JPH0449028Y2 - - Google Patents

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JPH0449028Y2
JPH0449028Y2 JP15806587U JP15806587U JPH0449028Y2 JP H0449028 Y2 JPH0449028 Y2 JP H0449028Y2 JP 15806587 U JP15806587 U JP 15806587U JP 15806587 U JP15806587 U JP 15806587U JP H0449028 Y2 JPH0449028 Y2 JP H0449028Y2
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cam
cam body
rotation
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steering
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  • Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
この考案は、四輪操舵車両に適用される後輪転
舵機構に関し、詳しくは、種々の後輪転舵パター
ンを容易に設定できるとともに、後輪転舵を円滑
に行いうるように構成されたものに関する。
【従来の技術】
種々の状況に応じて最適なドライバビリテイを
達成するために、前輪に加えて後輪をも転舵する
ように構成された四輪操舵車両は広く普及してい
る。たとえば、ステアリングホイールの回転を機
械的に後輪転舵機構に伝達して後輪を転舵させる
ようにしたものは、通常、前輪の切れ角が小さい
ときには後輪を同位相に所定角転舵させ、前輪の
切れ角が大きいときには後輪を逆位相に所定角転
舵させるように構成される。これは、前輪を大き
く転舵させる場合は通常極低速時でUターン等の
旋回を行う場合であり、高速時におけるレーンチ
エンジ時等には前輪の転舵量はわずかになること
に着目したものである。このように、後輪が逆位
相に転舵される場合、すなわち、後輪が前輪と反
対方向に転舵される場合は、車体の旋回中心が前
方に移行して、車体の旋回半径が前輪のみ転舵す
る場合に比して小さくなり、車両のとりまわし性
を向上させることができる。また、高速時でのレ
ーンチエンジ時等には、後輪が同位相に転舵され
ることにより、すなわち後輪が前輪と同方向に転
舵されることにより、遠心力に起因する横すべり
の傾向が抑制され、走行状態が安定させられる。 ところで、後輪を転舵させる後輪転舵機構は、
従来から種々提案されている。たとえば、特開昭
58−211968号公報に示された後輪転舵機構の場
合、ステアリングホイールの回転に連動して回転
する回転体に偏心ピンを設け、上記回転体の回転
に伴つて動く上記偏心ピンの車幅方向動を後輪転
舵用タイロツドに伝達して後輪を転舵させるよう
にしている。
【考案が解決しようとする問題点】
しかしながら、上記公報に示された後輪転舵機
構では、上記偏心ピンの偏心量を変更することに
より、後輪の転舵量を増減することはできるが、
逆位相方向の転舵量に対して同位相方向の転舵量
を相互に独立して増減させることは容易でない。
また、第5図に示すような同位相から逆位相へ転
換する際に通過する舵角0のターニングポイント
を容易に変更できないという問題もある。最適な
後輪転舵パターンは、車両の荷重分布、懸架特性
等に応じて様々に異なり、従来の後輪転舵機構で
は、これらの種々の後輪転舵パターンに容易に対
応することができなかつたのである。 本考案は、以上のような事情のもとで考え出さ
れたものであつて、簡単な構造をもつて、後輪転
舵パターンの変更を容易に行いうるように構成さ
れる後輪転舵機構を提供することをその目的とす
る。
