JPS6312875Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は製造性を向上させるべく外箱構造を改
良した洗濯機に関する。

〔考案の技術的背景〕

例えば脱水兼用洗濯機では、鋼板を上面を開放
した矩形筒状に折曲形成し、上面開口部の四隅部
に、槽を吊持する吊り棒の支持部を備えた略三角
板状の補強板を溶接により固着して外箱を構成し
ていた。

〔背景技術の問題点〕

しかしながら、上記構成では、外箱の隅部を補
強し且つ吊り棒を支持するための補強板は各隅部
毎に要して部品点数が多く、しかもそれらを逐一
溶接により固着しなくてはならないため製造性に
劣るという問題があつた。

〔考案の目的〕

そこで、本考案の目的は、外箱の補強及び吊り
棒の支持を同時に図りつつ、部品点数を削減し得
ると共に製造性を向上できる洗濯機を提供するに
ある。

〔考案の概要〕

本考案は、上面を開放し上端周縁部に係合部を
形成した外箱と、前記係合部と係合する被係合部
を有し前記外箱の上端周縁部に沿つて装着され且
つ槽を吊持する吊り棒を受ける支持部を一体に形
成した外箱補強枠と、この外箱補強枠の上面に配
設され洗濯物出入口を有するカバーとを設け、外
箱の係合部と外箱補強枠の被係合部との係合によ
り外箱補強枠を外箱に固定して外箱の補強を図
り、且つ一体に形成した支持部により吊り棒を受
けるようにするところに特徴を有する。

〔考案の実施例〕

以下本考案の一実施例につき図面を参照して説
明する。１は外箱で、これは例えば予め塗装処理
が施された鋼板いわゆる化粧鋼板製であつて、上
下両面及び背面中間部を開放した略矩形筒状に折
曲形成されており、その背面開放部の上面には連
結板２をかしめ等により固着している。そして、
この外箱１の上端各側縁部には内方へ延出するフ
ランジ部３を折曲により形成し、且つ各フランジ
部３の両端部には化粧鋼板を矩形筒状に折曲する
際に邪魔にならないように切欠部３ａを形成して
いる。４はプラスチツク製の外箱補強枠で、これ
は外箱１の上端周縁部に沿つて全体として略矩形
枠状に形成されており、詳細には、外箱１のフラ
ンジ部３に上方から宛がわれ四隅部に略三角板状
の支持板部５を備えた枠主体部６とこの枠主体部
６の内外両側に夫々全周にわたつて下方に延びる
よう一体に突設した内外両壁部７，８とを備えて
いる。９は後述する吊り棒を受けるための支持部
であり、これは外箱補強枠４の各支持板部５に一
体に形成したもので、該支持板部５の略中央を陥
没させて半球状凹部１０を形成すると共にこの半
球状凹部１０の底部に透孔１１を形成し、且つ半
球状凹部１０の開放上縁部に環状壁１２を突設し
て成る。１３は一対の手掛部で、これは外箱補強
枠４の左右両側部に位置する外壁部８に一体に突
設して成り、内部に多数の補強リブ１３ａを一体
に形成している。１４は被係合部たる複数の係合
爪で、これは外箱補強枠４の外壁部８の各側部の
内側に間欠的に突設され、そのうちの一部は外箱
補強枠４の左右両側縁部の中間部に位置するよう
に手掛部１３近傍に設けられている。１５は外箱
補強枠４の枠主体部６に形成された係合爪１４形
成用の型抜き孔である。そして、前記外箱１の上
端周縁部には外箱補強枠４の係合爪１４に対応し
て係合部に相当する係合孔１６を形成している。
而して、上述のように構成した外箱補強枠４は、
その外壁部８を外箱１上端部の外周側に且つ内壁
部７を外箱１のフランジ部３の内周側に嵌合し、
もつて外箱１のフランジ部３を内外両側から挾む
ようにして外箱１の上端周縁部に装着され、その
係合爪１４を外箱１の係合孔１６に係合させて固
定されている。１７は周知の弾性吊持機構を構成
する４本の吊り棒で、これの上端部には半球状の
滑動体１８を夫々装着しており、この滑動体１８
を前記外箱補強枠４の支持部９の半球状凹部１０
内に収納して外箱１内に垂下状態に配設してい
る。１９は槽たる水受槽であり、これは内部に回
転槽２０を回転可能に配設すると共に外底部にこ
の回転槽２０を駆動するための周知の駆動機構２
１を取着しており、周壁部下部を前記吊り棒１７
の下端部に弾性的に連結して外箱１内に弾性吊持
されている。２２は外周囲に垂下壁部２２ａを有
する略矩形状のカバーであり、これの上面略中央
には矩形凹部２３を形成し、この矩形凹部２３内
に略円形の洗濯物出入口２４を形成している。２
５は洗濯物出入口２４を開閉するための蓋、２６
はカバー２２の後部に一体に立設した操作箱であ
り、操作箱２６にはタイマ装置２７等を配設して
いる。そして、カバー２２はその垂下壁部２２ａ
を外箱補強枠４の枠主体部６の上面に全体として
矩形状を成すように間欠的に列設した位置決めリ
ブ２８の外周側に嵌合し、ねじ２９により該位置
決めリブ２８に固定され、且つ外箱補強枠４の型
抜き孔１５を上方から覆つている。

