JPS6314858B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、積層コンデンサの製造方法に関す
るものである。

積層コンデンサの基本構造は、第１図に示すよ
うに、内部電極１が印刷されたセラミツクのよう
な誘電体シート２を、内部電極１が交互に相対向
端に導出されるように、所要枚数を積重ね、これ
を焼成してコンデンサユニツトとなる積層体３を
形成すると共に、ユニツトの両側に外部電極４，
４を設けたものである。

ところで、従来の積層コンデンサは、積層した
誘電体シート２を加圧圧着する際、上下両面が共
に平らな面に形成されたプレス金型を用いて行な
うため、プレス後の積層体３は第１図のように、
両側の面が平坦になり、この積層体３が塗布した
外部電極４，４が両側の面に突出する構造になつ
ていた。

上記のように、積層体３の両面に外部電極４，
４が突出していると、コンデンサとしての厚みＴ
が外部電極によつて規定されることになり、積層
体３の厚みｔを外部電極４の突出量だけ薄くしな
ければならずこのため、内部電極の積重ね枚数が
減り、その分だけ容量を大きくとれないと共に、
コンデンサの機械的強度が減少するという欠点が
生じる。

また、両側の面に外部電極が突出していると、
マガジンに詰める等の積み重ねの時に外部電極が
互に接触することになり、コンデンサ相互にくつ
つきが起こるだけでなく、コンデンサの厚みＴの
精度が悪く、パーツフイダ等での自動機による取
り扱い時にトラブルが発生するという問題があ
る。

この発明は、上記のような欠点や問題を解消す
るためになされたものであり、コンデンサユニツ
トの両側の面に外部電極の突出がなく、大きな容
量と強度を有する積層コンデンサを製作すること
ができる製造方法を提供することを目的とする。

この発明の構成は、内部電極が印刷されたシー
トを含む複数枚の誘電体シートを重ね合せ、外層
用シートの外部電極形成部分に焼成で消滅する物
質を塗布して加圧圧着し、積層体の外部電極形成
部分に物質を厚み分だけ凹入させ、この後焼成に
よる物質の消滅により外部電極形成部分を薄肉厚
に形成し、この部分に外部電極を両側の面から突
出しないように形成し、積層体の厚みをコンデン
サの厚みにすることができるようにしたものであ
る。

以下、この発明の方法の実施例を添付図面の第
２図乃至第９図にもとづいて説明する。

第２図のように、セラミツク等の誘電体を用
い、内部電極１１が印刷された複数枚のシート１
２を、内部電極１１が交互に相対向端に導出され
るように積み重ねると共に、その両面にさらに同
様の誘電体シート１３を重ねて積層体１４を形成
する。

上記積層体１４における外層用シート１３と１
２ａの外部電極形成部分に、焼成で消滅する物質
１５を予め付与しておく。この物質１５としては
誘電体シート１２，１３の焼成による熱で消滅す
るものであれば特に限定されるものではないが、
例えばカーボンをあげることができ、印刷により
外部電極形成部分に所望の厚みをもつて塗布され
る（第３図参照）。勿論シート状物を積み重ねて
もよい。

次に上記積層体１４を、上下両面が共に平らな
プレス金型１６と１７で加圧圧着する。

加圧により物質１５が塗布されている部分は、
物質１５の厚み分だけ積層体１４内に凹入する
（第４図参照）。

この後、積層体１４を焼成すると、物質は焼成
して消滅し、積層体１３は、外部電極形成部分が
薄肉厚１８になつて両側表面に凹段部１９が形成
される（第５図参照）。

上記焼成後の積層体１４に対し、両側の薄肉厚
１８の部分に外部電極２０を塗布して形成し、積
層セラミツクコンデンサを完成する。この外部電
極２０は凹段部１９に塗布される部分がこの凹段
部１９内に納まつて積層体１４の表面に突出しな
いように形成する（第６図参照）。

