JP2696775B2 - 消臭性アクリル系合成繊維及びその製造方法 - Google Patents

消臭性アクリル系合成繊維及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は優れた消臭効果を有し、且つ優れた耐洗濯性
を有する消臭性アクリル系合成繊維及びその製造方法に
関するものである。
〔従来の技術〕
従来消臭、脱臭の方法としては、芳香性物質により悪
臭をマスキングする方法、過マンガン酸カリウム等の酸
化剤により悪臭物質を酸化分解する方法、塩類、硝酸、
水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等の中和剤により中
和する方法及び活性炭により悪臭を吸着させる方法等が
知られている。しかしながら、これらの方法のうちマス
キング剤による方法は、長期間滞在する場所ではむしろ
不快感を覚える欠点があり、またそのほかの酸化分解中
和、固定化あるいは吸着による方法では悪臭物質に対す
る選択性が大きいという欠点があった。
一方、繊維製品については、繊維に抗菌剤を含有さ
せ、菌の繁殖を防止することによって悪臭を防止する衛
生加工が知られている。しかしこの方法は間接的な方法
であるため菌の繁殖以外の原因によって発生した悪臭に
ついては効果がないという欠点があった。また特開昭59
−66号公報にツバキ科植物、特に茶樹、サカキ、山茶花
の主として葉部より抽出した消臭有効成分の稀釈液を用
いて浸漬、塗布、散布などにより繊維製品に添加させる
ことが開示されている。この方法によると、繊維の表面
に消臭成分が付着しているため、水洗いやドライクリー
ニングによって容易に消臭有効成分が脱落してしまうと
いう欠点があった。
また、特開昭55−32519号公報及び特開昭56−63355号
公報に酸化還元能を有する金属錯体の金属ポルフィリ
ン、金属ポリフィラジンを含有する消臭剤が開示されて
いる。さらに特開昭61−258077号公報及び特開昭61−25
8078号公報に金属フタロシアニン0.5〜20重量%担持さ
せたセルロース繊維及びポリアミド繊維が開示されてい
る。しかしこれら金属ポリフィリン、金属ポルフィラジ
ン及びそれらの化学的誘導体で繊維を処理しても、綿、
レーヨンのセルロース系繊維及びポリアミド繊維には付
着するが、アクリル、ポリエステル等の合成繊維には直
接付与することが出来ず、樹脂と混ぜて樹脂加工をする
必要があった。このため合成繊維本来の風合いがそこな
われる上に消臭効果も充分発揮出来ないと言う欠点を有
していた。また紡糸原液に混合して紡糸すると、可紡性
が不良の上に消臭効果が不充分であるという欠点を有し
ていた。
また、特開昭62−7000号公報などには、金属フタロシ
アニンポリカルボン酸と金属イオンとを担持させた繊維
が開示されているが、アクリル系合成繊維では付与した
表面付着の金属フタロシアニンポリカルボン酸及び金属
イオンが洗濯により容易に脱落してしまう欠点があっ
た。
本発明者らは上記欠点を改善すべく鋭意研究の結果本
発明を完成したのである。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は優れた消臭効果及び耐洗濯性を有し、
かつアクリル系合成繊維の繊維性能、風合いをそのまま
保持する消臭性アクリル系合成繊維及びその製造方法を
提供するにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明の消臭性アクリル系合成繊維は、アクリロニト
リル80重量%以上と、一般式 (但し、R1は水素又はメチル基、nは2〜4の整数、
R2,R3はメチル基又はエチル基)で表わされる単量体1
〜15重量%と、アクリロニトリルと共重合可能な他の単
量体0〜19重量%とよりなるアクリル系重合体の繊維
に、下記構造式の金属フタロシアニン及び1価の銅イオ
ンを含有することを特徴とする。
構造式 (式中の、−Xは水素または置換基、Mは配位金属) また本発明の製造方法は、アクリロニトリル80重量%
以上と、一般式 (但し、R1は水素又はメチル基、nは2〜4の整数、
R2,R3はメチル基あるいはエチル基)で表わされる単量
体1〜15重量%と、アクリロニトリルと共重合可能な他
