JPS631801Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、選別部からの２番処理物を揺動選別
装置に戻す２番還元流路を設けた脱穀機の２番物
処理装置に関する。

上記脱穀機の２番物処理装置は、選別部からの
２番処理物に混入している精粒が再選別取出しさ
れるよう２番処理物を選別装置に還元するのに、
選別装置に直接戻すことにより、扱室を通して戻
す場合のように扱室内の処理物量が還元物のため
に多くなつて扱処理能率が低下することのないよ
う考慮されたものである。それ故に従来、還元物
が２番還元流路にて流路形成壁に衝突したり、選
別装置にその揺動作用によつて当て付けられるだ
けでは、小枝梗付穀粒に対する扱作用が不十分と
なり、穀粒が単粒化されないまま機内を何度も順
回することになつて作業率が悪くなると共に、単
粒化されないで塵埃と共に機外に排出される穀粒
の量が多くなり穀粒損失が大となつていた。

このような問題を解消するには、脱穀処理を行
う扱室とは別個に、２番処理物を脱穀処理するた
めの専用の処理室を形成すれば良いが、そのよう
な処理室は、２番処理物を充分に脱粒するための
比較的大径の処理胴と、処理された後の穀粒を漏
下させるためのクリンプ網とを備えた大掛かりな
ものとなり、脱穀選別装置全体が大型化する不都
合がある。

本考案は、２番処理物処理用の処理胴を用いる
ことなく、選別装置への直接的な還元を行いなが
らも、簡単な改造によつて還元処理物の単粒化処
理を効率よく行わせられるようにして、上記欠点
を解消することを目的とする。

上記目的を達成するための本考案の特徴とする
構成は、前記脱穀機の２番物処理装置において、
前記２番還元流路の途中に、前記２番処理物を流
路に沿わせて強制移送する駆動回転体を、その配
設箇所における流路の流線に対して回転軸芯が交
差する姿勢で配設するとともに、その駆動回転体
には、前記２番還元流路の流路形成壁と前記駆動
回転体との間を通過する２番処理物に衝撃を与え
て脱粒処理する突起部を形成して、２番処理物を
前記流路形成壁と前記駆動回転体との間を通過す
る途中で処理するように構成してあることにあ
り、かかる構成から次の作用ならびに効果を奏す
る。

すなわち、処理室で脱粒する場合のように、切
れ穂や小枝梗、あるいは、ワラ屑まじりの２番処
理物を、処理胴の回転に連れて追従旋回させなが
ら揉むことで単粒化するのではなく、還元流路内
で移送中の２番処理物に対して、駆動回転体の突
起部により、２番物が駆動回転体と流路形成壁と
の間を通過する際に衝撃を与えて脱粒処理するも
のであるから、連れまわりながら揉むための、長
く、かつ、大型化し易い処理経路を要さずに単粒
化処理を行えるものであり、また、単に選別部か
らの２番処理物を揺動選別装置上へ直接に還元し
循環させるだけの構造のもののように、穀粒が単
粒化されないまま何度も機内を順回するという不
都合を避けられる。

従つて、２番物処理専用の処理胴を設けた場合
のような機体の大型化を避けられるものでありな
がら、還元される２番処理物の単粒化を態率良く
行える利点がある。

以下、本考案の実施例を図面の記載に基づいて
設明する。

第１図に示すように、脱穀フイードチエーン１
により扱室２に供給される刈取穀稈が回動する扱
胴３により脱穀されると共に、脱穀排ワラが前記
フイードチエーン１により扱室２外に搬出される
ように構成し、この脱穀部の下方に、扱室２から
の処理物に対する駆動揺動自在な揺動選別装置
４、及び、扱胴回転軸芯方向の選別風を供給する
唐箕５を備えさせると共に、塵埃を選別風と共に
排塵口６、及び、集塵フアン１８の排出口１８ａ
から機外に排出するように構成した選別部７を説
け、もつて、刈取穀稈の脱穀処理に伴い、脱穀処
理物の選別処理を行わせるためのコンバイン用脱
穀選別装置を構成してある。

前記選別部７からの１番処理物を機体横一側方
に搬出するスクリユーコンベアー８を、選別部７
の底部に設けて、脱穀処理物の選別処理に伴い１
番処理物の機外への取出しが行われるようにして
ある。

