JPS6157926B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は建設機械等車輛用の排気ガス浄化マフ
ラーに関する。

従来、トンネル内工事や地下鉄工事或は鉱坑内
其の他の閉じられた空間内で建設機械、荷役機械
等を稼動させるには作業環境衛生等の観点よりエ
ンジン排気ガスを浄化させることが一般に行なわ
れている。そしてかかる排気ガスの浄化手段とし
ては排気ガス中の一酸化炭素や炭化水素、亜硫酸
ガス等の低減を目的とした触媒マフラー或は排気
ガス中のスモーク減少を目的とした水マフラーが
既に提案されている。しかしながら触媒マフラー
は排気ガス中のスモークを除去することはでき
ず、一方水マフラーは排気ガス中の一酸化炭素等
を除去することはできないので、いずれも浄化能
力が不充分である。而して、上記従来のマフラー
はいずれも通常のマフラーに比し大型大重量であ
りまた触媒マフラーと水マフラーが別々になつて
いたので、エンジンフード上に設置するとオペレ
ータの視界を妨げたり、トンネル内壁等周囲物と
の干渉を引起す危険を生ずる。更に触媒マフラー
の場合には時々触媒の交換を必要とし、また水マ
フラーの場合には水の補給或は入れ替えも必要で
あるが、従来のマフラー構造ではいずれも触媒の
交換は困難であり、かつまた水は常に短時間で大
量に補給する必要があるが従来構造では矢張り手
間がかかりすぎるので、サービス性に劣る等多く
の欠点があつた。

そこで本出願人は触媒による有害分子吸着機能
とスモーク除去機能とを同時に兼ね備えて居り反
応又はろ過面積が相当に大きく高能率であつて而
も薄形低高で視界を妨げることがなく、また上下
方ケースをヒンジ取付けによりマフラー全体を大
きく開くことができ、従つてサービス性も或程度
改善し得て可成大きく従来技術の欠点を除去し得
た排気ガスマフラーを開発し既に特許出願した
（特願昭56−76027）。しかしながらこのマフラー
と雖も、上下ケースがヒンジで分割されていて完
全分離でないからフイルター等の清掃又は交換の
場合サービス性はこれでも若干不充分の感を免れ
ない。またヒンジで分割されている接続部に密封
用のガスケツトを取付けることは難かしく、かつ
またフイルター部分はプレート形状であるので大
型のエンジンに対してはろ過面積が不充分である
場合もあるので、或程度これを大にするにはマフ
ラー本体を大型にする必要が生じ再び視界が不良
となるおそれがある。更にまたマフラー本体の温
度が排気熱により上昇しオペレータが輻射熱をあ
びるおそれがある等未だ不充分な点がある。

本発明は上記に述べた従来技術上の諸欠点並び
に本出願人による前記前願の不充分な点を更に改
良したものであつて、このため本発明は入口部を
エンジンの排気マニホルドに接続されかつ出口部
を大気に開放された本体ケースを含み、車輛フー
ド上に設置される排気ガス浄化マフラーにおい
て、前記本体ケースは締付開放可能な結合手段に
より着脱自在に嵌着される上下ケース部分とから
なり、該下方ケースはガス入口部においてマニホ
ルドに結合されると共に周囲部分で車輛フードに
埋設嵌装され、内部ガス入口側略々水平方向に触
媒層を有し、該上方ケース内には縦筒状フイルタ
ー層を設け該フイルター層の底部は中心部に触媒
ケースの一部をなす気密板を設け、底周辺部には
ガス通孔を設け、排気ガスが入口部から入り水平
方向の触媒層を通り前記ガス通孔より該縦筒状フ
イルターの外側に導びかれ、次いでフイルター層
を中心部に向けて通過した後その上方の排気ガス
出口より排出されることを特徴とすることにより
一酸化炭素、炭化水素、亜硫酸ガス並に該燃焼ガ
ス中に浮遊する未燃カーボン或は微粒の灰分等を
除去できかつ能率良く、また一段と容易にサービ
スできるようにしたものである。

