JPS629208Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はラベル貼付装置、詳しくはベルトコン
ベアをラベル発行口近傍から所定区間に渉り回動
自在に設置し、発行されるラベルをバキユームに
よつて前記ベルトコンベアに吸着させラベル発行
位置より貼付位置へ移送させるラベル貼付装置の
改良に関する。

（従来技術とその問題点） 従来のラベル貼付装置において、ベルトコンベ
アは間隔をおき配設された２つのプーリによりラ
ベル発行口近傍から単に水平状に配設された構造
である。

一般にラベルプリンタなどにおけるラベル発行
は、一定間隔をおいてラベルを貼付せるラベル台
紙を巻取ることによつてラベルを一定量宛繰出
し、前記台紙が剥離部材（デイスペンサー）を介
し反転する際にラベルを台紙より剥離しながら発
行口より突出させて前記ベルトコンベア下に位置
させる。

上記発行ラベルは台紙の巻取り方向の関係で前
垂れ傾斜状の発行姿勢となつて発行口より突出す
る。

そこで上記発行ラベルをバキユームにより吸着
保持する場合、その吸着面はラベルの発行姿勢と
一致、すなわちベルトコンベアとラベルとが平行
となる状態が吸着ミスを少なくし作業性を確保す
る上で好ましい。

しかるに従来装置においては、ラベル発行位置
におけるベルトコンベアと傾斜状に発行されるラ
ベルとの間に平行度が維持されず、ベルトコンベ
アとラベル前端部との間に大きな間隔があいて、
バキユームによるラベル吸着機能が低下しラベル
を吸着し損なう不具合がある。

一方、発行ラベルの傾斜角度はラベルの種類に
より異なる。例えば長いラベルは短いラベルに較
べて傾斜角度が大きく、腰の強い材質のラベルは
腰の弱いものに較べて傾斜角が小さく、あるいは
同形同一材質のラベルでも、のりの接着力によつ
て傾斜角度が異なる如くである。

従つて、ベルトコンベアの吸着面を単に傾斜さ
せるだけでは、ラベルの種類に対応し得ずラベル
吸着ミスを発生する確率が高くなり作業性を損う
原因となる。

（考案の目的） 本考案は斯る従来事情に鑑み、ラベル発行位置
におけるラベル吸着動作を確実にし、ラベル空移
送のない作業性、信頼性の高いラベル貼付装置を
提供せんとするものである。

（考案の構成） 斯る本考案のラベル貼付装置は、間隔をおいて
配設せる２つのプーリによりベルトコンベアをラ
ベル発行口近傍から所定区間に渉り回動自在に設
置し、発行されるラベルをバキユームによつて前
記ベルトコンベアに吸着させラベル発行位置より
貼付位置へ移送させるラベル貼付装置において、
上記両プーリ間に案内プーリを両プーリより下方
位に配設し、かつベルトコンベアの下側辺上に当
接せしめて前記発行位置におけるベルトコンベア
を移送方向下向状に傾斜させるとともに前記案内
プーリを上下動自在に設置し、その上下位置を調
整する調整部材を設けたことを特徴とする。

（作 用） 本考案によれば、上記調整部材を操作すること
によつて案内プーリを上下動させ、該プーリに当
接するベルトコンベアの下側辺ベルトを上下させ
て、ラベル発行位置におけるベルトコンベアの吸
着面の傾斜角度を調整する。

その吸着面の傾斜角度は発行口より発行される
ラベルの傾斜角と略一致、すなわちラベルと平行
にベルトコンベアが配置されるように設定する。

（実施例） 本考案の実施例を図面により説明すれば、第１
図において、２０はラベルプリンタ、計量ラベラ
ーなどの本体ケース、２１はラベル発行口、２２
は剥離板、ａは台紙ｂに一定間隔をおいて貼着さ
れたラベルであり、台紙ｂが剥離板２２を介し反
転する際に台紙ｂより剥離しながら発行口２１よ
り所定長さ突出する。

