JPS6314756Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、電気掃除機の吸込口体に関するも
のである。

床面を掃除するときは一般に、吸込口体を延長
管を介して電気掃除機の集塵部に接続し、吸込口
体を床面に沿つて前後移動させつつ行なう。この
場合手の先は肩を中心とする弧を描くので、吸込
口体は前進時に前方が床面から浮き後進時に後方
が床面から浮き吸塵作用が損われる。

このようなことから、実開昭55−128645号公報
に記載されているように、吸込口体の後端に接続
管を回動自在に取付けて吸込口体を前後に移動さ
せてもその床面との接触部が浮き上がることがな
いようにしたものが存する。そして、この形式の
ものは、接続管の両端に連通孔を形成し、接続管
を上下方向に回動させてもタービンを駆動する空
気流に変化がないように配慮している。

しかしながら、この形式のものは、吸込気流の
流れ方向が接続管の部分で屈曲し、これにより、
風路抵抗が大きく、タービンの性能を低下させる
と云う問題点を有する。

このような問題点を解決するためには、吸込気
流の流れに屈曲部がなく、直線状にすればよい。
その一例を挙げれば、第１図に示すように、本体
１に回転ブラシ２を収納する下面開口のブラシ室
３とタービン４を収納する吸込風路５とを形成
し、前面に開口６が形成された回転管７をタービ
ン４の軸心と略一致する軸心をもつて前後方向に
回動自在に設け、本体１を前後移動させたときに
回転管７を回動させ、本体１を床面と平行に移動
させている。しかし、回転管７を後方へ向けてい
るときは実線矢印に示すようにタービン４を順方
向に回転させる吸込気流が流れるが、回転管７を
前方に回動すると点線矢印に示す吸込気流が生
じ、一部の気流はタービン４を逆転させる力とし
て作用し、タービン４のトルクが落ち、絨毯に付
着する塵埃をかき落すにはパワー不足となる欠点
を有している。

この考案はこのような点に鑑みなされたもの
で、回転管を前後に回動してもタービンが位置す
る吸込風路を通過する吸込気流の経路を一定に
し、タービンのトルクダウンを解消しうる電気掃
除機の吸込口体をうることを目的とするものであ
る。

この考案は、回転ブラシを収納するブラシ室と
タービンを収納する吸込風路とを有する本体の後
部に、回転管を前後方向に回動自在に嵌合する嵌
合部を形成し、吸込風路と嵌合部との間にタービ
ンに沿つて形成された円弧状壁を有する絞り部材
を設け、この絞り部材により吸込風路と嵌合部と
を連通する接続口を形成したので、回転管を前後
方向に回動してもブラシ室の下面からタービンが
位置する吸込風路の後部に至る吸込気流の経路を
一定にし、吸込気流をタービンを順方向に回転さ
せる力として作用させ、しかも、絞り部材の円弧
状壁によりタービンの外周の吸込気流が流れない
部分は覆われているので、タービンの周囲にその
タービンの回転を阻害する乱流や渦流が発生する
ことが少なく、したがつて、タービンのトルクダ
ウンを防止し絨毯に付着する塵埃を効率よくかき
落すことができるように構成したものである。

この考案の一実施例を第２図ないし第４図に基
いて説明する。８は本体で、この本体８は上ケー
ス９と下ケース１０とをバンパ１１を間に挾みつ
つ結合したものである。この本体８には横長の回
転ブラシ１２を収納する下面開口のブラシ室１３
と、タービン１４を回転自在に収納する吸込風路
１５と、この吸込風路１５の後部において回転管
１６を左右方向の軸心をもつて前後方向に回動自
在に保持する嵌合部１７とが形成されている。前
記ブラシ室１３と前記吸込風路１５とは仕切壁３
１により仕切られ、この仕切壁３１に形成された
通風孔１８により連通され、この通風孔１８の開
口量を可変する風速調節板１９がスライド自在に
設けられている。風速調節板１９の操作つまみ２
０は前記上ケース９から突出されている。

