JPS6318680Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、建物において、１階或いは２階の床
を支持するための鉄根太であつて、特に角パイプ
を用いたものに関する。

一般に、このような鉄根太は、建物の梁等の建
物支持部の上面へ、その両端を載置した状態で取
付けられる。したがつて、この鉄根太の上面の高
さ、延いては、この鉄根太上面に設置される床の
レベルは、建物支持部へ固定される鉄根太端部の
高さによつて決まることになる。

他方、任意の幅寸法を有する角パイプを鉄根太
として使用しながらも、その鉄根太の上面を普通
の状態より下げて配置し、それによつて床のレベ
ルを低下させたい場合がある。

本考案は、このような必要性に鑑みて、任意の
幅寸法を有する角パイプを用いた場合であつて
も、そのような角パイプからなる鉄根太を、その
上面の高さを何等加工しない角パイプを使用した
場合での普通のレベルより下げた状態で建物支持
部へ固定することのできる鉄根太取付け構造を提
供することを目的として成されたものである。

このような目的を達成するために、この考案で
は、角パイプからなる鉄根太１の端部に、この鉄
根太１の長手方向に添つて下半部分が切落された
左右相対向する側片５，５を設けて、これら両側
片５，５に同じく鉄根太１の長手方向に配向する
スリツト６，６を各々形成する一方、建物支持部
４へ取付けた固定金具７に、上記スリツト６，６
へ各々嵌合される膨出部１０ａ，１０ａを備えた
支持片１０，１０を設け、かつ下方に面した前記
両側片５，５の切落し部３，３を建物支持部上面
で支持するとともに、上記両支持片１０，１０の
膨出部１０ａ，１０ａを前記のスリツト６，６へ
各々嵌合固定している。

以下、本考案の構成を図示の一実施例に基づい
て説明すると、図において、１は角パイプからな
る鉄根太であつて、この鉄根太１端部の近傍に、
その下面より所要深さまで切込み２を入れ、この
切込み２より先端側を切落しして、この切落し部
３を梁４等の上面へ設置するものである。また、
この切落し端部には、残された左右両側片５，５
に、鉄根太長手方向のスリツト６，６が各々形成
されている。すなわち、前記の鉄根太１の端部に
は、その長手方向に添つて下半部分が切落された
左右相対向する側片５，５が設けられるととも
に、これら両側片５，５には上記の切落し部３，
３が下方に面して配置することになるのである。

７は、上記鉄根太１を固定するための固定金具
であつて、金属板等の弾性材料を略β形に折曲し
て、上片８ａと下片８ｂとからなる挟持部８を形
成し、上片８ａには、その左右両端から切込み９
を入れ、これら両切込み９，９より先端側を相対
向するように上方へ折曲して、この考案に係る支
持片としての折曲片１０，１０を形成し、これら
両折曲片１０，１０の途中を各々外方へ向けて膨
出させて、前記のスリツト６，６へ嵌合装着され
る膨出部１０ａ，１０ａが設けられている。この
ような構造をした固定金具７を、前記の挟持部８
を、例えばＩ形鋼の梁４におけるフランジ４ａ端
部へ嵌合して取付けるとともに、前記Ｖ字形膨出
部１０ａ，１０ａを、鉄根太１端部のスリツト
６，６へ内側より嵌合させて、該鉄根太１を固定
するものである。１１は鉄根太１上面に設置され
る床材を示している。この場合において、下方に
面した前記両側片５，５の切落し部３，３の位置
を、鉄根太１の上面から任意の深さに設定するよ
うにすれば、その鉄根太１の上面の高さを、何等
加工しない角パイプを用いた場合での普通のレベ
ルから低下させることができるから、任意の幅寸
法を有する角パイプを使用した場合でも、鉄根太
１の上面の高さを任意に設定して、延いては床の
レベルを低下させることができるという利点があ
る。

以上のように、本考案では、角パイプからなる
鉄根太の端部に、この鉄根太の長手方向に添つて
下半部分が切落された左右相対向する側片を設け
て、これら両側片に同じく鉄根太の長手方向に配
向するスリツトを各々形成する一方、建物支持部
へ取付けた固定金具に、上記スリツトへ各々嵌合
される膨出部を備えた支持片を設け、かつ下方に
面した前記両側片の切落し部を建物支持部上面で
支持するとともに、上記両支持片の膨出部を前記
のスリツトへ各々嵌合固定したことにより、角パ
イプからなる鉄根太を、その上面の高さを何等加
効しない角パイプを使用した場合での普通のレベ
ルから下げた状態で建物支持部へ固定することが
可能となり、延いては床のレベルを低下させるこ
とが可能となつたものである。

特に、この考案では、下方に面した前記両側片
の切落し部を梁等の建物支持部上面で支持すると
ともに、それら両側片に設けたスリツトへ、建物
支持部へ取付けた固定金具の支持片に設けた膨出
部を各々嵌合固定しているから、取付作業も簡単
に行なえるばかりでなく、鉄根太を確実に支持す
ることができるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例を示す鉄根太端部の分解
斜視図、第２図は同じく鉄根太端部の横断面図、
第３図は同じく縦断面図である。 １……鉄根太、３……切落し部、４……梁、５
……側片、６……スリツト、７……固定金具、８
……挟持部、１０……折曲片（支持片）、１０ａ
……膨出部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 角パイプからなる鉄根太の端部に、この鉄根太
   の長手方向に添つて下半部分が切落された左右相
   対向する側片を設けて、これら両側片に同じく鉄
   根太の長手方向に配向するスリツトを各々形成す
   る一方、建物支持部へ取付けた固定金具に、上記
   スリツトへ各々嵌合される膨出部を備えた支持片
   を設け、かつ下方に面した前記両側片の切落し部
   を建物支持部上面で支持するとともに、上記両支
   持片の膨出部を前記のスリツトへ各々嵌合固定し
   たことを特徴とする鉄根太取付け構造。