JPS6315642B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はレコードプレーヤのトーンアーム駆動
装置に関するものである。

一般にトーンアーム駆動装置はモータの回転速
度をギヤ列で減速してトーンアームを昇降旋回さ
せたり、ターンテーブルの回転力を利用してトー
ンアームを昇降旋回させていた。しかしながら、
このような構成のトーンアーム駆動装置ではモー
タやターンテーブルを駆動源とするために昇降旋
回の運動のために機構が複雑になり、その組立て
がむずかしくなるという問題があつた。

本発明はこのような従来の欠点を解消するもの
であり、以下、本発明について実施例の図面と共
に説明する。

第１図は本発明のトーンアーム駆動装置の一実
施例を示し、図中１はトーンアームであり、その
先端にはピツクアツプカートリツジ２が取付けら
れ、その後端にはバランスウエイド３が取付けら
れている。このトーンアーム１の中央部後方には
回転架台への取付部４を有しており、その取付部
４は回転架台５に対して水平軸６にて回動自在に
支承されている。そして、上記回転架台５はそれ
に設けた垂直軸７をパネル８に設けた軸受９にて
回動自在に支承されている。よつて、上記トーン
アーム１は上記水平軸６を中心に図示矢印ハ−ニ
方向への昇降運動が可能であり、上記垂直軸７を
中心に図示矢印イ−ロ方向への旋回運動が可能な
状態にある。１０は上記トーンアーム１を昇降運
動させるためのリフトアームであり、これには上
記パネル８に設けた軸受１１に上下動自在に支承
されたリフト軸１２が結合されている。１３は上
記トーンアーム１を旋回運動させるための旋回ア
ームであり、これには上記垂直軸７が結合されて
いる。そして、上記リフト軸１２および上記旋回
アーム１３には上記トーンアーム１を昇降運動さ
せるための駆動装置本体１４が関係づけられてい
る。

上記駆動装置本体１４は第２図及び第３図に示
すように、上記パネル８に設けた取付金具１５に
フレーム１６を固定し、そのフレーム１６の平板
部に中心軸１７を取付けると共に端子ピン１８
ａ，１８ｂ及び１９ａ，１９ｂを設け、かつ外周
部に永久磁石２０を設けている。一方、上記フレ
ーム１６の中心軸１７には回動体２１を枢着して
止め輪２２にて抜け止めし、その上面に設けたリ
フトカム２３に上記リフト軸１２を当接せしめて
いる。上記回動体２１には容器部２４を有してお
り、その容器２４内には粘弾性流体（シリコーン
オイル）と共に磁石又は磁性体よりなる制動板２
５が蓋体２６にて密封されており、上記永久磁石
２０との磁力によつて上記回動体２１に適度なブ
レーキをかけるようになつている。また、上記回
動体２１には上記永久磁石２０に対応する第１の
電磁石２７と上記旋回アーム１３に対応する第２
の電磁石２８を備えており、上記第１の電磁石２
７の巻線２９は、その終始端が上記端子ピン１８
ａ，１８ｂに接続されており、上記第２の電磁石
２８の巻線３０はその終始端が上記端子ピン１９
ａ，１９ｂに接続されている。そして、上記第２
の電磁石２８には上記旋回アーム１３に結合され
る押し部３１を設けている。

ここで、上記第１の電磁石２７は第５図に示す
ようにその一方のコア片２７ａがＮ極である第１
の永久磁石２０ａに対向し、その他方のコア片２
７ｂがＳ極である第２の永久磁石２０ｂとＮ極で
ある第３の永久磁石２０ｃのほぼ中間位置に対向
している。したがつて、上記リフト軸１２の下端
が上記リフトカム２３の傾斜面２３ａから離れた
低い平面２３ｂの位置にあつて上記トーンアーム
１は図示矢印ニ方向へ降下して図示していないレ
スト位置にあり、また、上記第２の電磁石２８の
押し部３０が上記旋回アーム１３の停止位置から
離れた位置にあつて図示矢印イ−ロ方向へ自由に
回動できるようになつている。そして、上記回動
体２１の外周部に設けた第１の通電カム３２には
第１のスイツチ３３が、第２の通電カム３４には
第２のスイツチ３５が対向されている。尚、上記
第１の電磁石２７と第２の電磁石２８とは非磁性
体よりなるスペーサ３６にて磁気的に分離されて
いる。

このような構成において、今、スタートスイツ
チをオンすると第１のスイツチ３２によつて第１
の電磁石２７の巻線２９に一方の極性の電圧が印
加されるために上記第１の電磁石２７の一方のコ
ア片２７ａがＮ極、他方のコア片２７ｂがＳ極と
なり、上記永久磁石２０との間の磁気的関係によ
つて上記第１，第２の電磁石２７，２８が図示矢
印ロ方向へ上記回動体２１と共に回転される。し
たがつて、上記リフト軸１２はその下端が上記リ
フトカム２３の傾斜面２３ａをのぼつて高い平面
２３ｃに当接され、上記トーンアーム１は上記リ
フト軸１２に結合されたリフトアーム１０にて図
示矢印ハ方向に上昇される。そして、上記第２の
電磁石２８の押し部３１が上記旋回アーム１３に
当接される（第５図参照）。この時上記第１のス
イツチ３３が第１の通電カム３２より解放される
ため、上記第１の電磁石２７の巻線２９に他方の
極性の電圧が印加されてその一方のコア片２７ａ
がＳ極、他方のコア片２７ｂがＮ極となり、上記
永久磁石２０との間の磁気的関係によつて上記第
１，第２の電磁石２７，２８が図示矢印イ方向へ
上記回動体２１と共に回動される。一方、第２の
スイツチ３５が第２の通常カム３４により動作さ
れるために上記第２の電磁石２８の巻線３０に電
圧が印加されて上記旋回アーム１３を吸着する。
よつて、上記回動体２１および上記第１，第２の
電磁石２７，２８の図示矢印イ方向への回動にし
たがつて上記トーンアーム１は角度Q′だけ旋回
されてレコードの演奏開始位置まで運行される。
そして、上記トーンアーム１がレコードの演奏開
始位置まで運行された時には上記第２のスイツチ
３５が第２の通電カム３４より解放されるために
第２の電磁石２８の巻線３０への通電がなくな
り、上記旋回アーム１３が上記第２の電磁石２８
から解放されて自由な回転をする状態となり、ま
た上記第１，第２の電磁石２７，２８は上記回動
体２１と共に図示矢印イ方向へさらに回転するた
め、上記リフト軸１２は上記リフトカム２３の傾
斜面２３ａをすべて低い平面２３ｂに当接され、
上記トーンアーム１の先端に設けたピツクアツプ
カートリツジ２がレコード円盤上に降下する。こ
のようにしてリードイン動作が完了する。