【問題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、本考案の後輪転舵機
構は、 車両前後方向に延びる入力シヤフトと、 上記入力シヤフトに連結されて上記入力シヤフ
トの回転によりその軸心回りに回転させられるカ
ム体と、 上記カム体を挟んでその両側方に配され、かつ
上記カム体の外周面に当接する一対のカムフオロ
アを中間部に支持するとともに、車幅方向スライ
ド可能に支持された動杆と、 上記動杆のその軸心回りにおける上記カム体に
対する相対回転を規制する軸転防止手段とを備
え、 上記カム体は、その外周面に、回転軸心からの
距離が、中立位置での上記カムフオロアとの接点
と回転軸心との間の距離よりも大きいカム面、お
よび上記カム面と回転軸心を挟んで対向する部位
において上記カムフオロアの車幅方向内方の移動
を許容する凹面部を、中立位置から時計回り方向
および反時計回り方向のそれぞれの所定の回転位
置において有する一方、 上記動杆の両端部に、後輪転舵用部材をそれぞ
れ連結している。
【作用】
入力シヤフトの回転によりカム体が中立位置か
ら所定量を回転させられ、回転軸心からの距離が
中立位置でのカム体のカムフオロアとの接点と回
転軸心との間の距離よりも大きいカム面が一対の
カムフオロアのうち一方のカムフオロアに当接す
ると、このカムフオロアは、カム体により車幅方
向外方(カム体の回転軸心から離間する方向)に
押される。このとき、上記一方のカムフオロアと
カム体を挟んで対向する他方のカムフオロアには
カム体における上記カム面と回転軸心を挟んで対
向する凹面部が向かいあい、他方のカムフオロア
は、その車幅方向内方(上記一方のアーム部材に
おける車幅方向外方の向きと一致する方向)への
移動を許容される状態となる。したがつて、これ
ら一対のカムフオロアを支持しかつ車幅方向スラ
イド可能に支持された動杆は、上記一方のカムフ
オロアがカム体から受けるカム作用により、車幅
方向においてスライド動させられ、これにより、
動杆の両端部にそれぞれ連結された各後輪転舵用
部材に車幅方向動が与えられ、後輪が転舵され
る。 このように、カム体が所定量回転したときに後
輪が転舵されることになるが、たとえば、カム体
に、中立位置からの回転角が小さい回転位置にお
いて凹面部を、これにより回転角が大きい回転位
置においてカム面をそれぞれ設けた場合を考え
る。この場合、上記凹面部およびカム面と回転軸
心を挟んでそれぞれ対向する部位には、凹面部と
対応するカム面およびカム面と対応する凹面部が
それぞれ設けられることになる。 カム体の回転角が小さいときに、一方のカムフ
オロアが凹面部に向かいあうと、他方のカムフオ
ロアは上記凹面部と回転軸心を挟んで対向するカ
ム面と当接する。このとき、上記他方のカムフオ
ロアは、カム面によつて車幅方向外方へ押され、
また、上記一方のカムフオロアは、車幅方向内方
(上記他方のカムフオロアにおける車幅方向外方
の向きと一致する方向)への移動を許容される状
態となる。したがつて、動杆は、各カムフオロア
とともに所定方向に車幅方向動かさせられ、これ
に伴う後輪転舵用部材の車幅方向動により後輪が
所定方向に転舵される。カム体の回転角が大きく
なつて、上記一方のカムフオロアにカム面が当接
し、上記他方のカムフオロアに上記カム面と対応
する凹面部が向かいあうようになると、今度は、
一方のカムフオロアが、カム体によつて車幅方向
外方(上記のカム体の回転角か小さいときの移動
方向と逆方向)に押され、また、他方のカムフオ
ロアはこれと同方向の移動を許容される状態とな
る。このとき、動杆は上記と同様に車幅方向にス
ライド動させられ、これにより後輪が転舵される
が、このときの動杆のスライド方向は上記の回転
角が小さいときのスライド方向と逆方向になり、
後輪の転舵方向も上記の回転角が小さいときの転
舵方向と逆方向になる。 したがつて、たとえばここで、カム体の回転角
が小さい場合の後輪の転舵方向が前輪と同方向
と、カム体の回転角が大きいときの後輪の転舵方
