JPS6319614B2 - - Google Patents
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- JPS6319614B2 JPS6319614B2 JP8742281A JP8742281A JPS6319614B2 JP S6319614 B2 JPS6319614 B2 JP S6319614B2 JP 8742281 A JP8742281 A JP 8742281A JP 8742281 A JP8742281 A JP 8742281A JP S6319614 B2 JPS6319614 B2 JP S6319614B2
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- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
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Description
本発明はスパンライク二層構造糸、更に詳しく
は、芯糸の周りに捲付糸が交互撚糸状に捲付いて
なるスパンライク二層構造糸の改良に関する。 従来、仮撚捲縮加工を施された、少くとも2種
のフイラメント糸の一方を芯糸(太デニール低伸
度成分)として、その周りに他方のフイラメント
糸が交互撚糸状に捲付き、且つ、該捲付糸(細デ
ニール高伸度成分)を構成するフイラメントの一
部は芯部のフイラメントと界面に於いてランダム
にの混合・交錯してなる二層構造糸は特開昭54―
101946号公報により知られている。 この糸は風合,外観がスパンライクであると同
時にしごき等の外力によつて捲付糸が滑りネツプ
を発生するというような懸念のない安定化された
糸である。しかしながら、その具体例においては
伸度の相異なる2種以上のマルチフイラメントを
それぞれ別個に紡糸した後、混繊・仮撚加工して
おり、近年スパンライクの高級差別素材として特
に要求の高い150デニール以下、就中75デニール
以下の細デニール糸については、最終目的より更
に細デニールのマルチフイラメントを、2種以上
紡糸し、更に混合する工程が必要であるので製糸
コストが高くなり採算に合わない欠点がある。 この製糸コストを抑えかつフイラメント間に構
造差,物性差,デニール差,形態差を与える方法
としては紡糸混繊法がありこれまた従来より検討
されている。該方法は紡糸工程において混繊を行
うものであり、その場合、同一ポリマーによる方
法と、化学構造,粘度等の異なる複数のポリマー
を同時紡糸する方法とがある。 前者の同一ポリマーによる紡糸混繊の場合、紡
糸口金の各吐出孔からの吐出量を変化させる事に
よつて、デニール,断面,物性の異なるフイラメ
ント集合体を得るのである。しかしながら該方法
においては太デニールフイラメントの冷却は細デ
ニールフイラメントの冷却より遅れるため、太デ
ニール成分は低配向高伸度成分に、逆に細デニー
ル成分は高配向低伸度成分になつてしまう。かく
の如きマルチフイラメントをウーリー加工した場
合、細デニール成分により強い張力が働くため、
加工糸の中心部に細デニールフイラメントが集ま
り、外層部に太デニールフイラメントが浮いてく
る欠点があり、該織編物は固いタツチと弱い腰を
有する事になる。従つて一般にスパンライクとし
て必要な柔かなタツチと張りのある腰とは全く異
なる風合になつてしまうのである。 以上のような理由から、複数のポリマーを同時
紡糸する方法が上記目的にとつて残された有力な
手段となる。しかしながら、全く同一条件の紡糸
によつて大きな物性差が発現するようなポリマー
の組合せは、実際には非常に少ないのが現状であ
り、更に特殊なポリマーを用いるとポリエステル
の持つ風合を失わせる事にもなりかねない。 本発明者らは叙上の点にかんがみ柔軟なタツチ
と張りのある腰を呈する、細デニールの二層構造
糸を安価に得るべく鋭意検討を重ねた結果、ポリ
エステルにある種の不飽和結合を有する単量体よ
り得られた重合体を少量ブレンドすると該ポリエ
ステルの微細構造,物性が驚異的に変り、これに
より紡糸混繊によつて充分な伸度差を有する少く
とも2成分糸の細デニール原糸が得られることを
見出し、本発明に到達した。 すなわち、本発明によれば、 仮撚捲縮加工を施された、少くとも2種のフイ
ラメント糸の一方を芯糸として、その周りに他方
のフイラメント糸が交互撚糸状に捲付き、且つ、
該捲付糸を構成するフイラメントの一部は、芯部
のフイラメントとランダムの混合・交錯してなる
二層構造糸において、芯部のフイラメントは、ポ
リエチレンテレフタレート,ポリトリメチレンテ
レフタレート及びポリテトラメチレンテレフタレ
ートより成る群から選ばれた1種、または複数の