以下、添附図面に沿つて本発明の好適な実施例
につき詳細に説明する。

第１図乃至第３図は本発明の一実施例を示し第
１図は本発明排気ガス浄化マフラーの一部断面正
面図であり、第２図は第１図−線に沿う一部
断面側面図を示し、第３図は第１図−線に沿
う一部断面平面図である。先づ本実施例の排気ガ
ス浄化マフラーのケース本体１は下方ケース部２
と上方ケース部３とよりなり、エンジンの排気ガ
スマニホルドに接続するガス入口部４とガス出口
部５を含んでいる。また全体としては本実施例で
は楕円に近い形状をなし、下方ケース部２は
略々車輛フード内に埋め込まれ多層フイルターを
収納する上方ケース部３が車輛フード７上に出て
居り、コンパクトな形状となつて居りオペレータ
の視野を妨げることがない。また下方ケース部２
は予め通常のボルトナツト６により車輛フード７
に固定され、上方ケース部３は上下ケース部が迅
速容易に取り付け取外しできるように、蝶ナツト
８蝶ねじ８′を用いて下方ケース部２に螺着し取
り付ける。

下方ケース部２の下面は下方ケーステーパー部
９の形状をなし車輛フード７に埋込んで取付ける
のに便宜でかつ車輛フード内の他の部分の邪魔に
ならないようにし、また排気ガスの流れに沿うよ
うな形状となしている。下方ケース部２の最下部
はエンジンマニホルドに接続するガス入口部４で
あるが、下方ケース部２内に立ち上る形状は該マ
ニホルドとの相対的位置の関係で、正面図では真
直ぐであるが、側面図ではやや斜めとなる。而し
て該ガス入口立上り管１０の上部は盲板１１とな
し前後左右の側面にガス出口孔１２を設け、マニ
ホルドからの上方への運動エネルギーを有する排
ガスが触媒層１２の真中の部分だけに強く当るの
を避けしめ一旦盲板１１に当つてガス出口孔１２
により四方に分散して触媒層下面全体に可及的均
等に当るようになつている。また触媒層１３は水
平に設けた複数のパンチングプレート１４と仕切
板１８の間に触媒ペレツト１５の層をはさんだも
ので、該パンチングプレート１４は下方ケース部
２の上半分の浅い楕円類似体の内面に接して同
形状の触媒ケース１６の内側で支持され補強リブ
１７によつて平面状態を保つ。該触媒層は平面板
状で面積が広くしてある他ペレツト１５構造によ
り、接触反応面積を広くしてあるのと、下方ケー
ス部２の下部を車輛フード内に埋め込んで該反応
温度を適温に保つていることにより、一酸化炭
素、アルデヒド等の有害炭化水素、亜硫酸ガスな
どが夫々の吸着に適した物質で作られたペレツト
状及び又はハニカム状或は海綿状吸着体に迅速に
吸着され、ここで化学的に浄化される。また下方
ケース部２の触媒層１３の上部には第１図に見ら
れる如く楕円類似形に適合する仕切板１８を設
け、その上に設けられる縦筒状フイルター１９の
最内側の部分に相当する部分は気密板２０として
ガスの流通をなくし、その周囲即ち第３図に示し
た如く縦筒状フイルターの外側に相当する部分
と、各フイルターの下縁に接する線の中間とに適
宜な大きさのガス通孔２１を設け、各層フイルタ
ー１９の通過ガス量を平均化して部分的目詰りな
どを防止しうる構造をとつている。そして本実施
例では前記最内側部の仕切板１８は２重にして補
強し、第１図、第２図に見られる把手２２を立設
することにより触媒層１３を含めたまま触媒ケー
ス１６を着脱自在に下方ケース部２に装脱しうる
ようにし、これによつて触媒ペレツト１５の交換
が極めて簡単に能率良くなし得るように構成して
ある。

