JPS6315295Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はかつら用ストツパーに関するものであ
る。更に詳しくは頭部の禿げた部分を覆い隠す為
の部分的なかつらを自毛を利用して頭部に固定装
着する為のストツパーに関するものである。

〔従来の技術及びその問題点〕

頭髪は特に頭の頂部若しくは後頭部の部分が脱
け易くこの部分だけ禿げることが多い。そこで部
分的なかつらが多用されている。部分かつらを頭
に装着する手段としては禿げた部分に接着剤等で
直接固定するものと、周囲の自毛にストツパーで
固定するものとがある。前者は頭皮がかぶれた
り、また、激しい運動によつてかつらが離脱しや
すいという欠点があるので、禿げた部分の周囲に
自毛がある程度有る場合には装着も容易で離脱し
難い後者の方が多用されており、本考案は後者に
属するものである。かつら用ストツパーは自毛を
しつかりと挟持できるものでなければならないこ
とは勿論であるが、毛髪の植設されたかつら基部
と頭部の間に位置するものであるからできるだけ
薄い構造で且つ頭部に面する部分は突起等のない
ものが望ましい。

本考案は斯かる観点に鑑みてなされたものであ
つて、上記要件を満足し且つかつらの頭部への取
付け取外しが容易で装着時においては激しい運動
によつてかつらが離脱することのないかつら用ス
トツパーを提供することを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案のかつら用ス
トツパーは、複数の櫛歯状突片及び該突片に対し
て弾力的に対向する毛髪固定用弾性部材を具備す
るストツパー本体と、該ストツパー本体に摺動可
能に装着した押止部材とで構成し、該押止部材を
毛髪固定用弾性部材の表面上を押圧しながら櫛歯
状突片と略平行に摺動させることにより毛髪固定
用弾性部材を櫛歯状突片に圧接させるようになし
た。

〔作用〕

押止部材は毛髪固定用弾性部材の表面上を押圧
しながら櫛歯状突片と略平行に摺動するので、比
較的薄い構造で、毛髪固定用弾性部材の俯仰動作
を行うことができ、押止部材を押入れた状態で櫛
歯状突片と毛髪固定用弾性部材との間で自毛を挟
持することができる。

以下、添付図面に示した望ましい実施例に基づ
いて本考案を詳述する。

第１図は本考案の一実施例であるかつら用スト
ツパーの斜視図であり、第２図は第１図図示のス
トツパーを裏返して見た斜視図である。第３ａ図
は第１図の−線に沿つた縦断面図であり、第
４図は第１図の−線に沿つた横断面図であ
る。

本実施例のかつら用ストツパーはストツパー本
体１０及びこれに摺動可能に装着した板状の押止
部材２０からなり、ストツパー本体１０は複数の
櫛歯状突片１１及びこの突片１１の後方部の基部
１２に固着し先端部が突片１１に対向している板
状の毛髪固定用弾性部材１３とからなつている。
毛髪固定用弾性部材１３は常態では櫛歯状突片１
１の先端に向かうにつれて該突片１１から離れる
ように反り返つており、突片１１に対してその弾
性力で俯仰運動するように形成されている。毛髪
固定用弾性部材１３の先端部には毛髪を櫛歯状突
片１１との間に挟持する為の突条１４が設けられ
ている。ストツパー本体１０の両側には案内部１
５，１５が設けられており、押止部材２０はこれ
に形成された溝１６内を摺動する。案内部１５の
溝１６は第３ａ図に示すように櫛歯状突片１１と
略平行に形成されており、一方、毛髪固定用弾性
部材１３は常態では突片１１に対応する位置で溝
１６と交差するように形成されているので溝１６
に沿つて押止部材２０を挿入すると、押止部材２
０の先端部２１は毛髪固定用弾性部材１３の表面
上を押圧しながら摺動し、第３ｂ図に示すように
弾性部材１３の先端に設けられた突条１４が櫛歯
状突片１１上に圧接されるようになる。使用時に
は突片１１と突条１４の間に自毛が挟持される
が、挟持された自毛が容易に抜けないように突条
１４は摩擦の大きな素材を用いることが望まし
い。この状態では押圧された弾性部材１３は第３
ｂ図において上向きの付勢力が生じているが、押
止部材２０は弾性部材１３と略平行に接している
ので摩擦力が大きく働き、押止部材２０が弾性部
材１３の付勢力によつて戻つてしまうことはな
い。弾性部材１３の突片１１への押圧力を大きく
するために押止部材２０の先端部２１に突条１４
と同じような膨出部を設けてもよい。突片１１に
は切欠部１１ａが設けてあり、この切欠部１１ａ
の一つの形状は鋸歯状に突片１１の先端側は切込
み角を大きく基部側は切込み角を小さく形成して
ある。この様な形状の切欠部１１ａを突片１１の
突条１４に対向する位置より基部側に数個穿設す
る。ストツパーを開放状態にするには基部１２の
切欠部１８に指先を入れ、押止部材２０の後方部
付近に設けた突条２２を爪に掛けて引けば押止部
材２０は容易に引き抜かれ、弾性部材１３はその
弾力に従つて第３ａ図のように元の位置に複帰す
る。なお、図示はしていないが、押止部材２０が
抜け落ちてしまわないように掛止機構が溝１６及
び押止部材２０に設けてある。