ポリエステルのブレンド体及び/または共重合体
から成るフイラメント群から構成され、鞘部のフ
イラメントはポリエチレンテレフタレート,ポリ
トリメチレンテレフタレート及びポリテトラメチ
レンテレフタレートより成る群から選ばれた1
種、または複数のポリエステルのブレンド体及
び/または共重合体を基質とし、これにスチレン
系重合体,メタクリレート系重合体及びアクリレ
ート系重合体より成る群から選ばれた1種、また
は複数の重合体を対基質重量で0.4〜8重量%添
加してなるフイラメント群から構成されているこ
とを特徴とするスパンライク二層構造糸が提供さ
れる。 本発明において仮撚加工後に芯糸となるフイラ
メント群()はポリエチレンテレフタレート,
ポリトリメチレンテレフタレート,ポリテトラメ
チレンテレフタレートのいずれかのポリエステ
ル、あるいはこれらポリエステルの任意の組合せ
によるポリマー組成物によつて構成される。但
し、該組成物全量に対し、10重量%未満の範囲で
艷消,染色性向上,帯電防止等各目的の添加物質
を共重合体又はブレンド体として含んでいても差
支えない。 一方、捲付糸となるフイラメント群()はポ
リエチレンテレフタレート,ポリトリメチレンテ
レフタレート,ポリテトラメチレンテレフタレー
トのいずれかのポリエステル、あるいはこれらポ
リエステルの任意の組合せによるポリエステルを
基質としこれに、スチレン系重合体,メタクリレ
ート系重合体,アクリレート系重合体よりなる群
から選ばれた1種、または複数の重合体を対基質
重量で0.4〜8重量%添加してなるポリマー組成
物によつて構成される。但し、該組成物全量に対
し、10重量%未満の範囲で艷消,染色性向上,帯
電防止等各目的の添加物質を共重合体又はブレン
ド体として含んでいても差支えない。 本発明の原糸において重要な事はフイラメント
群()の平均の切断伸度がフイラメント群
()の平均切断伸度より大きい事である。驚く
べき事に、スチレン系,メタクリレート系,アク
リレート系重合体のように側鎖にバルキーな置換
基を有する直鎖状化合物をポリエステルに添加す
る事によつて各フイラメントの分子鎖の配向は大
幅に低下し、伸度は大幅に増大する。この理由は
未だ明確ではないが、該添加重合体は独特の化学
構造のため、ポリエステルマトリツクス中で引き
伸ばされる事が少なく、直径500Å以下の微粒子
として分散していると推定される。この微粒子が
基質ポリエステルのミクロフイブリル間にあつて
「コロ」の如き作用をしているため、上記配向低
下、伸度増加の現象がおこるものと考えられる。 該添加重合体の好ましい具体例としては、スチ
レン,α―メチルスチレン,p―メトキシスチレ
ン,ビニルトルエン,クロルスチレン,ジクロル
スチレン等のスチレン誘導体の重合体、あるいは
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等
のメタクリレート誘導体の重合体、あるいはメチ
ルアクリレート,エチルアクリレート等のアクリ
レート誘導体の重合体等があげられる。就中好ま
しいのはコストの面からポリスチレン,ポリメチ
ルメタクリレートである。 これら添加重合体はフイラメント群()中の
ポリエステル基質に対し、0.4〜8重量%含まれ
る事が必要である。0.4重量%に満たない場合、
配向度低下,伸度増加の効果は認め難いし、他
方、8重量%を越える程多量に添加した場合に
は、逆に添加重合体が欠陥としての働きをするよ
うになるためフイラメント群()は弱糸化す
る。そのため紡糸性,加工性等の工程調子が著し
く悪化するため好ましくない。 かかる原糸中、フイラメント群()の平均単
繊維デニールはフイラメント群()の平均単繊
維デニールより小さくない事が好ましい。前述の
理由から本発明におけるフイラメント群()は
()に比べて高配向低伸度となるため、延伸あ
るいは加工時に強い張力が働きマルチフイラメン
トの芯部に集中する傾向がある。従つてフイラメ
ント群()の単糸デニールが()より小さい
場合には、該マルチフイラメントによる織編物の
風合は腰がないものとなつてしまう。逆に、フイ
ラメント群()の単糸デニールが()より小
さい場合には太デニールフイラメント群がマルチ
フイラメントの中心部を形成し、細デニールフイ
ラメント群が外周部に配置されるため、目的とす
るスパンライクの品質へ近づいてくる。 また本発明においては細デニールフイラメント
群は太デニールフイラメント群を被覆する必要が
ある。この意味からフイラメント群()のフイ
ラメント数は()のフイラメント数より多くな
い事が好ましい。更に、フイラメント群()の
トータルデニールDe()および()のトータ
ルデニールDe()は式 0.25≦De()/De()≦4 を満足する事が望ましい。トータルデニール比が
上記範囲内ではマルチフイラメントは適度のふく