次に前述のように本実施例では下方ケース部上
に蝶ナツト蝶ねじにより迅速に装脱されるように
した上方ケース３は各図に示された通り、下方ケ
ース部２に適合する楕円類似の形状に構成して
あり、装着の場合には下方ケース部フランジ２３
の溝に埋設した断熱密閉ガスケツト３１に上方ケ
ース部３のフランジ２４を適合させて蝶ナツト８
を迅速に締付ければよい。而して上方ケース部３
の主構造としては本実施例では同心（楕円とすれ
ば同焦点）位置に縦筒状楕円類似形状のフイル
ター１９を複数配設してあることで、該フイルタ
ー材は積層状又は綿状物の成形体で、材質として
はグラスウール、ロツクウール及び又は金属繊維
からなる耐熱性フエルトが適例である。本実施例
ではステンレス鋼繊維を用いた。そして該フイル
ター体の間隙には一定厚さのスペーサー３２を一
定間隔に設けて該フイルター１９相互間の距離を
立体的に一定化せしめ、前述の如く下方ケース部
２の上部に設けられた仕切板１８のガス通孔２１
を通つて来た排ガスを該フイルター１９の外から
中心部に向けて通過せしめ更にそれをその上方ガ
ス出口部に向けて流出せしめる。その間該フイル
ター１９により排ガス中の未燃炭素粒子及び燃焼
灰分粒子などが主として物理的にろ過除去され
る。そして前述の如く下方ケース部２の上部に設
けたガス通孔２１の大きさを外側程大きくしたこ
とによりスモーク中の粒子が可及的均等に該フイ
ルター各層上に付着除去される。而して該上方ケ
ース３のガス出口部５及びフイルターケース上蓋
３６と同じく外側３７は一体構造としたので把手
３５により持ち上げれば直ちに各層の縦筒状フイ
ルター１９は迅速容易に清掃或は交換が可能とな
り、また触媒及び又はフイルタの増減も簡単にで
きるから、エンジン容量の異なる他機種にも利用
できる等サービス性は一層改善される。

また上方ケース部３のフイルターケース上蓋３
６並にフイルターケース側壁３７は２重構造と
し、その中にスペーサー３３を設けると共に断熱
材層３８を設けたのでオペレーターがマフラー本
体からの輻射熱を浴びることなく快適な操業を行
うことが可能となる。更に前記の如く上下両ケー
ス装着面フランジ部にはガスケツト３１を設けた
ので、本発明排ガス浄化マフラーは密閉型にして
あることにより、第２図に示したように上方ケー
ス部３の側壁を通して上方ケース部内圧力検知パ
イプ３９を設け、かつ下方ケース部２のテーパ部
を通して下方ケース部内圧力検知パイプ４０を設
け夫々運転席の圧力計に連結したことにより夫々
のケース内圧力を運転者は常に知ることができ、
もしこれらの計器が圧力上昇を指示した場合にお
いては、目詰りを起したのはいずれか、或は両方
かを知ることも出来、またその圧力の程度によつ
て内部をあけて見なくても、触媒層又はフイルタ
ー層の一方又は両方の交換の時期を適確に知るこ
とができるようになる。或はまた圧力計は１箇に
しておいて切換コツクを使用しても同目的を達し
得る。

以上実施例について詳細に説明したが、更に本
発明の排気ガス浄化マフラーの効果について補足
すると、触媒ケースとフイルターが一体化して一
つのマフラーケースにコンパクト化されて入つて
いるので、１ケのマフラーで化学的物理的浄化が
行われると共にまた触媒層もフイルター層も着脱
自在に構成し而も把手をつけたことによりまた前
記説明した如く圧力指示パイプを両ケースに設け
たので、触媒層及び又はフイルター層の交換時期
を適確に予想し得るようになつたことによりサー
ビス性は従来技術に比し格段に向上した。またフ
イルター層を縦形多層の構成としたことにより同
一性能であれば従来よりも非常にコンパクトな形
状となつたので、オペレーターの視界は良好とな
り、トンネル等閉じられた箇処での使用に際し周
囲の壁等との干渉もなくなつた。

また前記の如く本発明マフラーは触媒及びフイ
ルターの交換、増減が極めて迅速に可能となつた
ことにより、該車輛を野外現場で使用する場合に
は触媒もしくはフイルターを簡単に減少又は除去
することもできる。

