JPS6317183A - 自動車の後輪操舵装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は自動車の後輪操舵装置に関するものである。

従来の技術 自動車においてステアリングハンドルの転舵操作による
前輪の転舵作動に伴ない後輪も同時に転舵作動するよう
にしたものは従来より種々開発され、例えば特開昭５８
−１１２８７５号公報等にて既に公開されている。

発明が解決しようとする問題点 上記のように前輪転舵と同時に後輪も転舵されるように
なっている自動車の後輪操舵装置は、一般に前輪操舵装
置と同様のラック・ビニオン式等の歯車噛合機構を用い
、該歯車噛合機構が前輪操舵装置の転舵作動に連動して
作動し後輪をキングピンまわりに回動させる方式のもの
が採用されていることが多い。

しかし、このような従来の後輪操舵装置は構造が極めて
複雑となり、高価となるばかりか、かなり大きなスペー
スを必要とすると言う問題を有している。

更に後輪の舵角は前輪舵角に対し極めてわずかであるの
で、後輪操舵を上記のような歯車噛合様構成はリンク機
構にて行おうとすると、歯車１−合部のパフクラッシ或
はリンク機構の遊び等が後輪舵角制御に大きな影響をも
つことになり、従って歯車やリンク等の精度を著しく高
くしバックラッシや遊びを極小とする必要があり、生産
性が大幅に低下すると言った問題も有している。

又油圧機器や電動モータ等のアクチュエータにて直接後
輪操舵を行おうとすると、該アクチュエータ自体にて後
輪の微小舵角制御を正確に行うことがなかなか困難であ
り、又アクチュエータ自体での後輪舵角保持も非常に困
難であると言う問題を有している。

本発明は上記のような従来の諸問題をすべて解決し得る
後輪操舵装置を提供することを目的とするものである。

問題点を解決するための手段 本発明は、先端部に後輪を支持した前側リンクと後側リ
ンクの基端部を、車体側部材に取付けた軸に筒状の弾性
部材を介して上下揺動可能なるよう取付けたダブルリン
ク式リヤサスペンションにおいて、上記軸を車体側部材
に回動可能なるよう取付け、該軸の前端部分と後端部分
に、内筒と外筒とその間に固着された弾性円環とからな
り内筒と外筒とが偏心したほぼ筒形状をなす前側弾性部
材と後側弾性部材とを、該前側と後側の弾性部材が相互
に略１８０°角度変位し逆向きに偏心した状態にて、内
筒をそれぞれ嵌装して固定し、該前側と後側のりｉ性部
材の外筒の外周面に前側と後側のリンクの基端部をそれ
ぞれ回動可能なるよう嵌装すると共に、車速と前輪舵角
又は前輪操舵力とに応じて上記軸を回動させるアクチュ
エータを設けたことを特徴とするものである。

作　　　用 上記において、アクチュエータにて軸を回動させること
により、該軸と一体となって前側及び後側の弾性部材が
回動し、該前後の弾性部材の逆方向の偏心によって、前
側リンクと後側リンクとが車幅方向にそれぞれ左右逆方
向に相対的に変位し、該前側と後側のリンクの先端部に
取付けられている後輪を転舵させることができるもので
あり、後輪の転舵方向と転舵角度は、車速と前輪舵角又
は前輪操舵力によって制御されるアクチュエータの回転
方向および回転角度によって制御されるものである。

実施例 以下本発明の実施例を晴間を参照して説明する。

第１．２図において、１は後輪であり、該後輪ｌには前
後のリンク２および３の先端部が軸着され、該前後のリ
ンク２および３の基端部２１および３１はクロスメンバ
等の車体側部材６に支持された軸４に後述する弾性部材
５を介して上下揺動可能なるよう取付けられている。

７はラジアスロッドであり、該ラジアスロッド７の先端
部は後輪１側の部材に取付けられ、該ラジアスロッド７
の基端部７１は後輪ｌの前方又は後方の車体側部材に弾
性部材を介して揺動可能なるよう取付けられ、該ラジア
スロッド７にてサスペンションの前後方向剛性を保持す
るよう構成されている。