らみを発現しうるが、上記範囲をはづれるとフイ
ラメント群()および()の間のバランスが
崩れ、マルチフイラメントのふくらみ発現力は弱
くなる。 本発明で用いる上述の如きポリエステルマルチ
フイラメントは、実質的にポリエチレンテレフタ
レート,ポリトリメチレンテレフタレート及びポ
リテトラメチレンテレフタレートより成る群から
選ばれた1種、または複数のポリエステルによつ
てなるポリマー組成物()と、実質的にポリエ
チレンテレフタレート,ポリトリメチレンテレフ
タレート及びポリテトラメチレンテレフタレート
より成る群から選ばれた1種、または複数のポリ
エステルを基質としこれに、スチレン系重合体,
メタクリレート系重合体及びアクリレート系重合
体より成る群から選ばれた1種、または複数の重
合体を対基質重量で対し0.4〜8重量%添加して
なるポリマー組成物()をそれぞれ溶融し互い
に混じり合わせることなく別個の吐出孔より吐出
し、冷却后合糸して引取る事によつて製造でき
る。 上記ポリエステル同士のブレンド、又はポリエ
ステルに対する重合体の添加は任意の方法を採用
する事ができる。例えばポリエステルの重合工程
で行つても良く、また各重合体を同時に溶融混合
して押出し冷却後、切断してチツプ化しても良
い。更には各重合体をチツプ状で混合した後、そ
のまま溶融紡糸してもよい。この場合には混練度
を高めるため、スクリユー型溶融押出機を用いる
のが好ましい。 本発明においてポリマー組成物()と()
はそれぞれ別個の口金より吐出してもよい。しか
しながら、フイラメントの混繊性を高めるために
は同一の紡糸口金の異つた吐出孔より吐出する方
がより好ましい。 このようにして紡糸口金により、フイラメント
群()と()を混繊すると、仮撚加工前にイ
ンターレースノズル等による交絡処理を必ずしも
必要としない。 但しこの場合、パツク内のポリマーの流路が複
雑になるので外周部に配置する吐出孔よりポリマ
ー組成物()を吐出し、内周部に配置する吐出
孔よりポリマー組成物()を吐出する事が望ま
しい。 このようにすると、仮撚加工時に、低伸度側の
フイラメント群()は糸の外層部から内層部
へ、逆に高伸度側のフイラメント群()は糸の
内層部から外層部へ移行し、加工糸の芯部と鞘部
の界面での交絡が形成されやすくなる。 かかるポリエステルマルチフイラメントを得る
に際してより好ましいのは紡糸の引取速度を2000
m/分以上とする事である。紡糸速度が低い場
合、フイラメント群()において分子鎖に配向
がほとんど起らず、添加したスチレン系,メタク
リレート系またはアクリレート系重合体がポリエ
ステルの分子鎖配向に対して「コロ」としての働
きを十分なすに至らず、フイラメント群()に
対するフイラメント群()の低配向化、高伸度
化は不充分なものとなる。 本発明ポリエステルマルチフイラメントについ
て更にフイラメント間の混繊性を高めるため、ポ
リマー組成物()と()を別個の吐出孔より
吐出し、冷却后合糸してインターレースノズルを
通し高圧空気流によつてフイラメント間に交絡を
与える事も好ましいことである。 仮撚加工は延伸と同時に仮撚するいわゆるイン
ドロー仮撚加工が好適であり、その延伸と撚糸の
同時進行により2層構造化,芯鞘界面交絡が理想
的に達成される。 その際用いる仮撚装置は、ツイストピンに巻付
けるスピンドル,流体式空気仮撚ノズル,内接
式,外接式或はベルト式摩擦仮撚装置のいずれも
適用できる。 以上のように本発明によれば極めて簡単な手段
で、低コストで高付加価値の細デニールスパンラ
イク加工糸及びその織編物が得られ、工業上の意
義は極めて大きい。 以下、実施例により本発明を説明する。 実施例 1 固有粘度0.64、艷消剤として酸化チタン0.5%
を含むポリエチレンテレフタレートをポリマー組
成物()とし、該ポリエチレンテレフタレート
に種々の割合でポリメチルメタクリレート
(PMMA)(旭化成デルベツト80N)をチツプ状
態でブレンドしポリマー組成物()とした。 各組成物を、各々直径25mmのスクリユー型溶融
押出機にて溶融圧縮計量し、互いに流路を混える
事なく導びいた後、同一の紡糸口金の内周部に配
置した24個の丸断面吐出孔(直径0.2mm)から組
成物()をフイラメント群()として、又、
該口金の外周部に配置した8個の丸断面吐出孔
(直径0.3mm)から組成物()をフイラメント群
()として吐出した。 該フイラメント群を、紡糸口金下方10〜110cm
に設けた横吹紡糸筒で室温の空気を12m/分の速
度で吹きつけて冷却固化せしめ、更に紡糸口金下
方4.5mに設けたインターレースノズルで1.5Kg/
cm2の高圧空気流によりフイラメント相互を交絡さ
せた。 次いで該フイラメント群に油剤を付与し2個の
ゴデツトローラーを介して3000m/min速度で巻
き取つた。巻取糸のフイラメント群()および