向が前輪と逆方向と、そして、カム体の回転角の
増減傾向がステアリングの操舵角の増減傾向と対
応すると仮定すると、後輪は、ステアリングの操
舵角が小さいときには前輪に対し同位相に、ステ
アリングの操舵角が大きいときには前輪に対し逆
位相に転舵されることになるのである。 また、動杆は、軸転防止手段によつて、その軸
心回りにおけるカム体に対する相対回転を規制さ
れている。したがつて、動杆は、これを軸転させ
る力を後輪転舵用部材から受けた場合等において
も、カム体に対して相対回転させるられることが
なく、動杆が支持するカムフオロアとカム体との
動杆の軸心回りにおける相対位置関係が一定に維
持される。
【効果】
以上のように、本考案に係る後輪転舵機構にお
いては、ステアリングの操舵角が小さいときに後
輪を前輪に対し同位相に、ステアリングの操舵角
が大きいときに後輪を前輪に対し逆位相に転舵さ
せることができるが、ステアリングを中立位置か
ら回転させたとき同位相から逆位相へ転換する際
に通過する舵角0のターニングポイントは、上記
の中立位置からの回転角が小さい回転位置におい
て設ける凹面部とこれより回転角が大きい回転位
置において設けるカム面との境界点を調整するこ
とにより容易に変更することができる。しかも、
カム面と回転軸心との距離を変更することにより
後輪の転舵量を増減できるなど、カム体の形状の
簡単な変更により、種々の後輪転舵パターンを設
定できる。 また、カム体とカムフオロアとは、動杆の軸心
回りにおける相対位置関係が変動させられること
がないから、カム体とカムフオロアとにより構成
され後輪転舵力を後輪に伝達する機能を担うカム
機構には、常に安定したカム機能が発揮される。
したがつて、本考案の後輪転舵機構の場合、円滑
性や応答性に優れる後輪転舵を期待できる。
【実施例の説明】
以下、本考案の一実施例を図面を参照して具体
的に説明する。 第6図に、本例の後輪転舵機構1を備えた四輪
操舵車両の全体構成を概略的に示した。 前輪転舵機構2は、本例の場合、周知のラツク
ピニオン式の転舵機構が採用されている。そし
て、前輪転舵機構2のラツク杆3の車幅方向の動
きをギヤボツクス4内に配設された従動ギヤ(図
示略)によつて回転運動として取り出し、この従
動ギヤの回転を伝動杆5を介して車体後方に配さ
れた後輪転舵機構1に入力するように構成してい
る。 後輪転舵機構1は、第1図に詳示するように、
上記伝動杆5の後端部に相対回転不能に連結され
た入力シヤフト6と、この入力シヤフト6の後端
部にスプライン嵌合等により相対回転不能に支持
されたカム体7と、上記カム体7を挟んで車幅方
向に対向するようにその両側方に配設されかつカ
ム体7の外周面に当接するカムフオロアとして一
対の回転ローラ8,8を支持する動杆9とを備え
る。さらに、本考案においては、上記動杆9をそ
の軸心回りにおいて上記カム体7に対し相対回転
させないための軸転防止手段が設けられている。 上記動杆9は、上記カム体7を取り囲むように
してケーシング10内に内装され上下壁面が開口
した枠状部材からなるカムフオロア支持部11
と、このカムフオロア支持部11の両端部にそれ
ぞれ一体的に突設された車幅方向に延びる一対の
スライド軸12,12とを有する。上記カムフオ
ロア支持部11には、第4図に示すような前壁部
11aと後壁部11bとの間に介設されたボルト
支軸13が、カム体7を挟んで左右二箇所に所定
間隔をあけて設けられており、そして、上記回転
ローラ8が、上記ボルト支軸13ないしこれに相
対回転不能に装着されたカラー14にベアリング
15を介して可回転に支持されている。また、第
3図に示すように、カムフオロア支持部11の上
記前壁部11aの中央部には開口部11cが設け
られており、上記入力シヤフト6は、その後端部
が上記開口部11cを通つてカム体7の配設位置
まで延びているとともに、図示はしないが、中間
部を上記ケーシング10内に内装されたベアリン
グに支持されている。なお、上記ケーシング10
