JPS59131Y2 - 座席用ヘツドレスト装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は座席のバックシートの上縁部に昇降自在に備え
、着座者の後頭部に当接し、支持するヘッドレスト装置
に関し、ヘッドレストの昇降調節か容易かつ円滑に行え
るようにしたものである。

従来、この種のヘッドレスト装置はその支持杆をバック
シートに対して上下方向に係合摩擦状態で嵌挿し、その
昇降調節は昇降両方向の摺動において行えるように構成
されていた。

しかしその操作において昇降両方向共に係合摩擦力が作
用するので下降操作の際はヘッドレストに上方向から体
重を加えるように押し下げることにより支持杆の保合摩
擦力に抗して割合円滑に下降させることができるが、上
昇操作は腕の力だけで支持杆の係合摩擦力に抗して引き
上げることになるためその上昇調節には強い腕力を必要
とし、また引き上げ力が強すぎると上昇させるべき位置
を越えてしまうことになり、所要の位置に円滑に上昇さ
せることが困難で、特に自動車の座席等においては狭い
車室内での無理な姿勢からのヘッドレストの上昇調節は
極めて為悪い欠点がある。

そこで本考案は従来の欠点を解消するために座席のバッ
クシートに対するヘッドレストの位置調節は主に下降操
作時に行い、上昇は偏倚手段の偏倚力により自動的に行
うようにしたヘッドレスト装置を提供するものである。

以下図面について本考案の実施例を説明するに、図面に
示すものは本考案を自動車等の車輌の座席に適用した場
合である。

図においてＳは自動車の座席を示し、クッションシート
部Ｓｃとバックシート部ｓｂから戊り、バックシート部
ｓｂはクッションシート部Ｓｃに対してツクライニング
装置Ｒにより傾斜調節でき、このバックシート部ｓｂの
上縁面に本考案のヘッドレスト装置１が備えられている
。

このヘッドレスト装置１はヘッドレスト２が一対の支持
杆３，４によって支持され、この支持杆３，４をバック
シート部ｓｂの上部フレームｆに固定された調節機構付
ブラケット５とブラケット６により昇降可能に支持して
構成される。

即ち、ヘッドレスト２を支持する一方の支持杆３の側面
には複数の保合溝７（７□、７２．７３・・・・・・７
．）が上下方向に所要の間隔で後述する係止片８に対し
て上方向にのみ係合されるように、下辺を略直角状に切
欠した略Ｖ字状に、設けられており、この支持杆３は調
節機構付ブラケット５に挿通されて支持される。

ブラケツ１〜５には係止片８が水平方向に摺動自在に配
され、この係止片８にその摺動方向に長い窓孔９が設け
られて支持杆３が挿通され、この窓孔９の内端縁部９ａ
が係合溝７に係合されることになり、またこの係止片８
の一端部にはコイルスプリング１０を係合巻装してブラ
ケット５の一側面５ａの内面との間に収縮介在させ、係
止片８を常時窓孔９の内端縁部９ａが支持杆３の保合溝
７に係合される方向に付勢させてあり、更に係止片８の
一側縁には係合溝１１が形成されている。

この係止片８の他端部の後方に位置してナイフ状の傾斜
縁１２ａを有する操作片１２が上下方向に摺動自在に配
され、その上半部は、ブラケット５の上面５ｂより上方
に突出されて上端にはノブ１３が固定され、このノブ１
３とブラケツｌ−５の上面５ｂとの間にコイルスプリン
グ１４が介在されて操作片１２は常時上方へ付勢され、
ノブ１３をバックシート部ｓｂの上縁面より突出させて
いる。

またブラケット５の内側片５Ｃにはリンク片１５か゛軸
ピン１６により前後方向に摺動自在に枢着され、その上
端縁１５ａが常時係止片８の前側縁に当接するようにス
プリング１７により付勢されており、係止片８が支持杆
３に対して係止を解除するように摺動された際その保合
溝１１に上端縁１５ ａが係合されて係止片８の係止解
除状態を保持し、一方下端縁１５ｂは傾斜状に形成され
て支持杆３の下端に固着された係合片１８の後側縁に対
向し、上端縁１５ａが係止片８の係合溝１１に係合され
た状態即ち係止片８の係止解除状態で支持杆３が上昇さ
れると、保合片１８により押圧される。