上記ラベルａは第６図に示す如く前垂れ傾斜状
の姿勢で発行される。

尚第６図において、２３はサーマルヘツド、２
４はプラテンローラである。

貼付装置Ａは前記本体ケース２０の発行口２１
側壁面に取付け設置され、図中１は器枠、２はベ
ルトコンベア、３は調整ネジ杆、４はバキユーム
を生起させるフアン、５はフアンの駆動用モータ
である。

尚、貼付装置Ａは第７図に示す如くケース本体
２０内に設置することも任意である。

器枠１は底部開放せる箱形であり、その枠内上
部に前記フアン４を設置するとともに枠内下部に
ベルトコンベア２を設置する。

器枠１内下部には左右両側端部に夫々プーリ
６，７を回転自在に軸架し、両プーリ６，７に渉
り２本の無端ベルト２ａ，２ｂを間隔をおいて巻
架するとともに両プーリ６，７間に案内プーリ
８，９を軸８′，９′により回転自在に軸架し、両
プーリ８，９を夫々ベルト２ａ，２ｂの下側辺上
に当接せしめ、これによりベルトコンベア２を構
成する。

ベルトコンベア２は前記プーリ７の回転軸７′
をモータ１０にベルト伝達させて駆動するように
し、またベルト２ａ，２ｂの上側辺上にはテンシ
ヨンローラ１１を係合せしめる。

上記案内プーリ８はその軸８′を器枠１の前後
両壁へ定置に回転自在に軸承せしめ、案内プーリ
９は器枠１の前後両壁に開口した長孔１２に軸
９′を挿着して上下動自在に取付ける。

両プーリ８，９は夫々プーリ６，７より下方位
に設置し、これによりプーリ６，８間及びプーリ
７，９間のベルト２ａ，２ｂを傾斜面S₁，S₂と
し、傾斜面S₁はベルトの移送方向に対し上向状で
あり、傾斜面S₂は同移送方向に対し下向状であ
る。

上記傾斜面S₁はラベル貼付位置となり、傾斜面
S₂はラベル吸着面となる。

又、器枠１は前後各壁の外側面にブラケツト１
３，１３を突設し、該ブラケツト１３，１３に
夫々調整ネジ杆３，３を上下貫通状に垂下せしめ
る。

ネジ杆３，３は夫々その下端部を前記案内プー
リ９の軸９′端部に螺合せしめ、このネジ杆３，
３を回動操作することにより軸９′を上方又は下
方に螺動させるようにする。

上記軸９′の螺動により該軸が長孔１２内を上
下動して案内プーリ９を上下させ、これにより前
記傾斜面S₂はその傾斜角度が調整される。

傾斜面S₂の角度調整は発行口２１より突出する
ラベルａの発行姿勢に略平行となるように、ラベ
ルの紙質、大きさなどに応じて適宜に調整する。

又、器枠１内には、その底部一半部、詳しくは
貼付位置側の一半部に遮へい板１４を横架せしめ
るとともに器枠１の左側端にラベルａの除去を検
出する検出器１５を設置する。

遮へい板１４は適宜数の小孔１６…を開口せる
パンチングボードであり、この遮へい板１４の介
在により傾斜面S₂におけるバキユーム吸引力を強
めるようにし、ラベル吸着位置における発行ラベ
ルａがベルト２ａ，２ｂに確実に吸着するように
する。

したがつて、フアン４のバキユーム吸引力を増
大させることなくラベル吸着位置（傾斜面S₂）に
おけるラベル吸着力を、ラベル後端が台紙から確
実に剥ぎとれる大きさとすることができる。

又、フアン４のバキユーム吸引力を増大させて
ラベル吸着位置（傾斜面S₂）におけるラベル吸着
力を増強させた場合でも、貼付位置におけるラベ
ル吸着力が軽減されるので、ラベル貼付作業に何
ら支障がない。

