JPS62807B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は搬送装置、たとえば車体部品の生産ラ
インにおいて一定間隔毎にワーク搬送する装置の
改良に関するものである。

この種の従来の搬送装置としては、例えば第１
図に示すようなものがある。この装置、たとえば
矩形枠形状をなすトランスフア手段１の上面に、
搬送されるワーク２を受けるための受けポスト３
を設け、このトランスフア手段１の下面に設けた
ラツク４と、装置本体５に設けられてラツク４と
噛合するピニオン６とからなるトランスフア手段
１の駆動機構を図示しないモータ、シリンダーな
どで作動可能ならしめ、またピツト７に配置した
アクチユエータ８に固定され、装置本体５に対し
てトランスフア１の上面よりも高いレベルまで水
平に上昇し、そして下降する持上げプレート９を
複数整列させて設け、さらに、これら各持上げプ
レート９の上面に前述したと同様の受けポスト１
０を設けることにより構成されている。なお、図
中１１は装置本体５の支柱上に設けられてトラン
スフア手段１の移動を案内するガイドローラを示
す。

この装置によるワーク２の搬送は、まず、たと
えば図示しないモータの作動に基き、一定間隔毎
にワークを載せたトランスフア手段１を１ピツチ
前進させた後、各アクチユエータ８の作動によつ
て持上げプレート９をそれらの上限まで上昇させ
てこの上昇途中でワーク２をトランスフア手段１
からプレート９に受け取り、ここで、プレート９
に受け取られたワーク２は、トランスフア手段１
よりも上方位置で受けポスト１０により支持され
るので、次いで、持上げプレート９のこの位置に
おいてトランスフア手段１を１ピツチ後退させ、
その後、持上げプレート９を下降させてワーク２
をトランスフア手段１に引ひ渡すことにより行わ
れる。

このようにしてトランスフア手段で１ピツチ前
進されたワーク２は、トランスフア手段１の引き
続く１ピツチ毎の前進により同様にして順次に前
方へ搬送される。

しかしながらかかる従来装置は、ピツト内に配
置したアクチユエータで持上げプレートを昇降さ
せる構成であるため、アクチユエータ等を配置す
るためにピツトを必要とし設置時間および設備費
が嵩んでしまう。さらにまた搬送されるワークの
重量に比して相当大きな重量を昇降作動させなけ
ればならず、大きな駆動力が必要となるという問
題があつた。

本発明は、従来技術のこれらの問題に着目して
なされたものであり、ワークの支持手段に対し相
対移動可能に設けた台車に枢支したフインガー
を、フインガーに設けたカムホロワと、カムプレ
ートとの協働下で起立、倒伏させることにより、
フインガーの先端部によるワークの搬送を可能な
らしめて従来技術の問題を有利に解決するもので
ある。

以下に本発明を図面に基いて説明する。

第２，３図はそれぞれ本発明の実施例を示す平
面図および第２図の−線に沿う断面図であ
る。

図中２０は支持フレームを示し、この支持フレ
ーム２０は、床２１の幅方向に離間させて支柱２
２を設け、これらの支柱の上端に支持板２３を固
定するとともに、互いに対向する支持板２３，２
３の内面に、一定間隔をおいて対をなす支持突起
２４ａ，２４ｂ，２４ｃを設けることにより構成
する。なおここでは、支持板２３と、支持突起２
４ａ，２４ｂ，２４ｃとでワークの支持手段が構
成される。

また２５は前記支持フレーム２０に対して相対
移動可能に設けた台車を示し、この台車２５は、
その下面に固定したラツク２６と、このラツク２
６と噛合するピニオン２７と、床２１に固定され
てピニオン２７と噛合するラツク２８と、ピニオ
ン２７に連結されてそれを支持フレーム２０に対
して進退させるシリンダー２９とからなる駆動装
置により、支持フレーム２０の長手方向へ水平運
動される。

ここではバー状をなす台車上面の各端部にブラ
ケツト３０を設け、各ブラケツト３０の上端に二
本で一対をなすフインガー３１ａ，３１ｂをピン
で枢支する。各フインガー３１ａ，３１ｂの先端
部は平面形状がコ字状をなすよう二股に分岐して
おり、これらの分岐部分は、フインガー３１ａ，
３1bの後述する立上り姿勢で、支持板２３の支
持突起２４ａ，２４ｂに保持されたワーク３２
ａ，３２ｂの端面に当接する受け面３３ａ，３３
ｂおよび受け面３３ａ，３３ｂに隣接し、かつそ
れらのワーク３２ａ，３２ｂの底面と接触してそ
れらを持ち上げる支持面３４ａ，３４ｂを有す
る。ここで、これらの受面３３ａ，３３ｂおよび
支持面３４ａ，３４ｂは係合部１００を構成す
る。

