JPS6313949Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は特に自動車用として便利な座席に関す
るものである。

従来から自動車、特にバス、バン等の座席には
側方に折畳み式の補助椅子が取付けられている場
合が多い。該補助椅子３は第１図および第２図に
示すように座席１のアームレスト１Ａ、１Ａの一
側部にブラケツト２を介して枢着されており、不
使用時は第１図に示すように背もたれ部３Ａを座
部３Ｂ上に倒して折畳み、このように折畳んだ補
助椅子３を起立せしめておき、使用時は第２図に
示すように折畳んだ補助椅子３を横に倒して背も
たれ部３Ａを起立せしめるものである。（実開昭
55年93350号参照）しかしこのような構成におい
ては座席１に坐る人に邪魔にならないよう不使用
時には折畳んだ補助椅子がアームレスト１Ａより
も余り上に出ないようにするため補助椅子の巾に
制限があり、当然補助椅子に坐る人の坐り心持が
犠性になる。また不使用時には折畳んだ補助椅子
は何等の機能も果していない許りか座席１の側方
に突出して邪魔になる。

本考案は上記従来の欠点を改良して補助椅子の
背もたれ部の巾を広くとることが出来、しかも補
助椅子の不使用時にも邪魔にならないで別の機能
を有するようにすることを目的とし、しかして本
考案は 並列せる一対の座席の内側のアームレストを前
方向から側方向に回動自在とし、かつ少くとも一
方のアームレストを上下方向に摺動自在としたこ
とを骨子とするものである。

本考案を第３図以下に示す一実施例によつて説
明する。

図において１０，１０は背もたれ部１０Ａと座
部１０Ｂとからなる一対の座席であり、側部には
アームレスト１１，１１が夫々前方向から側方向
に回動可能に取付けられている。アームレスト１
１，１１は更に上下方向にも摺動可能となつてい
る。アームレスト１１，１１の取付機構は第７図
以下に示される。即ち座席１０の背もたれ部１０
Ａの側面に一対の断面Ｌ形の枠材１３，１３を対
向させて並設し、しかして枠材１３，１３内には
蟻溝１４，１４が形成される。そして該蟻溝１
４，１４中に断面Ｔ字形の支金具１５の両翼片１
５Ａ，１５Ａが嵌合される。かくして支金具１５
は蟻溝１４，１４内で枠材１３，１３に案内され
て上下方向に摺動可能となつている。支金具１５
の中央凸條１５Ｂにはアームレスト１１の根端部
内側に止着されている止金具１６が枢着されてい
る。止金具１６の先端部はＬ字状に屈曲さられて
嵌合部１６Ａを膨出する。一方背もたれ部１０Ａ
の側面からは前部においてアームレスト１１の止
金具１６の嵌合部１６Ａを嵌合抱止する断面Ｃ字
状の板バネ１７が突設せられ、後部においてアー
ムレスト１１を当止するストツパー１８が突出せ
られる。

かくして第４図に示すように一方の座席１０の
アームレスト１１を上に移動させ、他方の座席１
０のアームレスト１１を側方に回動せしめる。こ
の際、第７図に示すアームレスト１１の止金具１
６の嵌合部１６Ａと背もたれ部１０Ａの板バネ１
７との係合はアームレスト１１を手で側方へ回動
させる力によつて容易に解除され、側方へ回動さ
れたアームレスト１１はその根端面が背もたれ部
１０Ａのストツパー１８に当接することによつて
支持される。

更に第５図に示すように上に移動させた一方の
座席１０のアームレスト１１を同様に側方に回動
せしめれば一方の座席１０のアームレスト１１に
よつて上方が構成され、他方の座席１０のアーム
レスト１１によつて下方が構成された補助椅子の
背もたれ部が形成せられるのである。

なお補助椅子の座部１２は座席１０の下縁にそ
の下縁を枢着しておき、不使用時には第３図に示
すように座席１０の下部に垂下し、使用時には横
に回動させることによつて座席１０の側方に位置
せしめ、座席１０の座部１０Ｂ下面に枢着される
支柱２３を軸２３′を中心に回動せしめて座部１
２を支持させる。

本実施例のごとく座席１０の両側にアームレス
ト１１を回動可能かつ上下摺動可能に取付ければ
座席１０を回転させた時にも補助椅子の背もたれ
部がアームレスト１１によつて形成せられ得るこ
とになるが、座席１０の一側部のアームレスト１
１のみを回動可能かつ上下摺動可能にしてもよい
し、またアームレストの回動機構、係止機構、上
下摺動機構は本実施例以外の如何なる公知の機構
も適用出来、例えば上下摺動機構にラチエツト機
構を組込み段階的に上下摺動させればアームレス
トの高さの調節が可能となる。なお補助椅子の座
部については適宜設置することが出来るから本考
案の必須要件とはならない。更に本考案において
はアームレスト１１の上下移動機構を段階的にす
ることも可能である。このような段階的な上下移
動機構としては例えば第１０図に示すようにアー
ムレスト１１の支金具１５の一方の翼片１５Ａの
端部に所定個の切歯１５Ｃを形成し、枠材１３の
該切歯１５Ｃ側からピン１９を挿入してピン１９
の先端を支金具１５の切歯１５Ｃに噛合せしめ
る。ピン１９はバネ２０の弾性によつて内方に押
されており、アームレスト１１を上昇にともない
支金具１５が上昇する時は切歯１５Ｃのくさび効
果によつてピン１９と切歯１５Ｃの係合はバネ２
０の弾性にさからつて解除され、かくしてアーム
レスト１１の上昇は自在である。しかしアームレ
スト１１が下降せんとする時は支金具１５の切歯
１５Ｃはピン１９と係合することによつて下降を
係止するのである。切歯１５Ｃとピン１９との係
合は第１０図点線位置にピン１９を引張ることに
よつて解除され、アームレスト１１は下降が可能
になる。かくして切歯１５Ｃの数だけアームレス
トは段階的に上下する。

本考案は上記したように一対の座席のアームレ
ストを補助椅子の背もたれ部に転用するから、補
助椅子の不使用時にも全く邪魔にはならず、補助
椅子の使用時には補助椅子の巾は一対の座席の間
隔一杯にとれ、かつ十分な高さを有する背もたれ
部を提供できるので補助椅子に坐る人の坐り心持
は従来のものに比して格段に向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は、自動車用座席の従来例を示
すもので、第１図は正面図、第２図は補助椅子使
用状態の正面図である。第３図以下は、本考案の
一実施例を示すもので、第３図は正面図、第４図
はアームレストを、移動および回動させた状態の
正面図、第５図は補助椅子形成状態の正面図、第
６図は側面図、第７図はアームレスト取付機構を
示す拡大部分正断面図、第８図は第７図における
アームレストを回動させた状態の拡大部分正断面
図、第９図は取付機構を示す拡大部分側断面図、
第１０図は他の実施例の取付機構拡大部分側断面
図である。 図中、１，１０……座席、１Ａ，１１……アー
ムレスト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 並列せる一対の座席の内側のアームレストを前
   方向から側方向に回動可能とし、かつ少くとも一
   方のアームレストを上下方向に摺動可能とし、該
   一方のアームレストを上方に移動させ、該アーム
   レストおよび他方のアームレストを側方向に回動
   することにより補助椅子の背もたれ部を形成する
   ことを特徴とする座席。