JPS6320940Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の技術分野） 本考案は冷凍バン車両、冷凍コンテナ（以下冷
凍コンテナという）にヒートパイプ（Heat
pipe）よりなる熱伝達装置を応用して冷凍コンテ
ナ内の冷凍貨物の品質をコンテナの前後何れの位
置にあつても均一に保持しうるようにした冷凍コ
ンテナの補助冷却装置に関するものである。

（背景技術の問題点） 従来の冷凍コンテナは吹出口および吸込口が冷
凍コンテナの前壁側に設置されている。この為比
較的長尺の冷凍コンテナにおいては冷凍貨物を満
載した場合後壁側の冷気循環がどうしても不足が
ちとなり、このために後壁側の冷凍貨物の品質の
低下又は不良が発生した。

この弊害をなくすために庫内の冷気通路の工
夫、冷気の吹出し方法、貨物の積付け方法等種々
工夫をこらしてはいるが、これらにはおのずと限
界があり、冷凍コンテナ輸送上における早急に解
決したい問題であつた。

（考案の目的） 本考案はこの問題を解決するため、公知ヒート
パイプを応用して大きな冷凍コンテナ内を効率的
に冷却することのできる補助装置を提供すること
を目的とするものである。

（考案の概要） 両側壁後部の内張板に冷却板を設置し、該冷却
板と冷凍コンテナに装備されている冷凍ユニツト
の蒸発器とをいわゆるヒートパイプで接続し、蒸
発器で発生する冷却エネルギーを冷却板に伝達し
て庫内を均一な温度に管理しうるようにしたもの
である。

（考案の実施例） 本考案はいわゆるヒートパイプと称する熱伝達
装置を冷凍コンテナに応用したもので、冷凍コン
テナに冷凍貨物を満載して輸送する場合に発生す
る冷気循環の不均一を解消する為、冷凍ユニツト
の蒸発器で発生するエネルギーをヒートパイプを
介して冷凍コンテナの側壁後部側に設けた冷却板
に伝達させその冷却板にて後部の冷凍貨物を前部
と同様後部も冷却して庫内冷凍貨物の品質と温度
を均一に維持しようとしたものである。

以下図を参照して説明する。第１図は冷凍コン
テナで、１は冷凍ユニツトで前壁側にとりつけら
れている。２は後扉、３は側壁である。

第２図は冷凍コンテナの横断面図である。４は
前壁で、この前壁と隔壁６との間に冷凍ユニツト
の蒸発器５が設けられ、これにより冷気を発生
し、冷凍コンテナ内にこの冷気を循環させるよう
になつている。

７はヒートパイプで、側壁３内の断熱材層８内
に埋設されており、さらに露出部はすべて断熱材
で覆われ側壁３の後部内側に設けた冷却板９と連
結されている。なお１０は側壁３の外板、１１は
同じく内張板である。

蒸発器５で発生した冷気は第３図の如く冷凍コ
ンテナの側壁に設けたダクトを介しコンテナ内に
送られる。又コンテナ内を循環した冷気は前壁の
前記ダクト１２の反対側から蒸発器に戻る（第３
図矢印１３）。１４は側壁３の内側に設けた通風
用通路で、これにより冷凍コンテナの積載物と側
壁との間に冷気が通り易くしている。

冷却板の取付方法には、内張板がFRP等の絶
縁材質である場合には良導体の冷却板、例えば銅
板、アルミ板、ステンレス板等が第２図の如く内
張板１１の上面に張られる。内張板１１がステン
レス等の良導体で出来ている場合には、内張板１
１と同形のもの（第５図）を絶縁材１５を介しと
りつけたものでよい。

以上本考案によれば、冷凍ユニツトの蒸発器で
発生する冷気エネルギーをヒートパイプを使用し
て冷凍コンテナの後壁側に供給し、冷却板を介し
て後部からも冷却できるので、積載される冷凍貨
物の品質を均一に維持できる。

又ヒートパイプを側壁の断熱層内に埋設したの
で、ヒートパイプを損傷することがなく、又積載
効率を損う事がない等のすぐれた効果を有するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は冷凍コンテナの斜視図。第２図は冷凍
コンテナの横断面図。第３図は冷凍コンテナの内
方前部の断面図。第４図は冷却板の他の取付例を
示す。第５図は第４図の矢視部詳細図。 図において；１……冷凍ユニツト、２……後
扉、３……側壁、４……前壁、５……蒸発器、６
……隔壁、７……ヒートパイプ、８……断熱材
層、９……冷却板、１０……外板、１１……内張
板、１２……ダクト、１３……（冷気の）戻り
部、１４……通風用通路、１５……絶縁材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前壁部に冷凍ユニツトを装着した冷凍コンテナ
   に於て、冷凍ユニツトの蒸発器と冷凍コンテナの
   両側壁後部内面に固着された冷却板間を側壁内の
   断熱材層内に埋設されたヒートパイプで接続した
   ことを特徴とする冷凍コンテナの補助冷却装置。