JPS6230713Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、船舶や自動車などに積載する冷凍庫
に関するものである。

【従来の技術と問題点】

この種の冷凍庫は、船舶の他、自動車などに積
載するという条件のため、庫内有効空間をできる
だけ確保するために、直方体形の冷凍庫体の一部
を切欠いて外部から冷凍装置を装着する場合で
も、冷凍庫体の一側に片寄せて冷凍装置を装備
し、他側空間をできるだけ有効に使用できるよう
に配慮している。しかしながら、このような冷凍
装置設置位置の制約から、庫内への冷風の循環に
片寄りが起り、とくに、冷凍装置取付け位置と並
ぶ冷凍庫体の突出部内の冷風循環がわるく、折
角、庫内有効空間を拡げながら、冷凍物貯蔵空間
として充分活用できないという問題があつた。 なお先行技術として実開昭49−133860号公報が
ある。 本考案は、上記事情にもとづいてなされたもの
で、冷凍庫内全域にわたる冷風循環を助けると共
に、冷凍装置と並ぶ冷凍庫体の突出部空間を冷凍
物貯蔵にも有効に活用できるように改良した冷凍
庫を提供しようとするものである。

【問題点を解決するための手段】

この目的のため、本考案は直方体形の冷凍庫体
の一部を切欠いて外部装着の冷凍装置を具備する
ものにおいて、上記冷凍装置に並んで残された冷
凍庫体の突出空間に循環用フアンを設けると共
に、上記冷凍庫体内に開口する冷凍装置の冷風吹
出し口に上記循環用フアン取付け側冷凍庫体一側
に向けて冷風を導く導風板を設置したことを特徴
とするものである。

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面を参照して具体
的に説明する。図において、符号１は、自動車車
体２に搭載された冷凍庫体であり、ほぼ直方体形
で、その前端一側を切欠いて、そこに外部装着の
冷凍装置３を装備するものである。上記冷凍装置
３は、下側にコンプレツサ３ａなどの機構を具備
し、上側に筐体３ｂで囲まれたエバポレータ３ｃ
を装備していて、ここには、循環用通路３ｄが設
けられており、上記循環用通路３ｄはその一端側
をエバポレータ３ｃの背部に、また、その他端側
を上記エバポレータ３ｃの一側で上記冷凍庫体１
内に開口する吸込み口４に連通している。また、
上記冷凍庫体１内に開口する吹き出し口５とエバ
ポレータ３ｃとの間には、送風フアン６が設けて
あり、吹き出し口５には、冷風を庫内中央に導く
導風板７が設けられている。また、上記冷凍装置
３と並んで残された冷凍庫体１の突出空間１ａの
端壁には、比較的上部に位置して循環用フアン８
が設けられている。 このような構成では、上記冷凍装置３の位置が
冷凍庫体１に対して一側（この実施例では左側）
に片寄つて設置されているにも拘らず、導風板７
の働きで、冷風は、冷凍庫内中央に吹き出され、
また、冷風の滞留し勝ちな突出空間１ａからはフ
アン８による強制冷風循環がなされるため、庫内
全域に亘つて均一でかつ効果的な冷凍効果が得ら
れる。しかも、循環終期には、冷凍庫体１の左側
に空気が戻り、これが吸込み口４から冷凍装置３
へと戻されるので、理想的な冷風循環が行われる
ことになる。 実際に実験した結果によれば、従来の方式では
庫内温度幅は約10℃であつたが、本考案の方式で
は３℃以下となり、庫内温度分布が均一化してい
ることを示している。

【考案の効果】

本考案は、以上詳述したように、冷風滞留の著
しかつた突出空間を利用して、むしろ、冷風循環
効果をあげるためにフアンを設置して、庫内の片
寄つた冷凍状況を一掃し、均等化された効果的な
冷凍効果を上げることができるという実用上の利
益を得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す横断平面図、
第２図は同縦断側面図である。 １……冷凍庫体、１ａ……突出空間、２……自
動車車体、３……冷凍装置、３ａ……コンプレツ
サ、３ｂ……筐体、３ｃ……エバポレータ、３ｄ
……循環用通路、４……吸込み口、５……吹き出
し口、６……送風フアン、７……導風板、８……
循環用フアン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 直方体形の冷凍庫体の一部を切欠いて外部装着
   の冷凍装置を具備するものにおいて、上記冷凍装
   置に並んで残された冷凍庫体の突出空間に循環用
   フアンを設けると共に、上記冷凍庫体内に開口す
   る冷凍装置の冷風吹出し口に上記循環用フアン取
   付け側冷凍庫体一側に向けて冷風を導く導風板を
   設置したことを特徴とする冷凍庫。