JPH064856A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
- Publication number
- JPH064856A JPH064856A JP15940492A JP15940492A JPH064856A JP H064856 A JPH064856 A JP H064856A JP 15940492 A JP15940492 A JP 15940492A JP 15940492 A JP15940492 A JP 15940492A JP H064856 A JPH064856 A JP H064856A
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- JP
- Japan
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- magnetic recording
- recording medium
- css
- film
- thickness
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 磁気記録媒体の耐蝕性を向上させると同時
に、表面の摩擦係数を小さく維持し、磁気記録媒体とし
て高い信頼性、優れた耐久性を持たせる。 【構成】 非磁性の基板上に少なくとも磁気記録層と、
この磁気記録層を被覆する保護膜層および液体潤滑剤膜
を設ける磁気記録媒体において、該液体潤滑膜の膜厚が
磁気記録媒体のCSS領域とデータ領域とで異なり、C
SS領域における液体潤滑膜の膜厚がデータ領域の膜厚
より大きい磁気記録媒体。
に、表面の摩擦係数を小さく維持し、磁気記録媒体とし
て高い信頼性、優れた耐久性を持たせる。 【構成】 非磁性の基板上に少なくとも磁気記録層と、
この磁気記録層を被覆する保護膜層および液体潤滑剤膜
を設ける磁気記録媒体において、該液体潤滑膜の膜厚が
磁気記録媒体のCSS領域とデータ領域とで異なり、C
SS領域における液体潤滑膜の膜厚がデータ領域の膜厚
より大きい磁気記録媒体。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば磁気ヘッドとの間
において情報の記録および再生を行う磁気記録媒体に関
するものであり、特に表面に液体潤滑膜を設けた磁気記
録媒体に関するものである。
において情報の記録および再生を行う磁気記録媒体に関
するものであり、特に表面に液体潤滑膜を設けた磁気記
録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より磁気記録媒体上に情報を記録
し、もしくはこの媒体上に記録した情報を再生出力する
ために磁気ディスク装置が使用されているが、上記の記
録、再生を行う場合には、磁気ヘッドと記録媒体とを例
えば 0.2〜0.3μmの微小間隙に保持するのが通常であ
る。従って、磁気ヘッドと磁気記録媒体との接触による
摩擦、摩耗および/または両者の衝突に伴う損傷を防止
するため、浮動ヘッドスライダを使用する。すなわち磁
気ヘッドを装着したスライダが、磁気記録媒体の表面と
の相対速度により、両者の間隙に発生する流体力学的浮
上力を利用して、両者の微小間隙を保持するように構成
している。しかしながら磁気記録媒体が静止している場
合には上記流体力学的浮上力が存在しないため、スライ
ダは磁気記録媒体上に接触した状態で係止している。ま
た更に、磁気記録媒体が回転を開始したり停止する時に
は、スライダと磁気記録媒体は摺動接触する。このよう
な接触の繰り返しによって磁気記録媒体は摩擦、摩耗等
の損傷を受け、次第に記録媒体として機能しなくなって
しまう。上記のような損傷を防止するために、磁気記録
媒体の表面には液体潤滑膜を形成するのが通常である。
これによってスライダと磁気記録媒体の間の接触力を低
減でき、磁気記録媒体の寿命を延ばすことができる。な
お、この液体潤滑膜を形成するための一般的な方法とし
ては、液体潤滑剤を霧状にして表面に付けるスプレー
法、磁気記録媒体表面に液体潤滑剤を滴下しながら磁気
