JPS6321803Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ロータリ装置のチエーンケース装置
における、チエーンケース内の潤滑油のブレザー
孔からの流出防止に関する。

（従来の技術） 一般に、ロータリ装置の駆動軸に連結される上
方スプロケツトと、爪軸に連結される下方スプロ
ケツトと、両スプロケツトに巻掛けられるチエー
ンとを被包するチエーンケース本体を備え、該チ
エーンケース本体は、スプロケツトの回転軸に直
交する内外側壁と、チエーンに沿う周壁を有し、
そのチエーンケース本体の下部にはチエーンによ
り掻揚げられる潤滑油が貯留され、上方スプロケ
ツト上方位置の周壁には、ブレザー孔と栓体によ
り開閉自在な潤滑油給油口とが開口されているチ
エーンケース装置がある。このチエーンケース装
置においては、掻揚げられてチエーンに付着した
潤滑油は、チエーンの進行方向が上方スプロケツ
トによつて上向きからスプロケツト周方向に変わ
る際、遠心力によつてチエーンから分離飛散し、
ブレザー孔に侵入する虞れがある。

そのため従来、ブレザー孔及び給油口と上方ス
プロケツトとの間に、ブレザー孔への飛散潤滑油
侵入防止用遮蔽材が介装されたものがある。

（考案が解決しようとする問題点） 遮蔽材を設けても、上方の供給口から供給した
潤滑油をチエーンケース本体下部に貯留するする
には、遮蔽材の上下を連通する潤滑油供給用通孔
が必要となる。

そこで、その遮蔽材の側端とチエーンケース本
体側壁との間に潤滑油供給用通孔を設けていた。

すると、チエーンの周速が速くなつてチエーン
から分離飛散する潤滑油量が増加した場合等に
は、飛散潤滑油が潤滑油供給用通孔を通つて遮蔽
材上方にまで達し、ブレザー孔から流出するとい
う問題があつた。

本考案は上記に鑑み、ブレザー孔からの潤滑油
の流出防止を図ることのできるチエーンケース装
置を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本考案が、従来技術の問題点を解決すべく講じ
る技術的手段の特徴とするところは、ロータリ装
置の駆動軸５に連結される上方スプロケツト２
と、爪軸６に連結される下方スプロケツト３と、
両スプロケツト２，３に巻掛けられるチエーン４
とを被包するチエーンケース本体１を備え、該チ
エーンケース本体１は、スプロケツト２，３の回
転軸に直交する内外側壁１２，１３と、チエーン
４に沿う周壁１４を有し、そのチエーンケース本
体１の下部にはチエーン４により掻揚げられる潤
滑油１１が貯留され、上方スプロケツト２上方位
置の周壁１４には、ブレザー孔１０と栓体９によ
り開閉自在な潤滑油給油口７とが開口され、その
ブレザー孔１０への飛散潤滑油侵入防止用遮蔽材
１７が、ブレザー孔１０及び給油口７と上方スプ
ロケツト２との間に介装され、その遮蔽材１７の
側端とチエーンケース本体側壁との間に遮蔽材１
７の上下を連通する潤滑油供給油通孔が設けられ
ているものにおいて、前記遮蔽材１７の側端が、
給油口７、ブレザー孔１０及び上方スプロケツト
２の外側方に位置され、上方スプロケツト２外周
の、掻揚げられた潤滑油１１がチエーン４から分
離飛散する位置よりも僅かに回転方向前方位置に
近接される潤滑油跳返し材１９が遮蔽材１７から
連設され、その跳返し材１９の側端が、上方スプ
ロケツト２よりも外側方に位置されている。

