JPS6312534Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は例えばスイツチ等に使用され、所謂
ピラー端子と称されるリード線抜け防止構造付き
端子装置の改良に関する。

第１図は従来のリード線抜け防止構造付き端子
装置である。即ち、１１は端子であり、この端子
１１には図示せぬリード線が挿入される透孔１２
が設けられている。また、端子１１には透孔１２
と連通されたねじ穴１３が設けられ、このねじ穴
１３にはねじ１４が螺合される。一方、１５は導
電性を有する板ばねであり、この板ばね１５の一
端部には例えばスイツチ等の接点となる接点部材
１６の一端部がカシメ固定されている。このよう
な構成において、組立て状態においては第２図に
示すように端子１１の透孔１２内に前記板ばね１
５の他端部が挿通される。また、端子１１と接点
部材１６の位置関係は図示せぬスイツチのケース
によつて規定される。しかして、ねじ１４がねじ
込まれると板ばね１５はねじ１４の先端部により
駆動され、図示せぬリード線が板ばね１５によつ
て固着される。尚、第２図において、第１図と同
一部分には同一符号を付す。

上記構成では端子１１と板ばね１５が離間した
構造であるため、組立状態において板ばね１５と
端子１１の位置関係、即ち、接点部材１６と端子
１１の距離に誤差を生ずる。このため、板ばね１
５の弾性力が不揃いとなることがあつた。また、
板ばね１５をスイツチケース側に取付けた状態で
端子１１をスイツチケースに取付ける作業は煩雑
であり、工数がかかるものであつた。

この考案は上記事情に基づいてなされたもの
で、その目的とするところは組立てが極めて簡単
なため作業工数を減少でき、しかも端子と弾性部
材の位置関係を均一に保つことが可能な端子装置
を提供しようとするものである。

以下、この考案の一実施例について図面を参照
して説明する。

第３図乃至第５図において、３１は取付け部材
例えばスイツチケースであり、このケース３１に
は所定間隔離間して複数個の取付け凹部３２が設
けられ、この凹部３２内にはそれぞれ端子３３が
設けられる。この端子３３は第４図に示す如く、
端面部４１にリード線が挿入される凹状の挿入部
４２が設けられ、突状に形成された一側面部４３
には前記挿入部４２と連通されるねじ穴４４が設
けられる。また、端子３３の基端部４５には例え
ばスイツチの接点部材４６が貫通されカシメ固定
される。このような形状の端子３３は前記凹部３
２内においてケース３１の表面に対して端面部４
１および一側面部４３が露出するよう固定され、
この状態において端子３３の突状一側面部４３は
凹部３２の一側面部３４から所定距離離間され
る。この端子３３には導電性弾性部材例えば板ば
ね３５が設けられる。この板ばね３５は第４図に
示す如く略Ｕ字状に形成され、一端部が前記端子
３３の挿入部４２内にリード線と同一方向に挿入
される。また、この板ばね３５の他端部は先端が
前記凹部３２の一側面部３４に当接され、中間部
は前記端子３３の一側面部４３に当接される。こ
の中間部には前記端子３３のねじ穴４４を避けて
透孔４７が設けられる。

一方、前記ケース３１には端子３３の一側面部
４３を覆う押え部材３６が設けられる。この押え
部材３６の両側部には係合突部３６₁，３６₁が設
けられ、この突部３６₁，３６₁はケース３１に設
けられたガイド溝３７，３７に係合される。ま
た、表面部には前記端子３３のねじ穴４４に対応
して貫通孔３６₂，３６₂，３６₂が設けられ、裏
面部には係合突起３６₃および係止部３６₄，３６
_４，３６₄が設けられる。即ち、係合突起３６₃は
押え部材３６をケース３１に取付けた状態におい
て、第５図に示す如く端子３３の突状一側面部４
３に係合され、押え部材３６を抜け止め固定する
ものである。また前記係止部３６₄，３６₄，３６
_４はそれぞれ前記端子３３の端面部４１に対向し
て設けられ、押え部材３６がケース３１に取付け
られた状態において板ばね３５の曲部を第５図に
示す如く端子３３の端面部４１方向に押圧するも
のである。さらに、前記押え部材３６の貫通孔３
６₂，３６₂，３６₂には押え部材３６をケース３
１に取付けた状態において第５図に示す如くねじ
５０が挿通される。このねじ５０は前記板ばね３
５の透孔４７を介して端子３３のねじ穴４４に螺
合され、このねじ５０の先端は前記挿入部４２内
に配設された板ばね３５の一端部に当接される。
しかして、第５図に示す如くリード線５１が挿入
部４２内に挿入された状態において、ねじ５０を
螺入することにより板ばね３５がリード線５１に
圧接され、リード線５１が端子３３に固着され
る。

上記構成によれば、板ばね３５を端子３３に直
接取付け、板ばね３５の位置をケース３１におけ
る凹部３２の一側面部３４で規定している。した
がつて、端子３３に対する板ばね３５の位置関係
を一定とし得るため、板ばね３５の弾性力を均一
化することが可能である。

また、板ばね３５はワンタツチで端子３３に取
付けられ、しかも押え部材３６をケース３１に取
付けることにより、端子３３に対して位置決めさ
れる。したがつて、組立て作業が極めて簡単であ
るため作業工数を削減することが可能である。

尚、この考案は上記実施例に限定されるもので
はなく、取付け部材としてはスイツチケース３１
に限定されない。

また、板ばね３５には透孔４７を設けたが、こ
れに限らず例えばねじ穴４４を避ける切欠き部を
設けてもよい。さらに、端子３３の一側面部４３
は必ずしも突状としなくともよい。

その他、この考案の要旨を変えない範囲で種種
変形実施可能なことは勿論である。

以上、詳述したようにこの考案によれば、組立
てが極めて簡単なため作業工数を減少でき、しか
も端子と弾性部材の位置関係を均一に保つことが
可能な端子装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図はそれぞれ従来の端子装置を示
すもので、第１図は分解斜視図、第２図は第１図
の組立て状態を示す一部切除した側面図、第３図
乃至第５図はこの考案に係わる端子装置の一実施
例を示すもので、第３図は分解斜視図、第４図は
要部を取出して示す分解斜視図、第５図は第３図
の組立て状態を示す側断面図である。 ３１……スイツチケース、３３……端子、３５
……板ばね、３６……押え部材、４２……挿入
部、４４……ねじ穴、５０……ねじ、３６₄……
係止部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 取付け部材に一側面部および端面部が露出して
   設けられ端面部にリード線の挿入部が形成された
   端子と、略Ｕ字状で一端部は前記端子の挿入部内
   にリード線と同一方向に挿入され他端部は先端が
   前記取付け部材に当接され中間部が前記端子の一
   側面部に当接される導電性弾性部材と、前記端子
   の一側面部を覆うよう取付け部材に設けられ前記
   端子の端面部と対向する係止部で前記弾性部材の
   曲部を端子の端面部方向へ押圧する押え部材と、
   この押え部材に貫通されるとともに前記端子の一
   側面部に螺合され先端部が前記挿入部内に設けら
   れた弾性部材の一端部を押圧するねじとを具備す
   ることを特徴とする端子装置。