の単量体0〜19重量%とよりなるアクリル系重合体の繊
維を、下記構造式の金属フタロシアニンの処理液(A)
にて加熱処理して金属フタロシアニンを含有させた後、
1価銅イオンを含む処理液(B)にて加熱処理して1価
銅イオンをアクリル系合成繊維に含有せしめたことを特
徴とするものである。
構造式 (式中の、−Xは水素または置換基、Mは配位金属) 本発明において一般式(I) (但し、R1は水素又はメチル基、nは2〜4の整数、
R2,R3はメチル基又はエチル基)とはN,N−ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル
メタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタク
リレート、N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノブチルメタクリレート、N,N−
ジエチルアミノブチルメタクリレート等のメタクリル酸
誘導体、及びN,N−ジメチルアミノエチルアクリレー
ト、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジ
メチルアミノプロピルアルリレート、N,N−ジエチルア
ミノプロピルアルリレート、N,N−ジメチルアミノブチ
ルアクリレート、N,N−ジエチルアミノブチルアクリレ
ート等のアクリル酸誘導体が挙げられる。
アクリル系重合体中の上記単量体(I)は金属フタロ
シアニンを担持するだけでなく、金属フタロシアニンの
消臭反応促進作用を有するのである。アクリル系重合体
中の単量体(I)の含有率が1重量%未満であると金属
フタロシアニンの担持効果が不充分であり、また15重量
%を越えると繊維の耐熱性が不良で経済的に好ましくな
い。
アクリロニトリルと共重合可能な他の単量体として
は、アクリロニトリルと共重合可能な公知のビニル単量
体ならいずれも使用可能で特に限定されないが、例えば
メチルアクリレート、酢酸ビニル、メチルメタクリレー
ト、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレン、ア
クリル酸、メタクリル酸等が挙げられ、またその共重合
割合は目的によって適当に選択出来る。
本発明のアクリル系重合体は、アクリロニトリル80重
量%以上と、上記一般式(I)の単量体1〜15重量%
と、アクリロニトリルと共重合可能な他の単量体0〜19
重量%よりの共重合体のみならず、例えばアクリロニト
リルと他の単量体による重合体にアクリロニトリルと一
般式(I)の単量体よりなる共重合体のポリブレンド、
又はアクリロニトリルと一般式(I)の単量体及び他の
単量体の三元重合体のポリブレンド、又は一般式(I)
の単量体及び他の単量体よりの共重合体のポリブレンド
によるなど、最終的に上記組成になったものをも含む。
また前記アクリル系重合体が酢酸セルロース、ポリス
チレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリ酢
酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等の樹脂を含
有していても良い。特に前記アクリル系重合体に酢酸セ
ルロースを2〜30重量%を含有したものが好ましい。
本発明の金属フタロシアニンの−X基は、水素基また
は置換基である。置換基としては、例えばアルキル基、
置換アルキル基(例えばクロロメチル基)、ハロゲン
基、ニトロ基、アミノ基、アゾ基、チオシアネート基、
カルボキシル基、カルボニルクロリド基、カルボキシル
アミド基、ニトリル基、水酸基、アルコキシル基、フェ
ノキシル基、スルホン酸基、スルホニルクロリド基、ス
ルホンアミド基、チオール基、アルキルケイ素基、ビニ
ル基などの他、カルボキシル基やスルホン酸基のアルカ
リ塩類などが挙げられ、1種類の基には限られず夫々別
な基が置換される場合もある。なかでもカルボキシル
基、スルホン酸基、これらのアルカリ塩類、ハロゲン
基、アミノ基または水酸基が2〜8置換されているもの
が好ましい。また中心金属Mは、例えばFe、Co、Mn、T
i、V、Ni、Cu、Zn、Mo、W、Osのものを使用できる。
好ましくはFeまたはCoのもの、またはFeとCoのものを混
合したものである。