次に上記トーンアーム１がレコードの演奏終了
位置に来ると、これを既知の手段にて検出し、上
記第１の電磁石２７の巻線２９に一方の極性の電
圧を印加し、上記第１第２の電磁石２７，２８を
上記回動体２１と共に図示矢印ロ方向へ回動させ
る。すると、上記リフト軸１３の下端が上記リフ
トカム２３の傾斜面２３ａをすべて高い平面に当
接れる関係で上記トーンアーム１は演奏終了位置
において図示矢印ハ方向へ上昇される。そして、
上記第１，第２の電磁石２７，２８が上記回動体
２１と共にさらに図示矢印ロ方向へ回動すると、
上記第２の電磁石２８の押し部３１にて上記旋回
アーム１３を図示矢印ロ方向へ回動するため、上
記トーンアーム１は図示していないレスト位置ま
で押し返される。上記トーンアーム１がレスト位
置に押し返されたとき上記第１のスイツチ３３が
第１の通電カム３２から解放されるために上記第
１の電磁石２７の巻線２９に他方の極性の電圧が
印加され、その一方のコア片２７ａがＳ極に、他
方のコア片２７ｂがＮ極になつて上記第１，第２
の電磁石２７，２８が上記回動体２１と共に図示
矢印イ方向へ回動される。したがつて、上記トー
ンアーム１はアームレストの位置において図示矢
印ニ方向へ下降し、アームレストの停止位置と復
帰する。このようにしてリターン動作が完了す
る。

尚、リピート動作をさせようとする場合には第
２スイツチ３５による第２の電磁石２８の巻線３
０への通電路内にリピートスイツチを設ければよ
い。

尚、上記の実施例では容器２４内に粘弾性流体
と共に制動板２５を密封し、その制動板２５と上
記永久磁石２０との間の磁気的関係において上記
電磁石２７の回動力にブレーキをかけるようにし
たが、これ以外にもたとえば上記電磁石２７の回
転軸に羽根車を設け、これを粘弾性流体内に配置
するようにしても同様にブレーキをかけることが
できることは云うまでもない。

以上のように本発明によれば、フレームに設け
た中心軸にリフトカムを有する回動体を枢着し、
この回動体に上記フレームに設けた永久磁石に対
向して第１の電磁石を設けると共にトーンアーム
の旋回アームに対向する第２の電磁石を設け、か
つ上記第１の電磁石に上記永久磁石との磁力によ
る回動速度を制動する制動手段を設け、上記第２
の電磁石によつて上記旋回アームを駆動するよう
に構成したので、簡単な構成で安価なトーンアー
ム駆動装置を提供することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のトーンアーム駆動装置の一実
施例を示す斜視図、第２図は同装置の要部拡大断
面図、第３図は同装置の要部組立斜視図、第４
図、第５図は同装置の動作説明図である。 １……トーンアーム、１０……リフトアーム、
１２……リフト軸、１３……旋回アーム、１４…
…駆動装置本体、１６……フレーム、１７……中
心軸、２０……永久磁石、２１……回動体、２２
……止め輪、２３……リフトカム、２４……容
器、２５……制動板、２６……蓋体、２７……第
１の電磁石、２８……第２の電磁石、２９，３０
……巻線、３１……押し部、３２，３４……通電
カム、３３，３５……スイツチ、３６……スペー
サ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 永久磁石を固着したフレームと、このフレー
   ムに設けた中心軸に回動自在に枢着されかつ上面
   にリフトカムを有する回動体と、上記永久磁石に
   対向して上記回動体に設けた第１の電磁石と、こ
   の第１の電磁石と上記永久磁石との間に作用する
   磁力によつて回転される回動体の回転速度にブレ
   ーキを加えるための制動手段と、上記回動体に設
   けられて上記第１の電磁石とは磁気的に分離され
   た第２の電磁石を備えてなり、上記回転体のリフ
   トカム上面にはトーンアームを昇降運動させるた
   めのリフト軸の先端を当接させ、上記第２の電磁
   石にはトーンアームを旋回運動させるためトーン
   アームの垂直軸に固定されかつ磁性体で形成した
   旋回アームを吸着するように構成したことを特徴
   とするレコードプレーヤのトーンアーム駆動装
   置。 ２ トーンアームを旋回運動させるための旋回ア
   ームは第２の電磁石に吸引されてリードリン動作
   がなされ、上記第２の電磁石に設けた押し部にて
   リターン動作がなされるように上記第２の電磁石
   に連結したことを特徴とする特許請求の範囲第１
   項記載のレコードプレーヤのトーンアーム駆動装
   置。