JPS63175180A - 消臭性アクリル系合成繊維の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、優れた消臭効果を有する消臭性アクリル系合
成繊維の製造方法に関するものである。

（従来の技術） 従来消臭、脱臭の方法としては、芳香性物質によシ悪臭
をマスキングする方法、過マンガン酸カリウム等の酸化
剤によシ悪臭物質を酸化分解する方法、塩類、硝酸、水
酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等の中和剤によシ中和
する方法及び活性炭によシ悪臭を吸着させる方法等が知
られている。

しかしながら、これらの方法のうちマスキング剤による
方法は、長期間滞在する場所ではむしろ不快感を覚える
欠点があシ、またそのほかの酸化分解中和、固定化ある
いは吸１１による方法では悪臭物質に対する選択性が大
きいという欠点があった。

一方、繊維製品については、繊維に抗菌剤を含有させ、
菌の繁殖を防止することによって悪臭を防止する衛生加
工が知られている。しかしこの方法は間接的な方法であ
るため菌の繁殖以外の原因によって発生した悪臭につい
ては効果がないという欠点があった。特開昭５９−６６
号公報にツバキ科植物、特に茶樹、サカキ、山茶花の主
として葉部よシ抽出した消臭有効成分の稀釈液を用いて
浸潤、塗布、散布などにより繊維製品に添加させること
が開示されている。この方法によると、繊維の表面に消
臭成分が付着しているため、水洗いやドライクリーニン
グによって容易に消臭有効成分が脱落してしまうという
欠点があった。

また、特開昭５５−８２５１９号公報及び特開昭５６−
６８８５５号公報に酸化還元能を有する金属船体の金属
ポルフィリン、金属ポルフィラジンを含有する消臭剤が
開示されている。さらに特開昭６１−２５８０７７号公
報及び特開昭６１−２５８０７８９公報に金属フタロシ
アニン０．５〜２０重量％担持させたセルロース繊維及
びポリアミド繊維が開示されている。しかしこれら金属
ポルフィリン、金属ポルフィラジン及びそれらの化学的
誘導体で繊維を処理しても、綿、レーヨンのセルロース
系繊維及びポリアミド繊維には付着するが、アクリル、
ポリエステル等の合成綬維には直接付与することが出来
ず、樹脂と混ぜて樹脂加工をする必要があった。このた
め合成繊維本来の風合いがそこなわれる上に消臭効果も
充分発揮出来ないと言う欠点を有していた。また紡糸原
液に混合して紡糸すると、可紡性が不良の上に消臭効果
が不充分であるという欠点を有していた。

本発明者らは上記欠点を改善すべく鋭意研究の結果本発
明を完成したのである。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明の目的は優れた消臭効果及び耐洗濯性を有し、か
つアクリル系合成繊維の繊維性能、風合いをそのまま保
持する消臭性アクリル系合成繊維の製造方法を提供する
にある。

（問題点を解決するための手段） 本発明の方法は、アクリル系合成繊維を下記構造式の金
属フタロシアニンを含有するアルカリ性処理液に浸漬し
て加熱処理することを特徴とするものである。

構造式 （式中の、−ｘは水素または置換基、Ｍは配位金属） 本発明に使用するアクリル系合成繊維を形成する重合体
は少なくとも４０重量％のアクリロニトリルを含有する
もので繊維形成能を有するものならばいかなる重合体を
も用いることが可能である。

すなわちアクリロニトリルを４０重量％以上と他のビニ
ル系モノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、或い
はこれらのアルキルエステル類、酢酸ビニル、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、アリルスルホン酸ソーダ、メタリ
ルスルホン酸ソーダ、ビニルスルホン酸ソーダ、スチレ
ンスルホン酸ソ−ダなどを適宜組合せたものを６０λ量
％以下の割合で共重合せしめたものが拳げられる。特に
アクリロニトリル８０重社％以上と２０重量％以下のビ
ニル系モノマー及びスルホン酸基含有モノマーの共重合
体、又は塩化ビニル及び／又は塩化ビニリデン及びスル
ホン酸基含有モノマーを２０〜６０ｆｆｉｋｔ％含有す
る共重合体が好ましい。また前記アクリル系重合体が酢
酸セルローズ、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチ
レン共重合体、ポリ酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブ
チフール等の樹脂を含有していても良い。特に前記アク
リル系重合体に８′酸セルローズを２〜ａ　ＯＭ（ｉｔ
％を含有したものが好ましい。