前記選別部７からの２番処理物を機体横一側方
に搬送するスクリユーコンベアー９を、選別部７
の底部に設けると共に、前記コンベア９の終端部
から機体前端部に延出させたスロワー筒体１０、
及び、この筒体１０の延出端と選別室の前端部と
も連通させた流路１２ａにより、前記コンベア９
からの２番処理物をスロワー１１の作用により揺
動選別装置４の始端部に戻すための２番還元流路
１２を構成し、そして、この２番還元流路１２の
途中に、処理物を扱処理させるための駆動回転体
１４を設けてある。

この駆動回転体１４は、前記２番処理物を流路
に沿わせて流路上手側から下手側へ強制移送する
ように、その配設箇所における流路の流線に対し
て回転軸芯が交差する姿勢で配設されていると共
に、この駆動回転体１４の駆動軸１５を扱胴３の
回転支軸１６にベルト連動させて、駆動回転可能
に構成し、かつ、その駆動回転体１４は、第２、
３図に示されるように、三枚の板状の回転翼を備
えていて、その回転翼が、２番処理物に衝撃を与
える突起部１４ａを構成し、もつて、選別部７か
らの２番処理物が前記駆動回転体１４の配設部に
おいて流路形成壁１３との間を通過して扱処理さ
れた後に揺動選別装置４の始端部に戻され、再び
選別されるようにしてある。

前記駆動回転体１４の配設部において、第４図
及び第５図に示すよに、流路形成壁１３に、通過
しようとする２番処理物に通過抵抗を与える抵抗
部としてのワラ切り刃１７を固設して、２番処理
物に混入しているワラ屑が、回動する駆動回転体
１４との協働により切断されるように構成してお
くと、ワラ屑が小さくされることにより、２番処
理物が選別される際のワラ屑の風選取出しが容易
となり、選別効率が良くなる。このとき駆動回転
体１４の突起部１４ａは図示のように多数の小突
起となる。

又、前記流路形成壁１３の面に凹凸を設けた
り、駆動回転体１４の回転翼を、処理物を流路形
成壁１３にこすり付けて脱穀処理するよう流路形
成壁１３との接当によつて弾性変形する素材で構
成したり、２番処理物の回転体自体との衝突によ
る扱処理が行われるよう作用面が凹凸面であるも
のに構成すると、処理物の脱粒効果を一層高める
ことができる。

又、前記駆動回転体１４の駆動停止や駆動変速
を可能に構成しておくと、処理対象穀粒が脱粒し
難いものである時には高速回転させ、又、脱粒し
易いものである時には低速回転あるいは停止させ
る等、処理対象物に応じて変速でき、扱処理の能
率向上を図ると同時に、穀粒が不必要に扱作用さ
れて傷付くことを防止できて便利である。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る脱穀機の２番物処理装置の
実施例を示し、第１図は縦断側面図、第２図は横
断正面図、第３図は一部切欠平面図、第４図は駆
動回転体の別実施例構造を示す平面図、第５図は
駆動回転体の別実施列構造を示す正面図である。 ４……揺動選別装置、７……選別部、１２……
２番還元流路、１３……流路形成壁、１４……駆
動回転体、１４ａ……突起部、１７……抵抗部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 選別部７からの２番処理物を揺動選別装置４
   に戻す２番還元流路１２を設けた脱穀機の２番
   物処理装置であつて、前記２番還元流路１２の
   途中に、前記２番処理物を流路に沿わせて強制
   移送する駆動回転体１４を、その配設箇所にお
   ける流路の流線に対して回転軸芯が交差する姿
   勢で配設するとともに、その駆動回転体１４に
   は、前記２番還元流路１２の流路形成壁１３と
   前記駆動回転体１４との間を通過する２番処理
   物に衝撃を与えて脱粒処理する突起部１４ａを
   形成して、２番処理物を前記流路形成壁１３と
   前記駆動回転体１４との間を通過する途中で処
   理するように構成してあることを特徴とする脱
   穀機の２番物処理装置。 ２ 前記突起部１４ａは板状体である前記実用新
   案登録請求の範囲第１項に記載の脱穀機の２番
   物処理装置。 ３ 前記流路形成壁１３は２番還元流路１２内を
   流れる２番処理物に通過抵抗を与える抵抗部１
   ７を一体形成したものである前記実用新案登録
   請求の範囲第１項に記載の脱穀機の２番物処理
   装置。