は、車幅方向に延びるアクスルチユーブ(図示
略)等に固定される。 上記ボルト支軸13とカラー14との相対回転
防止手段としては、ボルト支軸13の中間部およ
びカラー14のボルト支軸13が嵌挿される軸孔
14aにそれぞれセレーシヨンを形成する手法が
採られている。また、本例の場合、上記軸孔14
aをボルト支軸13の軸線方向と直交する方向に
偏心して設けることにより、回転ローラ8とカム
体7との相対回転位置関係(たとえばり両者のバ
ツクラツシの大きさ等)を適切に設定できるよう
にしている。すなわち、ボルト支軸13のその軸
線回りの回転位置を変更することにより、カラー
14およびこれに支持される回転ローラ8のカム
体7に対する相対位置を車幅方向において変化さ
せることができ、これにより、回転ローラ8にカ
ム体7に対して適切な相対位置をとらせて、両者
により構成されるカム機構を良好な状態に設定す
ることができるものである。 一方、上記スライド軸12は、第1図に示すよ
うに、上記ケーシング10の両端部にそれぞれ設
けられた軸支部10aに中間部を軸方向(車幅方
向)スライド可能に支持されており、その先端部
には、後輪16にナツクルアーム17を介して連
結されたタイロツド18が後輪転舵用部材として
連結されている。上記軸支部10aとスライド軸
12との間には、スライド軸12のスライド動を
円滑に行わせるためのスライド軸12を軸方向ス
ライド可能に支持するベアリング19と、このベ
アリング19の外周部において緩衝体となるゴム
ブツシユ20とが、それぞれ配設されている。ま
た、スライド軸12とタイロツド18との連結
は、タイロツドエンド18aに通常設けられてい
る螺軸(図示略)と対応する螺孔(図示略)をス
ライド軸12の先端部に設け、上記螺軸を上記螺
孔に螺締することにより行つている。 そして、動杆9のその軸心回りにおけるカム体
7に対する相対回転を規制する上記軸転防止手段
が、カム体7の後壁面に外周ローラ面が当接する
軸転防止ローラ21を設けることにより講じられ
ている。本例の場合、上記軸転防止ローラ21
は、第1図および第3図に示すように、上記カム
支持部11の後壁部11bに、その中央部におい
て上下二箇所に配設されている。上方側に配置さ
れた軸転防止ローラ21は、後壁部11bの上面
に突設された鉛直軸線方向に延びる支軸22にベ
アリング23を介して可回転に支持されている。
また、上記後壁部11bの内側面下方部には凹部
11dが形成されているとともに、この凹部11
dに鉛直軸線方向に延びる支軸24aを有するブ
ラケツト体24が固設されており、下方側に配置
された軸転防止ローラ21が、上記支軸24aに
ベアリング25を介して可回転に支持されて、後
壁部11の内側面とカム体7の後壁面との間に配
設されている。これらの軸転防止ローラ21,2
1により、カムフオロア支持部11ないし動杆9
のカム体7に対する軸心回りにおける時計回り方
向および反時計回り方向の相対回転が規制される
から、動杆9は、タイロツド18から軸回り方向
の力を受けた場合等においても軸転させられるこ
とはない。したがつて、カムフオロア支持部11
において支持する回転ローラ8,8を、カム体7
に対し動杆9の軸心回りにおいて常に所定の位置
に位置させることができる。すなわち、回転ロー
ラ8とカム体7との適切な相対位置関係を維持し
て常に良好なカム作用を発揮させることができ
る。また、軸転防止ローラ21は、カム体7がそ
の軸心回りに回転し、かつ動杆9が車幅方向にス
ライド動することを考慮して、外周ローラ面が上
下端から上下方向中央部に向かうにつれ滑らかに
膨出した形状をとる略樽型状に形成されており、
これにより、カム体7の回転時および動杆9のス
ライド時に、軸転防止ローラ21とカム体7とが
互いに円滑に相対動できるようにしている。な
お、本例においては、軸転防止ローラ21を、カ
ムフオロア支持部11の後壁部側において一対設
けていたが、第7図に示すように、カムフオロア
