JPS6280558A - 抗ヒト肺腺癌特異的単クロ−ン性抗体 - Google Patents

抗ヒト肺腺癌特異的単クロ−ン性抗体

Info

Publication number
JPS6280558A
JPS6280558A JP60220861A JP22086185A JPS6280558A JP S6280558 A JPS6280558 A JP S6280558A JP 60220861 A JP60220861 A JP 60220861A JP 22086185 A JP22086185 A JP 22086185A JP S6280558 A JPS6280558 A JP S6280558A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mouse
cells
antibody
lung adenocarcinoma
monoclonal antibody
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP60220861A
Other languages
English (en)
Inventor
Hajime Koda
好田 肇
Nobuo Hanai
陳雄 花井
Kenya Shidara
研也 設楽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd filed Critical Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
Priority to JP60220861A priority Critical patent/JPS6280558A/ja
Publication of JPS6280558A publication Critical patent/JPS6280558A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ヒト肺癌、特にヒト肺腺癌に特異性を有し、
その認識する抗原(エピトープ)がシアル酸化された糖
タンパクあるいは糖脂質であることを特徴とする単クロ
ーン性抗体およびその肺腺癌の病理診断ならびに血清診
断・モニタリングへの利用に関するものである。
従来技術 最近、免疫動物からの抗体産生細胞と骨髄腫細胞とを融
合させて得られるハイブリドーマを培養して特異的に腫
瘍と反応する単クローン性抗体を得る方法が報告されて
いる。ヒト肺癌に対する単クローン性抗体をこのような
手法で得ることもすでに報告されている〔キャンサー・
リサーチ(CancerRes、) 42.150(1
982)、  キャンサー・リサーチ(Cancer 
Re5j 42.3187(1982)、  ジャーナ
ル・オブ・サージカ/l、−リサーチ(J、Surgi
cal Res、)、3Q。
403(1981)、 )ランスプランテーション・プ
ロシイ−ディング(Transplantation 
Proceed、)、  XIIT(4)。
1942(1981)、  ジャーナル・オブ・イムノ
ロシイ(J。
Immunol、)、 131  (1) 497 (
1983)、免疫学会要旨P、212(演題番号107
番) (1983)京泉誠之〕。しかし、それらの単ク
ローン性抗体の多くは、肺癌以外の癌や、ヒト正常細胞
とも反応するものがほとんどで肺癌特異的といえるもの
は少ない。また、比較的肺癌に特異的といえるもの〔ジ
ャーナル・オブ・イムノロシイ(J、 Immunol
、 )旦s (o 497(1983))でも、小細胞
癌と非小細胞癌を識別することができるのみで扁平上皮
癌、腺癌などの組織型を判別することはできない。また
、肺癌の血清診断へ応用できる単クローン性抗体につい
ての報告はない。
最近、抗ヒト消化器癌(胃癌、膵癌、大腸癌)単クロー
ン性抗体を用いる消化器癌の血清診断が報告されている
。これらの単クローン性抗体はいずれも、血清中抗原と
してシアル酸化された諸タンパクを認識しているもので
ある〔ジャーナル・オブ・クリニカル・イムノロシイ(
J、 CI in、 Immunol、 )。
上、 135(1982)、  フェデレーンヨン・プ
ロシイ−ディンゲス(Federation Proc
、)’、  41. 898 (1982) 。
キャンサー・リチーチ(Cancer Res、)、 
 42.601(1982)、  バイブリド−?  