記録媒体を回転させるスピンコート法、液体潤滑剤を満
たした容器中に磁気記録媒体を一定時間だけ浸すディッ
ピング法等がある。この結果得られる液体潤滑膜は、そ
の膜厚が磁気記録媒体表面上でほぼ一定である。液体潤
滑膜に関しては、一部の例で液体潤滑剤の種類を規定し
たもの(特開平1−11256、特開平 2−3752
3、特開平 2−37524、特開平 2−49218、
特開平 2−73514、特開平 2−87321、特開
平 2−87323、特開平 3−241524、特開平
3−266216、特開平 3−267178の各公
報)、液体潤滑剤の濃度分布を規定したもの(特開平
4−53025号公報)がある。磁気記録装置では、そ
れに実装された磁気記録媒体が頻繁に回転および停止の
動作(Contact Start and Stop)を繰り返す。そして液
体潤滑剤は磁気記録媒体の回転に伴う遠心力の影響を受
けて徐々に磁気記録媒体の外周へと移動する。上記した
従来の磁気記録媒体は、一般にその液体潤滑膜が図1に
示すように単に表面全体にほぼ均一な厚さで形成されて
いる。よって、このような磁気記録媒体でCSSを行っ
た場合、内周側で徐々に液体潤滑膜が減少し、最終的に
は膜厚が零となって磁気記録媒体表面の耐蝕性に問題が
生じてくる。一方外周側では液体潤滑膜が異常に厚くな
るため、停電等によってスライダが磁気記録媒体の外周
側で係止した場合には両者が吸着してしまい、磁気記録
装置が機能しなくなるという問題が生じる。よって、磁
気記録媒体が製造された時点では、外周側の液体潤滑膜
は薄いことが望ましい。更に、一般の磁気記録装置では
CSS領域が内周側に位置しているため、この領域で特
に液体潤滑膜の破断が発生しやすく、耐蝕性と同時にC
SS特性でも問題となる。図2に示すように、一部の例
で液体潤滑膜の膜厚を磁気記録媒体の半径位置で変化さ
せたもの(特開平 3−269822号公報)がある
が、この例ではCSS領域における液体潤滑膜を小さく
しているため、上記の問題を逆に拡大してしまう危険が
ある。このように、従来の磁気記録媒体においては、折
角形成した液体潤滑膜が効果的に機能していないため、
実際の使用時において耐蝕性の維持およびスライダとの
間の摩擦係数の低減が期待通りに得られず、磁気記録媒
体としての信頼性において満足できないことがあった。
し、もしくはこの媒体上に記録した情報を再生出力する
ために磁気ディスク装置が使用されているが、上記の記
録、再生を行う場合には、磁気ヘッドと記録媒体とを例
えば 0.2〜0.3μmの微小間隙に保持するのが通常であ
る。従って、磁気ヘッドと磁気記録媒体との接触による
摩擦、摩耗および/または両者の衝突に伴う損傷を防止
するため、浮動ヘッドスライダを使用する。すなわち磁
気ヘッドを装着したスライダが、磁気記録媒体の表面と
の相対速度により、両者の間隙に発生する流体力学的浮
上力を利用して、両者の微小間隙を保持するように構成
している。しかしながら磁気記録媒体が静止している場
合には上記流体力学的浮上力が存在しないため、スライ
ダは磁気記録媒体上に接触した状態で係止している。ま
た更に、磁気記録媒体が回転を開始したり停止する時に
は、スライダと磁気記録媒体は摺動接触する。このよう
な接触の繰り返しによって磁気記録媒体は摩擦、摩耗等
の損傷を受け、次第に記録媒体として機能しなくなって
しまう。上記のような損傷を防止するために、磁気記録
媒体の表面には液体潤滑膜を形成するのが通常である。
これによってスライダと磁気記録媒体の間の接触力を低
減でき、磁気記録媒体の寿命を延ばすことができる。な
お、この液体潤滑膜を形成するための一般的な方法とし
ては、液体潤滑剤を霧状にして表面に付けるスプレー
法、磁気記録媒体表面に液体潤滑剤を滴下しながら磁気
記録媒体を回転させるスピンコート法、液体潤滑剤を満
たした容器中に磁気記録媒体を一定時間だけ浸すディッ
ピング法等がある。この結果得られる液体潤滑膜は、そ
の膜厚が磁気記録媒体表面上でほぼ一定である。液体潤
滑膜に関しては、一部の例で液体潤滑剤の種類を規定し
たもの(特開平1−11256、特開平 2−3752
3、特開平 2−37524、特開平 2−49218、
