JPS63142516A - 磁気記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、ファイル記憶装置として中核をなす磁気ディ
スク装置に使用される磁気記録媒体に係わり、特にコン
タクト・スタート・ストップ方式又は接触走行方式を取
る磁気ディスク装置に使用するに適した磁気記録媒体に
関する。

（従来の技術） 磁気ディスク装置の分野では、記録密度を向上すべく精
力的な研究開発が進められている。とりわけ、磁性層の
開発、磁気ヘッド走行時のヘッド・ディスク間のスペー
シングの微小化の開発は目覚ましく、前者ではスパッタ
リング等により金属薄膜磁性層を形成する連続薄膜媒体
の製品化、後者ではディスク・ヘッド表面の平面度１表
面粗さの微小化により、スペーシング０．２μ瓦以下の
実現となっている。

しかしながら、ディスク・ヘッド両面とも平滑に仕上げ
られているため、このような磁気ディスク装置は磁気デ
ィスクの回転していない期間が長くなると、液体ｉ滑材
及び空気中の水分により磁気ディスク面と磁気ヘッドの
スライダ面との間で吸着が生じる。この吸着が生じると
、静止摩擦係数が増加し、ヘッドがスティックスリップ
を生じ磁気ディスク面を損傷させたり、さらに摩擦カバ
増加するとスピンドルモータが起動不能となる。

そこで従来、吸着を防止するために、次のような対策が
取られていた。

■　磁気ディスクのスライダ走行面を粗面化する。

■　スライダ面を粗面化する。

■　スライダ面を円筒面にする。

しかし、上記の対策には以下のような問題がある。■■
は吸着を生じる面を粗面化し、平均的隙間を大きくする
ことにより吸着を防止しようとするものであるが、吸着
を生じる面はコンタクト・スタート・ストップ時又は接
触走行時の摺動面であり、第４図に示すように摺動によ
り表面粗さ形状突起Ｐの先端が摩耗し、摺動距離増加と
共に吸着現象が現れてくる。なお、図中破線は摺動前の
形状、実線は摺動後の形状を示している。また、これを
避けるために、表面粗さを大きくし過ぎると、■の場合
へラドコア部が損傷し、■の場合はディスク磁性層が損
傷する。■の場合において摩耗速度を小さくすべくスラ
イダを非常に堅い材料にした場合もディスク磁性層が損
傷し、根本的な解決策とはならない。さらに、■の場合
については円筒面の加工が平面加工に比べ非常に難しく
、円筒面の曲率が大きくばらつく。この曲率のばらつき
はスライダ走行時の軸受作用力のばらつきとなり、結局
記録・再生時のスペーシングのばらつきとなるため、高
記録密度磁気ディスク装置には適さない。

（発明が解決しようとする問題点） このように、従来の吸着防止法は、ヘッド・ディスクの
摺動と共に防止効果のなくなるものや、記録再生時のス
ペーシングにばらつきを与えるものであった。

本発明は上記事情を考慮してなされたもので、その目的
とするところは、磁気ヘッドのスライダ面に対する吸着
を長期に屋り確実に防止することができ、高記録密度化
に適した磁気記録媒体を提供することにある。

［発明の構成］ （問題点を解決するための手段） 本発明の骨子は、磁気ヘッド走行方向に曲率を設けるこ
とにより、ヘッド・ディスク間の吸着による不具合を防
止することにある。

即ち本発明は、回転円板体に薄膜磁性層を被着してなり
、磁気ヘッドとの摺接により信号の記録・再生に供され
る磁気記録媒体において、前記円板体のヘッド走行面の
少なくとも一部を該円板体の回転中心軸と直交する平面
に対し、内周部の厚みが外周部の厚みより厚くなるよう
に傾斜するようにしたものである。

（作用） 液体介在による固体間の吸着力は、固体間の隙間が小さ
い程大きく、また隙間の狭い接触面構が広い程大きいこ
とが知られている（例えば、精密機械ｖｏ１３７．　　
ｏ、７（１９７１）　）。このため、磁気記録媒体ヘッ
ド走行面の少なくとも一部と磁気記録媒体回転中心軸を
含む平面との交線を、回転中心軸の垂線に対し傾斜させ
ることにより、第２図に示すように磁気記録媒体表面ヘ
ッド走行方向に曲率を設けることができる。これにより
、隙間のない接触面積が減り、吸着力が著しく小さくな
る。

また、ヘッドの摺動により媒体表面が摩耗しても、初期
に設けた曲率は変化せず、長期間吸着が防止されるので
、信頼性の向上をはかることが可能となる。

（実施例） 以下、本発明の詳細を図示の実施例によって説明する。

第１図は本発明の一実施例に係わる磁気記録媒体を示す
概略構成図である。この磁気記録媒体１０は、円板体の
表面に金属薄膜磁性層を被着してなるものである。磁気
記録媒体１０のヘッド走行面（ヘッド走行領域）１１の
全面が回転中心軸の垂線に対し傾斜しており、ヘッド走
行面が円錐側面形状をなしている。このため、例えば磁
気記録媒体の基板としてこのような形状を設ける場合に
おいても、加工は容易であり、コストアップにはならな
い。