(Hybridoma)、  2. 110(1983
) E。一方、肺癌に対する単クローン性抗体で、シア
ル酸化された糖蛋白質あるいは糖脂質を認識するものは
これまで全く報告がない。
発明が解決すべき問題点および解決方法肺癌に特異的に
反応する単クローン性抗体が得られれば、肺癌の診断に
有用である。肺癌の単クローン性抗体は知られているけ
れども、さらに優れた抗体の開発が望まれている。本発
明者はヒト肺腺癌組織膜成分で免疫した抗体産生マウス
の肺細胞とマウス骨髄腫細胞とが融合したハイブリドー
マが生産するモノクローナル抗体が、肺腺癌に対して特
に優れた反応性を有し、肺癌の血清診断に応用できるこ
とを見出し本発明を完成した。
以下本発明について詳細に説明する。
本発明は、ヒト肺腺癌組織膜成分で免疫したマウスの肺
細胞とマウス骨髄腫細胞とを融合させてハイブリドーマ
を作製し、ヒト肺腺癌に特異性を有する単クローン性抗
体を選択し、該ハイブリドーマを培地中に培養するかマ
ウスに投与して該マウスで腹水化し、該培養物または腹
水より採取することにより1尋られ、かつシアル酸化さ
れた糖蛋白質または糖脂質を抗原として認識する抗ヒト
肺腺癌特異的単クローン性抗体を提供する。
本発明の単クローン性抗体は、1gMクラスに属し、肺
腺癌細胞に対して特異的に反応し、ンアル酸化された糖
蛋白質または糖脂質を抗原として認識する。
本発明単クローン性抗体の具体例としては、ハイブリド
ーマ細胞株ΔLC186(NCACC)が生産するAL
C−186があげられる。
以下に本発明単クローン性抗体の製造法を詳細に説明す
る。
(1)  動物の免疫と抗体産生細胞の潤製3〜10退
会、望ましくは8週令のマウスに、ヒト肺腺癌の細胞1
組織あるいはそれらの膜成分を免疫して、その動物の牌
、リンパ節、末梢血中の抗体産生細胞を調製する。免疫
するマウスはヒト正常肺細胞で前処理して免疫寛容にし
たマウスを用いるのが好ましい。免疫の方法は、動物の
皮下あるいは静脈内あるいは腹腔内に、適当なアジュバ
ント〔例えば、フロイントの完全アジュバント(Com
plete Freund’s Adjuvant)ま
たは、水酸化アルミニウムゲルと百日咳菌ワクチンなど
〕とともにヒト肺腺癌細胞(106〜107細胞/匹)
、ヒト肺腺癌組織もしくはそれらの膜成分(膜断片)(
10〜500μg/匹〉を投与する。以後、1〜2週問
おきに、抗原を2〜5回投与する。各免疫後3〜7日目
に眼底静脈叢より採血し、その血清がヒト肺腺癌と反応
することを以下に示す酵素免疫測定法〔酵素免疫測定法
(ELISA):医学書院列1976年〕などで調べる
酵素免疫測定法: 96穴のEIA用プレート〔フロー・ラボラトリーズ(
Flow Laboratories)社製〕に、正常
あるいは腫瘍細胞2組織の膜成分(蛋白量として10〜
1.000μg/ml含有する膜断片)を100〜20
0μβ/穴ずつ分注し、4℃で1〜2晩放置して、牛血
清アルブミンをプレート穴底面にコートし、上清を抜き
去った後、レジン水あるいは、PBS(IJン酸二ナト
リウム1.83g、リン酸−カリウム0.21g、食塩
7.65g、蒸溜水1f、pH7,2)でよく洗浄後、
第1抗体として、1%BSA (牛血清アルブミン)−
PBSを100〜200μβ/穴分注し、4℃で1〜2
晩放置して、プレート上に残った蛋白質との結合残基を
ブロック(ブロッキング)した。その後、BSA−PB
Sを捨て、レジン水あるいはPBSでよく洗浄した後、
第1抗体として、BSA−PBSで希釈した試料(マウ
ス血清、ハイブリドーマ培養上清、粗精製モノクローナ