()について平均の切断伸度を第1表に示す。 ここで、No.1,2についてはPMMAがブレン
ドされていないかブレンドされていても少量すぎ
るためフイラメント群()の切断伸度はフイラ
メント群()の切断伸度を下まわる。サンプル
No.9においてはブレンド量が多すぎるため製糸調
子が著しく悪化した。 サンプルNo.3〜8は本発明によるものであり、
PMMAを適当量ブレンドする事によつてフイラ
メント群()の伸度をフイラメント群()の
伸度より大なられしめる事ができる。 次いでNo.1およびNo.4〜6についてフリクシヨ
ン仮撚加工機を用い、加工延伸倍率1.9倍、加工
速度350m/分、ヒーター温度170℃、フリクシヨ
ンデイスク周速700m/分の条件にて延伸仮撚を
行つた。No.1においてはフイラメント群()が
芯に集まりフイラメント群()がそのまわりに
まきついた。これに対してNo.4〜6の場合にはフ
イラメント群()が芯部を形成しフイラメント
群()が交互撚糸状に巻き付いて外周部を形成
した多層構造糸が得られた。 また、これらの糸は芯部と鞘部の界面に交絡が
認められ、しごいても鞘部が滑つてネツプを生ず
るというようなことはなかつた。 上記加工糸を用いた筒遍物においてNo.1は固い
感触と弱い腰を示すのに対し、No.4〜6の場合柔
かな感触と張りのある腰すなわち良好なスパンラ
イクの風合が得られた。
は、芯糸の周りに捲付糸が交互撚糸状に捲付いて
なるスパンライク二層構造糸の改良に関する。 従来、仮撚捲縮加工を施された、少くとも2種
のフイラメント糸の一方を芯糸(太デニール低伸
度成分)として、その周りに他方のフイラメント
糸が交互撚糸状に捲付き、且つ、該捲付糸(細デ
ニール高伸度成分)を構成するフイラメントの一
部は芯部のフイラメントと界面に於いてランダム
にの混合・交錯してなる二層構造糸は特開昭54―
101946号公報により知られている。 この糸は風合,外観がスパンライクであると同
時にしごき等の外力によつて捲付糸が滑りネツプ
を発生するというような懸念のない安定化された
糸である。しかしながら、その具体例においては
伸度の相異なる2種以上のマルチフイラメントを
それぞれ別個に紡糸した後、混繊・仮撚加工して
おり、近年スパンライクの高級差別素材として特
に要求の高い150デニール以下、就中75デニール
以下の細デニール糸については、最終目的より更
に細デニールのマルチフイラメントを、2種以上
紡糸し、更に混合する工程が必要であるので製糸
コストが高くなり採算に合わない欠点がある。 この製糸コストを抑えかつフイラメント間に構
造差,物性差,デニール差,形態差を与える方法
としては紡糸混繊法がありこれまた従来より検討
されている。該方法は紡糸工程において混繊を行
うものであり、その場合、同一ポリマーによる方
法と、化学構造,粘度等の異なる複数のポリマー
を同時紡糸する方法とがある。 前者の同一ポリマーによる紡糸混繊の場合、紡
糸口金の各吐出孔からの吐出量を変化させる事に
よつて、デニール,断面,物性の異なるフイラメ
ント集合体を得るのである。しかしながら該方法
においては太デニールフイラメントの冷却は細デ
ニールフイラメントの冷却より遅れるため、太デ
ニール成分は低配向高伸度成分に、逆に細デニー
ル成分は高配向低伸度成分になつてしまう。かく
の如きマルチフイラメントをウーリー加工した場
合、細デニール成分により強い張力が働くため、
加工糸の中心部に細デニールフイラメントが集ま
り、外層部に太デニールフイラメントが浮いてく
る欠点があり、該織編物は固いタツチと弱い腰を
有する事になる。従つて一般にスパンライクとし
て必要な柔かなタツチと張りのある腰とは全く異
なる風合になつてしまうのである。 以上のような理由から、複数のポリマーを同時
紡糸する方法が上記目的にとつて残された有力な
手段となる。しかしながら、全く同一条件の紡糸
によつて大きな物性差が発現するようなポリマー
の組合せは、実際には非常に少ないのが現状であ
り、更に特殊なポリマーを用いるとポリエステル
の持つ風合を失わせる事にもなりかねない。 本発明者らは叙上の点にかんがみ柔軟なタツチ
と張りのある腰を呈する、細デニールの二層構造
糸を安価に得るべく鋭意検討を重ねた結果、ポリ
エステルにある種の不飽和結合を有する単量体よ
り得られた重合体を少量ブレンドすると該ポリエ
ステルの微細構造,物性が驚異的に変り、これに
より紡糸混繊によつて充分な伸度差を有する少く
とも2成分糸の細デニール原糸が得られることを
見出し、本発明に到達した。 すなわち、本発明によれば、 仮撚捲縮加工を施された、少くとも2種のフイ
ラメント糸の一方を芯糸として、その周りに他方
のフイラメント糸が交互撚糸状に捲付き、且つ、
該捲付糸を構成するフイラメントの一部は、芯部
のフイラメントとランダムの混合・交錯してなる