特開平 2−73514、特開平 2−87321、特開
平 2−87323、特開平 3−241524、特開平
3−266216、特開平 3−267178の各公
報)、液体潤滑剤の濃度分布を規定したもの(特開平
4−53025号公報)がある。磁気記録装置では、そ
れに実装された磁気記録媒体が頻繁に回転および停止の
動作(Contact Start and Stop)を繰り返す。そして液
体潤滑剤は磁気記録媒体の回転に伴う遠心力の影響を受
けて徐々に磁気記録媒体の外周へと移動する。上記した
従来の磁気記録媒体は、一般にその液体潤滑膜が図1に
示すように単に表面全体にほぼ均一な厚さで形成されて
いる。よって、このような磁気記録媒体でCSSを行っ
た場合、内周側で徐々に液体潤滑膜が減少し、最終的に
は膜厚が零となって磁気記録媒体表面の耐蝕性に問題が
生じてくる。一方外周側では液体潤滑膜が異常に厚くな
るため、停電等によってスライダが磁気記録媒体の外周
側で係止した場合には両者が吸着してしまい、磁気記録
装置が機能しなくなるという問題が生じる。よって、磁
気記録媒体が製造された時点では、外周側の液体潤滑膜
は薄いことが望ましい。更に、一般の磁気記録装置では
CSS領域が内周側に位置しているため、この領域で特
に液体潤滑膜の破断が発生しやすく、耐蝕性と同時にC
SS特性でも問題となる。図2に示すように、一部の例
で液体潤滑膜の膜厚を磁気記録媒体の半径位置で変化さ
せたもの(特開平 3−269822号公報)がある
が、この例ではCSS領域における液体潤滑膜を小さく
しているため、上記の問題を逆に拡大してしまう危険が
ある。このように、従来の磁気記録媒体においては、折
角形成した液体潤滑膜が効果的に機能していないため、
実際の使用時において耐蝕性の維持およびスライダとの
間の摩擦係数の低減が期待通りに得られず、磁気記録媒
体としての信頼性において満足できないことがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、磁気
記録媒体の耐蝕性を向上させると同時に、表面の摩擦係
数を小さく維持し、磁気記録媒体として高い信頼性、優
れた耐久性を持たせることである。
記録媒体の耐蝕性を向上させると同時に、表面の摩擦係
数を小さく維持し、磁気記録媒体として高い信頼性、優
れた耐久性を持たせることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】このため本発明では、C
SS耐久性の重要視されるCSS領域と、耐蝕性の重視
されるデータ書き込み領域とで液体潤滑膜の厚さを変え
るという技術的手段をとることによって、この目的を達
成した。そして本発明の特徴は、CSS領域の液体潤滑
膜の厚さをデータ書き込み領域の厚さより大きくしたこ
とである。
SS耐久性の重要視されるCSS領域と、耐蝕性の重視
されるデータ書き込み領域とで液体潤滑膜の厚さを変え
るという技術的手段をとることによって、この目的を達
成した。そして本発明の特徴は、CSS領域の液体潤滑
膜の厚さをデータ書き込み領域の厚さより大きくしたこ
とである。
【0005】
【作用】このようにCSS領域とデータ書き込み領域の
膜厚に特別な配慮をすることによってCSS特性と耐蝕
性を同時に満足することができる。なおCSS領域にお
ける液体潤滑膜の膜厚は1.5〜5nmにすることが望
ましい。膜厚が1.5nmより小さい場合にはCSSに
よって液体潤滑膜が破断しやすく、また5nmより大き
い場合には、スライダと磁気記録媒体が吸着しやすくな
るためである。
膜厚に特別な配慮をすることによってCSS特性と耐蝕
性を同時に満足することができる。なおCSS領域にお
ける液体潤滑膜の膜厚は1.5〜5nmにすることが望
ましい。膜厚が1.5nmより小さい場合にはCSSに
よって液体潤滑膜が破断しやすく、また5nmより大き
い場合には、スライダと磁気記録媒体が吸着しやすくな
るためである。
【0006】
【実施例】本発明の実施例を図4〜図7の図面に基づい
て詳細に説明する。 (実施例1)約4wt%のMgを含む直径2.5インチ