前記回転管１６は左右方向の軸心を有して両側
に支軸２１を突出させた横管２２と、この横管２
２から後方に突出する筒部２３と、この筒部２３
に回転自在に嵌合された「く」の字形の首振管２
４とを有し、前記横管２２の前方には開口２５が
形成されている。このような回転管１６は前記上
ケース９と前記下ケース１０とを結合するときに
嵌合部１７に収納されるとともに前記支軸２１が
上ケース９と下ケース１０とに回動自在に挾持さ
れる。なお、首振管２４は延長管（図示せず）を
介して電気掃除機に接続されるものである。しか
して、前記吸込風路１５の後部と前記嵌合部１７
の前部の境に前記タービン１４の上部後方を囲繞
する円弧状壁３２を有する絞り部材３３が前記本
体８に固定的に取付けられ、この絞り部材３３に
より前記タービン１４の前記通風孔１８が形成さ
れた側、すなわち、下方に接続口２６が固定的に
形成されている。この接続口２６は前記ブラシ室
１３の下面からの吸込気流を前記タービン１４の
下側を経て前記回転管１６に導く位置に配列され
ている。

このような構成において、硬質床を掃除すると
きは風速調節板１９を外側へ寄せて通風孔１８を
大きく開放し、吸込気流の風速を落す。これによ
り、タービン１４と回転ブラシ１２とは停止す
る。絨毯を掃除するときは風速調節板１９を内側
へ寄せて通風孔１８を絞り吸込風路１５を通過す
る吸込気流の流速を速めてタービン１４を駆動
し、回転ブラシ１２を回転させる。そして、前進
後進を繰り返す度に回転管１６は前後に回動す
る。これにより、嵌合部１７から回転管１６の後
部に至る過程では吸込気流の流れる方向が変わる
が、接続口２６の位置も大きさも全く変わらない
ことによりブラシ室１３の下面から吸込風路１５
の後部に至る経路は一定であり、吸込気流の全て
が常にタービン１４を順方向に回転させる力とし
て作用する。したがつて、回転ブラシ１２の駆動
トルクは低下することがなく、絨毯に付着する塵
埃を確実にかき落して吸塵作用を促進する。

この考案は上述のように構成したので、回転管
を前後に回動することにより本体の後部から回転
管に至る吸込経路は変つてもブラシ室からタービ
ンが位置する吸込風路の後部に至る吸込経路を一
定にすることができ、これにより、吸込気流の全
てをタービンを順方向に回転させる力として作用
させ、しかも、絞り部材の円弧状壁によりタービ
ンの外周の吸込気流が流れない部分は覆われてい
るので、タービンの周面にそのタービンの回転を
阻害する乱流や渦流が発生することが少なく、こ
れにより、回転ブラシのトルクダウンを防止し絨
毯に付着する塵埃を効率よくかき落すことができ
る効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す縦断側面図、第２図はこ
の考案の一実施例を示す斜視図、第３図はその一
部を切欠した斜視図、第４図はその縦断側面図で
ある。 ８……本体、１２……回転ブラシ、１３……ブ
ラシ室、１４……タービン、１５……吸込風路、
１６……回転管、１７……嵌合部、１８……通風
孔、２６……接続口、３１……仕切壁、３２……
円弧状壁、３３……絞り部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 横長の回転ブラシを収納する下面開口のブラシ
   室と前記回転ブラシを駆動するタービンが収納さ
   れた吸込風路と延長管に接続される回転管を左右
   方向の軸心をもつて前後方向に回動自在に嵌合す
   る嵌合部とを本体に順次配設し、前記ブラシ室と
   前記吸込風路とを仕切る仕切壁に前記タービンの
   回転中心より片側に開口する通風孔を形成し、前
   記吸込風路と前記嵌合部との間に前記タービンの
   外周に沿つて形成された円弧状壁を有する絞り部
   材を前記本体に固定して設け、この絞り部材によ
   り前記通風孔が形成された前記タービンの片側に
   位置させて前記吸込風路と前記嵌合部とを連通す
   る接続口を形成し、前記通風孔と前記タービンと
   前記接続口とを直線的に配列したことを特徴とす
   る電気掃除機の吸込口体。