二層構造糸において、芯部のフイラメントは、ポ
リエチレンテレフタレート,ポリトリメチレンテ
レフタレート及びポリテトラメチレンテレフタレ
ートより成る群から選ばれた1種、または複数の
ポリエステルのブレンド体及び/または共重合体
から成るフイラメント群から構成され、鞘部のフ
イラメントはポリエチレンテレフタレート,ポリ
トリメチレンテレフタレート及びポリテトラメチ
レンテレフタレートより成る群から選ばれた1
種、または複数のポリエステルのブレンド体及
び/または共重合体を基質とし、これにスチレン
系重合体,メタクリレート系重合体及びアクリレ
ート系重合体より成る群から選ばれた1種、また
は複数の重合体を対基質重量で0.4〜8重量%添
加してなるフイラメント群から構成されているこ
とを特徴とするスパンライク二層構造糸が提供さ
れる。 本発明において仮撚加工後に芯糸となるフイラ
メント群()はポリエチレンテレフタレート,
ポリトリメチレンテレフタレート,ポリテトラメ
チレンテレフタレートのいずれかのポリエステ
ル、あるいはこれらポリエステルの任意の組合せ
によるポリマー組成物によつて構成される。但
し、該組成物全量に対し、10重量%未満の範囲で
艷消,染色性向上,帯電防止等各目的の添加物質
を共重合体又はブレンド体として含んでいても差
支えない。 一方、捲付糸となるフイラメント群()はポ
リエチレンテレフタレート,ポリトリメチレンテ
レフタレート,ポリテトラメチレンテレフタレー
トのいずれかのポリエステル、あるいはこれらポ
リエステルの任意の組合せによるポリエステルを
基質としこれに、スチレン系重合体,メタクリレ
ート系重合体,アクリレート系重合体よりなる群
から選ばれた1種、または複数の重合体を対基質
重量で0.4〜8重量%添加してなるポリマー組成
物によつて構成される。但し、該組成物全量に対
し、10重量%未満の範囲で艷消,染色性向上,帯
電防止等各目的の添加物質を共重合体又はブレン
ド体として含んでいても差支えない。 本発明の原糸において重要な事はフイラメント
群()の平均の切断伸度がフイラメント群
()の平均切断伸度より大きい事である。驚く
べき事に、スチレン系,メタクリレート系,アク
リレート系重合体のように側鎖にバルキーな置換
基を有する直鎖状化合物をポリエステルに添加す
る事によつて各フイラメントの分子鎖の配向は大
幅に低下し、伸度は大幅に増大する。この理由は
未だ明確ではないが、該添加重合体は独特の化学
構造のため、ポリエステルマトリツクス中で引き
伸ばされる事が少なく、直径500Å以下の微粒子
として分散していると推定される。この微粒子が
基質ポリエステルのミクロフイブリル間にあつて
「コロ」の如き作用をしているため、上記配向低
下、伸度増加の現象がおこるものと考えられる。 該添加重合体の好ましい具体例としては、スチ
レン,α―メチルスチレン,p―メトキシスチレ
ン,ビニルトルエン,クロルスチレン,ジクロル
スチレン等のスチレン誘導体の重合体、あるいは
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等
のメタクリレート誘導体の重合体、あるいはメチ
ルアクリレート,エチルアクリレート等のアクリ
レート誘導体の重合体等があげられる。就中好ま
しいのはコストの面からポリスチレン,ポリメチ
ルメタクリレートである。 これら添加重合体はフイラメント群()中の
ポリエステル基質に対し、0.4〜8重量%含まれ
る事が必要である。0.4重量%に満たない場合、
配向度低下,伸度増加の効果は認め難いし、他
方、8重量%を越える程多量に添加した場合に
は、逆に添加重合体が欠陥としての働きをするよ
うになるためフイラメント群()は弱糸化す
る。そのため紡糸性,加工性等の工程調子が著し
く悪化するため好ましくない。 かかる原糸中、フイラメント群()の平均単
繊維デニールはフイラメント群()の平均単繊
維デニールより小さくない事が好ましい。前述の
理由から本発明におけるフイラメント群()は
()に比べて高配向低伸度となるため、延伸あ
るいは加工時に強い張力が働きマルチフイラメン
トの芯部に集中する傾向がある。従つてフイラメ
ント群()の単糸デニールが()より小さい
場合には、該マルチフイラメントによる織編物の
風合は腰がないものとなつてしまう。逆に、フイ
ラメント群()の単糸デニールが()より小
さい場合には太デニールフイラメント群がマルチ
フイラメントの中心部を形成し、細デニールフイ
ラメント群が外周部に配置されるため、目的とす
るスパンライクの品質へ近づいてくる。 また本発明においては細デニールフイラメント
群は太デニールフイラメント群を被覆する必要が
ある。この意味からフイラメント群()のフイ
ラメント数は()のフイラメント数より多くな