のアルミニウム合金基板を研削加工し、その表面にNi
P膜を10〜15μm形成した。そして、この基板を表
面粗度 Ra<1nmに研磨し、テクスチャ加工により
基板の表面全体にRa=50〜60Aの凹凸を形成し
た。その後、磁性膜とカーボン潤滑膜をスパッタリング
により、それぞれ100nm、30nm程度積層し、最
後に次のような方法で液体潤滑膜を形成した。まず液体
潤滑剤を磁気記録媒体の表面全体に0.3〜3.7nm
の厚さ噴霧した。そして、略CSS領域(本実施例では
内周側)に更に0.5〜2nmの厚さ噴霧した。その
後、磁気記録媒体の表面全体を超極細繊維からなる布で
ワイプした。このようにして作製した磁気記録媒体の代
表的なものについて、その表面の液体潤滑膜の厚さをF
T−IR(フーリエ変換赤外分光器)で測定したとこ
ろ、その厚みは半径位置に対して図4(a)〜(d)に示すよ
うに分布していた。そして、この磁気記録媒体を約50
K回のCSS耐久試験に供した。図5(a')〜(d')はCS
S耐久試験後の液体潤滑膜の厚さを示している。図4と
図5における〜、'〜'は、液体潤滑膜厚を表面
で一様に形成した従来の磁気記録媒体の結果を示してい
る。本発明の磁気記録媒体、従来の磁気記録媒体ともに
CSS試験後の液体潤滑膜の厚さはCSS領域を包含し
た内周側で減少しており、外周側では逆に増加してい
る。そしてスライダの軌道であるCSS領域での減少は
特に著しい。ただ、本発明の磁気記録媒体の場合、予め
外周側での液体潤滑膜を小さくしているためにCSS試
験後でも外周側の厚さは小さく維持されているのに対
し、従来の磁気記録媒体の場合、外周側の厚さが異常に
増加している。この外周側における膜厚増加は、スライ
ダと磁気記録媒体の吸着の原因となりやすく、磁気記録
媒体としての信頼性を劣化させてしまう。図6(a)〜(d)
は、図4(a)〜(d)に示した本発明の磁気記録媒体をCS
S耐久試験した結果であり、CSS回数と磁気記録媒体
表面の摩擦係数の関係を示している。図中の(a)では、
初期の液体潤滑膜の厚さが5.6nmと大きすぎるため
に、およそ20K回のCSSでスライダと吸着しやすく
なり、良い結果が得られなかった。また(d)では、逆に
初期の液体潤滑膜の厚さが1nmと小さすぎるために
磁気記録媒体の表面が摩耗し、やはり良い結果は得られ
なかった。そしてこの場合、CSS後の表面には、液体
潤滑膜の破断によって生じたと考えられる小さな腐食痕
が観られた。(b)および(d)では、50K回のCSSにお
いても摩擦係数の増加が小さく良好な結果を示した。そ
して、本検討では、磁気記録媒体作製時におけるCSS
領域の液体潤滑膜厚が1.5〜5nmの範囲で良好なC
SS特性を示した。そして、この場合には表面に腐食も
生じなかった。図4'〜'で示した従来の磁気記録媒
体についても(a)〜(d)に対応したCSS結果が得られた
が、'や'では、CSSによって外周側における液体
潤滑膜厚が5nm以上になるために、磁気記録媒体とし
て信頼性が十分とはいえない。
て詳細に説明する。 (実施例1)約4wt%のMgを含む直径2.5インチ
のアルミニウム合金基板を研削加工し、その表面にNi
P膜を10〜15μm形成した。そして、この基板を表
面粗度 Ra<1nmに研磨し、テクスチャ加工により
基板の表面全体にRa=50〜60Aの凹凸を形成し
た。その後、磁性膜とカーボン潤滑膜をスパッタリング
により、それぞれ100nm、30nm程度積層し、最
後に次のような方法で液体潤滑膜を形成した。まず液体
潤滑剤を磁気記録媒体の表面全体に0.3〜3.7nm
の厚さ噴霧した。そして、略CSS領域(本実施例では
内周側)に更に0.5〜2nmの厚さ噴霧した。その
後、磁気記録媒体の表面全体を超極細繊維からなる布で
ワイプした。このようにして作製した磁気記録媒体の代
表的なものについて、その表面の液体潤滑膜の厚さをF
T−IR(フーリエ変換赤外分光器)で測定したとこ
ろ、その厚みは半径位置に対して図4(a)〜(d)に示すよ
うに分布していた。そして、この磁気記録媒体を約50
K回のCSS耐久試験に供した。図5(a')〜(d')はCS
S耐久試験後の液体潤滑膜の厚さを示している。図4と
