JPS6318718Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は横桟を含んだ枠体に面材を嵌装して構
成した窓における横桟部の水密構造に関する。

建築物の窓は、例えば上下部の横桟及び中間部
の横桟と両側縦桟とを組付けて枠体を構成し、該
枠体内には各桟の嵌溝を介してガラス等の面材を
嵌装してこれを建築物の外側面に取付ける。

ところがビルデイング等の高所に設置される窓
は強風を受けた場合に、脈動的な風が雨水を混え
て吹付けることがあるので水密的に極めて悪条件
にさらされることになる。このため室内外の圧力
差に基いて面材のシール部から室内に漏水を生ず
ることがある。又冬期等室内外の温度差が甚だし
い時には、面材の室内側面に結露水を生ずる。

これらの水を室外に排出するために、従来の窓
では例えば下部又は中間部の横桟の内部を中空状
に形成し、横桟の室内側上面部と室外側部とに夫
夫横桟の長手方向の異つた位置に排水口を穿設し
て、室外側排水口からの侵入空気が室内側排水口
に直接対向せぬようにし、さらに室内側排水口の
上方には横桟上面から適宜間隔をあけてピース状
のバツフル板を設けて水密性の向上を計つてい
た。

しかしながらこのような構造にすると、排水口
と横桟端部間の距離が大になるので排水口の孔明
け加工（通常プレス抜き加工）時にプレスの下型
が長くなつて加工が困難である。又バツフル板を
ビス、接着剤等で取付けるのに手間がかかつた。
又横桟上面のバツフル板が室内から見えるので外
観上思わしくなく、しかも雨水侵入を完全防止す
ることは期待できなかつた。

本考案は上記を考慮してなされたもので、横桟
を含んだ枠体に嵌溝を介して面材を嵌装してなる
窓における横桟の水密構造であつて、上記横桟を
内部に空間部を有して中空状に形成し、又横桟の
室内側部と室外側部とには該横桟の長手方向の端
部付近であつてかつ長手方向のほぼ同一位置に
夫々排水口を穿設し、さらに両排水口間の空間部
には一端に横桟の円弧溝に嵌合する円形断面部を
有し、他端に嵌溝の底部に係合する二叉状の係合
部を有するビース状のバツフル板を介在させて、
室外側排水口からの侵入外気及び雨滴が室内側排
水口に直接対向せぬように構成したものである。

以下実施例について本考案を説明する。

第１図に示すように上方より下方に向けて配設
した上部横桟１、下部横桟２と両側縦桟（図示せ
ず）とで枠体を形成し、該枠体内には夫々の桟の
嵌溝（図には上部横桟の嵌溝３と下部横桟の嵌溝
４のみを示す）にガラス等の面材５を嵌装して窓
を構成する。尚上部横桟１の上方は腰部を示す。
上記窓を上膳板６及び下膳板７を介して建築物の
外側面に取付ける。又窓の室内側上方には耐火板
８が配設されている。尚、上膳板６にはカーテン
レール（図示せず）を収容するカーテンボツクス
９が接続している。

横桟は中空状の空間部１０を有する箱形断面の
型材で形成され、室外側において上下に開口した
嵌溝３，３及び４，４内には面材５を保持するタ
イト材１１及びシール材１２が充填される。

図において上部横桟１の室内側上面の水平部に
は排水口１３が、又室外側部の垂直部には排水口
１４が穿設されて、上記空間部１０を夫々室内及
び室外に連通する。排水口１３及び１４は第２図
に示すように上部横桟１の端部より僅少の距離を
あけて穿設され、夫々の端部からの距離をほぼ等
しく形成される。

上記空間部１０内にはピース（短切）状のバツ
フル板１５を取付ける。バツフル板１５の一端に
は横桟１のビスポケツト１６に嵌合する円形断面
部１７を又他端には嵌溝３の底部に係合する二叉
状の係合部１８を形成すると、バツフル板１５の
横桟１に対する着脱が容易となつて好都合であ
る。尚、バツフル板１５は横桟１の端部付近にお
いて両排水口１３及び１４をほぼ覆うような寸
法・形状に形成されることが望ましい。又バツフ
ル板１５の係合部１８を円形断面部１７と同一形
状に形成して、別のビスポケツト１６′に嵌合す
ることも可能である。更にこのバツフル板１５は
降雨状況に応じてその長さを適宜変えることも可
能である。

上述したように室内外の圧力差によつてシール
部１２及びタイト部１１を通過して室内に侵入し
た雨水及び面材５の室内側面に発生した水は横桟
１の室内側上面に受け皿状凹所１９に溜り、排水
口１３を通つて空間部１０に入りさらに排水口１
４を介して室外に排出される。この際上記の水は
バツフル板１５の長手方向の両端部を通過するの
で、その排水が妨げられることがない。一方直進
性を有する雨水を伴つた外部からの侵入空気は室
外側排水口１４から入つた後バツフル板１５に打
当つて直ちに運動エネルギを失なう。従つて侵入
空気によつて運ばれた雨水は室内側排水口１３か
ら室内に入ることなく排水口１４を通して重力排
水される。

本考案は上記のように構成し、二つの排水口が
横桟長手方向の同一位置にあるので孔明け加工が
容易であり、バツフル板の取付けにビス或は接着
剤が不要でしかも安定した取付けが得られる。又
両排水口間にピース状のバツフル板が介在してい
るので外気の侵入通路を迂回させて室内に向けて
の雨水侵入を防止できると共に排水雨水の逆流を
阻止できる。さらに上記のバツフル板が横桟内に
あるので外観を害なうことがない等の多くの利点
を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す縦断面図、第２
図は本考案の要部を示す概略説明図である。 １……横桟、１０……空間部、１３……室内側
排水口、１４……室外側排水口、１５……バツフ
ル板、１６……円弧溝（ビスポケツト）、１７…
…円形断面部、１８……係合部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 横桟を含んだ枠体に嵌溝を介して面材を嵌装
   してなる窓における横桟の水密構造であつて、
   上記横桟１を内部に空間部１０を有して中空状
   に形成し、又横桟の室内側部と室外側部とには
   該横桟の長手方向の端部付近であつてかつ長手
   方向のほぼ同一位置に夫々排水口１３，１４を
   穿設し、さらに両排水口１３，１４間の空間部
   １０には一端に横桟１の円弧溝１６に嵌合する
   円形断面部１７を有し、他端に嵌溝の底部に係
   合する二叉状の係合部１８を有するビース状の
   バツフル板１５を介在させて、室外側排水口１
   ４からの侵入外気及び雨滴が室内側排水口１３
   に直接対向せぬようにした窓における横桟の水
   密構造。 ２ バツフル板１５を横桟１に対して着脱可能に
   嵌装した実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   構造。