尚前記実施例における該フイルターの形状に係
る“縦筒状”は断面が円でも角部を曲線にした矩
形でも差仕えない。また楕円類似の場合はその長
軸の方向がエンジンとの取付の相対位置の関係
で、車輛の進行方向に直角でも平行でも斜めでも
よい。望ましくはオペレータの視界を特に重視す
る場合にはオペレーターの座席の位置と本発明排
ガス浄化マフラーを結ぶ線上にその長軸を合わ
せ、もしでき得れば長軸と短軸に相当する軸との
比を可及的大とすれば高性能かつ運転上も一層至
便なる排気ガス浄化マフラーを得ることができ
る。従つて、このような例示によつても本発明の
技術的範囲は前記実施例の範囲に限られるもので
はない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明排気ガス浄化マフラーの一実施
例を示す一部断面正面図、第２図は第１図の−
線に沿う一部断面側面図、第３図は第１図の
−線に沿う一部断面平面図である。 ２……下方ケース部、３……上方ケース部、４
……ガス入口部、５……ガス出口部、７……車輛
フード、８……蝶ナツト、８′……蝶ねじ、９…
…下方ケーステーパー部、１０……ガス入口立上
り管、１１……盲板、１２……ガス出口孔、１３
……触媒層、１４……パンチングプレート、１５
……触媒ペレツト、１６……触媒ケース、１８…
…仕切板、１９……縦筒状フイルター、２０……
気密板、２１……ガス通孔、２２……把手、２３
……下方ケース部フランジ、２４……上方ケース
部フランジ、３１……断熱密閉ガスケツト、３３
……スペーサー、３５……把手、３６……フイル
ターケース上蓋、３７……フイルターケース側
壁、３８……断熱材層、３９……上方ケース部内
圧力検知パイプ、４０……下方ケース部内圧力検
知パイプ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 入口部をエンジンの排気マニホルドに接続さ
   れ、かつ出口部を大気に開放された本体ケースを
   含み、車輛フード上に設置される排気ガス浄化マ
   フラーにおいて、 前記本体ケースは締付開放可能な結合手段によ
   り着脱自在に嵌着される上方ケース部と下方ケー
   ス部とからなり、該下方ケースはガス入口部にお
   いてマニホルドに結合されると共に周囲部分で車
   輛フードに嵌装され、内部該ガス入口側略々水平
   方向に触媒層を有し、該触媒層の上部にガス通孔
   を設け、該ガス通孔上に、内部に縦筒状フイルタ
   ー層を有する上方ケース部を嵌着し、排気ガスが
   入口部から入り水平方向の触媒層を通り、次いで
   前記ガス通孔より該縦筒状フイルターの外側より
   中心部に通過せしめられ更に上方排ガス出口部よ
   り排出されることを特徴とする排気ガス浄化マフ
   ラー。 ２ 該触媒層が、パンチングプレートによつて
   略々水平に保持された触媒ペレツトの層よりな
   り、該下方ケース部内に嵌装された触媒ケース内
   に装着されたものである、特許請求の範囲第１項
   に記載の排気ガス浄化マフラー。 ３ 該下方ケース部が、前記触媒層の上部に仕切
   板を設け、該仕切板の比較的外辺部に該ガス通孔
   を穿設し中央部は気密板として、該気密板の部分
   が該最内側の縦筒状フイルターの下縁で囲まれた
   部分に係合するものである、特許請求の範囲第１
   項又は第２項に記載の排気ガス浄化マフラー。 ４ 該触媒ケースが、その上部に装着された仕切
   板の略中央部気密板の上側に把手を設けて、一体
   として下方ケース部より容易に離脱しうるように
   したものである、特許請求の範囲第１項乃至第３
   項のいずれかに記載の排気ガス浄化マフラー。 ５ 該縦筒状フイルターが、筒状の透気性材料を
   同心に配設したものである特許請求の範囲第１項
   乃至第４項のいずれかに記載の排気ガス浄化マフ
   ラー。 ６ 該同心縦筒状フイルター相互の間に等厚のス
   ペーサーを挿設した特許請求の範囲第５項に記載
   の排気ガス浄化マフラー。 ７ 該排気ガス浄化マフラーが、該下方ケースの
   下側のテーパ部分を該車輛フード内に埋設したも
   のである特許請求の範囲第１項乃至第６項のいず
   れかに記載の排気ガス浄化マフラー。 ８ 該上方ケース部と該下方ケース部との結合手
   段を、完全迅速に結合分離ができるように蝶ナツ
   ト、蝶ねじ締め構造としたものである、特許請求
   の範囲第１項乃至第７項のいずれかに記載の排気
   ガス浄化マフラー。 ９ 該上方ケース部と該下方ケース部の結合方式
   が、上下ケースの接合フランジ間にガスケツトを
   設けて断熱密閉方式としたものである、特許請求
   の範囲第１項乃至第８項のいずれかに記載の排気
   ガス浄化マフラー。 １０ 該上方ケース部が、外側部と上蓋部を２重
   板構造とし両板の内部に断熱材層を挿設したもの
   である、特許請求の範囲第１項乃至第９項のいず
   れかに記載の排気ガス浄化マフラー。