本発明の繊維において、金属フタロシアニンの含有量
は0.1〜10重量%が好ましく、更に好ましくは0.5〜5重
量%である。0.1重量%未満であると、金属フタロシア
ニン量が、少ない為に消臭効果が不良である。また、10
重量%を越える金属フタロシアニンの付着は難しく、性
能も飽和に達するので量の割に向上せず、経済的に好ま
しくない。特に0.5〜5重量%の含有量は繊維への付着
処理が容易で、且つ消臭効果が良好である点から好まし
い。
また、1価銅イオンの含有量は0.1〜15重量%が好ま
しく、更に好ましくは0.5〜8重量%である。0.1重量%
未満であると、1価銅イオンの含有量が少ない為に消臭
効果が不良であり、耐洗濯性にも欠ける。また、15重量
%を越えると繊維の膠着が現われ、アクリル系合成繊維
の性能及び風合いを保持することができず経済的にも好
ましくない。特に0.5〜5重量%の処理は容易に実施で
き、繊維性能及び風合いも良好で、金属フタロシアニン
との相乗効果により極めて優れた消臭性能と耐洗濯性を
得られるので非常に好ましい。
本発明方法の処理液(A)とは、前記金属フタロシア
ニンを水酸化ナトリウム、又は水酸化カリウム、又は炭
酸ナトリウム、又は炭酸カリウム等のアルカリと溶解さ
せ、酸によってpHを調整して処理を行うのである。必要
に応じて硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等の無機塩又
は界面活性剤、防汚剤、制電剤、抗菌剤等の添加剤を併
用することも可能である。処理液のpHは8以下の中性又
は酸性、好ましくはpH7以下の中性又は酸性であること
が、金属フタロシアニンを繊維へ付与するのが容易であ
る。
本発明方法の加熱処理の温度は、アクリル系合成繊維
のガラス転移点付近の85℃以上にて行うのが好ましい。
85℃以下では金属フタロシアニンをアクリル系重合体の
繊維に付与することが難しくなる傾向にある。また処理
温度が130℃を越えると、熱によるアクリル系合成繊維
の損傷により繊維物性が低下するので130℃以下で処理
するのが好ましい。特に90〜105℃にて処理するのは装
置も処理も容易に行うことが出来るので最も好ましい。
処理時間は特に限定されないが、20〜120分間で加熱処
理するのが好ましい。
本発明においては、処理液(A)による加熱処理後の
繊維に硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、酢酸等の水溶液にて
処理することが、消臭効果を更にアップさせることが出
来るので特に好ましい。
本発明方法の処理液(B)は1価銅イオンの補給源で
あるので、1価の銅の塩及び錯塩を用いることが出来る
が、通常2価の銅の塩及び錯塩などの第2銅化合物と2
価の銅を1価の銅に還元しうる還元剤とを主成分とする
水性浴で、酸によりpH調製して処理を行うのである。必
要に応じて、界面活性剤、防汚剤、制電剤、抗菌剤等の
添加剤を併用することも可能である。第2銅化合物の例
としては、硫酸銅、塩化第二銅、硝酸第二銅などが挙げ
られる。一方上記還元剤としては、金属銅、ヒドロキシ
ルアミン及びその塩、硫酸第1鉄、バナジン酸アンモニ
ウム、フルフラール、次亜リン酸ナトリウム、グリコー
ス、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫
酸、二亜硫酸ナトリウム、亜二チオン酸ナトリウム、亜
二チオン酸、ロンガリット、あるいはこれらの混合物等
が挙げられる。また、酸については硫酸、塩酸、リン酸
等の無機酸、クエン酸、酢酸等の有機酸、リン酸水素二
ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等の
塩及びこれらの混合物等がある。
処理液のpHは特に限定されないが、通常8以下の中性
または酸性浴で、好ましくは7以下の中性または酸性浴
であることが、1価銅イオンをアクリル系合成繊維へ含
有させるのに容易である。
また処理温度については、前述通りアクリル系合成繊
維のガラス転移点付近の85℃以上にて行うのが好まし
い。85℃以下では1価銅イオンの吸着に長時間を要す
る。一方、130℃を越えると、熱によるアクリル系合成
繊維の損傷により、繊維物性が低下するので、130℃以
