JPH0367804B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は、クランクシヤフトを加工する場合の
クランクシヤフト保持用チヤツクに関するもので
ある。

＜従来の技術＞ ピストンストロークとジヤーナル径が異なる数
種類のクランクシヤフトを研削する場合、チヤツ
ク本体とともに半径方向に移動する可動体と案内
部材間に、可動体の半径方向の移動を制限するス
ペーサをピストンストロークに応じたものに作業
者が手で交換し、また、チヤツク本体に取付けら
れたクランクシヤフトのジヤーナル部を支持する
ジヤーナルホルダをジヤーナル径に対応するもの
に作業者が手で交換していた。

＜発明が解決しようとする課題＞ このため、ジヤーナル径の異なる数種類のクラ
ンクシヤフトを加工する場合、その都度手作業で
面倒な段取り換えを行う必要があり、また、その
時間を要し、加工能率の向上に悪影響を及ぼして
いる。

＜課題を解決するための手段＞ 本発明は、上記従来の問題点を解消するために
なされたものであり、その特徴とする構成は、主
軸と同心回転するチヤツク本体に前記主軸軸心線
と平行な偏心軸心線で回転可能に軸承した割出軸
と、この割出軸の先端に取付けた回転板と、この
回転板の外周上の複数個所に配設された数種類の
クランクシヤフトのジヤーナル径に対応する支持
面を有したジヤーナルホルダと、前記割出軸を割
出回転する割出駆動源と、前記ジヤーナルホルダ
と同位相で係合溝が形成され前記割出軸上に設け
られた割出板と、この割出板の前記係合溝に係脱
する係合爪を有した割出位置決め装置と、前記ジ
ヤーナルホルダに支持したジヤーナルのクランプ
装置とを備えたものである。

＜作用＞ 上記の構成により、ピストンストローク、ジヤ
ーナル径の異なるフランクシヤフトに応じて保持
すべく回転板を割出し回転して所要のジヤーナル
ホルダを位置決めする。これによつてジヤーナル
ホルダの自動段取り換えを可能とする。

＜実施例＞ 以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図及び第２図において、１は主軸ヘツ
ド、２は前記主軸ヘツド１に回転自在に軸承され
た主軸、３は前記主軸２の端面に固設され、主軸
２と同心で回転するチヤツク本体である。

前記チヤツク本体３に割出軸４を主軸２の軸心
線と平行な偏心軸心線で回転可能に軸承する。こ
の割出軸４は、主軸２の中心を挿通する作動軸５
とシユミツトカツプリング６を介して連結されて
いる。

また、前記作動軸５は、割出駆動源７によつて
進退作動するラツクバー８にピニオン９を介して
連結されている。１０は前記作動軸５上に配置さ
れたクラツチである。

前記割出軸４の先端には回転板１１が取付けら
れている。この回転板１１の外周上の複数個所に
は、クランクシヤフトＷのジヤーナル部Ｊの径に
対応した支持面を有し、かつクランクシヤフトＷ
の回転中心とピン部Ｐの中心間のピストンストロ
ークＳに応じて支持中心を偏心したジヤーナルホ
ルダ１２ａ，１２ｂ，１２ｃが配設されている。
このジヤーナルホルダ１２ａ，１２ｂ，１２ｃは
回転板１１自体に直接形成してもよいし、別個の
ブロツク体として回転板１１に取付けてもよい。

前記割出軸４上には割出板２１が設けられてい
る。この割出板２１には第４図で示すように、前
記回転板１１のジヤーナルホルダ１２ａ，１２
ｂ，１２ｃと同位相で係合溝２２が外周円上に形
成され、この係合溝２２に係脱する係合爪２３ａ
を有する割出位置決め装置２３がチヤツク本体３
に設けられている。

１３は割出位置決めされた前記ジヤーナルホル
ダ１２ａ，１２ｂ，１２ｃの１つに支持されたジ
ヤーナル部Ｊをクランプするためにチヤツク本体
３に設けられたクランプ装置であり、シリンダ装
置によつて作動し、ジヤーナル部Ｊを押圧するク
ランプレバー１４を有している。

１５は前記ジヤーナルホルダ１２ａ，１２ｂ，
１２ｃの１つに支持されたクランクシヤフトＷの
端面が当接する当金、１７はクランクシヤフトＷ
のフライウエイトＦに当接する当金であり、この
当金１７は、各種のクランクシヤフトに応じて位
相を変更するようになつている。