フインガー３１ａ，３１ｂにはまた後述するカ
ムプレートとの関連において、それらの枢支ピン
から所定の距離にカムホロワ３５ａ，３５ｂを設
け、さらに、これらのフインガー３１ａ，３１ｂ
の倒伏位置をブラケツト３０に設けたストツパー
３６ａ，３６ｂで限定する。

図中３７ａ，３７ｂは台車２５の各側部に配置
した進退部材を示す。これらの進退部材３７ａ，
３７ｂは支持フレーム２０の特定位置から内側へ
向けて突設したあり溝部材３８ａ，３８ｂに支持
されるとともに、移動を案内され、それらの移動
はそれぞれに連結したシリンダー３９ａ，３９ｂ
の作動に基いて行われる。これらの進退部材３７
ａ，３７ｂに、それぞれカムプレート４０ａ，４
１ａおよび４０ｂ，４１ｂを固定してカムプレー
ト４０ａ，４１ａを一方のフインガー３１ｂの各
カムホロワ３５ｂと、カムプレート４０ｂ，４１
ｂを他方のフインガー３１ａの各カムホロワ３５
ａと協働させ得るようにする。

なお図示例では、カムホロワ３５ｂをフインガ
ー３１ｂの第３図における手前側へ突出させ、ま
たカムホロワ３５ａをフインガー３１ａの反対側
へ突出させて設けていることから、カムプレート
４０ａ，４１ａを各カムホロワ３５ｂと対応する
位置で手前側の進退部材３７ａに一定間隔をおい
て整列させて固定し、各カムホロワ３５ａのため
のカムプレート４０ｂ，４１ｂを対向側の進退部
材７ｂにそれぞれ整列固定しているが、各カムホ
ロワおよびプレートの位置関係を逆にしてもよい
ことはもちろんである。

また各カムプレート４０ａ，４１ａ，４０ｂ，
４１ｂは、それらの進退および台車２５の進退の
少なくとも一方に、に基いてフインガー３１ａ，
３１ｂを同時に起立、倒伏させ、そしてそれらの
起立、倒伏状態を維持するよう機能するものであ
ることから、図示例では、上下の辺が床２１と平
行をなす全体としてほぼ平行四辺形の側面形状を
有しており、また図示例では、カムホロワ３５
ａ，３５ｂと対向する端面が、フインガー３１
ａ，３１ｂの円滑な作動のために、斜め上方へ向
く傾斜面とされているが、これらのカム面４２
ａ，４２ｂ，４３ａ，４３ｂの角度は所要のフイ
ンガー揺動速度に応じて変更することができ、ま
たそれらの端面を曲面形状にすることも可能であ
る。

さらに、カムプレート４０ａ，４０ｂ，４１
ａ，４１ｂのカム面４２ａ，４２ｂ，４３ａ，４
３ｂを設けた側の一端部に、側面形状が三角形を
なすガイド部材４４ａ，４４ｂ，４５ａ，４５ｂ
を枢支し、これらのガイド部材４４ａ，４４ｂ，
４５ａ，４５ｂの一側面で、各カム面４２ａ，４
２ｂ，４３ａ，４３ｂに連続してさらに下方へ延
在するカム面４４ｃ，４５ｃを構成する。またこ
れらのガイド部材４４ａ，４４ｂ，４５ａ，４５
ｂの他の一側面をカムプレート４０ａ，４０ｂ，
４１ａ，４１ｂの肩部に接触させてそれらの第３
図に矢印Ａで示す方向、すなわち時計方向への回
動を拘束する。一方、ガイド部材４４ａ，４４
ｂ，４５ａ，４５ｂの反時計方向への回動は、カ
ムプレート４０ａ，４０ｂ，４１ａ，４１ｂの前
述した肩部に隣接する切欠きによつて許容され
る。

このように構成してなる装置の作用を第４〜８
図に基いて説明する。

まず、第４図に示す状態において、シリンダー
３９ａ，３９ｂの作動によつて進退部材３７ａ，
３７ｂひいてはカムプレート４０ａ，４１ａおよ
び４０ｂ，４１ｂを図の矢印Ｂ方向へ移動させ
る。