下で処理するのが好ましい。特に90〜105℃で処理する
のは装置、処理ともに容易に実施できるので好ましい。
また、処理時間については特に限定されないが、20〜
120分間で処理するのが好ましい。
(発明の効果) 本発明によって得られた繊維は通常のアクリル系合成
繊維の繊維性能、風合いをそのまま保持するとともに、
優れた消臭効果を発揮するので、通常のアクリル系合成
繊維、ポリエステル、ナイロン、木綿、レーヨン、羊毛
等他の繊維と混合して使用することも可能で、消臭性能
を有する衣料、毛布、カーペット、マット、靴下、シー
ツ、ふとん綿等幅広い用途に使用することが出来るた
め、産業上極めて有意義なものである。
(実施例) 以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。な
お、実施例中(%)とあるのは「重量%」を意味する。
トリメチルアミン(エチルメルカプタン)除去率測定法 100mlバイアルビンに繊維試料を1g入れ密封する。さ
らに6%トリメチルアミンaq(又はエチルメルカプタ
ン)のヘッドスペースガス(25℃)1mlをガスタイトシ
リンジで先の密封したバイアルピンに注入し、一定時間
後にヘッドスペースガス1mlをガスクロ分析する。
対照として空の100mlバイアルビンに6%トリメチル
アミン(又はエチルメルカプタン)のヘッドスペースガ
ス1mlを同様に注入しガスクロ分析し、ピーク面積の減
少率にてトリメチルアミン除去率(%)を算出する。
実施例1 鉄フタロシアニンオクタカルボン酸を0.5%の水酸化
ナトリウム水溶液に溶解させ、更に硫酸にてpH調製(pH
=5)をして処理液Aを作製した。この処理液Aにアク
リロニトリル(AN)/メチルアクリレート(MA)/ジメ
チルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)=87.0/7.0
/6.0よりなるアクリル系重合体の繊維10gを浸漬し(浴
比1:60)、煮沸して60分間処理した。その後、冷却し中
性まで水洗して乾燥させた(処理Aとする)。
処理液Bは硫酸銅4%,亜硫酸水素ナトリウム0.5
%,酢酸1%を竦む酸性浴液でこれに上記鉄フタロシア
ニンオクタカルボン酸で染着処理したアクリル系合成繊
維5gを浸漬し(浴比1:60)、煮沸して60分間加熱処理し
た。その後冷却し中性まで水洗して乾燥させた(処理B
とする)。
比較例として、前出のアクリル系合成繊維の代りに通
常のアクリル繊維を用い、処理A及びBを実施した。
各々の試料のトリメチルアミン(TMA)除去率、エチ
ルメルカプタン(EMP)除去率を測定した。その結果を
表−1に示す。
No.1〜3はAN/MA/DMAEMA=87.0/7.0/6.0の組成を有す
るアクリル系合成繊維を使用し、No.4〜6はAN/MA/SMAS
(メタリルスルホン酸ナトリウム)=90.0/9.0/1.0の組
成を有するアクリル繊維を使用した。No.1,4は上記アク
リル繊維2種の未処理物(原綿)を測定した。
測定の結果(表−1参照)、繊維担体については本発
明で使用する該アクリル系合成繊維が特に優れており、
処理Bを実施することで特に優れた消臭性能を付与でき
ると判った。これは1価の銅イオンを含有させることに
より、鉄フタロシアニンオクタカルボン酸との相乗効果
が発揮され、消臭性能の向上が見られたのである。
試料中の鉄フタロシアニンオクタカルボン酸及び銅の
含有量は蛍光X線分析で得られ、前者は中心金属の鉄の
定量で、鉄フタロシアニンオクタカルボン酸含有量に換
算でき、後者は銅の定量を行うことで求められる。
Fe(III)フタロシアニンオクタカルボン酸含有量に
注目すると、No.5,6のアクリル繊維(AN/MA/SMAS=90.0
/9.0/1.0の組成物)と比較して、本発明例のアクリル系
合成繊維(AN/MA/DAMEMA=87.0/7.0/6.0の組成物)のN
o.2,3は鉄フタロシアニンオクタカルボン酸含有量が高
いことが判明した。また、銅の含有量も倍近く高かっ
た。
実施例2 鉄フタロシアニンテトラカルボン酸を0.5%の水酸化
ナトリウム水溶液に溶解させ、更に酢酸にてpH調製(pH
=5)を行ない処理液Cを作製した。この処理液CAN/MA
/DMAEMA(ジエチルアミノエチルメタクリレート)=90.