支持部11の前壁部11aの上端中央部が開口し
ていない場合には、一方の軸転防止ローラ21を
本例と同様に後壁部11bの上端部に、他方の軸
転防止ローラ21を前壁部11aの上端部に設け
るようにしてもよい。 また、入力シヤフト6の後端部に支持されてこ
れに回転駆動されるカム体7は、第1図および第
2図に示すように、動杆9のカムフオロア支持部
11に支持された上記一対の回転ローラ8,8間
にこれらに挟まれるようにして配置されている。
そして、カム体7は、第2図に示すように、外周
面における各回転ローラ8,8と対向するその両
側方にそれぞれ、第2図aに示すような中立状態
での回転ローラ8との接点位置より上方の部位に
おいて、中立回転位置からの回転角が小さい回転
位置範囲において回転ローラ8の車幅方向内方
(回転軸心Oに向かう方向)の移動を許容する第
一凹面部26と、これよりさらに回転角が大きい
回転位置範囲において回転軸心Oからの距離が中
立回転位置でのカム体7の回転ローラ8との接点
と回転軸心Oとの間の距離(以下、これをローラ
距離という。)よりも大きい第二カム面27を有
している。また、上記第一凹面部26と回転軸心
Oを挟んで対向する部位には、回転軸心Oからの
距離がローラ距離よりも大きくなる第一カム面2
8が、上記第二カム面27と回転軸心Oを挟んで
対向する部位には、回転軸心Oからの距離がロー
ラ距離よりも小さく、回転ローラ8の車幅方向内
方の移動を許容する第二凹面部29が、それぞれ
設けられている。 本例の場合、上記第一凹面部26は、中立状態
での回転ローラ8との接点位置から滑らかに回転
軸心Oからの距離が減少した後たとえばこれと略
同等の変化率をもつて回転軸心Oからの距離が滑
らかに増大してその終端で回転軸心Oからの距離
がローラ距離と同等になるように、円筒内面状に
凹ませて形成されている。そして、上記第二カム
面27が、第一凹面部26の終端から連続して今
度は回転軸心Oからの距離がローラ距離よりも
徐々にかつ滑らかに大きくなるように形成されて
いる。また、第一凹面部26と対応する上記第一
カム面28は、第一凹面部26とは逆に、上記接
点位置から回転軸心Oからの距離がローラ距離よ
り徐々に増大した後たとえばこれと略同等の変化
率をもつて回転軸心からの距離が徐々に減少しそ
の終端において回転軸心Oからの距離がローラ距
離と同等となるように、円筒外面状に凸まされて
形成されている。なお、その凸量は、第二カム面
27に比して小さくなつている。そして、上記第
二凹面部29が、上記各第一カム面28,28の
終端に続いて形成されている。 さて、ステアリング30を転舵して、たとえば
前輪31を右方向に転舵したとき、ラツク杆3の
車幅方向動を受けて回転させられる伝動杆5およ
びこれに連結された入力シヤフト6の回転方向
が、第1図および第6図において矢印P方向とす
る。ステアリング30を右に切り始めることによ
り、カム体7が、第2図aに示すような中立状態
から回転させられると、その回転初期時には、第
2図bに示すように、図において右側の回転ロー
ラ8にカム体7の第一カム面28が当接し始め、
右側の回転ローラ8は上記第一カム面28に押さ
れて車幅方向外方(回転軸心Oから離間する方
向)に徐々に移動させられる。一方、左側の回転
ローラ8には、上記第一カム面28と対応する第
一凹面部26が向かいあうようになり、その車幅
方向内方(右側の回転ローラ8における車幅方向
外方の向きと一致する方向)への移動を許容され
る状態となつている。すなわち、これらの回転ロ
ーラ8,8を支持する動杆9が、第1図において
矢印R方向にスライド動させられ、これに伴う各
タイロツド18,18の第6図において矢印A方
向の車幅方向動により、後輪16が前輪31と同
じ右方向にすなわち同位相に転舵され始める。ス
テアリング30の操舵量およびカム体7の回転角
が徐々に大きくなり、上記第一カム面28の終端
が回転ローラ8に近づくようになると、動杆9の
中立状態からのスライド距離すなわち後輪16の