このことにより、カムホロワ３５ａ，３５ｂ
が、それぞれカムプレート４０ｂ，４１ｂおよび
４０ａ，４１ａに枢支したガイド部材４４ｂ，４
５ｂ，４４ａ，４５ａの一側面ならびにカム面４
２ｂ，４３ｂ，４２ａ，４３ａと接触し、かつ、
それらに案内されてカムプレート４０ｂ，４１ｂ
および４０ａ，４１ａの上面まで上昇する。そし
てカムホロワ３５ａ，３５ｂのこのような上昇
は、フインガー３１ａ，３１ｂのそれらの各枢支
ピンの周りの回動をもたらし、対をなすフインガ
ー３１ａ，３１ｂを、それらの端部が互いに接近
する方向へ立上らせる。一方、各対のフインガー
３１ａ，３１ｂは、それぞれこの立上りの途中で
ワーク３２ａ，３２ｂを支持突起２４ａ，２４ｂ
から支持面３４ａ，３４ｂ上に受け取り、ワーク
３２ａ，３２ｂをこれらの面と受け面３３ａ，３
３ｂとの協働下で挾持して第５図に示すように完
全に立上る。

フインガー３１ａ，３１ｂは、この立上り状態
にてワーク３２ａ，３２ｂを支持突起２４ａ，２
４ｂから上方へ持ち上げ、この持ち上げ状態すな
わちフインガー３１ａ，３１ｂの立上り状態は、
カムホロワ３５ａ，３５ｂと、床２１と平行をな
すカムプレート４０ｂ，４０ａおよび４１ｂ，４
１ａの上面との接触により維持される。

次いで、シリンダー２９を作動させて、ラツク
２６，２８とピニオン２７との協働下で台車２５
ひいては各対のフインガー３１ａ，３１ｂを、そ
こにワーク３２ａ，３２ｂを保持したままで第５
図に矢印Ｃで示す前進方向へ１ピツチ分だけ移動
させる。なお、台車２５のこの１ピツチの前進の
間中フインガー３１ａ，３１ｂの立上り状態を維
持するため、この前進途中にてカムプレート４０
ｂ，４０ａ，４１ｂ，４１ａをもまたシリンダー
３９ａ，３９ｂの作動によつて第５図の矢印Ｃ方
向へ移動させる。

一方、台車２５がその前進限界位置に達したと
きには、カムプレート４０ｂ，４０ａ，４１ｂ，
４１ａを再び第４図の矢印Ｂ方向へ移動させる。
このことにより、第６図に２点鎖線で示す位置に
あつたフインガー３１ａ，３１ｂは、それぞれの
カムホロワ３５ａ，３５ｂがカムプレート４０ｂ
または４１ｂおよびカムプレート４０ａまたは４
１ａの前記カム面４２ｂ，４３ｂ，４２ａ，４３
ａとは反対側の端面に案内されて下降することに
より、図に実線で示すように、それらの先端部が
互に離反する方向へ倒伏する。そして各対のフイ
ンガー３１ａ，３１ｂは、その倒伏途中において
そこに保持した物品３２ａ，３２ｂを支持板２３
の支持突起２４ｂ，２４ｃへそれぞれ引き渡す。
なお、フインガー３１ａ，３１ｂの倒伏はブラケ
ツト３０に設けたストツパー３６ａ，３６ｂによ
つて限定され、このような倒伏位置でカムホロワ
３５ａ，３５ｂはカムプレート４０ｂ，４１ｂお
よび４０ａ，４１ａの下面と整列する。

従つて、カムプレート４０ａ，４０ｂ，４１
ａ，４１ｂおよび台車２５の以上に述べた作動に
よつて、ワーク３２ａ，３２ｂは支持板２３に対
して正確に１ピツチづつ前進されたことになる。

その後台車２５およびカムプレート４０ａ，４
０ｂ，４１ａ，４１ｂを元位置に復帰させるた
め、台車２５を第７図に矢印Ｄで示す方向へ後退
させるとともに、カムプレート４０ａ，４０ｂ，
４１ａ，４１ｂを、第７図に矢印Ｅで示す方向、
すなわち台車２５の後退方向と逆方向へ移動させ
る。フインガー３１ａ，３１ｂのカムホロワ３５
ａ，３５ｂは、台車２５のこのような後退中カム
プレート４０ｂ，４１ｂ，４０ａ，４１ａの下面
に接触してフインガー３１ａ，３１ｂの倒伏状態
を維持し、その後退限界位置の近傍で、ガイド部
材４４ｂ，４５ｂ，４４ａ，４５ａを第８図に示
すように反時計方向へ回動させ、しかる後、第４
図に示すように、カムプレート４０ｂ，４１ｂ，
４０ａ，４１ａから離間する。

