク本体に枢支され工作物を
   前記基準座に押圧するクランプアームと、このク
   ランプアームの開閉駆動装置と、前記割出軸に固
   着された割出板及びこの割出板のノツチ溝に係脱
   可能なノツチを有する位相決め手段と、割出軸と
   回転連結された割出用の回転駆動手段と、割出軸
   の一端に設けられ工作物の基準穴を内径把持する
   把持手段と、この把持手段をクランプ、アンクラ
   ンプする操作手段とを備えた割出機能を有するチ
   ヤツク装置。