本実施例のかつら用ストツパーはストツパー本
体の両側部に設けた開孔を有する突起１７を利用
して第５図に示したように合成樹脂または布等で
形成されたかつらの基部３０に固定する。取付け
は押止部材２０がかつら基部３０の側に面し、突
片１１が内方に向くようにしてかつら基部３０の
周辺付近に放射状に固定する。このように固定す
ればストツパーが頭皮に接触する面は略平面とな
るから頭皮を傷めることもなく、また、押止部材
２０の突条２２がかつら基部３０の周辺部に位置
するからかつらの取付け取外しが容易となる。す
なわち、かつらを装着するにはまずストツパーを
第３ａ図の如く開放状態とし、櫛歯状突片１１で
自毛をすくい上げ、ストツパーを頭皮に当接させ
たままでかつら基部３０の周辺方向から押止部材
２０を挿入すればよい。自毛は櫛歯状突片１１と
弾性部材１３の突条１４の間できつく挟持され、
突片１１，１１間に介した自毛は切欠部１１ａで
更に係止されるので激しい運動をしてもかつらが
離脱することはない。かつらを取外す場合にはか
つら基部３０の周辺部から指を差し入れて押止部
材２０の突条２２を介して爪で引き抜けばストツ
パーは容易に解除される。

上記の実施例においては本考案のかつら用スト
ツパーは平面的なものとして説明してきたが、こ
のストツパー全体を頭皮の曲面に合せて曲面状と
することもできる。また、本実施例では毛髪固定
用弾性部材１３及び押止部材２０はいずれも板状
に形成してあるが、弾性部材１３の櫛歯状突片１
１への当接部が該突片１１の歯列の略全幅に亘つ
ており且つ押止部材２０が突片１１と略平行に摺
動することにより、弾性部材１３がこれに対応し
てその弾性によつて俯仰運動し、突片１１と弾性
部材１３の間で自毛を挟持できるようになつてい
るものであれば、これに限定されるものではな
い。

〔考案の効果〕

以上説明した通り本考案のかつら用ストツパー
は、押止部材を毛髪固定用弾性部材の表面上を押
圧しながら櫛歯状突片と略平行に摺動させること
により毛髪固定用弾性部材を櫛歯状突片に圧接さ
せるようになしたので、比較的薄い構造で毛髪の
固定、解放を行うことができ、しかも自毛を挟持
するのに押止部材を挿入するだけでよいからかつ
らを頭部へ装着するのが簡単である。また自毛の
挟持力が強いので装着したかつらが頭部から離脱
しにくい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の斜視図であり、第
２図は第１図の実施例を裏返してみた斜視図であ
り、第３ａ図は第１図の−線に沿つた縦断面
図でストツパーの開放状態を示す図であり、第３
ｂ図は同じくストツパーの閉止状態を示す図であ
り、第４図は第１図の−線に沿つた横断面図
であり、第５図は本考案かつら用ストツパーをか
つらに固定した状態を示す図である。 １０……ストツパー本体、１１……櫛歯状突
片、１１ａ……切欠部、１３……毛髪固定用弾性
部材、１４……突条、２０……押止部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 複数の櫛歯状突片１１及び該突片１１に対し
   て弾力的に対向する毛髪固定用弾性部材１３を
   具備するストツパー本体１０と、該ストツパー
   本体１０に摺動可能に装着した押止部材２０と
   からなり、該押止部材２０を毛髪固定用弾性部
   材１３の表面上を押圧しながら櫛歯状突片１１
   と略平行に摺動させることにより毛髪固定用弾
   性部材１３を櫛歯状突片１１に圧接させるよう
   になしたことを特徴とするかつら用ストツパ
   ー。 (2) 前記毛髪固定用弾性部材１３の先端部付近に
   前記櫛歯状突片１１に対向する突条１４を有し
   ている実用新案登録請求の範囲第(1)項に記載の
   かつら用ストツパー。 (3) 前記櫛歯状突片１１が切欠部１１ａを有して
   いる実用新案登録請求の範囲第(1)項または第(2)
   項に記載のかつら用ストツパー。