なお、ここにおけるフインガー３１ａ，３１ｂ
の倒伏状態は、カムホロワ３５ａ，３５ｂをカム
プレート４０ｂ，４１ｂ，４０ａ，４１ａの下面
に接触させなくとも十分に維持できることはもち
ろんである。

このようにして元位置に復帰した台車２５およ
びカムプレート４０ａ，４０ｂ，４１ａ，４１ｂ
は、上述したと同様にして再びワークの搬送を行
う。

なお、第９図は支持手段としてローラコンベア
を使用した例を示す第３図と同様の断面図であ
り、対をなす支持板２３に、支持突起２４ａ，２
４ｂ，２４ｃの代わりに水平方向へ一定距離離間
する複数のガイドローラ４６を設けるとともに、
フインガー３１ａ，３１ｂの前述した支持面を省
いたものである。ここでは、支持板２３とガイド
ローラ４６がローラコンベア２０ａを構成する。

この装置の各構成部分の作動は前述した例と実
質的に同一であり、ワーク３２ａ，３２ｂの搬送
は、ローラコンベア２０ａ上にワーク３２ａ，３
２ｂをころがしながら搬送し支持することを除い
ては第４〜８図で述べたところと同様である。

以上本発明を図示例について説明したが、たと
えばカムホロワ３５ａ，３５ｂを滑動部材とする
こと、進退部材３７ａ，３７ｂを１本のシリンダ
ーで駆動することも可能である。

以上本発明を図示例について説明したが、図示
例のシリンダーをモータその他の駆動手段として
もよいことはもちろんである。

従つて、かかる発明によれば、アクチユエータ
等を配置するビツトを必要としないので、設置時
間が短縮され設備費が低減される。またカムプレ
ートと協働するフインガーの回動運動に基づいて
ワークを搬送できるので、上下運動する部材を軽
量化でき小さな駆動力での搬送が可能となる。そ
してまたここでは、各対のフインガーが、ワーク
を、センタリングし乍ら挟持するとともに、支持
手段から持ち上げるので、そのワークの、支持手
段による支持位置が、所定位置からたとえ変位し
ている場合であつても、そのワークを確実に、か
つ安定に持ち上げることができる他、次の支持手
段に、十分な位置決め精度をもつて引き渡すこと
ができる。さらに、台車およびカムプレートの少
なくとも一方の移動速度が一定であつてもカム面
の角度を変更することによりフインガーの立上り
速度を所要に応じて変更することができる他、台
車の後退時には、フインガーが搬送物に接触する
おそれが全くないので、それがワークに傷をもた
らし、またはワークを浮き上がらせるなどの不都
合が生じない。また、支持手段をローラコンベア
にした場合、支持手段からのワークの落下を防止
できる他、位置決め精度を要しない場合には、フ
インガーの数を少なくすることができるためによ
り簡単な構造によるワークの搬送が可能になると
いう効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置を示す部分断面図、第２図は
本発明の支持手段として支持突起を使用した例を
示す平面図、第３図は第２図の−線に沿う断
面図、第４〜８図は本発明装置の作動状態を示す
略線図、第９図は本発明の支持手段としてローラ
コンベアを使用した例を示す第３図と同様の断面
図である。 ２０……支持フレーム、２０ａ……ローラコン
ベア、２３……支持板、２４ａ，２４ｂ，２４ｃ
……支持突起、２５……台車、３１ａ，３１ｂ…
…フインガー、３２ａ，３２ｂ……ワーク、３５
ａ，３５ｂ……カムホロワ、３７ａ，３７ｂ……
進退部材、４０ａ，４０ｂ，４１ａ，４１ｂ……
カムプレート、４２ａ，４２ｂ，４３ａ，４３ｂ
……カム面、４４ａ，４４ｂ，４５ａ，４５ｂ…
…ガイド部材、４６……ガイドローラ、４４ｃ，
４５ｃ……カム面、１００……係合部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ワークを支持する支持手段と、この支持手段
   に対して往復移動可能に設けた台車と、この台車
   に一端を回動可能に支持され、他端に、前記ワー
   クと係合する係合部ならびにカムホロワを有する
   複数対のフインガーと、前記台車に対して往復移
   動可能に設けられ、それぞれのカムホロワとの当
   接下で、各対のフインガーの、前記係合部が相互
   に接近する方向への立ち上がり運動を案内するカ
   ム面を有するそれぞれのカムプレートと、各カム
   プレートの一端部に、上方へのみ回動可能に支持
   され、前記カム面の下方へそれに連続して突出す
   る他のカム面を有するガイド部材とを具えてなる
   搬送装置。