い事が好ましい。更に、フイラメント群()の
トータルデニールDe()および()のトータ
ルデニールDe()は式 0.25≦De()/De()≦4 を満足する事が望ましい。トータルデニール比が
上記範囲内ではマルチフイラメントは適度のふく
らみを発現しうるが、上記範囲をはづれるとフイ
ラメント群()および()の間のバランスが
崩れ、マルチフイラメントのふくらみ発現力は弱
くなる。 本発明で用いる上述の如きポリエステルマルチ
フイラメントは、実質的にポリエチレンテレフタ
レート,ポリトリメチレンテレフタレート及びポ
リテトラメチレンテレフタレートより成る群から
選ばれた1種、または複数のポリエステルによつ
てなるポリマー組成物()と、実質的にポリエ
チレンテレフタレート,ポリトリメチレンテレフ
タレート及びポリテトラメチレンテレフタレート
より成る群から選ばれた1種、または複数のポリ
エステルを基質としこれに、スチレン系重合体,
メタクリレート系重合体及びアクリレート系重合
体より成る群から選ばれた1種、または複数の重
合体を対基質重量で対し0.4〜8重量%添加して
なるポリマー組成物()をそれぞれ溶融し互い
に混じり合わせることなく別個の吐出孔より吐出
し、冷却后合糸して引取る事によつて製造でき
る。 上記ポリエステル同士のブレンド、又はポリエ
ステルに対する重合体の添加は任意の方法を採用
する事ができる。例えばポリエステルの重合工程
で行つても良く、また各重合体を同時に溶融混合
して押出し冷却後、切断してチツプ化しても良
い。更には各重合体をチツプ状で混合した後、そ
のまま溶融紡糸してもよい。この場合には混練度
を高めるため、スクリユー型溶融押出機を用いる
のが好ましい。 本発明においてポリマー組成物()と()
はそれぞれ別個の口金より吐出してもよい。しか
しながら、フイラメントの混繊性を高めるために
は同一の紡糸口金の異つた吐出孔より吐出する方
がより好ましい。 このようにして紡糸口金により、フイラメント
群()と()を混繊すると、仮撚加工前にイ
ンターレースノズル等による交絡処理を必ずしも
必要としない。 但しこの場合、パツク内のポリマーの流路が複
雑になるので外周部に配置する吐出孔よりポリマ
ー組成物()を吐出し、内周部に配置する吐出
孔よりポリマー組成物()を吐出する事が望ま
しい。 このようにすると、仮撚加工時に、低伸度側の
フイラメント群()は糸の外層部から内層部
へ、逆に高伸度側のフイラメント群()は糸の
内層部から外層部へ移行し、加工糸の芯部と鞘部
の界面での交絡が形成されやすくなる。 かかるポリエステルマルチフイラメントを得る
に際してより好ましいのは紡糸の引取速度を2000
m/分以上とする事である。紡糸速度が低い場
合、フイラメント群()において分子鎖に配向
がほとんど起らず、添加したスチレン系,メタク
リレート系またはアクリレート系重合体がポリエ
ステルの分子鎖配向に対して「コロ」としての働
きを十分なすに至らず、フイラメント群()に
対するフイラメント群()の低配向化、高伸度
化は不充分なものとなる。 本発明ポリエステルマルチフイラメントについ
て更にフイラメント間の混繊性を高めるため、ポ
リマー組成物()と()を別個の吐出孔より
吐出し、冷却后合糸してインターレースノズルを
通し高圧空気流によつてフイラメント間に交絡を
与える事も好ましいことである。 仮撚加工は延伸と同時に仮撚するいわゆるイン
ドロー仮撚加工が好適であり、その延伸と撚糸の
同時進行により2層構造化,芯鞘界面交絡が理想
的に達成される。 その際用いる仮撚装置は、ツイストピンに巻付
けるスピンドル,流体式空気仮撚ノズル,内接
式,外接式或はベルト式摩擦仮撚装置のいずれも
適用できる。 以上のように本発明によれば極めて簡単な手段
で、低コストで高付加価値の細デニールスパンラ
イク加工糸及びその織編物が得られ、工業上の意
義は極めて大きい。 以下、実施例により本発明を説明する。 実施例 1 固有粘度0.64、艷消剤として酸化チタン0.5%
を含むポリエチレンテレフタレートをポリマー組
成物()とし、該ポリエチレンテレフタレート
に種々の割合でポリメチルメタクリレート
(PMMA)(旭化成デルベツト80N)をチツプ状
態でブレンドしポリマー組成物()とした。 各組成物を、各々直径25mmのスクリユー型溶融
押出機にて溶融圧縮計量し、互いに流路を混える
事なく導びいた後、同一の紡糸口金の内周部に配
置した24個の丸断面吐出孔(直径0.2mm)から組
成物()をフイラメント群()として、又、
該口金の外周部に配置した8個の丸断面吐出孔
(直径0.3mm)から組成物()をフイラメント群
()として吐出した。 該フイラメント群を、紡糸口金下方10〜110cm
に設けた横吹紡糸筒で室温の空気を12m/分の速
度で吹きつけて冷却固化せしめ、更に紡糸口金下
