JPS628328Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は車体後方で塵芥の投入作業を行う塵
芥収集車等の作業車に於ける排気浄化装置に関す
るものである。

一般に自動車の排気管は進行方向に対し逆方向
に向けられている。ところが、車体後方で塵芥の
投入作業を行う塵芥収集車等の作業車に於いて
は、その作業時にはエンジンを駆動させた儘であ
るから、作業員は車から排出される排気ガスを作
業中たびたび直接吸い込む結果となり、作業員の
健康管理に問題があつた。

そこで、現在では第１図及び第２図に示す如き
排気管構造が提案され、一部実用化されている。
第１図及び第２図に於いて、１は塵芥収集車の車
体、２は運転席、３は塵芥収集箱、４は塵芥投入
箱、５は前輪、６は後輪である。塵芥投入箱４の
後面の塵芥投入口に後方から作業員が塵芥を投入
作業するものである。７はエンジン、８はその各
シリンダの排気集合管、９はそれに配管接続した
排気マフラー、１０はそれより導出した排気管
で、途中で進行方向に屈曲旋回させて運転席２と
塵芥収集箱３との間まで延長され、ここで垂直に
立上がらせてエンジン７からの排気ガスを上方に
排出させる。

ところで、上記排気管構造は作業員の作業環境
の改善には役立つが、エンジン７からの排気ガス
が煤を含んだ儘排気管１０を通つて大気に排出さ
れるので大気汚染の原因となり好ましくない欠点
があつた。

この考案は上記従来の欠点に鑑み、これを改良
除去するもので、排気管の先端に排気浄化装置を
取付け、大気汚染の原因となる排気ガス中の煤を
除去することを目的とするものである。

以下この考案の構成を図面に示す実施例に従つ
て説明すると次の通りである。

第３図に示されるはこの考案に係る排気浄化装
置であつて、第１図及び第２図に示される排気管
構造の排気管１０の端部に取付固着するものであ
る。

第３図に於いて、１１は底板１１ａを有する円
筒形の外筒であつて、上端開口の外周にフランジ
１１ｂを一体形成し、このフランジ１１ｂの複数
個所に設けた例えば蛇の目ボルトとハンドルナツ
トを組合せた締付金具１２により上端開口に円盤
形の蓋板１３を着脱自在に締付固定させている。
外筒１１には両端を開口した円筒形の上部内筒１
４とこれと略同径で上端に粗い網目の金網１５ａ
を設けかつ下端にエンドブレード１５ｂを設けた
下部内筒１５とが装入吊設されている。上部内筒
１４は例えばスチールウールの如き熱に強い吸着
剤１６を内部に充填し、上端開口の外周に一体形
成したフランジ１４ａの全周を外周１１の内周壁
に全周を溶着して取付固着したドーナツ盤形の仕
切板１７に溶着することにより外筒１１と同芯状
に取付支持されている。下部内筒１５は第４図に
示す如く、粗い網目の金網１８の外側に細かい網
目の金網１９を張設した網材を円筒形に形成した
金網筒で作製し、上端を上部内筒１４の下端開口
に嵌合固着して外筒１１と同芯状に取付支持され
ている。また、外筒１１の底板１１ａは中心部に
排気管１０の端部に嵌着される導入筒２０が貫通
固着されるとともに、一部に排水口２１が開口形
成され、通常はプラグ２２を装着して閉塞されて
いる。蓋板１３は中心部に排出筒２３を貫通固着
し、この排出筒２３の上端に排気弁２４を設ける
とともに、下端に複数個の支持板２５を吊設さ
せ、この支持板２５の先端に上部内筒１４の上端
開口のフランジ１４ａ上に重合させる粗い網目の
金網２６を取付固着している。排気弁２４は、外
筒１１内部が大気と同圧状態のときは閉じ、外筒
１１内部が大気より高圧になるとその高圧力によ
り自動的に開くように構成している。

次に上記構成の排気浄化装置の浄化の動作要領
について説明する。

排気管１０より排出される排気ガスは導入筒２
０から外筒１１と下部内筒１５及び上部内筒１４
の間の筒状室２７に流入し、この筒状室２７を上
昇しながら下部内筒１５を透過してその内部に流
れ込み、この下部内筒１５を透過する際に排気ガ
ス中に含まれた大半の煤を細かい網目の金網１９
に附着捕集される。そして、下部内筒１５の内部
に流れ込んだ排気ガスは上端開口から上部内筒１
４内に入り、上部内筒１４内に充填した吸着剤１
６中を透過する間に排気ガス中の残りの煤が吸着
剤１６に吸着され、ほとんど煤が除去された排気
ガスが排出筒２３の排気弁２４を押し開いて大気
に放出される。従つて、放出される排気ガス中に
はほとんど煤が含まれておらず、作業員の作業環
境の改善に役立ち、かつ大気を汚染することはな
い。

また、蓋板１３を外筒１１の上端開口に締付金
具１２により着脱自在に取付固定したから、浄化
性能が低下した場合、蓋板１３を外筒１１の上端
開口から取り外して上端開口から水を流すだけで
掃除を容易に行うことができる。

以上説明したようにこの考案によると導入筒を
貫通固定した底板を有する円筒形の外筒の開口上
端に排出筒を貫通固着した蓋板を着脱自在に取付
け、前記外筒内に内部に吸着剤を充填して両端を
開口した上部内筒とこれと略同径で粗い網目の金
網の外側に細かい網目の金網を張設した網材を円
筒形に形成した金網筒の上端を開口しかつ下端を
閉口してなる下部内筒とを直結して装入吊設した
から、大気汚染の原因となる排気ガス中の煤を除
去することができ、作業員の作業環境の改善に役
立ち、かつ、大気を汚染することはなく、浄化性
能が低下しても簡単に水洗いで掃除するだけで性
能を回復することができ、この種の作業車の排気
浄化装置として優れた性質を発揮し得るものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はこの考案の排気浄化装置を
備える以前の作業車の側面図及び平面図、第３図
はこの考案に係る排気浄化装置の縦断面図、第４
図は上部内筒及び下部内筒の斜面図、第５図は外
筒上端部と蓋板を示す斜面図である。 １１…外筒、１２…締付金具、１３…蓋板、１
４…上部内筒、１５…下部内筒、１６…吸着剤、
１８，１９…金網、２０…導入筒、２３…排出
筒、２４…排気弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 導入筒を貫通固着した底板を有する円筒形の外
   筒の開口上端に排出筒を貫通固着した蓋板を着脱
   自在に取付け、前記外筒内に内部に吸着剤を充填
   して両端を開口した上部内筒とこれと略同径で粗
   い網目の金網の外側に細かい網目の金網を張設し
   た網材を円筒形に形成した金網筒の上端を開口し
   かつ下端を閉口してなる下部内筒とを直結して装
   入吊設したことを特徴とする作業車に於ける排気
   浄化装置。