図5における〜、'〜'は、液体潤滑膜厚を表面
で一様に形成した従来の磁気記録媒体の結果を示してい
る。本発明の磁気記録媒体、従来の磁気記録媒体ともに
CSS試験後の液体潤滑膜の厚さはCSS領域を包含し
た内周側で減少しており、外周側では逆に増加してい
る。そしてスライダの軌道であるCSS領域での減少は
特に著しい。ただ、本発明の磁気記録媒体の場合、予め
外周側での液体潤滑膜を小さくしているためにCSS試
験後でも外周側の厚さは小さく維持されているのに対
し、従来の磁気記録媒体の場合、外周側の厚さが異常に
増加している。この外周側における膜厚増加は、スライ
ダと磁気記録媒体の吸着の原因となりやすく、磁気記録
媒体としての信頼性を劣化させてしまう。図6(a)〜(d)
は、図4(a)〜(d)に示した本発明の磁気記録媒体をCS
S耐久試験した結果であり、CSS回数と磁気記録媒体
表面の摩擦係数の関係を示している。図中の(a)では、
初期の液体潤滑膜の厚さが5.6nmと大きすぎるため
に、およそ20K回のCSSでスライダと吸着しやすく
なり、良い結果が得られなかった。また(d)では、逆に
初期の液体潤滑膜の厚さが1nmと小さすぎるために
磁気記録媒体の表面が摩耗し、やはり良い結果は得られ
なかった。そしてこの場合、CSS後の表面には、液体
潤滑膜の破断によって生じたと考えられる小さな腐食痕
が観られた。(b)および(d)では、50K回のCSSにお
いても摩擦係数の増加が小さく良好な結果を示した。そ
して、本検討では、磁気記録媒体作製時におけるCSS
領域の液体潤滑膜厚が1.5〜5nmの範囲で良好なC
SS特性を示した。そして、この場合には表面に腐食も
生じなかった。図4'〜'で示した従来の磁気記録媒
体についても(a)〜(d)に対応したCSS結果が得られた
が、'や'では、CSSによって外周側における液体
潤滑膜厚が5nm以上になるために、磁気記録媒体とし
て信頼性が十分とはいえない。
【0007】(実施例2)磁性膜とカーボン潤滑膜の成
膜までを実施例1と同様の工程で作製した磁気記録媒体
の表面に、次のような手法で液体潤滑膜を形成した。磁
気記録媒体表面上の最内周に液体潤滑剤を微少量滴下さ
せながら、磁気記録媒体を30〜300rpmの速度で
数分間だけ回転させた。このようにして作製した代表的
な磁気記録媒体の液体潤滑膜厚を測定したところ、図7
(e)〜(h)のような分布を示した。そして、これらの磁気
記録媒体をCSS試験したところ、図6(a)〜(d)とほぼ
同等の結果が得られた。そしてCSS試験後の液体潤滑
膜の厚さを測定したところ、半径位置による膜厚差は図
5(a')〜(d')より小さく、非常に良い特性を示した。
膜までを実施例1と同様の工程で作製した磁気記録媒体
の表面に、次のような手法で液体潤滑膜を形成した。磁
気記録媒体表面上の最内周に液体潤滑剤を微少量滴下さ
せながら、磁気記録媒体を30〜300rpmの速度で
数分間だけ回転させた。このようにして作製した代表的
な磁気記録媒体の液体潤滑膜厚を測定したところ、図7
(e)〜(h)のような分布を示した。そして、これらの磁気
記録媒体をCSS試験したところ、図6(a)〜(d)とほぼ
同等の結果が得られた。そしてCSS試験後の液体潤滑
膜の厚さを測定したところ、半径位置による膜厚差は図
5(a')〜(d')より小さく、非常に良い特性を示した。
【0008】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明であ
る液体潤滑膜の膜厚をCSS領域とデータ領域とで変え
たり、CSS領域における液体潤滑膜の膜厚を1.5〜
5nmに規定したことを特徴とする磁気記録媒体は、C
SS領域だけでなく外周側のCSS特性も良好に維持で
きると同時に、耐蝕性も向上できるため、磁気記録媒体
に高い信頼性、良い耐久性を持たせることができるとう
いう効果がある。
る液体潤滑膜の膜厚をCSS領域とデータ領域とで変え
たり、CSS領域における液体潤滑膜の膜厚を1.5〜
5nmに規定したことを特徴とする磁気記録媒体は、C
SS領域だけでなく外周側のCSS特性も良好に維持で