上記前後のリンク２および３の基端部２１および３１の
車体側部材６への軸着部の具体的構造例は第３，４図に
示す通りである。

即ち、軸４は第３図に示すように車体側部材６に溶接等
により固着された筒部材８に軸受９を介して回動可能な
るよう嵌装支持され、該軸４の前後両端部分にそれぞれ
弾性部材５を介して前側および後側のリンク２および３
の基端部２１および３１が上下方向に揺動可能なるよう
嵌装されるが、該軸４とそれに嵌装される前側および後
側のリンクの各基端部２１および３１との間に介在され
る弾性部材５を、内筒５１と外筒５２と該内外筒間に固
着されたゴム等の弾性円環５３とからなるほぼ筒形状で
且つ上記内筒５１と外筒５２とが偏心量ｅをもって偏心
した構造に構成され、該弾性部材５は、前側の弾性部材
５ａと後側りｉ性部材５ｂとが互いに略１８０°角度変
位した状態つまり逆向きに偏心した状態にてそれぞれ軸
４の前側支持部４１および後側支持部４２に内筒５１を
圧入又はセレーション嵌合等の手段にて嵌合固着され、
前側弾性部材５ａおよび後側りｒ件部材５ｂの外筒５２
の外周に前側リンク２および後側リンク３の基端部２１
，３１を軸受１０を介して回動可能なるよう嵌装し、軸
４の両端ねじ部にナツト１１を螺合締付けることにより
前側リンク２と後側リンク３とは軸４の中心線ｘ−ｘに
対しｅだけ互いに逆方向に偏心した前側弾性部材および
後側弾性部材の外筒５２の各中心線Ｙ−ＹおよびＺ−Ｚ
を中心として上下に揺動し得るよう組付けられる。

尚弾性部材５において、内筒５１に対し外筒５２が偏心
した構造とすると当然弾性円環５３の肉厚は均一ではな
く、従ってそのばね定数も肉厚が厚い方が低く（柔らか
く）肉厚の小なる部分が高く（硬く）なる。そこで第３
゜４図に示すように弾性円環５３の肉厚の厚い部分に金
属板等の中間板５４を埋設する等の手段にてばね定数を
高くし全周にわたってほぼ均一のばね定数となるよう構
成しである。

第１，２図において、１２は例えば電動モータと減速機
とからなるアクチュエータであり、該アクチュエータ１
２は車体側部材６に取付けられ、車速センサ１５および
前輪舵角センサ又は前輪操舵トルクセンサ１６の各信号
から予め設定されているデータに基づき出力信号を芋え
るコントローラ１４の該出力信号によりアクチュエータ
１２が回転し、回転伝達機構１３を介して上記軸４を回
動させ、該軸４と一体となって前後の弾性部材５ａと５
ｂが回動し、前側と後側のリンク２および３のそれぞれ
の揺動中心Ｙ−Ｙおよびｚ−Ｚの左右方向位置は変化し
、前側リンクと後側リンク３とが車幅方向に相互に逆方
向に変位するようになっている。

回転伝達機構１３は、アクチュエータ１２の減速機の出
力軸に固着された駆動側アーム１３１と、軸４にセレー
ション嵌合等により固着された被駆動側アーム１３３と
、該駆動側と被駆動側のアーム１３１と１３３とを連結
するロッド１３２とからなる。

尚第３，４図において、１３４はロッド１３２と被駆動
側アーム１３３とを連結するジヨイントを示す。

上記において、前輪が転舵されていない直進状態では軸
４は予じめ定められた中立位置即ち前後の弾性部材５ａ
と５ｂとが一方が上方に他方が下方にそれぞれ偏心した
状態に保たれている。この状態では前側リンク２と後側
リンク３との横方向即ち車幅方向の変位はなく後輪１は
直進状態に保持される。またこの状ｙＥでは後輪ｌを介
して前後のリンク２．３に横方向の外力Ｐが作用しても
前後のリンク２お之び３にはほぼ等分の力がかかるので
軸４を回動させようとするトルクは前後のりｐ件部材５
ａと５ｂ部とで打消されてアクチュエータ１２への外力
の作用はない。

高速走行中における旋回時は、車速センサ１５の車速信
号と前輪舵角センサ又は前輪操舵トルクセンサ１６の前
輪舵角又は前輪操舵力信号とから、コントローラ１４が
出力信号を発しアクチュエータ１２を回転させ、例えば
高速左旋回であると、軸４を上記中立位置より左方向に
９０’回動させ、左右輪側共に前側弾性部材５ａが左方
向に偏心し後側弾性部材５ｂが右方向に偏心した状態と
する。すると前側リンク２は前側弾性部材５ａの偏心量
ｅだけ左方向に変位し後側リンク３は後側弾性部材５ｂ
の偏心量ｅだけ右方向に変位し、前側リンク２と後側リ
ンク３とは左右方向に２Ｘｅだけ相対的に変位した状態
となり、第５図に示すように後輪１．１は前輪と同方向
に転舵された状態となる。

