JPS6319507Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は主として配電盤の箱体開口部と開口
部に設けられた開閉可能な扉との間に設けられる
防じんを主体としたパツキン装置に関する。

一般に配電盤等は箱体と扉がともに薄板の折曲
げと溶接等により製作されるものであることか
ら、箱体開口部の接合面と扉に設けられたパツキ
ン取付面との間の隙間には可成りの広狭があり、
また許容されるばらつきの幅も小さなものではな
い。このようなことからこれ等のものに使用され
るパツキン装置はパツキンの締代が大きくとれて
永久歪が少なくさらに締代の調整が可能であるこ
とが望まれている。

しかしながら従来の配電盤の防じん用パツキン
装置は締代調整機構を備えているものはなく、専
らパツキンの締代が多くとれるすなわちパツキン
の断面形状を圧縮方向が長くなるように例えば第
１図ないし第３図に示すような構成のものが多用
されている。このパツキン装置は閉鎖形配電盤に
おける最も一般的な構成になる箱体１の開口部の
パツキン接合面１ａが平面で扉２が薄形の箱状に
形成された場合に採用されるものであつて、扉２
の周囲に設けられた折曲縁２ａの内側に溶接によ
り一体化され、折曲縁２ａの内壁および縁端との
間に一定の幅と深さを持つ溝３が形成される断面
Ｚ字状のパツキン支え４と、溝３内に圧縮挿入さ
れ折曲縁２ａの縁端より膨出する背丈の高いかま
ぼこ状で軟弾性材たとえばスポンジゴムによるパ
ツキン５と、接合面１ａに扉２を開閉可能に支承
するヒンジ６とで構成されている。この構成にお
いては一応パツキン５の締代として３mm程度はと
れることから接合面周長が短いすなわち小形で接
合面の歪みが少ない場合には十分機能するが、大
形の配電盤で接合面歪みが多いものに対しては不
十分であり、またパツキン５の経年変形が大きい
ことと、この変形にもとづく損傷を起し易い等が
あり、寿命が安定しない欠点があつた。

この考案は上記従来の欠点を除去し防じん性能
を低下させることなく大きな締代を必要とする接
合面に適合可能でかつ寿命の安定化が図られたパ
ツキン装置を提供することを目的とする。

この考案によれば上記目的はパツキン接合面が
平面で形成される開口部を備えた箱体と前記開口
部に対向し開閉可能となる浅底の箱体扉との間に
設けられるパツキン装置において、前記扉の折曲
縁内側の全周に亘りかつ奥行方向に対して進退自
在に取付けられた前記折曲縁の内壁との間に一定
間隔の溝を形成する断面Ｚ字状に形成されたパツ
キン支えと、前記溝内に圧縮装置される充実基部
と前記折曲縁の縁端より膨出する弧状部とを備え
て断面６字状に形成された軟弾性材によるパツキ
ンとで構成することにより達せられる。

以下この考案の実施例を図面に基づき説明す
る。第４図ないし第６図において前記第１図ない
し第３図の従来装置と対応する部には同一符号を
付して説明の重復を避け異なるところについて説
明する。異なるところとしてはまずパツキン支え
７が扉２の奥行方向に対して進退自在になつてい
ること、そして溝３内に圧縮装着されたパツキン
８の締代が大きくとれしかも締代を大きくとつた
場合の内部応力が集中しないような断面形状が選
ばれていることである。パツキン支え７を進退自
在にするために折曲縁２ａの内壁の全周に亘つて
一定ピツチのねじ棒９を植設するとともにパツキ
ン支え７にねじ棒９に嵌り込み可能なＵ字状溝７
ａが設けられ、位置決め後の固定はねじ棒９にナ
ツト１０をねじ込むことで可能になつている。そ
してパツキン８の断面形状は溝３内に装着される
部分となる断面方形状の充実基部８ａとこの充実
基部８ａの一角から延長された接合面１ａに押圧
される弾面弧状部８ｂとで全体の断面形状が６字
状に形成されている。以上の構成からこのパツキ
ン装置はパツキン８の接合面１ａに押圧時には弧
状部８ｂの全長に亘つての曲がりで撓むことから
締代を大きくとれるとともに、内部応力が分散さ
れることになり、さらに弧状部８ｂは肉厚が薄く
なつていることから接合面１ａによしんば若干の
凹凸があつても容易に対応が可能であり、パツキ
ン支え７の位置調整で接合面１ａの全周を見渡し
たパツキン状態の調整が可能となる。従つてこの
構成によれば締代が多く要求されるようなすなわ
凹凸がある接合面に対しても防じん性能を低下
させることなく適合可能にして、しかも内部応力
が分散されたことから局部変形がなくなり寿命の
ばらつきが少なくなるとともに長寿命で安定する
ことになる。

なお以上の実施例では配電盤で扉がヒンジ取付
けとしたが、これが配電盤に限らないこと、また
ンジ取付けでなく例えばねじ締による取はずし形
にも適用可能であることは当然である。

以上述べたようにこの考案によれば適用範囲が
広くかつ長寿命でばらつきの少ないパツキン装置
が得られたので箱体の防じん構造の信頼性の向上
への貢献は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のパツキン装置の一例を示す箱体
の斜視図、第２図は第１図の要部横断面図、第３
図は第２図のＡ部拡大図、第４図はこの考案によ
るパツキン装置の一実施例が装着された箱体の要
部横断面図、第５図は第４図のＢ部拡大図、第６
図は第５図の斜視図である。 １……箱体、１ａ……接合面、２……扉、２ａ
……折曲縁、３……溝、７……パツキン支え、８
……パツキン、８ａ……充実基部、８ｂ……弧状
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パツキン接合面が平面で形成される開口部を備
   えた箱体と前記開口部に対向し開閉可能となる浅
   底の箱状扉との間に設けられるパツキン装置であ
   つて、前記扉の折曲縁内側の全周に亘りかつ奥行
   方向に対して進退自在に取付けられ前記折曲縁の
   内壁との間に一定間隔の溝を形成する断面Ｚ字状
   に形成されたパツキン支えと、前記溝内に圧縮装
   着される充実基部と前記折曲縁の縁端より膨出す
   る弧状部とを備えて断面６字状に形成された軟弾
   性材によるパツキンとで構成したことを特徴とす
   るパツキン装置。