ル抗体)を100μl/穴分注し、4℃で1晩放置する
。レジン水で1回、2M  NaCβ溶液で6回洗浄し
た後、第2抗体としてウサギの抗マウスイムノグロブリ
ンIgG−ペルオキシダーゼ結合物〔ダコ(DAKO)
社製、販売元協和メデックス〕の100倍希釈液を10
0ρ/穴分注し、室温で2時間放置する。
PBSでよく洗浄後、ABTS基質液〔2゜2′−アジ
ノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸
)ニアンモニウム550mgを0.1Mクエン酸緩衝液
(pH4,2)1/に溶かした溶液に、使用直前に過酸
化水素1ρ/mlを加えた溶液〕を用い、発色をOD、
、、イ、の吸光度で測定する。このとき、肺腺癌細胞、
組織あるいはそれらの膜成分に対して強く反応するマウ
スをヒト肺腺癌免疫マウスとしてハイブリドーマ作製の
ための抗体産生細胞の供給源として用いる。
酵素免疫測定法を行うにあたって、抗原として、細胞そ
のものを用いる場合は、ファルコン(Falcon) 
3072プレート中で、標的細胞を培養し、0.25%
ゲルタールアルデヒド−PBSを加え、室温に1〜2時
間放置し、PBSでよく洗浄後、I%BSA−PBS 
100〜200μpを加え、2時間放置し、レジン水ま
たはPBSでよく洗浄し、そのプレートを用いて、一般
の抗原コートプレートを用いるのと同様の方法にて、抗
体価の測定を行った。
細胞融合に供するにあたって、免疫化マウスに融合処理
の3〜4日前に、ヒト肺腺癌細胞。
組織あるいはその膜成分を2〜5X10’細胞/匹ある
いは20〜400μg/匹腹腔内に投与し、膵臓細胞を
摘出し、肺細胞を調製する。
膵臓をMEM (田水製薬社製)中で細断し、ピンセッ
トでほぐし、120Orpm、5分間遠心分離にかけ、
上清を揄で、トリス−塩化アンモニウム緩衝液(pH7
,65)で1〜2分間処理し赤血球を除去し、MEMで
3回洗浄して融合用肺細胞として提供する。
(2)骨髄腫細胞の調製 骨髄腫細胞としては、マウスから得られた株化細胞を使
用する。たとえば、8−アザグアニン耐性マウス(BA
LB/c由来)骨髄腫細胞株P3−X63Ag8−tJ
1 (P3−[11)〔カレント・トピックス・イン・
ミクロバイオロジイ・アンド・イムノロシイ−1(Cu
rrentTopics in Microbiolo
gy and Immunology −1) )〔ヨ
ーロピアン・ジャーナル・オブ・イムノロシイ(Eur
opean J、Immunology)  6 51
1−519(1976)) 、SP210−Ag14 
(SP−2)〔ネイチ+ −(Nature) 276
、269−270 (1978))、P:3−x133
−Ag8653 (653) (ジャーナル・オブ・イ
ムノロシイ(J、Immunology) 123.1
548−1550 (1979) ) 、P 3−X 
63−Ag 8 (X63)〔ネイチ+ −(Natu
re) 256.495−497(1975) Eなど
が用いられる。これらの細胞株は、8−アザグアニン培
地(RPMI−1640培地にグルタミン(1,5mM
)、2メルカプトエタノール(5X 10−’M) 、
ジェンタマイシン(10μg /ml )および牛胎児
血清(F’C3)(C3L社製)(10%)を加えた正
常培地に、さらに8−アザグアニン(15μg /ml
 )を加えた培地〕で継代するが、細胞融合の3〜4日
前に正常培地に継代し、融合当日2X10’以上の細胞
数を確保する。
(3)細胞融合 (1)で免疫した抗体産生細胞と(2)で得られた骨髄