検出器１５は貼付位置におけるラベル除去を検
出することにより、次のラベルの発行又は計量動
作を始動させる信号を出力するものである。

而して上記ラベル貼付装置Ａにおいて、ラベル
発行口２１より発行されるラベルａはベルトコン
ベア２の傾斜面S₂に沿つて平行状近接して発行さ
れ、フアン４の作動に伴うバキユーム吸引力によ
り傾斜面S₂のベルト２ａ，２ｂに吸着された後、
ラベル発行と同時に駆動するベルトコンベア２に
より発行ラベルを貼付位置へ移送して停止せしめ
る。

貼付位置へ移送された発行ラベルは傾斜面S₁に
作業者が商品を押当てることにより該商品上に貼
付されて傾斜面S₁より除去される。

尚、上記傾斜面S₁は作業者の手作業によりラベ
ル貼付する場合に、商品をベルトコンベア２に押
当てし易すい機能を有する。

又、ラベルの貼付作業は、フアン４の吸引力よ
り強いエアージエツト機構を器枠に設置しておく
ことにより、発行ラベルを商品に自動貼付させる
ことも任意であり、その場合には遮へい板１４は
不要となる。

さらに、上記の実施例装置においては、ベルト
コンベア２を２本のベルト２ａ，２ａとによつて
構成した場合であつた。この様に構成した場合に
はラベルの検出をベルト２ａ，２ａ間の隙間を利
用することで行うことが出来て好都合である。

しかしながら、バキユームによるラベルの吸着
力に対して、ラベルの強度が充分でないと、ベル
ト２ａ，２ａの隙間の部分でラベルが変形する虞
れがある。したがつて、強度が充分でないラベル
の使用が予想される場合には、ベルトコンベア２
を単一の幅広のベルトで構成し、このベルトに多
数の透孔を設けるとよい。この場合には、ラベル
の検出をベルトの端部で行う様にする。

（効 果） 本考案は叙上の如く構成したので、ラベル発行
口よりラベルがベルトコンベアの傾斜面に沿い平
行且つ近接状に発行されてラベルの吸着動作が確
実となり、したがつて発行ラベルを台紙又は後続
ラベルより確実に分離させベルトコンベアにより
所定の貼付位置へ移送することができ、ラベルの
空移送をなくすることができる。

又、ベルトコンベアの傾斜角度を調整可能とし
たので、ラベルの紙質や大きさによりラベルの発
行姿勢が異なる場合でも、調整操作によつてラベ
ルの発行姿勢に応じてベルトコンベアをラベルに
略平行な状態に設定することができる。

さらにベルトコンベアには前記傾斜面と逆傾斜
の傾斜面が形成されるので、作業者の手作業によ
りラベル貼付する場合に商品を該傾斜面を利用し
てベルトコンベアに押当てやすく作業性がよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の正面図、第２図はその要
部断面図、第３図は底面図、第４図は第１図の
−線断面図、第５図は傾斜面の角度調整部分の
斜視図、第６図はラベル発行姿勢を示す正面図、
第７図は装置の変形例を示す断面正面図である。 図中、２はベルトコンベア、２ａ，２ｂはベル
ト、３は調整ネジ杆、４はフアン、S₂は傾斜面、
２１はラベル発行口、ａはラベルである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 間隔をおいて配設せる２つのプーリによりベル
   トコンベアをラベル発行口近傍から所定区間に渉
   り回動自在に設置し、発行されるラベルをバキユ
   ームによつて前記ベルトコンベアに吸着させラベ
   ル発行位置より貼付位置へ移送させるラベル貼付
   装置において、上記両プーリ間に案内プーリを両
   プーリより下方位に配設し、かつベルトコンベア
   の下側辺上に当接せしめて前記発行位置における
   ベルトコンベアを移送方向下向状に傾斜させると
   ともに前記案内プーリを上下動自在に設置し、そ
   の上下位置を調整する調整部材を設けたラベル貼
   付装置。