転舵量は、第5図に示すように最大値を経た後
徐々に小さくなり、第一カム面28の終端が回転
ローラ8に当接した時点で、後輪16の舵角は0
となる。 ステアリング30の操舵量がさらに大きくなる
と、カム体7も上記の回転位置から引き続き回転
させられ、第2図cに示すように、上記第一カム
面28の終端が当接していた右側の回転ローラ8
には今度は第二凹面部29が向かいあうようにな
るとともに、左側の回転ローラ8に第二カム面2
7が当接し始める。これにより、左側の回転ロー
ラ8が第二カム面27に押され、また、右側の回
転ローラ8は車幅方向内方(左側の回転ローラ8
における車幅方向外方の向きと一致する方向)へ
の移動を許容された状態となるから、動杆9が、
今度は第1図において矢印L方向にスライド動さ
せられる。そして、この動杆9のスライド動によ
り、タイロツド18,18が第6図において矢印
B方向に車幅方向動させられるので、後輪16
は、上記舵角0の状態から前輪31とは逆に左方
向に転舵される。すなわち、後輪16は、第5図
に示すような同位相から逆位相への転換点となる
舵角0のターニングポイントを経て、前輪31に
対し逆位相に転舵され始めるとともに、ステアリ
ング30の操舵量およびカム体7の回転角の増大
に伴い、第二カム面27における回転ローラ8に
当接する部位の回転軸心Oからの距離が増大する
から、第5図に示すように、ステアリング30の
操舵角か大きくなるにつれ後輪16の逆位相にお
ける転舵量が徐々に増大する。なお、本例の場
合、ステアリング30の最大操舵角に対して、カ
ム体7の最大回転角は約80°に設定しており、ま
た、上記ターニングポイントは、280°前後のステ
アリング30の操舵角において設定すると好適で
ある。 また、前輪31が左方向に転舵されるようにス
テアリング30を操舵した場合も、上記と同様
に、ステアリング30の操舵角が小さい場合に
は、後輪16は前輪31に対し同位相に転舵さ
れ、ステアリング30の操舵角が大きい場合に
は、後輪16は前輪31に対し逆位相に転舵され
る。 ところで、本例の場合、上記ターニングポイン
トの変更は、第一カム面28の終端の回転角度位
置すなわち第一凹面部26と第二カム面27の境
界点の回転角度位置を随時変更することにより行
える。また、上記第一カム面28および第二カム
面27の回転軸心Oからの距離を調整することに
より、同位相および逆位相での後輪16の転舵量
の増減を行うことができる。すなわち、カム体7
の形状の簡単な変更で、種々の後輪転舵パターン
を設定することができるのである。 しかも、後輪転舵用部材としてのタイロツド1
8と、タイロツド18が連結される動杆9と、動
杆9に車幅方向動を与えるカム機構を構成するカ
ム体7および回転ローラ8,8とは、車幅方向に
おいてほぼ一直線上に配置され、これらの部材に
は、これらの間で伝達される力に起因したモーメ
ントが作用することがない。したがつて、各部材
には大きな強度が要求されず、後輪転舵機構1の
小型化が可能となる。さらに、上述したように、
カム体7とこれのカムフオロアたる回転ローラ8
との動杆9の軸心回りにおける相対位置関係を一
定させて、これらによつて構成されるカム機構に
おいて常に安定したカム機能を享受できるから、
後輪転舵力が後輪16に常に円滑かつ安定して伝
達され、後輪転舵が常時スムーズに行われる。 なお、本考案の範囲は、上述した実施例に限定
されるものではない。 上述したように本考案では、カム体の形状を変
更することにより種々の後輪転舵パターンを設定
することができるが、たとえば、上記実施例にお
いて、カム体の外周面を、中立状態における上記
回転ローラ8との接触回転位置からの所定の回転
位置範囲において、上記第一カム面24および第
一凹面部22に代えて、回転軸心Oからの距離が
回転軸心Oと上記回転ローラ8との間隔と同等の
半径距離を有する円筒外面状に形成した場合に
は、ステアリングの操舵角が小さい場合には、後
