JPS6319698Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は気化式バーナーに係り、燃料室壁の
熱を利用して燃料を気化させようとするものに関
する。従来の気化式バーナーは電熱ヒーターによ
つて燃料を気化しているので燃焼中は常時電熱ヒ
ーターを使用しており、エネルギーの消耗が大き
い。また、大量燃焼、例えば５／ｈ以上の燃焼
をさせる場合等では電熱ヒーターでは膨大な出力
のものを必要とし不経済であるし、また気化がス
ムーズに行えないために不完全燃焼を起こす等の
欠点があつた。この考案は、上述のような欠点を
改善するためになされたもので、燃焼室壁の外周
に所定の間隙を介して燃料導管を巻着して燃料気
化管とし、燃料がこの部分を通過する際に燃焼室
壁の熱によつて燃料を気化させ、この気化燃料を
燃焼室に導いて燃焼させるようにしたものであ
る。このようにした場合は、燃焼室壁は非常に高
温（700℃〜900℃程度）になるので燃料の気化は
スムーズに行われ、大量燃焼においても、燃料の
気化エネルギーが不足することはないものであ
る。次にこの考案の一実施例を図面について説明
する。

１はこの考案の一例を示す気化式バーナーの本
体で、この本体は１金属製の筒状をなし、筒状の
燃焼室２、テーパー状の二次気化室３、軟テーパ
ー状の通気管４、ベンチユリー状のエジエクター
部５を一体に構成し、燃焼室２と二次燃料気化室
３との境界部には多孔６の火炎板７，８の間に石
綿金網またはセラミツク等のバツクフアイヤー防
止用ネツト９を介在し、また、火炎板７の中央部
には燃焼室２側にステー１０を介して円盤状の火
炎誘導盤１１を設け、さらに、燃焼室壁１２の根
部外周には所定の間隙（本実施例では約２mm）１
３を介して燃料導管１４を数状巻着して燃料気化
管１５を構成して成るものである。そして、燃料
気化管１５の一端１６は電磁ポンプ１７を介して
燃料タンク（図示しない）に連結し、他端は電熱
プレヒーター１８を経てエジエクター部５に臨ま
せた噴出ノズル１９に連結する。また、燃焼室壁
１２の一側にはフレームセンサー２０は電熱プレ
ヒーター１８のスイツチと連結し燃焼室壁１２の
温度を感知して電熱プレヒーター１８の作動を停
止させるようにしてある。また、燃焼室２の先端
下部には溜り溝２１を設け初動時の生ガス滴の漏
出するようにしてある。

このように構成したバーナーの作用について説
明すると、まず、電熱プレヒーターを400℃程度
に加熱しておき電磁ポンプ１７によつて燃料（こ
の実施例では灯油）を供給すると、この燃料は燃
料気化管１５を経て電熱プレヒーター１８部に達
し、ここで電熱プレヒーター１８の熱によつて燃
料が蒸発気化されノズル１９から気化ガスが噴出
し、エゼクター効果によつて吸入される外気と十
分混合さながら通気管４から二次燃料気化室３に
達し、火炎板７，８を通過して燃焼室２に達す
る。この状態において燃焼室２内にて点火を行う
と充分混合気化した燃料はスムーズに着火され
る。火炎板７から出る炎は円盤状の火炎誘導盤１
１によつて燃焼室壁１２に吹きつけられ、燃焼室
壁１２は赤熱化（70℃〜900℃）される。又、燃
焼ガス中の未気化、未燃焼の燃料はこの火炎誘導
盤１１に衝突して再気化燃焼される。この燃焼室
壁１２からの放射熱によつて燃料気化管１５が
300℃〜400℃に加熱され、燃料気化管１５内の燃
料が蒸発気化し、ノズル１９から気化燃料が噴出
されるようになる。この状態においては電熱プレ
ヒーターの作用は不用となるのでフレームセンサ
ー２０によつて電熱プレヒーター１８はOFFと
なる。このように着火後は燃焼室２の熱によつて
燃料を気化されるものである。燃料は300℃以上
になると炭火がすすみ管内壁に付着し流路を閉塞
するので、燃料気化管は400℃以上になつてはい
けない。燃料気化管を燃焼室壁１２に接触させた
り、又は火炎で直接加熱すると燃料気化管１５が
部分的あるいは全体的に高温になりすぎ燃料気化
管１５内で燃料が炭化し管内壁に付着することに
なり耐久性に欠けることとなるが、この考案は燃
焼室壁１２の外周に間隙１３を介して巻着したの
で、気化管全体が平均的かつ適温に加熱されるよ
うにすることができ、したがつて燃料気化管１５
内壁に炭火物等の付着もなく長時間の使用に耐え
得るようになつたものである。また、火炎板７，
８にバツクフアイヤー防止用ネツトが狭持されて
いるので、気化式バーナーの稼動終了時等におい
て、第２次気化管にある残留ガスに引火するおそ
れがない。又、二次燃料気化室３と通気管４がテ
ーパー状に構成されているのでそれらの内部での
気化ガスの再凝縮が緩和される。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明のバーナーの一実施例を示すもの
で、第１図はバーナーの中央縦断面図、第２図は
燃焼室・気化管部の横断面図である。 １……バーナー本体、１２……燃焼室壁、１５
……燃料気化管、１３……燃料気化管１５と燃焼
室壁１２との間隙、１１……火炎誘導盤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 気化式バーナーにおいて、筒状の燃焼室１とテ
   ーパー状の二次燃料気化室３と軟テーパー状の通
   気管４とベンチユリー状のエジエクター部５とが
   一体に構成され、燃焼室２と二次燃料気化室３と
   の境界部には、バツクフアイヤー防止用ネツト９
   を爽持した多孔６を有する火炎板７，８が装着し
   てあり、燃焼室２側の多孔６を有する火炎板７の
   中央部にはステー１０を介して円盤状の火炎誘導
   盤１１が装着されていることを特徴とする気化式
   バーナー。