腫細胞をMEM培地またはPBSでよく洗浄し、細胞数
が、抗体産生細胞:骨髄腫細胞=5〜10:1になるよ
う混合し、遠心分離(1,20Orpm 5分)した後
、上清を捨て、沈殿した細胞群をよ(はぐした後、攪拌
しながら、37℃で、ポリエチレングライコール1.0
00(PEC,−1,000)2g、MEM2mlおよ
びジメチルスルホキシドQ、7mlの混液0.2〜1m
l/ I Q33抗産生細胞を加え、1〜2分間毎にM
EM I〜2mlを数回加えた後、MEMを加えて全量
が5Qmlになるようにする。遠心分離(900rp5
分)後、上清を揄で、ゆるやかに細胞をほぐした後、正
常培地(RPM11640.FC510%) 100m
1t40え、メスピペットによる吸込み、吹出しでゆる
やかに細胞を懸濁する。
この懸濁液を24穴培養用プレートに1m1/穴ずつ分
注し、5%CO□インキュベーター中、37℃で24時
間培養する。培養プレートに1ml/穴のHAT培地〔
正常培地にヒボキサンチン(10−’M)、チミジン(
1,5X 10−5M)およびアミノプテリン(4X1
0−’M)を加えた培地〕を加え、さらに24時間培養
する。以後2日間、24時間毎に、培養上清1mlを捨
て、新たに同量のHAT培地を加え、C02インキユベ
ーター中、37℃で10〜14日間培養する。
コロニー状に生育してきた融合細胞の認められる穴につ
いて、上清1mlを捨て、HT培地(HAT培地からア
ミノプテリンを除いた培地)を同量加え、以後2日間2
4時間毎にHT培地への変換を行う。
HT培地で3〜4日間培養後、培養上清の一部をとり上
記の酵素免疫測定法により、ヒト肺腺癌に対する抗体価
を測定する。このとき、同様の方法で、ヒト正常線胞1
組織あるいはその膜成分などとの反応性も測定し、ヒト
肺腺癌細胞組織あるいはその膜成分に特異的に反応する
ものを選択する。ヒト肺腺癌細胞1粗織あるいはその膜
成分に強く反応し、ヒト正常線胞1組織あるいはその膜
成分などに反応しない穴について、限界希釈法によりク
ローニングを2回繰り返し、安定してヒト肺腺癌績胞1
組織あるいはその膜成分に強い抗体価の認められたもの
を抗ヒト肺腺癌単りローン性抗体産生ハイブリドーマ株
として選択する。
(4)単クローン性抗体の調製 ブリスタン処理(2,6,10,14−テトラメチルペ
ンタデカン(Pristane) 3.5mlを腹腔内
投与し、2週間飼育する〕した8〜10週令の退会LB
/c雌マウスにカマウスで得られた抗ヒト肺腺癌単りロ
ーン性抗体産生ハイブリドーマ細胞2〜4 X 106
細胞/匹を腹腔内注射する。10〜21日でハイブリド
ーマは腹水癌化する。このマウスから腹水を採取し、遠
心分離(3,000rpm 5分)して固形分を除去後
、50%硫酸アンモニウムにて塩析し、PBSにNaC
β0.5Mを加えた液で透析し、セファクリル5300
(ファルマシア・ファイン・ケミカル社製)(ベットボ
リューム750m1 )のカラムに流速15m1/hr
で通塔し、IgM画分を集め、精製単クローン性抗体と
する。
抗体のインタイブの決定は、オクタロニイ(Oucht
er Iony)法(二重免疫拡散法)(免疫学実験入
門、生物化学実験法15、学会出版センター刊、 P、
 741981年)によって行う。
蛋白量の定量は、フォーリン法および280nmでの吸
光度(1,4(OD2.0 ) #イムノゾロ19フ1
0 得られた単クローン性抗体の特異性の決定は複数の検体
から得られたヒトの各種の臓器由来の正常あるいは腫瘍
組織あるいはその膜成分との反応性、各種ヒト正常ある
いは腫瘍細胞培養株またはヒト胎児細胞培養株もしくは
