JPS629177Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、本機に対して操縦ハンドルを前後向
き変更自在に枢支するとともに、このハンドルの
前後向き変更の回動により前記本機側に固着した
カムにて、前記ハンドル側に支持したカムフオロ
ーを押圧変位させて、このカムフオローの変位に
連動して、前記ハンドル側に軸心方向移動自在に
支承した摺動軸を移動させることにより、前記ハ
ンドルに取付けた左右一対の操向操作具の一方に
対して前記本機側に装備した左右一対の操向クラ
ツチの一方を連係させ、残る他方の操向操作具に
対して残る他方の操向クラツチを連係させる組合
せを択一的に切換える連係状態切換機構を備えた
歩行型移動農機における操向クラツチの連係状態
を自動的に切換える装置であつて、作業形態に応
じて任意にハンドルの向きを前後に変更でき、
又、左右操向クラツチとその操作具との連係状態
をハンドル向き変更に連動して自動的に切換える
ことができるようにして、何ら特別な操作を要す
ることなく前記連係状態の切換えを行なつて、ハ
ンドル向き変更にかかわらず、操向操作を常に同
感覚で誤りなく行ない易くしたものに関する。

従来、冒記した切換装置は、長期の使用によつ
てカムとカムフオローとの接当面が摩耗するため
に、カムとカムフオローとの間に遊びが生じ、ハ
ンドルが所定の位置に回動されたにもかかわら
ず、摺動軸が所定の位置まで移動せず、連係組合
せが所定の組合せに切換えられないことがある。
操縦者がこのような事態に気付かないまま操向操
作を行うと思わぬ方向に機体が走行し、圃場を荒
すばかりでなく事故の原因ともなる。従つて、例
えば、実開昭55−119262号公報で提案されている
ように、単にハンドル側に摺動自在に軸支したコ
の字状の可動枠の対向枠部にカムフオローをそれ
ぞれ設け、この対向枠部の両遊端側にわたつて摺
動軸を連結することにより、カムフオローの変位
に連動して摺動軸を移動させてキーとキー溝との
咬み合い連動状態を切換えるだけでは、操縦者は
連係組合せが所定の組合せに切換えられたかどう
かを確認することができない。

本考案は上記した問題を解決せんとするもので
あつて、連係組合せの切換えが完全に行われたか
どうかを操縦者が容易に確認できるようにするこ
とを目的とする。

上記目的を達成するために講じた本考案の特徴
とする構成は、前記カムフオローの変位に連動す
る連動部材を、前記ハンドル側に取付けた固定部
材に対して相対移動自在に、かつ、近接して前記
ハンドル側に支承するとともに、前記固定部材又
は前記連動部材のうちのいずれか一方の部材に２
個の指示部を備えたマークを付設し、残る他方の
部材に、前記操向操作具と前記操向クラツチとの
連係状態が一方の組合せに切換わつたときに前記
指示部のうちの一方の指示部が指示する箇所と他
方の組合せに切換わつたときに残る他方の指示部
が指示する箇所とを示すマークを付設してある点
にあり、かかる構成から次の作用効果を奏する。

すなわち、カムフオローの変位に連動して移動
する連動部材に付設したマークと固定部材に付設
したマークとの相対位置変化に基いて、連係状態
切換機構の切換状態を表示せんとするものなの
で、表示が正確である上に、操縦者にとつて確認
し易い。又、既設のカムフオローの変位を有効に
利用して表示するものなので、表示装置全体を安
価、簡単に製作できる。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は、耕耘機の側面を示しており、走行用
ミツシヨンケース１、このケース１の下部に支承
された左右一対の推進車輪２，２、前部エンジン
３等を装備した本機、及び前記走行用ミツシヨン
ケース１の上部から後方へ延出される操縦ハンド
ル４等からなり、前記ミツシヨンケース１の後部
に耕耘ロータリ装置（図示せず）を取付けるか、
又は、前記車輪２，２の代わりに耕耘ロータを取
付けて、進行に伴い耕耘作業を行なうべく構成さ
れている。

前記ハンドル４は、前記ミツシヨンケース１の
上部に固着した筒体５に対して上下軸心Ｘ周りに
回動自在に支承されたハンドル枠６に取付けられ
るものであつて、本機左側部分を通過させて前後
に向き変更自在に構成されている。

次に、前記ハンドル４の前後向き変更に伴い、
前記ハンドル４の後端に取付けた左右一対の操向
操作具としての握りレバー７ａ，７ｂと、前記ミ
ツシヨンケース１内に設けた左右一対の操向クラ
ツチ８ａ，８ｂとの連係状態を自動的に切換える
装置について、第２図乃至第４図に基づいて説明
する。

前記ハンドル枠６に、コの字状の枠体９が取付
けられるとともに、この枠体９に、前後一対の摺
動軸１０ａ，１０ｂが軸心方向移動自在に貫通支
承されている。これら摺動軸１０ａ，１０ｂの左
右端部夫々に、左右一対の板状カムフオロー１２
ａ，１２ｂが取付けられるとともに、前記筒体５
の上部に、前記カムフオロー１２ａ，１２ｂを押
圧変位させる円板状カム１１が取付けられてい
る。

前記後方の摺動軸１０ｂに、左右一対の筒状カ
ラー１３ａ，１３ｂが前記カムフオロー１２ａ，
１２ｂにて軸心方向への移動を阻止された状態で
外嵌されるとともに、前記筒状カラー１３ａ，１
３ｂに、前記左右一対の握りレバー７ａ，７ｂと
ワイヤを介して連結された操作側回転体１４ａ，
１４ｂと、前記操向クラツチ８ａ，８ｂとワイヤ
を介して連結された被操作側回転体１５ａ，１５
ｂとが外嵌されている。

