JPS6319629Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、遠心クラツチに於ける遠心力の抑
制装置に関するものである。

従来の遠心クラツチは、入力側の運転開始にと
もない相手側（例えばポンプ等）に即動力を伝え
る構造となつているので、入力側エンジンのアイ
ドリング等に際し運転すると同時に相手側を嫁働
し、空運転により故障或は事故が発生することが
ある。

このため、動力側と遠心クラツチとの間に別途
手動或は電動のクラツチを介在するか、またはシ
ヤフトの継手を分解しなければならない欠点があ
つた。

この考案は、シユーに作用する遠心力を抑制で
きるようにして、上述の欠点を解消することを目
的としている。

この考案は、入力軸の回転体とシユーとの間に
シユーに作用する遠心力の抑制用バネを組み込む
と共に、ネジ軸の回動操作により遠心力の抑制力
を自由に調節できるようにして、このバネにより
クラツチの特性カーブを駆動機、被動機の特性に
適応させるように設定し、またトルク伝達開始回
転速度を任意に設定することが可能になつた遠心
クラツチに於ける遠心力の抑制装置を提供する。

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

図において、１は入力軸で、この入力軸１の末
端には、上記入力軸１と共に回転する回転体２が
設けられている。

また、回転体２の外周面等間隔位置には、複数
の凹入部３が設けられている。

さらに、上記の各凹入部３には、シユー４の裏
面から突出する突部５が嵌入している。

また突部５の両端面が凹入部３の両端面とに
は、互に合致する切欠き６．７が形成されてい
る。

上記の切欠き６．７は、図示の場合二条並設し
たが、その数は限定されない。

さらに、上記の対向する各切欠き６．７には、
遠心力によりシユー４が移動したとき傾動するゴ
ム或は軟質合成樹脂製の弾性ブロツク８が嵌め込
まれている。

上記のブロツク８は、図示の場合太鼓状になつ
て傾動しやすいようになつている。

また、シユー４の表面には、ライニング９が設
けられている。

１０は出力軸で、この出力軸１０の末端には、
上記出力軸１０と共に回動すると共に、シユー４
の外側に嵌装する筒状体１１が設けられている。

また、シユー４の表面中央部から内方に凹部１
２を、かつ突部５の表面から内方に凹部１３をそ
れぞれ設けると共に、この両者凹部１２．１３を
透孔１４により連通状とする。

さらに、回転体２の外周には、上記凹部１３に
先端部を嵌入させた筒体１５の末端が支持されて
いる。

上記筒体１５の支持方法は、図示の場合回転体
２に内周と外周とが連通する通孔１６を設けて、
この通孔１６に筒体１５を嵌挿すると共に、通孔
１６の開口縁に設けてある段部１７に筒体１５の
末端縁から突出する鍔１８を嵌め込み係止して、
通孔１６から筒体１５が抜けないようになつてい
る。

また、筒体１５内に上記筒体１５の先端から抜
け出ない弾性部材１９及び筒体１５の末端側に位
置するようナツト２０を組み込むと共に、凹部１
２に工具の係合頭部が没入するよう透孔１４から
弾性部材１９にボルト２１を貫通させて、ナツト
２０に上記ボルト２１をねじ込む。

なお、弾性部材１９は、図示の場合コイルスプ
リングを使用したが、ゴム製の筒体を使用しても
よい。

図中２２は入力軸１に回転体２を固定する締付
具である。

この考案に係る遠心クラツチは、以上の構成で
あつて、次にその作用を説明すると、例えばエン
ジンの運転により入力軸１を駆動すると、上記入
力軸１と共に回転体２が回転する。

このとき、上記回転体２に弾性ブロツク８を介
し支持してある各シユー４には、回転にともない
発生する遠心力により外方に移動せんとする力が
作用する。

しかして、高速な回転にともない大きな遠心力
が働くと、その遠心力により弾性部材１９を圧縮
しながら外方にシユー４を移動させるので、筒状
体１１の内周にシユー４のライニング９を圧接す
る。

このため、入力軸１から出力軸１０に回転が伝
達される。

なお、クラツチの設置前に頭部に係合するドラ
イバ等の工具によりボルト２１を回動させながら
ナツト２０を移動させ、そして弾性部材１９の圧
縮を強め或は圧縮を弱めて遠心力の抑制力を調節
しておく。

以上のように、この考案に係る遠心クラツチに
よれば、回転体に弾性部材を介しシユーを引きつ
けているので、入力軸が高速になる迄シユーに作
用する遠心力を抑制することができる。

このため、入力軸の駆動エンジンの低速に於け
る空運転（アイドリング）等を可能にすることが
できる。

また、弾性部材の弾力は、ボルトによつて自由
に調節することができるので、所定の抑制力を簡
単に設定することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る遠心クラツチの一部切
欠側面図、第２図は第１図Ｘ−Ｘ線に沿う断面
図、第３図は同上の要部を示す一部切欠拡大側面
図である。 １……入力軸、２……回転体、３……凹入部、
４……シユー、５……突部、６，７……切欠き、
８……ブロツク、９……ライニング、１０……出
力軸、１１……筒状体、１２……凹部、１３……
凹部、１４……透孔、１５……筒体、１６……通
孔、１７……段部、１８……鍔、１９……弾性部
材、２０……ナツト、２１……ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 入力軸と、この入力軸の末端に上記入力軸と共
   に回動するよう設けた回転体と、この回転体の外
   周等間隔位置に設けた凹入部と、表面にライニン
   グを有するシユーと、このシユーの裏面に上記凹
   入部に嵌入するよう設けた突部と、凹入部と突部
   との対向端面に合致するよう設けた切欠きと、遠
   心力によりシユーが移動したとき圧縮しながら傾
   動するよう上記切欠きに押し込んだゴム或は軟質
   合成樹脂製の弾性ブロツクと、出力軸と、この出
   力軸の末端に上記出力軸と共に回転し、かつ回転
   体の外側に嵌装するよう設けた筒状体とから成る
   遠心クラツチに於て、上記シユーに頭部がシユー
   の表面に没入するボルトを貫通させると共に、回
   転体の表面に筒体の末端を支持させ、また筒体内
   にナツトを嵌入して、このナツトにボルトの先端
   をねじ込み、さらにナツトと筒体の先端とに端面
   が当接するようにして上記筒体に弾性部材を組み
   込んだことを特徴とする遠心クラツチに於ける遠
   心力の抑制装置。