それらの膜成分との反応性、従来から知られている癌胎
児性抗原(例えばCEA)との反応性,正常。
患者ヒト血清との反応性などを、酵素免疫測定法,螢光
抗体法,免疫組織学的判定法(PAP法)などにより行
い、いずれの測定法においてもヒト肺腺癌以外とは、反
応しないものを選択する。
また、このようにして得られた、ヒト肺腺癌に特異的に
反応する単クローン性抗体は、血清検査1組織診断,イ
メージーングなどによる肺癌の診断、さらには、抗体そ
のものを、あるいは、抗体に制癌剤や毒素を結合させた
、いわゆるイムノトキンンを癌患者に投与することによ
り肺癌の治療を行うことができるものと期待される。さ
らに、この腫瘍特異抗原クローン性抗体を用いるアフィ
ニティーカラムにより、腫瘍特異抗原を精製し、その抗
原の解析ひいては、肺癌ワクチンの開発にも使用できる
ものと期待される。
(5)肺癌血清診断法 血清診断は次の通り行う 96穴ErA用プレートに、第一抗体10〜10(bc
g/mlを50〜200x/穴ずつ分注し、4℃で1〜
2晩あるいは、室温で2〜4時間放置する。PBSで洗
浄後、BSA−PBS2 0 0威/穴を加え、さらに
4℃で1晩あるいは室温で2時間放置する。このプレー
トをPBSでよく洗浄後、各穴に血清検体を1〜100
倍希釈で、50〜100mを加える。4℃で1晩あるい
は室温で2時間放置後、PBSでよく洗浄する。次に、
ビオチン化した第二抗体あるいは、ペルオキシダーゼ標
識した第二抗体(10〜100犀/4)を50〜1 0
 0x/穴加え、さらに4℃で1晩あるいは室温で2〜
4時間放置する。第二抗体として、ビオチン化抗体を使
用した場合には、プレートをPBSでよく洗浄後、アビ
ジン−ビオチン−ペルオキシダーゼ(1011g/ml
)を50〜100m/穴加え、室温で30分間放置後P
BSでよく洗浄する。次に基質液として、ABTS基質
液を50〜100ρ/穴加え、室温で10〜30分間放
置し、5%SDS溶液50〜100ρ/穴を加え反応を
停止する。各穴の0DA1S値を測定し、その発色度よ
り、血清検体中の抗原量を算出する。このようにして得
られた健常人血清中の抗原量と肺癌患者血清中の抗原量
を比較することにより、正常値を決定し、その正常値を
超えるものを肺癌陽性とした。
(6)抗原解析 前述の酵素免疫抗体法、免疫組織化学的染色法あるいは
血清診断法の実施に際して、抗原(肺腺癌膜成分、肺癌
培養細胞株、肺癌組織)をノイラミニダーゼ(neur
aminidase)、  プロテアーゼ(prote
ase)などの酵素や過ヨウ素酸などの試薬で前処理し
た後、単クローン性抗体と反応させ、それらの処理をし
ていない元の抗原と単クローン性抗体の反応性との差よ
り、抗原の化学的性状(単クローン性抗体の認識する抗
原部位の化学的性状)を明らかにした。すなわち、ノイ
ラミニダーゼ処理により抗原性が消失すれば、シアル酸
が、プロテアーゼ処理により消失すれば蛋白質が、また
過ヨウ素酸処理により消失すれば糖鎖が、抗原決定基に
関与していると推定される。
以下本発明の実施例を示す。
実施例1゜ 〔1)抗体産生細胞の調製 ヒト正常肺組織膜成分(100■蛋白質/匹)を、生後
24時間以内の新生仔BALB/cマウスに静脈内投与
した。8週間経過後のマウスにヒト肺腺隔膜断片100
■(蛋白質換算)7匹を水酸化アルミニウムゲル2■/
匹、百日咳菌死菌ワクチン1×109/匹とともに腹腔
的投与した。以後1〜2週おきに、同一抗原100μg
(蛋白質換算)7匹で3〜5回免疫した。
これら免疫処理したマウスのうち、その抗血清が、ヒト