これにより、積層体１４の厚みＴをコンデンサ
全体の厚みにまですることができる。

第７図乃至第９図は、上記のような積層セラミ
ツクコンデンサを多数個同時に製作する場合の工
程を示しており、積層体１４を大きい面積のシー
トを重ねて形成すると共に、外層用シート１２
ａ，１３には焼成によつて消滅する物質１５を帯
状で一定のピツチをもつて並ぶように途布してお
く。

この後、積層体１４をプレス金型１６，１７で
加圧圧着し、各帯状物質１５を積層体１４内に凹
入させ、次に積層体１４を焼成すれば、物質１５
が消滅して積層体１４の上下両表面に帯状の凹段
部が並ぶことになる。

焼成した積層体１４は、各凹段部における幅の
中央部で切断すると共に、切離した部材を更に幅
方向に沿い分割して所要大きさの積層体とし、こ
の積層体の両側薄肉厚部分に外部電極を塗布する
ようにしたものである。

以上のように、この発明によると、上記のよう
な構成であるので、以下に示すような効果があ
る。

(1) 積層体における外層シートの表面で外部電極
形成部分にシートの焼成で消滅する物質を付与
した後、積層体を加圧圧着して物質を積層体内
に凹入させ、次に積層体を焼成して物質を消滅
させることにより、積層体の外部電極形成部分
を薄肉厚に形成し、この薄肉厚部分に外部電極
を積層体の表面に突出しないように設けるよう
にしたので、積層体の厚みをコンデンサの規定
厚みにまで増大することができ、従つて内部電
極を印刷した誘電体シートの枚数を増やし、容
量の大きいかつ機械的強度のすぐれた積層コン
デンサを提供することができる。

(2) 内部電極の積み重ね枚数が中央部より少ない
端部側が、物質１５によつてより強く加圧され
ることになるため、この部分も緻密に形成で
き、デラミネーシヨンの発生も防止できる。

(3) 積層体における外部電極形成部分の薄肉厚の
形成をシートの焼成により消滅する物質を付与
するのみで形成するようにしたので、積層体に
対する薄肉厚の形成が能率よく行なえ、積層体
の表面に外部電極の突出がない積層コンデンサ
を低コストで製作することができる。

(4) 積層体の表面に外部電極の突出がないので、
マガジンに詰める場合等、外部電極が互に接触
することがなく、二枚以上のコンデンサがくつ
つき合うような不都合の発生は全くなくなる。

(5) 積層体の表面に外部電極の突出がないので、
プリント基板等への実装の時、ガタ付がなく安
定した取付けが行なえ、予備接着の際のエポキ
シ接着剤が少なくてすみ、確実な取付けが行な
える。

(6) コンデンサのセツテイング時に多少の位置が
違つていても凹段部がストリツプラインのエツ
ジに当り、位置が修正でき、しかも取付時半田
が積層体の外部電極の下に入りやすく、接続が
下面でとれるので、フエースボンデイングが確
実となり、余分な半田がサイドにつかず、実装
度を上げることができる。

(7) 外部電極の塗布厚みはバラツキやすいため、
従来品では全体厚みのバラツキを招いていた
が、本発明の全体厚みは、外部電極の塗布厚み
に左右されることなく、シート積み重ね枚数・
プレス圧・焼成のみで決定できるため、非常に
高精度となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の積層コンデンサを示す積み重ね
状態の縦断面図、第２図乃至第６図の各々はこの
発明に係る製造方法を示す工程図、第７図乃至第
９図の各々は同上を多数個同時に製作する場合の
工程図である。 １１…内部電極、１２，１３…誘電体シート、
１４…積層体、１５…物質、１８…薄肉厚、１９
…凹段部、２０…外部電極。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内部電極が印刷されたシートを含み順次積重
   ねる複数枚の誘電体シート群の外層用シートの外
   部電極形成部分に焼成で消滅する物質を付与し、
   前記誘電体シートを重ね合せた積層体を加圧圧着
   して物質が付与されている部分を物質の厚み分だ
   け凹入させ、次に積層体を焼成して物質を消滅さ
   せ、積層体の外部電極形成部分を薄肉厚に形成
   し、この後、積層体の薄肉厚部分に外部電極を積
   層体の表面から突出しないように形成することを
   特徴とする積層コンデンサの製造方法。