方4.5mに設けたインターレースノズルで1.5Kg/
cm2の高圧空気流によりフイラメント相互を交絡さ
せた。 次いで該フイラメント群に油剤を付与し2個の
ゴデツトローラーを介して3000m/min速度で巻
き取つた。巻取糸のフイラメント群()および
()について平均の切断伸度を第1表に示す。 ここで、No.1,2についてはPMMAがブレン
ドされていないかブレンドされていても少量すぎ
るためフイラメント群()の切断伸度はフイラ
メント群()の切断伸度を下まわる。サンプル
No.9においてはブレンド量が多すぎるため製糸調
子が著しく悪化した。 サンプルNo.3〜8は本発明によるものであり、
PMMAを適当量ブレンドする事によつてフイラ
メント群()の伸度をフイラメント群()の
伸度より大なられしめる事ができる。 次いでNo.1およびNo.4〜6についてフリクシヨ
ン仮撚加工機を用い、加工延伸倍率1.9倍、加工
速度350m/分、ヒーター温度170℃、フリクシヨ
ンデイスク周速700m/分の条件にて延伸仮撚を
行つた。No.1においてはフイラメント群()が
芯に集まりフイラメント群()がそのまわりに
まきついた。これに対してNo.4〜6の場合にはフ
イラメント群()が芯部を形成しフイラメント
群()が交互撚糸状に巻き付いて外周部を形成
した多層構造糸が得られた。 また、これらの糸は芯部と鞘部の界面に交絡が
認められ、しごいても鞘部が滑つてネツプを生ず
るというようなことはなかつた。 上記加工糸を用いた筒遍物においてNo.1は固い
感触と弱い腰を示すのに対し、No.4〜6の場合柔
かな感触と張りのある腰すなわち良好なスパンラ
イクの風合が得られた。
【表】
実施例 2
実施例1、サンプルNo.5の加工糸(75de/
32fils)を用いて、1200T/m(S方向)及び
12000T/m(Z方向)の追撚を施した撚糸とし、
それらの糸を経及び緯に用いて、S,Z配列と
し、ボイル組織の織物を作つた。織密度は経29
本/cm,緯28本/cmとした。その織物を通常の方
法でアルカリ減量(減量率18%)した所、スパン
タツチの極めて風合良好な薄地織物が得られた。 実施例 3 固有粘度0.64、艷消剤として酸化チタン0.5%
を含むポリエチレンテレフタレート70重量%と固
有粘度0.86のポリテトラメチレンテレフタレート
30重量%をチツプ状態で混合しポリマー組成物
()とした。他方、固有粘度0.64,酸化チタン
0.5%を含むポリエチレンテレフタレートに種々
の割合でポリスチレン(PS)(旭ダウスタイロン
475D)をチツプ状態でブレンドしポリマー組成
物()とした。 以上の各組成物を実施例1と同様にして製糸及
び仮撚加工した。得られた巻取糸におけるフイラ
メント群()および()について平均の切断
伸度を第2表に示す。
32fils)を用いて、1200T/m(S方向)及び
12000T/m(Z方向)の追撚を施した撚糸とし、
それらの糸を経及び緯に用いて、S,Z配列と
し、ボイル組織の織物を作つた。織密度は経29
本/cm,緯28本/cmとした。その織物を通常の方
法でアルカリ減量(減量率18%)した所、スパン
タツチの極めて風合良好な薄地織物が得られた。 実施例 3 固有粘度0.64、艷消剤として酸化チタン0.5%
を含むポリエチレンテレフタレート70重量%と固
有粘度0.86のポリテトラメチレンテレフタレート
30重量%をチツプ状態で混合しポリマー組成物
()とした。他方、固有粘度0.64,酸化チタン
0.5%を含むポリエチレンテレフタレートに種々
の割合でポリスチレン(PS)(旭ダウスタイロン
475D)をチツプ状態でブレンドしポリマー組成
物()とした。 以上の各組成物を実施例1と同様にして製糸及
び仮撚加工した。得られた巻取糸におけるフイラ
メント群()および()について平均の切断
伸度を第2表に示す。
【表】
細デニールフイラメント群()は何れも太デ
ニールフイラメント群()より大きな伸度を有
しており、その仮撚加工糸は何れも太デニールフ
イラメント群が芯部を、細デニールフイラメント
群が鞘部を構成し、またその芯部と鞘部の界面に
は交絡が認められた。 実施例 4 固有粘度が0.86であり、酸化チタン0.5%を含
むポリテトラメチレンテレフタレートをポリマー
組成物()とし、該ポリテトラメチレンテレフ
タレートに対し種々の割合でポリエチルアクリレ
ート(PEA)をチツプ状態でブレンドしポリマ
ー組成物()とした。 以上の各組成物を実施例1と同様にして製糸及
び仮撚加工した所、第3表に示す結果を得た。
ニールフイラメント群()より大きな伸度を有
しており、その仮撚加工糸は何れも太デニールフ
イラメント群が芯部を、細デニールフイラメント
群が鞘部を構成し、またその芯部と鞘部の界面に
は交絡が認められた。 実施例 4 固有粘度が0.86であり、酸化チタン0.5%を含