本発明の金属フタロシアニンの−Ｘ基は、水素基または
置換基である。置換基としては、例えばアルキル基、置
換アルキル基（例えばクロロメチル基）、ハロゲン基、
ニトロ基、アミ７基、アゾ基、チオシアネート基、カル
ボキシル基、カルボニルクロリド基、カルボキシルアミ
ド基、ニトリル基、水酸基、アルコキシル基、フェノキ
ジル基、スルホン酸基、スルホニルクロリド基、スルホ
ンアミド基、チオール基、アルキルケイ素基、ビニル基
などの他、カルボキシル基やスルホン酸基のアルカリ塩
類などが挙げられ、１種類の基には限られず夫々別な基
が置換される場合もある。なかでもカルボキシル基、ス
ルホン酸基、これらのアルカリ塩類、ハロゲン基、アミ
ノ基または水酸基が２〜８置換されているものが好まし
い。また中心金属Ｍは、例えばＦｅ、Ｃｏ、Ｍｎ、Ｔｉ
　、Ｖ、Ｎｉ。

Ｏｕ、　Ｚｎ　、Ｍｏ　、Ｗ、　Ｏｓ　　のものを使用
できる。好ましくはＦｅ　　またはＣｏ　のもの、また
はＦｅとＣ。

のものを混合したものである。

本発明のアルカリ性処理液とは上記金属フタロシアニン
と、苛性ソーダ又は苛性カリ、炭酸ソーダ、炭酸カリ等
のアルカリとを溶解させ、ＰＨを８以上、好ましくは９
以上、さらに好ましくは１０以上のアルカリ性にＰＨ８
！１して処理を行うのである１本発明ではこの処理液を
アルカリ性にて行うことが特徴であシ、通常、アクリル
系合成繊維の染色等の加工に用いられる酸性、及び中性
の処理液では金属フタロシアニンをアクリル系合成繊維
に付与出来ないのである。

必要に応じて芒硝等の無機塩又は界面活性剤、防汚剤、
制電剤、抗菌剤等の添加剤を併用することも゛司°能で
ある。

本発明の加熱処理温度は９０℃以上が好ましく、１００
〜１８０℃がさらに好ましく、１０５〜１２０℃が最も
好ましい。９０℃以下では金属フタロシアニンをアクリ
ル系合成繊維に容易に付与することが出来なくなる。特
に処理を１００℃以上の加圧状態にて行うのが効率良く
金属フタロシアニンをアクリル系合成繊維に付与出来る
ので好ましい。一方、処理温度が１８０℃を越えると熱
やアルカリによるアクリル系合成繊維の損傷にて繊維物
性が低下する傾向がでるので１８０℃以下で処理するの
が好ましい。処理時間は特に限定されないが、２０分〜
１２０分間処理するのが好ましい。

繊維への金属フタロシアニンの付与量は、０．５〜１ｏ
ｉｔ％が消臭効果及び経済性の面で好ましい。

本発明において、加熱処理して、冷却した後に硫酸、塩
酸、硝酸、リン酸、酢酸等の酸の水溶液にて処理するこ
とは、消臭効果を一段と向上させることが出来るので特
に好ましい。

（発明の効果） 本発明によると、通常のアクリル系合成繊維の繊維性能
、風合いをそのまま保持するとともに、優れた消臭効果
を発揮するのである。

本発明によって得られた繊維は通常のアクリル系合成繊
維、ポリエステル、ナイロン、木綿、レーヨン、羊毛等
能の繊維と混合して使用することも可能で、消臭性能を
育する夕衣料、毛布、カーペッと、マッと、靴下、シー
ツ、ふとん綿等幅広い用途に使用することが出来るため
産業上極めて有意義なものである。

（実施例） 以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。なお
、実施例中（％）とあるのは「重量％」を意味する。

〔トリメチルアミン（エチルメルカプタン）除去率測定法〕

１００　ｍＪバイアルビンに繊維試料を１ｊｉ入れ密封
する。さらに６％トリメチルアミンａｑ（又はエチルメ
ルカプタン）のヘッドスペースガス（２５℃）１ｍＩ！
をガスタイトシリンジで先の密封したバイアルビンに注
入し、８０分後にヘッドスペースガス１　ｍｌをガスク
ロ分析する。