肺腺癌細胞または組織あるいはそれらの膜断片と強く反
応したマウスを免疫マウスとして、そのマウスより、肺
細胞を調製して、細胞融合に供した。
(2)マウス骨髄腫細胞の調製 8−アザグアニン耐性マウス骨髄腫細胞株P3−Ulを
正常培地で培養し、細胞融合時に2×107以上の細胞
を得、細胞融合に親株として供した。
(3)ハイブリドーマの作製 (1)と(2)で得られた肺細胞と骨髄腫細胞とを5=
1の割合で用い、前述した方式で融合させ、HAT培地
で37℃、14日間CO55%下で培養して、融合細胞
を選択し、HT培地に変えてさらに培養し、抗ヒト肺腺
癌に対する抗体価の測定をして、活性な穴を選び、さら
に正常培地に変え、2回クローニングを繰り返して、種
々の測定法により、ヒト正常細胞や組織あるいは他の癌
に全く反応せず、ヒト肺腺癌に特異的に反応する単クロ
ーン性抗体を産生ずるハイプリドーマ株ΔLC−186
を選択した。
(4)単クローン性抗体の精製 ブリスタン処理した8退会BALB/C雌マウスに〔3
)で得られたハイプリドーマ株ALC−186を4X1
06細胞/匹腹腔内注射した。
10〜21日後に、ハイブリドーマは腹水癌化する。腹
水のたまったマウスから、腹水を採取(5〜10m1/
匹)し、遠心分離(3,00Orpm。
5分)して固形分を除去した。50%硫酸アンモニウム
にて塩析し、P B S 1.:: N a Cj! 
 0.5Mを加えた液で透析し、セファクリル300(
ファルマシア・ファイン・ケミカル社製)(ベット・ボ
リューム750m1)のカラムに流速15m1/hrで
通塔しIgM画分を集め精製抗体として用いた。
(5)  ALC−186の特異性 このようにして得られた抗肺腺癌特異釣車クローン性抗
体ALC−186の反応特異性を第1表に示した。
第   1   表 実施例2゜ 実施例1で得られた単クローン性抗体ACL−186を
用いて、肺腺癌組織の免疫組織化学的染色を行った。1
0例の肺腺癌患者摘出肺腺癌パラフィン包埋ブロック切
片について検討した結果、8例で癌細胞が強く染まった
。以上の結果より、ALC−,186を用いる免疫組織
化学染色により、肺腺癌の病理診断が可能であった。
実施例3゜ 9G穴EIA用プレート〔フロー・ラボラトリーズ(F
low Laboratories)社製〕に、ALC
−186(10x/ml)を50顧/穴加え、4℃で1
晩放置後、PBSで洗浄し、1%BSA−PB4200
n/穴加え1晩放置し、PBSでよく洗浄したプレート
に、健常人血清(77検体)および肺癌患者血清(92
検体)を4倍希釈して40威/穴加え、4℃で1晩放置
後、PBSでよく洗浄した。次に、第二抗体として、ビ
オチン化抗肺癌モノクローナル抗体ALC−186(1
0J1g/ml)を100d/穴加え、4℃で1晩放置
し、PBSでよく洗浄した後、アビジンービオチンーベ
ルオキンダーゼ〔ヘクトール(v[ICTOR)社製〕
(10g/ml) 1.00tdll穴加え、室温で1
時間放置した後、PBSで洗浄した。次にへBTS基質
液を100n/穴加え、室温で30分間反応させ、5%
SDS溶液100d/穴を加え反応を停止した。
各穴の発色を吸光度計(OD4+5)で測定した。
その結果、第1図に示した様に、健常人血清では、0D
41Sが0.35をこえる陽性例は77例中1例しかな
かったが、肺腺癌患者血清では、OD A 15が0.
35をこえる陽性例が33例中16例あった。
このことより、本抗体を用いる血清診断法により、48
%の確率で肺腺癌患者を見出すことが可能であることが
わかる。肺扁平上皮癌患者血清では、OD、15が0.