前記筒状カラー１３ａ，１３ｂに、左右一対の
キー１６ａ，１６ｂが軸心方向移動不能に係合連
結されるとともに、前記両被操作側回転体１５
ａ，１５ｂ及び一方の操作側回転体１４ｂの夫々
に、１つのキー溝１７ａ，１７ｂ，１８ｂが形成
され、且つ、他の操作側回転体１４ａに、左右一
対の２つのキー溝１８ａ，１８ｂが形成されてお
り、キー１６ａ，１６ｂのキー溝１７ａ…に対す
る係合状態を切換えることにより、前記握りレバ
ー７ａ，７ｂと操向クラツチ８ａ，８ｂとを連係
させる組合せを択一的に切換える連係状態切換機
構が構成されている。

そして、前記ハンドル４を、前方向き又は後方
向きに回動させることにより、前記カム１１にて
カムフオロー１２ａ，１２ｂを押圧変位させて摺
動軸１０ｂを摺動させることにより、前記キー１
６ａ，１６ｂのキー溝１７ａ…に対する係合状態
を２状態に変更し、これにより、左右握りレバー
７ａ，７ｂと左右操向クラツチ８ａ，８ｂとの連
係状態を自動的に切換えるべく構成されている。

前記ハンドル枠６の枢支部を覆うカバー１９
が、前記カムフオロー１２ａ，１２ｂに連結支持
されて、カムフオロー１２ａ，１２ｂに連動して
移動する連動部材として構成され、第６図イ，ロ
に示すように、このカバー１９の後端部上面に青
色指示部T₁と赤色指示部T₂からなるマークＴが
付設されるとともに、ハンドル４側に取付けた固
定部材としての前記コの字状枠体９の背面に、カ
バー１９と枠体９との相対移動位置を前記青色指
示部T₁又は赤色指示部T₂に一致させて読み取る
ための青色指示部S₁と赤色指示部S₂とを備えたマ
ークＳが付設されている。

そして、前記マークＳのいずれか一方の指示部
（S₁又はS₂）が、前記マークＴの同色の指示部
（T₁又はT₂）を指すことによつて連系状態切換機
構による切換えが完了したことを表示するように
構成されている。つまり、ハンドル４を後方に向
けると、指示部T₁と指示部S₁とが合致し、ハン
ドル４を前方に向けると、指示部T₂，S₂とが合
致するように設定されており、この合致状態を読
み取ることにより連係状態の切換状態を認識でき
るようになつている。

尚、第７図は、前記マーク表示の別実施例を示
したものであつて、これは、前記カバー１９から
マーク取付板２０，２０を連設し、これに指示部
T₁，T₂を付設させることにより、コの字状枠体
９に付設した指示部S₁，S₂と前記指示部T₁，T₂
とを一層読み取り易くしたものである。又、第８
図も前記マーク表示の別実施例を示したものであ
つて、これはカバー１９に連設した板体２１に、
マークとして孔Ｔを形成し、連係状態切換時に、
指示部S₁，S₂のうちの一方のみが孔Ｔに一致して
見えるようにしたものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る歩行型移動農機の操向クラ
ツチ自動切換装置の実施例を示し、第１図は耕耘
機の側面図、第２図は連係状態切換装置を示す一
部切換き側面図、第３図はカムとカムフオローの
装着部を示す概略平面図、第４図は連係状態切換
機構の展開横断平面図、第５図はカバーの側面
図、第６図イ，ロはマークの装着部を示す背面
図、第７図、第８図は別の実施例の背面図であ
る。 ４……操縦ハンドル、７ａ，７ｂ……操向操作
具、８ａ，８ｂ……操向クラツチ、９……固定部
材、１１……カム、１２ａ，１２ｂ……カムフオ
ロー、１９……移動部材、Ｓ，Ｔ……マーク、
S₁，S₂……指示部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本機に対して操縦ハンドル４を前後向き変更自
   在に枢支するとともに、このハンドル４の前後向
   き変更の回動により前記本機側に固着したカム１
   １にて、前記ハンドル側に支持したカムフオロー
   １２ａ，１２ｂを押圧変位させて、このカムフオ
   ロー１２ａ，１２ｂの変位に連動して、前記ハン
   ドル４側に軸心方向移動自在に支承した摺動軸１
   ０ｂを移動させることにより、前記ハンドル４に
   取付けた左右一対の操向操作具７ａ，７ｂの一方
   に対して前記本機側に装備した左右一対の操向ク
   ラツチ８ａ，８ｂの一方を連係させ、残る他方の
   操向操作具（７ａ又は７ｂ）に対して残る他方の
   操向クラツチ（８ａ又は８ｂ）を連係させる組合
   せを択一的に切換える連係状態切換機構を備えた
   歩行型移動農機の操向クラツチ自動切換装置であ
   つて、前記カムフオロー１２ａ，１２ｂの変位に
   連動する連動部材（１９又は２０又は２１）を、
   前記ハンドル４側に取付けた固定部材９に対して
   相対移動自在に、かつ、近接して前記ハンドル４
   側に支承するとともに、前記固定部材９又は前記
   連動部材（１９又は２０又は２１）のうちのいず
   れか一方の部材９に２個の指示部S₁，S₂を備えた
   マークＳを付設し、残る他方の部材（１９又は２
   ０又は２１）に、前記操向操作具７ａ，７ｂと前
   記操向クラツチ８ａ，８ｂとの連係状態が一方の
   組合せに切換わつたときに前記指示部S₁，S₂のう
   ちの一方の指示部S₁が指示する箇所と他方の組合
   せに切換わつたときに残る他方の指示部S₂が指示
   する箇所とを示すマークＴを付設してあることを
   特徴とする歩行型移動農機の操向クラツチ自動切
   換装置。