（作用） 掻揚げられてチエーン４に付着した潤滑油１１
は、チエーン４の進行方向が上方スプロケツト２
によつて上向きから上方スプロケツト２周方向に
変わる際に、遠心力によつてチエーン４から分離
飛散する。この際、遮蔽材１７の側端が、給油孔
７、ブレザー孔１０及び上方スプロケツト２の外
側方に位置されるので、上方に飛散する潤滑油
は、遮蔽材１７に遮られ、給油口７やブレザー孔
１０に至ることはない。また、上方スプロケツト
２から外側方に飛散する潤滑油は、通孔１８を通
過することができるが、跳返し材１９が上方スプ
ロケツト２の潤滑油分離位置に近接し、かつ、跳
返し材１９の側端は上方スプロケツト２よりも外
側方に位置するので、潤滑油の外側方への飛散範
囲が広範囲となる前に、その飛散を遮蔽できる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づき説明す
る。

第１図において、１はチエーンケース本体、２
は上方スプロケツト、３は下方スプロケツト、４
は両スプロケツトに巻掛けられるチエーンであ
る。

チエーンケース本体１はロータリ装置の側面に
取付けられてスプロケツト２，３の回転軸に直交
する内側壁１２と、該内側壁１２に対向する外側
壁１３、該外側壁１３周縁から連設されてチエー
ン４に沿う周壁１４、該周壁１４から張出状に連
設されてボルト１５によつて内側壁１２と共にロ
ータリ装置に共締めされるフランジ１６とを有す
る。そしてチエーンケース本体１によつて両スプ
ロケツト２，３及びチエーン４が被包されてい
る。

上方スプロケツト２はロータリ装置の駆動軸５
に外嵌連結され、下方スプロケツト３は外周に耕
耘爪（図示略）を備えた爪軸６に外嵌連結され、
これによりチエーン４を介して駆動軸５の回転が
爪軸６に伝達される（本実施例では回転方向は図
中矢印Ａ方向である）。

２６は潤滑油であつてチエーンケース本体１の
下部に貯留されており、チエーン４により掻揚げ
られて潤滑を行なうものである。

７は潤滑油給油口７であり、上方スプロケツト
２の上方位置でチエーンケース１の周壁１４に開
口されたものである。該給油口７は、その開口周
縁から頚部８が形成され、該頚部８にに栓体９が
螺合されることにより開閉自在とされている。

そして、栓体９にはブレザー孔１０が開口さ
れ、これによりチエーンケース本体１内部の高温
化による高圧化を防ぎ、栓体９を開いた潤滑油１
１が噴出するのを防止している。

１７は板状の遮蔽材で、ブレザー孔１０及び給
油口７と上方スプロケツト２との間に介装された
もので、本実施例ではチエーンケース本体１の周
壁１４に固着されている。

ここで、遮蔽材１７の第１図中右方端部から
は、上方スプロケツト２外周に可及的に近接され
た潤滑油跳返し材１９が連設され、チエーンケー
ス本体１に内装されている。この近接位置は、上
方スプロケツト２外周の、掻き上げられた潤滑油
１１がチエーン４から分離飛散する位置よりも僅
かに回転方向前方とされている。この潤滑油１１
のチエーン４からの分離飛散は、チエーン４が上
方スプロケツト２によつて進行方向が変わること
による遠心力の作用に基づくものである。そのた
め、本実施例では回転方向が図中矢印Ａ方向なの
で、その飛散位置は上方スプロケツト２の図中右
斜上部位置となる。正確な位置は、回転数、油の
粘性等を考慮して実験的に定めるとよい。

そして、第２図及び第３図にも示すように、遮
蔽材１７の側端及び跳返し材１９の側端とチエー
ンケース本体１の内外側壁１２，１３との間には
隙間が設けられ、潤滑油供給用通孔１８とされて
いる。そして、遮蔽材１７の側端と跳返し材１９
の側端とは、給油口７、ブレザー孔１０及び上方
スプロケツト２の外側方に位置されている。

なお、２０はチエーンテンシヨナーであり、枢
軸２１に枢着された押付片２２と、該押付片２２
をチエーン４に押圧するピストン２３を有する油
圧シリンダ機構２４を備えている。