輪を全く転舵させることなく、ステアリングの操
舵量が所定量以上になつたときに後輪を逆位相に
転舵させる後輪転舵パターンを設定することがで
きる。 また、軸転防止手段としては、たとえば上記実
施例において、カムフオロア支持部11あるいは
スライド軸12の外面に車幅方向に延びるスライ
ド溝を設けるとともに、ケーシング10内に上記
スライド溝にスライド可能に係合して動杆9の軸
転を規制する係合体を配設する方法も考えられ
る。さらに、入力シヤフトは、モータ等により駆
動することも可能であり、この他、動杆にカムフ
オロアを一体的に設けるようにしたりするなど、
動杆の構造も上記実施例以外にも種々設計変更可
能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の実施例に係る後輪転舵機構を
後方から見た斜視図、第2図は実施例に係るカム
体および回転ローラを第1図の−線矢視方向
から見てこれらによるカム機構作用を説明する模
式図、第3図は第1図の−線拡大断面図、第
4図は実施例に係る動杆による回転ローラの支持
状態を示した図、第5図は実施例における後輪転
舵角とステアリング操舵角との関係を示した、後
輪転舵パターンの一例を示すグラフ、第6図は実
施例に係る後輪転舵機構が採用される四輪操舵車
両の全体構成を概略的に示した図、第7図は他の
実施例の要部を平面方向から見て示した図であ
る。 6……入力シヤフト、7……カム体、8……カ
ムフオロア(回転ローラ)、9……動杆、18…
…後輪転舵用部材(タイロツド)、21……軸転
防止手段(軸転防止ローラ)、26……凹面部
(第一凹面部)、27……カム面(第二カム面)、
28……カム面(第一カム面)、29……凹面部
(第二凹面部)。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 車両前後方向に延びる入力シヤフトと、 上記入力シヤフトに連結されて上記入力シヤフ
    トの回転によりその軸心回りに回転させられるカ
    ム体と、 上記カム体を挟んで車幅方向に対向するように
    その両側方に配され、かつ上記カム体の外周面に
    当接する一対のカムフオロアを中間部において支
    持するとともに、車幅方向スライド可能に支持さ
    れた動杆と、 上記動杆のその軸心回りにおける上記カム体に
    対する相対回転を規制する軸転防止手段とを備
    え、 上記カム体は、その外周面に、回転軸心からの
    距離が、中立位置での上記カムフオロアとの接点
    と回転軸心との間の距離よりも大きいカム面、お
    よび上記カム面と回転軸心を挟んで対向する部位
    において上記カムフオロアの車幅方向内方の移動
    を許容する凹面部を、中立位置から時計回り方向
    および反時計回り方向のそれぞれの所定の回転位
    置において有する一方、 上記動杆の両端部に、後輪転舵用部材をそれぞ
    れ連結したことを特徴とする、後輪転舵機構。
JP15806587U 1987-10-15 1987-10-15 Expired JPH0449028Y2 (ja)

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JP15806587U JPH0449028Y2 (ja) 1987-10-15 1987-10-15

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JPH0162172U JPH0162172U (ja) 1989-04-20
JPH0449028Y2 true JPH0449028Y2 (ja) 1992-11-18

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ID=31438057

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