−〇− このような構成であれば、磁気記録媒体１０の表面にお
いて、ヘッド走行方向には所定の曲率が形成される。こ
の曲率により、磁気ヘッド／記録媒体間の接触状態は第
２図に示す如くなる。ここで、第２図（ａ＞は内周部に
おけるヘッド走行方向のヘッド／媒体間の隙間形状を示
し、同図（ｂ）は外周部におけるヘッド走行方向のヘッ
ド／媒体間の隙間形状を示しており、内周部に対し外周
部の媒体表面の曲率が小さいことが判る。このように設
定されれば、記録再生時、ヘッドを浮上させる場合にお
いても、外周部でヘッドが浮上し過ぎ、電磁変換特性に
悪影響を与えることもない。さらに、当然のことながら
吸着に関しては、ヘッド全面が媒体に密着することがな
いため、スティックスリップ等の問題も生じない。従っ
て、磁気ディスク装置としての信頼性を著しく向上させ
ることができる。

また、傾斜角については、ヘッド走行領域を半径位置ｒ
　＝　１５〜１７０　ｔｔｍ、クラウン量δ＝０．０５
〜０．２μｍ１ヘツドスライダ長を４＃とすると、幾何
学計算より、傾斜角θ−０，０２）°〜０，９７４°と
なり、１°以下の微小角でよい。従って、この傾斜を付
けるための加工も極めて容易である。

かくして本実施例によれば、磁気記録媒体１０のヘッド
走行面１１の全面を、回転中心軸の垂線に対し内周部が
厚くなるように傾斜させ、ヘッド走行方向に対し曲率を
設けているので、ヘッド／媒体間の間隙のない接触面積
を減らすことができる。従って、液体潤滑油や空気中の
水分によるヘッド／媒体間の吸着を防止し、摺動時のス
ティックスリップ現象やスピンドルモータ起動不能等の
不具合をなくし、磁気ディスク装置の信頼性の向上に寄
与することができる。また、ヘッドの摺動により媒体表
面が摩耗しても、初期に設けた曲率は変化しないので、
長期に亙り吸着を確実に防止することができる。

第３図は本発明の他の実施例を示す概略構成図である。

この実施例が先に説明した実施例と異なる点は、ヘッド
走行領域１１の全面を傾斜させるのではなく、ヘッド摺
動停止領域１２のみを傾斜させるようにしたものである
。

即ち、コンタクト・スタート・ストップ方式を採る磁気
ディスク装置の中にはヘッドと媒体とが摺動する領域を
定めているものが多く、摺動停止領域のみ吸着を防止す
ればよい場合がある。本実施例は、そのような領域のみ
傾斜を付けたものである。このような構成であっても、
先の実施例と同様の効果が得られるのは、勿論のことで
ある。

なお、本発明は上述した各実施例に限定されるものでは
なく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施
することができる。例えば、前記ヘッド走行面の傾斜角
は仕様に応じて適宜室めればよいが、磁気ヘッドとの接
触状態及び製造上の観点から、１°以下の範囲が望まし
い。また、傾斜を付ける面は円板体の両面に限るもので
はなく、一方の面のみであってもよい。

［発明の効果］ 以上詳述したように本発明によれば、ヘッド走行面を回
転中心軸の垂線に対し内周部が厚くなるように傾斜させ
、ヘッド走行方向に対し曲率を＝９− 設けることにより、磁気ヘッドのスライダ面に対する吸
着を長期に屋り確実に防止することができ、高密度記録
媒体として極めて有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係わる磁気記録媒体を示す
概略構成図、第２図はヘッド走行方向におけるヘッド／
媒体間の隙間形状を示す模式図、第３図は他の実施例を
示す概略構成図、第４図は従来の問題点を説明するため
の模式図である。 １０・・・磁気記録媒体、１１・・・ヘッド走行領域、
１２・・・ヘッド摺動・停止領域、２０・・・磁気ヘッ
ド。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）回転円板体に薄膜磁性層を被着してなり、磁気ヘ
   ッドとの摺接により信号の記録・再生に供される磁気記
   録媒体において、前記円板体のヘッド走行面の少なくと
   も一部が該円板体の回転中心軸と直交する平面に対し、
   内周部の厚みが外周部の厚みより厚くなるように傾斜さ
   れていることを特徴とする磁気記録媒体。
2. （２）前記傾斜角は、１度以下の範囲にあることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載の磁気記録媒体。
3. （３）前記傾斜を、前記円板体の両面に設けたことを特
   徴とする特許請求の範囲第１項記載の磁気記録媒体。