さて、上記構成の脱水兼用洗濯機によれば、次
の効果を奏する。

(イ) 外箱１は平坦な化粧鋼板からまずフランジ部
３を折曲形成した後矩形筒状に折曲形成され、
しかもその折曲成形の際に邪魔にならないよう
外箱の各フランジ部３の両端には切欠部３ａを
形成せざるを得ず従つて各フランジ部３間は切
り離されて外箱１単体では外力に対して弱く、
例えば横方向の力を受けると外箱１は菱形状に
変形し易いものである。しかし、外箱補強枠４
の装着により、各フランジ部３が外箱補強枠４
の内外両壁部７，８により挾まれて外箱１の上
端周縁部が外箱補強枠４の矩形筒状に定形保持
されるから、外力が作用したとしても外箱１が
変形を起こすことを確実に防止することができ
る。これにより、従来外箱の補強のために四隅
部に夫々溶接していた４枚の補強板が不要とな
つて部品点数を削減でき、また溶接工程を無く
し得るので製造性を大幅に向上させることがで
きる。しかも、このように吊り棒の支持部を備
えていた従来の補強板を無くしても、外箱補強
枠４には吊り棒１７を受ける支持部９を一体に
形成したから、吊り棒１７の支持部を別に設け
る必要がない。

(ロ) また、従来のように外箱に補強板を溶接する
ものでは、外箱を予め塗装処理を施した化粧鋼
板製とすると、溶接の際に塗膜が剥離したり溶
接強度が不足したりする問題があるので外箱を
化粧鋼板製とすることが困難で、実際には未塗
装の鋼板を用いて外箱を形成し、補強板の溶接
後に脱脂処理，塗装処理，焼付処理及び乾燥処
理といつた実に面倒な作業を行なつて外箱及び
補強板に塗装を施していたのが実情である。こ
れに対し、本実施例では前述のように溶接工程
を省略し得るので、外箱１を化粧鋼板製とする
ことができ、これにて外箱１の塗装工程を省略
でき、製造性の一層の向上を図ることが可能で
ある。

(ハ) また、特に本実施例のように外箱補強枠４の
内壁部７をフランジ部３の全周にわたつて設け
るようにすれば、フランジ部３が内方に撓み変
形することを防止できるから、外箱１の側面部
に局部的な押圧力が作用したとしても変形を防
止でき、所謂外箱１のべこつきをも防止し得
る。

(ニ) 外箱１と外箱補強枠４との固定は、係合爪１
４を係合孔１６に係合させることにより行なう
ものであるから、外箱補強枠４を外箱１の上方
に被せて押え込むだけで済み、ねじのしめつけ
作業数を削減でき、製造性の一層の向上を図り
得る。

(ホ) 外箱補強枠４に手掛部１３を設けると共に係
合爪１４を手掛部１３に対応して設けるように
したから、手掛部１３に手を掛けて洗濯機の運
搬作業を能率的に行なうことができることは勿
論のこと、このように洗濯機を持上げた場合で
も手掛部１３の補強効果により外箱補強枠４の
撓みを防止できるので、係合爪１４が係合孔１
６から抜け出てしまうことを防ぐことができ
る。

(ヘ) 外箱補強枠４の係合爪１４は、その上方に型
抜き孔１５を形成して成形するようにしたか
ら、型構造を複雑にすることなく成形でき、し
かもこの型抜き孔１５は、カバー２２を固定す
ることにより覆いかくされるので外観が見苦し
くなることもない。

尚、前記実施例では、外箱１を化粧鋼板製とし
たが、本考案はこれに限らず、外箱１は未塗装の
鋼板により形成してその後塗装を施すようにして
もよく、この場合でも従来の補強板がない単純な
角筒状の形態で塗装を施すことができるから、塗
装作業が容易である。また、外箱１と外箱補強枠
４の固定は係合孔１５と係合爪１４の係合のみに
限らず若干数のねじを用いて一層強固に締付ける
ようにしても良いことは勿論であり、その他本考
案は上記し且つ図面に示す実施例に限定されるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲内じ種々
変更して実施することができる。

〔考案の効果〕

本考案は以上述べたように、外箱の係合部と外
箱補強枠の被係合部との係合により外箱補強枠を
外箱の上端周縁部に沿つて装着固定すると共に、
この外箱補強枠に吊り棒の支持部を一体に形成し
たから、外箱補強枠により吊り棒の支持及び外箱
を定形保持して外箱の補強を併せて図り得、しか
も外箱補強枠の外箱への装着作業を容易に行ない
得、これにて部品点数の削減及び製造性の向上を
図ることができる洗濯機を提供し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は全体
の縦断側面部、第２図は背方からの部分斜視図、
第３図は要部の分解斜視図、第４図は第２図−
線に沿う部分拡大縦断面図、第５図は手掛部の
底面図である。 図中、１は外箱、４は外箱補強枠、７は内壁
部、８は外壁部、９は支持部、１３は手掛部、１
４は係合爪（被係合部）、１６は係合孔（係合
部）、１７は吊り棒、１９は水受槽（槽）、２２は
カバー、２４は洗濯物出入口である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面を開放し上端周縁部に係合部を形成した外
   箱と、前記係合部と係合する被係合部を有し前記
   外箱の上端周縁部に沿つて装着され且つ槽を吊持
   する吊り棒を受ける支持部を一体に形成した外箱
   補強枠と、この外箱補強枠の上面に配設され洗濯
   物出入口を有するカバーとを具備して成る洗濯
   機。