上記構成によれば、潤滑油跳返し材１９が、上
方スプロケツト２外周の、潤滑油１１がチエーン
４から分離飛散する位置よりも僅かに回転方向前
方位置に近接されているために、潤滑油１１の飛
散範囲が広範囲となる前に飛散を遮蔽できる。こ
れにより、潤滑油１１が潤滑油供給用通孔１８を
通つて遮蔽材１７上方に達するのを効果的に防止
でき、ブレザー孔１０から潤滑油１１が流出する
ことはない。

なお、潤滑油跳返し材１９を、第４図に示すよ
うにチエーンケース本体１の内外側壁１２，１３
を接当させるまで拡大すると、潤滑油の飛散防止
効果が増大する。

また、上記実施例ではチエーンの回転方向は第
１図中矢印Ａ方向であつたが、ロータリ爪軸の回
転方向を第５図のように矢印Ｂ方向とする場合に
は、図中左方の端部に跳返し材１９を連設し、上
方スプロケツト２外周の左斜上方に近接させれば
よく、正逆転ロータリの場合には第６図のように
両端部から跳返し材１９を連設すればよい。な
お、跳返し材１９は遮蔽材１７から連設するもの
に限らず、例えば周壁１４に固着する別体のもの
としてもよい。また、ブレザー孔１０は栓体９に
設けたが、例えば周壁１４上面に設けてもよい。

（考案の効果） 本考案によるチエーンケース装置によれば、上
方スプロケツトから上方に向かつて飛散する潤滑
油は、遮蔽材によつてブレザー孔に至るのが防止
され、上方スプロケツトから外側方に向かつて飛
散する潤滑油は、跳ね返し材によつて飛散範囲が
外側方に広がるのが防止されることにより、潤滑
油供給用通孔から上方に至るのが防止され、やは
りブレザー孔に至るのが防止され、ブレザー孔か
らの潤滑油の流出を効果的に防止でき、ロータリ
装置に用いられるものとして実用的効果に優れた
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係るチエーンケース
装置の破断側面図、第２図は同要部断面図、第３
図は同要部平面図、第４図は他の実施例に係る要
部断面図、第５図及び第６図はそれぞれさらに異
なつた実施例に係る一部破断側面図である。 １……チエーンケース本体、２……上方スプロ
ケツト、３……下方スプロケツト、４……チエー
ン、５……駆動軸、６……爪軸、７……給油口、
９……栓体、１０……ブレザー孔、１１……潤滑
油、１７……遮蔽材、１８……潤滑油供給用通
孔、１９……潤滑油跳返し材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ロータリ装置の駆動軸５に連結される上方スプ
   ロケツト２と、爪軸６に連結される下方スプロケ
   ツト３と、両スプロケツト２，３に巻掛けられる
   チエーン４とを被包するチエーンケース本体１を
   備え、該チエーンケース本体１は、スプロケツト
   ２，３の回転軸に直交する内外側壁１２，１３
   と、チエーン４に沿う周壁１４を有し、そのチエ
   ーンケース本体１の下部にはチエーン４により掻
   揚げられる潤滑油１１が貯留され、上方スプロケ
   ツト２上方位置の周壁１４には、ブレザー孔１０
   と栓体９により開閉自在な潤滑油給油口７とが開
   口され、そのブレザー孔１０への飛散潤滑油侵入
   防止用遮蔽材１７が、ブレザー孔１０及び給油口
   ７と上方スプロケツト２との間に介装され、その
   遮蔽材１７の側端とチエーンケース本体側壁との
   間に遮蔽材１７の上下を連通する潤滑油供給油通
   孔１８が設けられているものにおいて、前記遮蔽
   材１７の側端が、給油口７、ブレザー孔１０及び
   上方スプロケツト２の外側方に位置され、上方ス
   プロケツト２外周の、掻揚げられた潤滑油１１が
   チエーン４から分離飛散する位置よりも僅かに回
   転方向前方位置に近接される潤滑油跳返し材１９
   が遮蔽材１７から連設され、その跳返し材１９の
   側端が、上方スプロケツト２よりも外側方に位置
   されていることを特徴とするロータリ装置のチエ
   ーンケース装置。