JPH0224810Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、基礎と土台とを堅固に連結すると
共に、通風を良好にすることを目的とした土台固
定用金物に関するものである。

（従来の技術及びその解決すべき課題） 従来、基礎と土台との固定は、一端部を基礎に
埋設したアンカーボルトの他端部を土台に貫通
し、ナツトで締付固定しているが、この構造では
基礎と土台とが殆んど密接している為に、基礎の
水分が土台に伝わり、乾湿を繰り返して土台の腐
蝕を促進し、又は白蟻その他の被害を受け易いな
どの問題点があつた。

（課題を解決する為の手段） この考案は、アンカー金物、土台金物及び土台
の支持金物を組み合わせ、基礎の上面と土台の下
面との間に間隙を設けることにより、前記従来の
問題点を解決したのである。

即ちこの考案はは、一端部をコンクリート基礎
内への埋設部とし、他端部に土台の下側面に嵌装
できる形状の土台金物底を貫通するナツト付アン
カーボルトを取付けたアンカー金物と、前記アン
カー金物のアンカーボルトを挿通できるボルト孔
を設けた土台金物と、該土台金物の内底壁と所定
間隙を保つて嵌合できる形状の板状の支持金物と
を組み合わせてなる土台固定用金物である。ま
た、アンカー金物は状アンカープレートの頂壁
にアンカーボルトを貫通し、ボルト頭で取付けた
ものである。次に、支持金物は板体の長側縁を直
角に屈曲し、断面状としたものである。更に、
土台金物は板体の長側縁を直角に屈曲し、土台と
の固定部とした断面状であつて、直線状の土台
又は直角に形成された土台に嵌装できるように形
成したものである。

前記においてアンカーボルトは、土台金物挿通
後、上端部にナツトを螺合して締付土台金物を固
定する。

（作用） この考案は、アンカー金物、土台金物及び支持
金物を組み合わせたので、土台と基礎とを堅固に
固定し得ると共に、支持金物の高さと、土台金物
底の厚さだけ基礎上面と土台下面とに間隙ができ
る。

（実施例） 即ちこの考案は、鋼製の状のアンカープレー
ト１の頂壁にアンカーボルト２を貫通して、ボル
ト頭により取付けたアンカー金物Ａと、状の鋼
板３の土台との固定側壁の一部に切欠４，４ａを
設けた土台金物Ｂと、前記土台金物Ｂ内へ嵌合す
る鋼板の長側縁を下向きに屈曲した状の鋼板よ
りなる支持金物Ｃとを組み合わせて構成したもの
である。

この考案の土台固定用金物を使用するには、先
ずアンカーボルトＡの状のアンカープレート１
側を基礎コンクリート５内へ埋設すると共に、ア
ンカーボルト２の上端部を基礎コンクリート５の
上端面へ垂直に突設する。次に前記アンカーボル
ト２へ土台金物Ｂのボルト孔６を嵌装し、ナツト
７で締付固定した後、土台金物Ｂ内へ支持金物Ｃ
を嵌挿し、然る後、土台８を支持金物Ｃ上へ載置
すると共に、土台金物Ｂの両側を土台８に釘打固
着して、基礎コンクリート５と土台８とを堅固に
固着する。尚、支持金物Ｃのほぼ中央部には、透
孔９を設けてアンカーボルト頭の逃げ孔とし、か
つ支持金物には突起１０を設けて土台との滑り止
めとしている。

この考案によれば、土台金物Ｂは適当間隔（ア
ンカーボルトの間隔）毎に設置される為に、土台
金物Ｂのない部分は、基礎コンクリート５の上面
と土台８の下面との間に通気間隙を生じ、かつ土
台金物Ｂ上における土台８は支持金物Ｃによつて
支持されている為に、基礎コンクリート５の上面
と、土台８の下面とは確実に縁が切れることにな
り（支持金物の下面も通風間隙となる）、基礎コ
ンクリート５の上面の水分が土台８まで伝わるお
それはない。また、従来アンカーボルト２を土台
８の取付孔に嵌入させる為には、アンカーボルト
５と土台８に開ける取付孔とを合わせる為に、ア
ンカーボルト５の垂直性および取付孔の位置など
に寸法精度を必要としたが、この考案によれば、
アンカーボルト５は単に土台金物Ｂを固着すれば
よいので、従来のような寸法精度を必要としない
ことになり、作業性を著しく改善するものであ
る。

次に、第４図は基礎コンクリートが直交する場
合の土台金物の一例を示すものである。この場合
には、直交した土台金物B₁を用いる。また、ア
ンカー金物は、状のアンカープレート１とアン
カーボルト２とを組み合わせたので、アンカー金
物Ａと基礎コンクリート５との結合が緊密であ
り、かつ基礎コンクリートに亀裂を生じるおそれ
がないなどの利点がある。

次に、この考案においては、全材料を金物とし
たが、一部を合成樹脂成形物に代えることもでき
る。

（考案の効果） 即ちこの考案によれば、基礎コンクリートと土
台との間に支持金物、土台金物、およびアンカー
金物を介在させたので、基礎コンクリートと土台
との間に間隙ができるので、土台の吸湿による各
種欠点を是正し得ると共に、アンカーボルトと土
台との固着時にアンカーボルトの垂直性および寸
法精度が不必要となり、その作業性を著しく改善
するなどの諸効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の各金物を使用順序
に並べた斜視図、第２図は同じく使用状態の正面
図、第３図は同じく側面図、第４図は同じく他の
実施例の使用状態の縮小斜視図である。 １……状のアンカープレート、２……アンカ
ーボルト、３……状の鋼板、５……基礎コンク
リート、Ａ……アンカー金物、Ｂ……土台金物、
Ｃ……支持金物、８……土台。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 一端部をコンクリート基礎内への埋設部と
   し、他端部に土台の下側面に嵌装できる形状の
   土台金物底を貫通するナツト付アンカーボルト
   を取付けたアンカー金物と、前記アンカー金物
   のアンカーボルトを挿通できるボルト孔を設け
   た土台金物と、該土台金物の内底壁と所定間隙
   を保つて嵌合できる形状の板状の支持金物とを
   組み合わせてなる土台固定用金物。 ２ アンカー金物は状アンカープレートの頂壁
   にアンカーボルトを貫通し、ボルト頭で取付け
   た実用新案登録請求の範囲第１項記載の土台固
   定用金物。 ３ 支持金物は板体の長側縁を直角に屈曲し、断
   面状とした実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の土台固定用金物。 ４ 土台金物は板体の長側縁を直角に屈曲し、土
   台との固定部とした断面状であつて、直線状
   の土台又は直角に形成された土台に嵌装できる
   ように形成した実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の土台固定用金物。