また保合片１８とブラケット５との間にはコイルスプリ
ング１９が架張されており、支持杆３を常時上昇させる
ように付勢させている。

更にブラケット５の支持杆３の挿通孔には支持杆３が摺
動され易く、また支持が確実に行えるようにホルダー２
０が嵌合されている。

また、他方の支持杆４は丸棒状でそのブラケット６はコ
字状に形成され、この上下支持面の挿通孔には支持杆４
を昇降自在に支持するように上述のブラケット５の場合
と同様にホルダー２０が嵌合されている。

次に以上のように構成される本例のへラドレスト装置の
動作について説明する。

先ずヘッドレスト２がバックシート部ｓｂの上縁面より
上方に離隔位置されている状態においては係止片８はコ
イルスプリング１０により付勢されて窓孔９の内端縁部
９ａが一方の支持杆３の係合溝７の１つに係合され、ま
たこの状態で支持杆３にはコイルスプリンググ１９の弾
力により引き上げ力が作用されているため、支持杆３は
係止状態にありヘッドレスト２はこの位置で保持されて
いる。

この状態からヘッドレスト２をコイルスプリング１９の
弾力に抗してバックシート部ｓｂの上縁面に当接するよ
うに最下位置まで押し上げると、そのヘッドレスｌ−２
の下面で操作片１２かツブ１３を介して押圧される。

このため操作片１２はコイルスプリング１４による弾力
に抗して押し下げられ、下半部の傾斜縁１２ ａが係止
片８の端縁に摺動してその係止片８を押圧し、コイルス
プリング１０の弾力に抗して摺動させる。

この係止片８の摺接により窓孔９の内端縁部９ａは支持
杆３の係合溝７より離隔させてその保合を隔き、一方係
止片８は摺動により係合溝１１がリンク片１５の上端縁
１５ ａに対応することになり、リンク片１５はスプリ
ング１７により係止片８側に付勢されているためその上
端縁１５ ａが係合溝１１に係合し、係止片８は支持杆
３に対する係止を解いた状態で係止される。

この係止片８による係合が解かれた支持杆３は、コイル
スプリング１９の弾力により上方に摺動され、ヘッドレ
スト２は上昇される。

このヘッドレスト２の上昇により操作片１２は押圧が解
除されてコイルスプリング１４の弾力により上昇され係
止片８の押圧を解除するが、係止片８はリンク片１５に
よる係止が持続されているので支持杆３は更に上昇され
る。

この支持杆３の上昇により下端の保合片１８がリンク片
１５の下端傾斜縁１５ ｂに摺接して押圧し、そのリン
ク片１５をスプリング１７の弾力に抗して軸ピン１６を
回転中心として回動させ上端縁１５ ａを係止片８の係
合溝１１から離隔させる。

このため係止片８は、コイルスプリング１０により押圧
摺動されて窓孔９の内端縁部９ａが支持杆３の最下段の
係合溝７ｎに係合され、支持杆３はその位置即ちヘッド
レスト２の最上位置で係止される。

そこでこの状態からヘッドレスト２の任意の位置設定の
動作を行う。

即ちヘッドレスト２をコイルスプリング１９の弾力に抗
して押し下げると支持杆３は係合溝７が最下段の係合溝
７ｎから順次上方へ一段宛係止片８の窓孔９の内端縁部
９ａに係合されながら降下し、任意位置まで降下させた
状態でその押下げを解除すると、その位置で支持杆３は
、係止片８により係止されてヘッドレスト２の位置決め
がなされる。