すなわち、第３図で示すように、チヤツク本体
３に主軸２の軸線と平行な軸線で位相軸１６を回
転並びに軸方向に進退可能に設け、この位相軸１
６の先端に左右、上下の位相差を有して複数の当
金１７が設けられている。位相軸１６の後端に
は、位相軸１６を複数段階に進退移動させるシリ
ンダ装置１８が設けられ、また、位相軸１６上に
は、位相軸１６を回転方向に割出す位相軸割出装
置１９が設けられている。２０は位相軸１６の回
転角度を規定するストツパである。

第１図において、２４はクランクシヤフトＷの
ピン部の位相決め装置、２５はそのストツパアー
ムである。Ｇは砥石であり、主軸２の軸心線上に
位置されたピン部Ｐを研削する。

次に上記本発明装置の作動について説明する。
図例の回転板１１では、クランクシヤフトＷのピ
ストンストロークＳとジヤーナル部Ｊの径が異な
る３種類のクランクシヤフトＷを自動段取り換え
によつて保持できる。

すなわち、クランクシヤフトＷのピストンスト
ロークＳとジヤーナル部Ｊの径に対応するジヤー
ナルホルダ１２ａ，１２ｂ，１２ｃの１つをクラ
ンクシヤフトＷの保持位置に割出し位置決めす
る。その動作は、割出位置決め装置２３の係合爪
２３ａを後退させて割出板２１の係合溝２２から
係合を解脱し、しかる後に割出駆動源７を作動し
て割出軸４を回転する。これにより、回転板１１
上のジヤーナルホルダ１２ａ，１２ｂ，１２ｃの
所要の１つがクランクシヤフトＷの保持位置に割
出されたときにクラツチ１０が切られ、割出軸４
の回転を停止し、割出位置決め装置２３の係合爪
２３ａが前進して割出板２１の係合溝２２に係合
することにより回転板１１の割出しが完了する。

次にフライウエイトＦの位置に応じて当金１７
の位相を位相軸１６の進退あるいは割出し回転
し、第１図及び第２図で示すように、割出し位置
決めされたジヤーナルホルダ１２ａにジヤーナル
部Ｊを保持し、先端を当金１５に当接するととも
に、ストツパアーム２５によりフライウエイトＦ
を当金１７に当接させて位相決めする。

しかる後に、クランプ装置１３を作動してクラ
ンプレバー１４によりジヤーナル部Ｊをジヤーナ
ルホルダ１２ａに押し付けてクランクシヤフトＷ
を加工状態に保持する。

＜発明の効果＞ 以上のように本発明は、主軸と同心回転するチ
ヤツク本体に前記主軸軸心線と平行な偏心軸心線
で回転可能に軸承した割出軸と、この割出軸の先
端に取付けた回転板と、この回転板の外周上の複
数個所に配設された数種類のクランクシヤフトの
ジヤーナル径に対応する支持面を有したジヤーナ
ルホルダと、前記割出軸を割出回転する割出駆動
源と、前記ジヤーナルホルダと同位相で係合溝が
形成され前記割出軸上に設けられた割出板と、こ
の割出板の前記係合溝に係脱する係合爪を有した
割出位置決め装置と、前記ジヤーナルホルダに支
持したジヤーナルのクランプ装置とを備えた構成
のチヤツクであるから、ジヤーナル径が異なるク
ランクシヤフトをチヤツク本体に保持する場合、
ジヤーナル径に対応する所要のジヤーナルホルダ
の段取り換えが自動的に、しかも所定位置に割出
位置決めを行うことができ、段取り換えにおける
作業者の労力負担を軽減すると共に、段取り換え
時間の短縮が得られ、加工能率を向上することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の断面図、第２図は第１図
−線断面図、第３図は第１図−線断面
図、第４図は第１図−線断面図である。 １……主軸ヘツド、２……主軸、３……チヤツ
ク本体、４……割出軸、５……作動軸、６……シ
ユミツトカツプリング、７……割出駆動源、１１
……回転板、１２ａ，１２ｂ，１２ｃ……ジヤー
ナルホルダ、１３……クランプ装置、２１……割
出板、２２……係合溝、２３……割出位置決め装
置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 主軸と同心回転するチヤツク本体に前記主軸
   軸心線と平行な偏心軸心線で回転可能に軸承した
   割出軸と、この割出軸の先端に取付けた回転板
   と、この回転板の外周上の複数個所に配設された
   数種類のクランクシヤフトのジヤーナル径に対応
   する支持面を有したジヤーナルホルダと、前記割
   出軸を割出回転する割出駆動源と、前記ジヤーナ
   ルホルダと同位相で係合溝が形成され前記割出軸
   上に設けられた割出板と、この割出板の前記係合
   溝に係脱する係合爪を有した割出位置決め装置
   と、前記ジヤーナルホルダに支持したジヤーナル
   のクランク装置とを備えたことを特徴とするクラ
   ンクシヤフト保持用チヤツク。