むポリテトラメチレンテレフタレートをポリマー
組成物()とし、該ポリテトラメチレンテレフ
タレートに対し種々の割合でポリエチルアクリレ
ート(PEA)をチツプ状態でブレンドしポリマ
ー組成物()とした。 以上の各組成物を実施例1と同様にして製糸及
び仮撚加工した所、第3表に示す結果を得た。
【表】
本発明によるサンプルNo.2〜4,6,7,9,
10においては細デニールフイラメント群()の
切断伸度は太デニールフイラメント群()にお
けるよりも高伸度となることが判る。 また、フリクシヨン仮撚加工機を用いてフイラ
メント群()の伸度(倍)×0.7(例えば伸度180
%では2.8倍×0.7=1.96倍)の延伸倍率,加工速
度350m/min,ヒーター温度170℃,フリクシヨ
ンデイスク周速700m/minの条件にて延伸仮撚
を行つた。その結果、第3表に示すようにNo.3,
4,6,7,9,10で二層構造加工糸が得られ、
それを筒編にした所、その中でもNo.4,7,10の
風合が良好であつた。
10においては細デニールフイラメント群()の
切断伸度は太デニールフイラメント群()にお
けるよりも高伸度となることが判る。 また、フリクシヨン仮撚加工機を用いてフイラ
メント群()の伸度(倍)×0.7(例えば伸度180
%では2.8倍×0.7=1.96倍)の延伸倍率,加工速
度350m/min,ヒーター温度170℃,フリクシヨ
ンデイスク周速700m/minの条件にて延伸仮撚
を行つた。その結果、第3表に示すようにNo.3,
4,6,7,9,10で二層構造加工糸が得られ、
それを筒編にした所、その中でもNo.4,7,10の
風合が良好であつた。
Claims (1)
- 1 仮撚捲縮加工を施された、少くとも2種のフ
イラメント糸の一方を芯糸として、その周りに他
方のフイラメント糸が交互撚糸状に捲付き、且
つ、該捲付糸を構成するフイラメントの一部は、
芯部のフイラメントとランダムの混合・交錯して
なる二層構造糸において、芯部のフイラメント
は、ポリエチレンテレフタレート,ポリトリメチ
レンテレフタレート及びポリテトラメチレンテレ
フタレートより成る群から選ばれた1種、または
複数のポリエステルのブレンド体及び/または共
重合体から成るフイラメント群から構成され、他
方鞘部のフイラメントはポリエチレンテレフタレ
ート,ポリトリメチレンテレフタレート及びポリ
テトラメチレンテレフタレートより成る群から選
ばれた1種、または複数のポリエステルのブレン
ド体及び/または共重合体を基質とし、これにス
チレン系重合体,メタクリレート系重合体及びア
クリレート系重合体より成る群から選ばれた1
種、または複数の重合体を対基質重量で0.4〜8
重量%添加してなるフイラメント群から構成され
ていることを特徴とするスパンライク二層構造
糸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8742281A JPS57205537A (en) | 1981-06-09 | 1981-06-09 | Spun like two-layered structural yarn |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8742281A JPS57205537A (en) | 1981-06-09 | 1981-06-09 | Spun like two-layered structural yarn |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS57205537A JPS57205537A (en) | 1982-12-16 |
JPS6319614B2 true JPS6319614B2 (ja) | 1988-04-23 |
Family
ID=13914431
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8742281A Granted JPS57205537A (en) | 1981-06-09 | 1981-06-09 | Spun like two-layered structural yarn |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS57205537A (ja) |
-
1981
- 1981-06-09 JP JP8742281A patent/JPS57205537A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS57205537A (en) | 1982-12-16 |
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