JPS6321049Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車等の車輛に取付けて使用される
ヘツドランプ、フラツシヤーランプ或はコンビネ
ーシヨンランプ等の灯具に関するものである。

これらの灯具の車体への取付けに当つては、ビ
ス及びボルト等によつて所定の取付スペース内に
固定するようにしているが、取付スペースと灯具
との関係は、灯具の取付後においてガタが生じな
いように寸法精度良く形成され嵌合されている。
しかしながら、長時間使用すると、機械部材（樹
脂）の経時的変化により当接部分が変形し、全体
的にガタツキが生じてくる。このガタツキは設計
上どのように寸法精度を出しても材料の変形によ
るものであるため、灯具のガタツキを防止するこ
とができなかつた。

本考案はこのように材料の経時的変化に伴うガ
タツキを完全に防止した車輛用灯具を提供するこ
とを目的とするものである。

この目的を達成するためになされた本考案は、
ランプハウジングの前面にレンズを取付けた灯具
において、該灯具が取付けられる車体取付スペー
ス内に前記ランプハウジングを固定するために同
ランプハウジング裏面と前記スペース内壁面とを
締付固定する固定手段と、前記取付スペース内壁
面に当接するように前記ランプハウジング裏面に
形成され前記固定手段を中心とする前記ランプハ
ウジングの一方向への回動を規制するストツパ部
と、前記ランプハウジング裏面に設けられ前記ス
ペース内壁面に彈性的に当接して前記ランプハウ
ジングを前記一方向とは逆方向への回動を規制す
る弾性板状舌部とを備えたことを特徴とする灯具
であつて、構成材料が長期の使用で経時的変化に
より変形しても板状舌部のバネ性によつて変形に
追従させることができ、ガタツキが生じない取付
けが望めるのである。

次に本考案を図示の一実施例により更に詳しく
説明すると、１は自動車用のヘッドランプ全体を
示すものであり、該ヘツドランプの外周面にはヘ
ツドランプベゼル（グリル）２が設けられてお
り、該ヘツドランプベゼルの内部にはヘツドラン
プと並設してコンビネーシヨンランプ３が取付け
られる。

ヘツドランプ１及びコンビネーシヨンランプ３
は共にヘツドランプベゼル２を介して車体に取付
けられることになり、ヘツドランプベゼルはヘツ
ドランプ及びコンビネーシヨンランプの取付スペ
ースを形成することになる。そしてこれらランプ
はいづれも前面側にレンズが設けられ背面側には
リフレクターもしくはランプハウジングが設けら
れる構造である。

本考案は特にコンビネーシヨンランプを灯具の
代表として以下に説明する。コンビネーシヨンラ
ンプ３はランプハウジング４を樹脂で形成し、該
ランプハウジングの前面にレンズ５が取付けられ
ている。更に、ランプハウジング４には、下端の
前方部にストツパー片４ａが設けられ、ほぼ中央
部には光源６が取付けられると共に、上部には前
記ヘツドランプベゼル２換言すれば取付スペース
２ａへの係止部材７が取付けられている。この係
止部材７は、第３図に示すようにランプハウジン
グ４の裏面に突設された一対の回り止め用ストツ
パー片４ｂの間に挾まれるようにしてボス４ｃに
ビス止めされ、Ｕ字形に屈曲された遊端側にはバ
ネ性を有するフツク片７ａが設けられている。ま
た、ランプハウジング４の側方への回り込み部
４′の端部の下隅には取付用のボス４ｄが形成さ
れている。

一般的には、前記した各構成部材からなり、コ
ンビネーシヨンランプ３を取付けるには、前記取
付スペース２ａ内に挿入して前記係止部材７を取
付スペース２ａ内の所定位置に設けられた係止部
２ｃに嵌入係止し、取付スクリユー９を前記ラン
プハウジング４のボス４ｄに挿入し、ヘツドラン
プベゼル２の所定位置に設けられた取付ボス部Ａ
に締着固定するようになつている。この際本願考
案にあつては、取付スペース２ａの内壁面２ｂに
当接する位置で且つランプハウジング４と一体的
に板状舌部８が突出形成されており、該板状舌部
８にはバネ性が付与されているので、ガタや遊び
が生じることなく確実に取付けることができる。
即ち、前記板状舌部８が常に取付スペース２ａの
内壁面２ｂと弾性的に係合することにより、ガタ
ツキを吸収し材料の経時的変化があつたにしても
安定した取付けが望めるのである。更に、取付時
において、前記取付スクリユー９を取付ボス部Ａ
に締付けると、その締付作用による回転トルクＴ
が発生し、コンビネーシヨンランプ３を回転させ
ようとするが板状舌部８のバネ力は逆方向に作用
する力T_Sとなり、Ｔ≦T_Sなるつり合いの力関係
が生ずるように設定されており、締付けによるコ
ンビネーシヨンランプ３の時計回り方向の回転が
防止されている。又、逆の方向に取付スクリユー
を回す場合に取付ボス部Ａ点において逆方向のト
ルクが発生するが、このとき前記ストツパー片４
ａが、Ｂ点で取付スペース２ａの内壁面に圧接す
ることによつて生じるストツパー作用により、取
付ボス部Ａを支点とする反時計回り方向の回転が
防止される。

尚、この実施例にあつては、コンビネーシヨン
ランプをヘツドランプベゼルに取付ける構造につ
いて説明したが、他の灯具を直接的に車体に取付
ける場合であつても、取付スペースとなる部分に
対し、弾性的に係合する板状舌部を設けておきさ
えすれば実質的に本考案と同一の技術的思想にな
る。

以上説明したようにこの考案は、取付スペース
内にランプを挿入し、スクリユーで固定するよう
にした取付構造において、ランプハウジングの裏
面にバネ性を付与した板状舌部を設けると共に、
取付スペースの内壁面に圧接するストツパー部を
設けたので、板状舌部が取付スペースの内壁面に
弾性的に圧接し、前記ストツパー部の圧接と相俟
つて前記スクリユーの締付部を支点とする回転を
未然に防止することができ、灯具或は取付スペー
スにおける嵌合のための寸法精度がそれほど要求
されずラフに製造でき、製造が容易であると共
に、材料の経時的変化で変形しても、変形による
寸法不釣合のガタツキを吸収でき長期に亘つて安
定した取付けが望めると云う優れた効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る一例の灯具を利用したヘ
ツドランプの正面図、第２図は第１図の−線
に沿う拡大断面図、第３図は灯具の背面側から見
た斜視図、第４図は係止部材の係止状態を示す説
明図である。 ｛１……ヘツドランプ、３……コンビネーシヨ
ンランプ｝灯具、２……ヘツドランプベゼル、２
ａ……取付スペース、２ｂ……内壁面、４……ラ
ンプハウジング、４ａ……ストツパー片、５……
レンズ、６……光源、７……係止部材、８……板
状舌部、９……取付スクリユー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ランプハウジングの前面にレンズを取付けた灯
   具において、該灯具が取付けられる車体取付スペ
   ース内に前記ランプハウジングを固定するために
   同ランプハウジング裏面と前記スペース内壁面と
   を締付固定する固定手段と、前記取付スペース内
   壁面に当接するように前記ランプハウジング裏面
   に形成され前記固定手段を中心とする前記ランプ
   ハウジングの一方向への回動を規制するストツパ
   部と、前記ランプハウジング裏面に設けられ前記
   スペース内壁面に彈性的に当接して前記ランプハ
   ウジングを前記一方向とは逆方向への回動を規制
   する弾性板状舌部とを備えたことを特徴とする車
   輛用灯具。