きると同時に、耐蝕性も向上できるため、磁気記録媒体
に高い信頼性、良い耐久性を持たせることができるとう
いう効果がある。
【図1】本発明の磁気記録媒体に関する従来例で、表面
に形成された液体潤滑膜の様子を示した図
に形成された液体潤滑膜の様子を示した図
【図2】本発明の磁気記録媒体に関する従来例で、表面
に形成された液体潤滑膜の様子を示した図
に形成された液体潤滑膜の様子を示した図
【図3】本発明の磁気記録媒体について、表面に形成さ
れた液体潤滑膜の様子を示した模式図
れた液体潤滑膜の様子を示した模式図
【図4】本発明の実施例1、および従来の磁気記録媒体
について行った、CSS耐久試験前の液体潤滑膜の厚さ
分布を示した図
について行った、CSS耐久試験前の液体潤滑膜の厚さ
分布を示した図
【図5】本発明の実施例1、および従来の磁気記録媒体
について行った、CSS耐久試験後の液体潤滑膜の厚さ
分布を示した図
について行った、CSS耐久試験後の液体潤滑膜の厚さ
分布を示した図
【図6】本発明および従来の磁気記録媒体について行っ
た、CSS耐久試験による摩擦係数とCSS回数の関係
を示した図
た、CSS耐久試験による摩擦係数とCSS回数の関係
を示した図
【図7】本発明の実施例2の磁気記録媒体について行っ
た、CSS耐久試験前の液体潤滑膜の厚さ分布を示した
図。
た、CSS耐久試験前の液体潤滑膜の厚さ分布を示した
図。
Claims (3)
- 【請求項1】 非磁性の基板上に少なくとも磁気記録層
と、この磁気記録層を被覆する保護膜層および液体潤滑
剤膜を設ける磁気記録媒体において、該液体潤滑膜の膜
厚が磁気記録媒体のCSS領域とデータ領域とで異なる
ことを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項2】 CSS領域における液体潤滑膜の膜厚が
データ領域の膜厚より大きいことを特徴とする請求項1
に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】 CSS領域における液体潤滑膜の膜厚を
1.5〜5nmにしたことを特徴とする請求項1に記載
の磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15940492A JPH064856A (ja) | 1992-06-18 | 1992-06-18 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15940492A JPH064856A (ja) | 1992-06-18 | 1992-06-18 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH064856A true JPH064856A (ja) | 1994-01-14 |
Family
ID=15693033
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15940492A Pending JPH064856A (ja) | 1992-06-18 | 1992-06-18 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH064856A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7352524B2 (en) | 2005-11-09 | 2008-04-01 | Tdk Corporation | Magnetic disk drive |
-
1992
- 1992-06-18 JP JP15940492A patent/JPH064856A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7352524B2 (en) | 2005-11-09 | 2008-04-01 | Tdk Corporation | Magnetic disk drive |
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