35をこえる陽性例が、33例中1例(3%)、肺小細
胞癌患者血清では、22例;  中0例(0%)、肺小
細胞癌患者血清では、4例中0例(0%〉であったが、
肺腺癌患者血清では16例中θ例(0%)と全く陽性例
はなかった。
また、肺腺癌患者血清をプロットすると、第2図に示す
ごとく、ステージ■では65%(20例中13例)で陽
性となった。この結果は、本抗体による血清診断が、肺
腺癌のモニタリングに有効であることを示している。
実施例4゜ 単クローン性抗体ΔLC−186が認識する抗原を解析
するために、肺腺癌組織の膜成分を下記各種酵素および
試薬で処理した後ΔLC−186との反応性を調べた。
酵素および試薬 トリプシン(GIBCO社製 2.5%溶液)PBS中
 0.25% ノイラミニダーゼ(ベーリンガー・マンハイム社!り 0.1M酢酸バッフy−(pH4,5)−3mMCaC
j!2中Q、10/m+ α−L−7コシターセ(ベーリンガー・マイハイム社製
) 0.1Mリン酸バッファー(p H6,3)中Q、lL
l/+nl プロテアーゼ(シグマ社製) 0.1Mリン酸バッファー(p H7,2)中10U/
m1 NaIO4(和光純薬社製) PBS中50mM 肺腺癌組織の膜成分(蛋白1100■/+r+l )を
504/穴ずつ、ErA用プレート〔リンプロ(いnb
ro)社製〕に分注し、4℃で1晩放置後、PBSで3
回洗浄し、1%BSA−PBSを200μQ/穴分注し
、30分間〜2時間室温で放置し、PBSで3回洗浄後
、上記酵素液または試薬液を50〃/穴分注し、37℃
で1時間反応させた。
ついでPBSで5回洗浄し、単クローン性抗体ΔLC−
186(10x/ml)を5047大分注し、4℃で1
晩放置した。
Tween−20−Pus (Tween 20は和光
純薬工業社製)で5回洗浄後、パーオキシダーゼ標識抗
−マウスIgG(400倍希釈液)を504/穴加え、
室温で2時間反応後、7ween−23−PBSで5回
洗浄し、ABTS基質100μを加え、30分間反応後
、415nmにおける吸光度を測定した。
抗原性は、第3図に示したとおり、過ヨウ素酸(Nal
○、)、ノイラミニダーゼ、パルオキシダーゼ処−理に
より完全に消失した。この結果より、単クローン性抗体
ALC−186はシアル酸化された糖蛋白質を認識して
いるものと推定された。
【図面の簡単な説明】
第1図は、単クローン性抗体ALC−186による肺腺
癌の血清診断の結果を示す。 第2図は、単クローン性抗体ALC−186による肺腺
癌の血清診断におけるステージの影響を示す。 第3図は、肺腺癌組織の膜成分の各種酵素、試薬処理に
よる単クローン性抗体ALC−186との反応性の消長
を示す。 ・はノイラミニダーゼ0.IU/ml、Δはα−L−フ
コシダーゼ0. I Ll /ml、口はトリプシン0
.25%、麿はプロテアーゼl0LI/ml、○はNa
IOa50mMの処理を示す。×は無処理を示す。 !+1a’l   AL(、−IIJ:611午11L
t:q j!L 清N’I「OD引5、− 0D41!;−M 手  続  補  正  書 昭和60年70月9日

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)ヒト肺腺癌の細胞組織または組織膜成分で免疫した
    マウスの脾細胞とマウス骨髄腫細胞とを融合させてハイ
    ブリドーマを作製し、ヒト肺腺癌に特異性を有する単ク
    ローン性抗体を選択し、該ハイブリドーマを培地中に培
    養するかマウスに投与して該マウスで腹水化し、該培養
    物または腹水より採取することにより得られ、かつシア
    ル酸化された糖蛋白質または糖脂質を抗原として認識す
    る抗ヒト肺腺癌特異的単クローン性抗体。 2)該ハイブリドーマがALC−186(NCACC)
    である特許請求の範囲第1項記載の単クローン性抗体。 3)該単クローン性抗体がIgMクラスに属することを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の単クローン性抗
    体。 4)ヒト肺腺癌細胞と反応し、ヒト正常肺組織とは反応
    せず、シアル酸化された糖蛋白質または糖脂質を抗原と
    して認識する抗ヒト肺腺癌特異的単クローン性抗体AL
    C−186を用いる免疫組織化学的染色法。 5)ヒト肺腺癌細胞と反応し、ヒト正常肺組織とは反応