対照として空の１００ｍｌバイアルビンに６％トリメチ
ルアミン（又はエチルメルカプタン）のヘッドスペース
ガス１　ｍｌを同様に注入しガスクロ分析し、ピーク面
積の減少率にてトリメチルアミン除去率（％）を算出す
る。

実施例１ アクリロニトリル（ムＮ）／メチルアクリレー）（ＭＡ
）／メタリルスルホン酸ソーダ（８ＭＡ８）＝　９０．
８　／　９．０　／　０．７なるアクリル系合成繊維２
Ｉを、鉄フタロシアニンオクタカルボン酸を２％溶解し
た１％苛性ソーダ水溶液（ＰＨ１２）の処理液に浸漬し
く浴比１：２０）、振盪させながら各温度で６０分間加
熱処理した。その後冷却水洗して３０℃、２％酢酸水溶
液にて酸処理を行い、次いで中性になるまで水洗し、乾
燥した。

トリメチルアミン（ＴＭＡ）除去率及びエチルメルカプ
タン（ＥＭＰ　）除去率を測定した結果を第１表に示す
。

第　１　表 実施例２ 鉄フタロシアニンオクタカルボン酸を８％溶解した１％
の苛性ソーダ水溶液に≠、−）いて、希硫酸にてＰＨＩ
調整を行って処理液を作製した。

ＡＮ／ＪＭ化ビニリデン（ＶＯＪｚ）／アリルスルホン
酸ソーダ（８Ａ８　）−５７，０／４０．０／８．０な
るアクリル系合成繊維を浸漬しく浴比１：８０）、振盪
させながら１０５℃にて６０分間加熱処理した。冷却後
水洗して４０℃、１％硫酸水溶液にて酸処理を行い、次
いで中性になるまで水洗し乾燥させた。

第２表に示すごと＜、ｒａ７．ｏ以下では鉄フタロシア
ニンオクタカルボン酸による着色もほとんど見られず、
また消臭効果も示さなかった。

第２表 ＝ 実施例８ ＡＮ／ＭＡ／８ＭＡ３−９０／９／１なるアクリル系重
合体９０部、酢酸セルロース１０部の混合重合体よシな
るアクリル系合成繊維を、鉄フタロシアニンオクタカル
ボン酸を２％溶解した１％苛性カリ水溶液（ＰＨ１２）
の処理液に浸漬しく浴比１：５０）、振盪させながら１
０８℃にて６０分間加熱処理した。

その後冷却水洗して８０℃、１％硝酸水溶故にて酸処理
を行い、次いで中性になるまで水洗し、乾燥させた。

この除雄をポリエステルの間貸に入れて、家庭洸償０．
５．１０．１５，２０回後の消臭テストを行った。

第８表から判るように、２０回の洗濯後でも良好な消臭
効果を示した。

〔洗濯条件〕

市販小型を機洸潴機使用 中性洗剤　　１１／１ 浴　　　比　　　　１　　：　　１００温度ｘ時間　　
　４０℃×５分間 水　　洗　　１０分間 乾　　　燥　　　８０℃×　１時間 第８表

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. （１）アクリル系合成繊維を下記構造式の金属フタロシ
   アニンを含有するアルカリ性処理液に浸漬して加熱処理
   をすることを特徴とする消臭性アクリル系合成繊維の製
   造方法。 構造式 ▲数式、化学式、表等があります▼ （式中の、−Ｘは水素または置換基、Ｍは 配位金属）
2. （２）アクリル系合成繊維を形成する重合体が８０重量
   ％以上のアクリロニトリルと、２０重量％以下のビニル
   系モノマー及びスルホン酸基含有モノマーとよりなる特
   許請求の範囲第１項記載の製造方法。
3. （３）アクリル系合成繊維を形成する重合体がアクリロ
   ニトリル４０重量％以上と、塩化ビニリデン及びスルホ
   ン酸含有モノマーを２０〜６０重量％とよりなる特許請
   求の範囲第１項記載の製造方法。
4. （４）アクリル系合成繊維が酢酸セルローズ２〜３０重
   量％を含有する多孔性の繊維である特許請求の範囲第１
   項記載の製造方法。
5. （５）処理液のＰＨが８以上である特許請求の範囲第１
   項記載の製造方法。
6. （６）加熱処理の温度が１００℃〜１８０℃である特許
   請求の範囲第１項記載の製造方法。
7. （７）加熱処理後の繊維に対して、酸処理を行う特許請
   求の範囲第１項記載の製造方法。