以上の動作において他方の支持杆４はヘッドレスト１の
他側を支持しながら一方の支持杆３の摺動に伴ってブラ
ケット６に対して摺動される。

。このようにしてヘッドレスト１を着座者の後頭部に合
致させることができる。

なお以上の説明において係止片８の支持杆３に対する係
止を解く場合の操作片１２の押圧はヘッドレスト２を最
下位置まで押し下げることにより行っているが、操作片
１２をノブ１３により直接押圧してもよく、この場合は
、ヘッドレスト２を一旦最下位置まで押し下げることな
く、その中間位置から最上位置に上昇復帰させることが
できる。

また本例の場合は操作片１２のノブ１３はバックシート
部ｓｂの上縁面より突出されているが、第６図に示す如
く、バックシート部ｓｂの上縁部にクッション材Ｃが充
填され柔軟弾力性を保有する場合は操作片１２のノブ１
３をバックシート部ｓｂの上縁部に埋没した構成にして
もよく、またヘッドレスト２の下面にノブ１３と対応し
て突子２１を突設しておけばヘッドレスト２の押し下げ
による操作片１２の押圧操作が確実に行えることになる
。

なお、本例においてはヘッドレスト２の一方の支持杆３
側においてのみ係止調節操作を行えるように構威しであ
るが、他方の支持杆４側においても行えるように上述の
如く支持杆４にも係合溝を設け、ブラケット６に係止調
節機構を備えてもよく、また一本の支持杆により支持す
るように構成されたヘッドレストに本考案を適用した場
合も上述の如く動作されることは勿論である。

また支持杆の断面形状は円形に限ることなく長方形等角
形状のものを使用し得る。

以上のように本考案は上述の実施例のみならずその要旨
を変更しない範囲で種々変形し実施できるものである。

以上のように本考案によればヘッドレストのバックシー
トに対する高さの調節は下方位置から上方位置へ位置変
換する場合においてもヘッドレストを一旦最上位置まで
スプリングにより自動的に上昇させた後、所要の位置ま
で押し下げるという、常に押し下げ操作のみにより行う
ことができ１．この押し下げ調節操作は腕の力だけによ
らず体重を加えた状態で行えるので操作が極めて円滑で
かつ確実に行え、また引上げる力は全く加える必要がな
いので自動車等の狭い場所に設置される座席のヘッドレ
ストに適用して顕著な効果を奏するばかりでなく、他の
座席例えば歯科用ユニットにおける治療用椅子、或いは
理髪用椅子等のヘッドレストに適用しても着座者に合せ
てヘッドレストの位置調節が簡単に行えて操作の手数が
省ける等の効果があす、シかも構成が簡単で製作も容易
であり、実用上有益な考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるヘッドレスト装置を備えた車輌用
座席の斜視図、第２図は本考案によるヘッドレスト装置
の一例の斜視図、第３図は第２図におけるＩ−Ｉ線拡大
断面図、第４図は第２図における一部省略したＩＩ −
ＩＩ線線入大断面図第５図は要部の斜視図、第６図は本
考案によるヘッドレスト装置の設置状態を示す他側の一
部截断した正面図である。 図中 Ｓは座席、Ｓｂはバックシート部、ｆはフレーム
、２はヘッドレスト、３は支持杆、５はブラケット、７
は係合溝、８は係止片、１２は操作片、１５はリング片
である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 バックシートに昇降自在且つ常時上方にスプリングによ
   り付勢され側面の上下方向に多数の略■字状係合溝を有
   し下部に保合片を径方向に突設したヘッドレストの支持
   杆、 この支持杆の保合溝方向に付勢されバックシート内に水
   平方向に摺動自在に設けた係止片、この係止片を係合解
   除方向に押動せしめる操作片、 前記係止片方向に付勢せしめた上端と、支持杆の上昇に
   よって保合片に係合する下端とを有し垂直方向に揺動自
   在に枢着したリンク片、 とからなり、 前記係止片が係合する支持杆の保合溝の下辺を略直角状
   に形成し、前記係止片には、前記操作片の押動によって
   係止片が摺動した際にリンク片の上端が係合する係合溝
   を設けてなる座席用ヘッドレスト装置。