    せず、シアル酸化された糖蛋白質または糖脂質を抗原と
    して認識する抗ヒト肺腺癌特異的単クローン性抗体AL
    C−186を用いるサンドイッチ方式による酵素免疫測
    定法またはラジオイムノアッセイにより肺腺癌の血清診
    断またはモニタリングを行う方法。
JP60220861A 1985-10-03 1985-10-03 抗ヒト肺腺癌特異的単クロ−ン性抗体 Pending JPS6280558A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60220861A JPS6280558A (ja) 1985-10-03 1985-10-03 抗ヒト肺腺癌特異的単クロ−ン性抗体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60220861A JPS6280558A (ja) 1985-10-03 1985-10-03 抗ヒト肺腺癌特異的単クロ−ン性抗体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPS6280558A true JPS6280558A (ja) 1987-04-14

Family

ID=16757694

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60220861A Pending JPS6280558A (ja) 1985-10-03 1985-10-03 抗ヒト肺腺癌特異的単クロ−ン性抗体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6280558A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6319561A (ja) 抗ヒト肺癌単クロ−ン性抗体
DE3751585T2 (de) Hybridome, die monoklonale Antikörper gegen neue Mucin-Epitope produzieren.
JPS60190721A (ja) 抗腫瘍特異的単クロ−ン性抗体の製造法
AU624440B2 (en) Anti-fucosylcermiade monoclonal antibody
JPS6283898A (ja) 抗ヒト肺腺癌特異的単クロ−ン性抗体
JPS60190722A (ja) 抗ヒト肺癌単クロ−ン性抗体
JPS6321562A (ja) 抗ヒト胃癌単クロ−ン性抗体amc−462
JPS6280558A (ja) 抗ヒト肺腺癌特異的単クロ−ン性抗体
JP3581160B2 (ja) 抗粘液糖タンパク質モノクローナル抗体
EP0285143B1 (en) Antihuman pulmonary adenocarcinoma monoclonal antibody
JPS63157995A (ja) 抗ヒト大腸癌単クロ−ン性抗体acc−574
US4962032A (en) Anti-lafora body monoclonal antibody
JPS62207298A (ja) 抗ヒト胃癌単クロ−ン性抗体
JPH0213393A (ja) 抗ヒト肺腺癌単クローン性抗体
JPH04304897A (ja) 抗イディオタイプモノクローナル抗体
JP3504676B2 (ja) αカテニンに対するモノクローナル抗体
US5580740A (en) Antihuman pulmonary adenocarcinoma monoclonal antibody
WO1986004092A1 (en) Process for preparing human cancer-specific monoclonal antibody
EP0266188A2 (en) Anti-human mesothelial cell monoclonal antibody
JPS60204727A (ja) 抗ヒトv型コラ−ゲン抗体
JPH01277498A (ja) 抗ヒト胃癌モノクローナル抗体amc−84
JPS61250000A (ja) モノクロ−ナル抗体
JPH022393A (ja) 抗ヒト卵巣癌単クローン性抗体
JPH1121300A (ja) 抗ヒトトランスフェリンモノクローナル抗体及びこれを産生するハイブリドーマ細胞株
JP2002069099A (ja) 抗薬用人参モノクローナル抗体