この場合、後輪の転舵角０は前後のリンク２と３の後輪
１への取付部間の距離りと前後のリンク２，３の左右方
向変位Ｎ　２　Ｘ　ｅにて定まり、０＝２ｅ／Ｌにて表
わされ、例えば、ｅ＝３ｍｍ、Ｌ＝　１８０ｍｍとする
とθ千２＠となり、ｅは軸４の回動角によって０〜３ｍ
ｍの間で任意に制御できるので、後輪１，１の転舵角θ
はアクチュエータ１２の回転角によってほぼ２°以下の
範囲にて任意に制御することができる。

上記のように高速旋回時後輪を前輪と同方向に転舵（前
後輪同相転舵）させることにより、高速時の操縦安定性
の著しい向上をはかり得る。

中低速旋回時は、コントローラ１４の出力信号によって
アクチュエータ１２を前記とは逆方向に回転させ１例え
ば左旋回であると、前側弾性部材５ａが右側に偏心し後
側弾性部材５ｂが左側に偏心した状態に軸４を回動させ
る。すると前記高速旋回時とは逆に前側リンク２は右側
に、後側リンク３は左側に変位し、後輪は前輪とは逆方
向即ち右に転舵された状態となり（前後輪逆相転舵）、
旋回性の著しい向上をはかり得る。この場合の後輪舵角
０の制御は前記高速旋回時と同様に行うことができる。

上記のような後輪転舵状態において、後輪に作用する横
方向荷重Ｐは前側リンク２と後側リンク３の両方にほぼ
均等に作用するので軸４に作用するトルクは前後の弾性
部材にて互いに打ち消し合い、アクチュエータ１２への
外力の作用は全くない。

コントローラ１４に、予じめ車速をパラメータとした前
後輪舵角比又は前輪操舵力に対する後輪舵角の比の特性
を設定記憶させておき、車速センサ１５の車速信号およ
び前輪舵角センサ又は前輪操舵トルクセンサ１６の前輪
舵角又は前輪操舵力信号に基づきコントローラ１４が後
輪を転舵させるべき方向および後輪舵角を演算にて決定
してそれを実現すべき出力信号をアクチュエータ１２に
発するようにすることにより、上記のような後輪舵角制
御を的確に行うことができるが、本発明では上記のよう
に高速時前後輪同相転舵、中低速時前後輪逆相転舵とす
る制御に限らず、例えば中、高速時は前後輪同相転舵と
し低速時は後輪を転舵させず中立位置のままとするよう
な制御としても良く、その他任意の制御態様を採用する
ことができる。

アクチュエータ１２としては、電動モータと減速機との
組合せ以外に、油圧機器或はバキュームアクチュエータ
等任意のものを用い得る。

発明の効果 以上のように本発明によれば、前側と後側のリンクにて
後輪を上下揺動可能なるよう支持したダブルリンク式リ
ヤサスペンションにおいて、該前側と後側のリンクを車
体側部材に支持する一木の軸を回動させるだけの極めて
簡単なる構成により、後輪転舵を的確に行うことができ
るもので、装置全体の小型コンパクト化をはかりコスト
の大幅な低減をはかり得るばかりか、後輪の微小角転舵
の制御を正確に行うことができ且つ後輪側から入力され
る車幅方向外力がアクチュエータにかかることは全くな
く的確なる後輪舵角保持を行い得るもので、実用上多大
の効果をもたらし得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す平面説明図。 第２図は第１図装置の正面説明図、第３図および第４図
は前側および後側のリンクの車体側部材への取付部の具
体的構造例を示す横断平面図および要部縦断正面図、第
５図は後輪の転舵態様例を示す要部平面説明図である。 １・・・後輪、２・・・前側リンク、３・・・後側リン
ク、４・・・軸、５・・・弾性部材、６・・・車体側部
材、１２・・・アクチュエータ、１４・・・コントロー
ラ、１５・・・車速センサ、１６・・・前輪舵角センサ
又は前輪操舵トルクセンサ。 以　　　上

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 先端部に後輪を支持した前側リンクと後側リンクの基端
   部を、車体側部材に取付けた軸に筒状の弾性部材を介し
   て上下揺動可能なるよう取付けたダブルリンク式リヤサ
   スペンションにおいて、上記軸を車体側部材に回動可能
   なるよう取付け、該軸の前端部分と後端部分に、内筒と
   外筒とその間に固着された弾性円環とからなり内筒と外
   筒とが偏心したほぼ筒形状をなす前側弾性部材と後側弾
   性部材とを、該前側と後側の弾性部材が相互に略１８０
   °度変位し逆向きに偏心した状態にて、内筒をそれぞれ
   嵌装して固定し、該前側と後側の弾性部材の外筒の外周
   面に前側と後側のリンクの基端部をそれぞれ回動可能な
   るよう嵌装すると共に、車速と前輪舵角又は前輪操舵力
   とに応じて上記軸を回動させるアクチュエータを設けた
   ことを特徴とする自動車の後輪操舵装置。