0/8.0/2.0よりなるアクリル系合成繊維を浸漬し(浴比
1:60)、100℃にて30分間加熱処理した。その後冷却
し、脱液した後に0.5%希硝酸溶液にて10分間浸漬処理
した。処理後、中性まで水洗し、乾燥させた(処理Cと
する)。
また、処理液Dは硫酸銅1%,硫酸ヒドロキシルアミ
ン0.8%,濃硫酸0.04%を含む酸性溶液で、これで鉄フ
タロシアニンオクタカルボン酸の密着処理を実施したア
クリル系合成繊維を浸漬し(浴比1:80)、100℃にて30
分間加熱処理した。その後冷却し中和まで水洗して乾燥
させた(処理Dとする)。
この繊維をポリエステルの網袋に入れて、家庭洗濯を
0,5,10回行なった後、消臭テストを実施した。
〔洗濯条件〕 市販小型電機洗濯機使用 中性洗剤 1g/ 浴比 1:100 温度×温度 40℃×5分間 水洗 10分間 乾燥 80℃×1時間 表−2に示すごとく、処理Dを実施した本発明例のア
クリル系合成繊維は消臭速度も極めて速く、TMA,EMPの
両悪臭共に最低でも15分で100%消臭する性能を示し
た。また、抜群の耐洗濯性を有していることが判明した
(No.7〜9)。
比較例(No.10〜12)は鉄フタロシアニンオクタカル
ボン酸の染着処理のみを実施した試料である。良好な消
臭能力及び耐洗濯性を有するものの、処理Dの有無の差
は大きく、本発明例に比べ、消臭速度が緩慢であった。
蛍光X線による鉄フタロシアニンオクタカルボン酸及び
銅の定量分析結果を表−2に示した。本発明例の処理D
を実施することにより、鉄フタロシアニンオクタカルボ
ン酸含有量が低下すると判った。本発明例(No.7〜9)
は洗濯試験を10回実施しても、鉄フタロシアニンオクタ
カルボン酸含有量及び銅含有量ともにほとんど低下しな
かった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリロニトリル80重量%以上と、一般式 (但し、R1は水素又はメチル基、nは2〜4の整数、
    R2,R3はメチル基又はエチル基)で表わされる単量体1
    〜15重量%と、アクリロニトリルと共重合可能な他の単
    量体0〜19重量%とよりなるアクリル系重合体の繊維
    に、下記構造式の金属フタロシアニン及び1価の銅イオ
    ンを含有することを特徴とする消臭性アクリル系合成繊
    維。 構造式 (式中の、−Xは水素または置換基、Mは配位金属)
  2. 【請求項2】アクリロニトリル80重量%以上と、一般式 (但し、R1は水素又はメチル基、nは2〜4の整数、
    R2,R3はメチル基あるいはエチル基)で表わされる単量
    体1〜15重量%と、アクリロニトリルと共重合可能な他
    の単量体0〜19重量%とよりなるアクリル系重合体の繊
    維を、下記構造式の金属フタロシアニンの処理液(A)
    にて加熱処理して金属フタロシアニンを含有させた後、
    1価銅イオンを含む処理液(B)にて加熱処理して1価
    の銅イオンをアクリル系合成繊維に含有させることを特
    徴とする消臭性アクリル系合成繊維の製造方法。 構造式 (式中の、−Xは水素または置換基、Mは配位金属)
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