JPH0213393A - 抗ヒト肺腺癌単クローン性抗体 - Google Patents

抗ヒト肺腺癌単クローン性抗体

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JPH0213393A
JPH0213393A JP63163433A JP16343388A JPH0213393A JP H0213393 A JPH0213393 A JP H0213393A JP 63163433 A JP63163433 A JP 63163433A JP 16343388 A JP16343388 A JP 16343388A JP H0213393 A JPH0213393 A JP H0213393A
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JP
Japan
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cells
antibody
lung adenocarcinoma
monoclonal antibody
human
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JP63163433A
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Hajime Koda
好田 肇
Kenya Shidara
研也 設楽
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KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ヒト肺腺癌に反応性を有し、その認識する抗
原が蛋白質であることを特徴とする単クローン性抗体お
よびこれを用いる肺腺癌の病理診断および血清診断、モ
ニタリングへの利用に関する。
従来の技術 最近、免疫動物からの抗体産生細胞と骨髄腫細胞とを融
合させて得られるハイブリドーマを培養して特異的に腫
瘍と反応する単クローン性抗体を得る方法が報告されて
いる。ヒト肺癌に対する単クローン性抗体をこのような
手法で得ることもすでに報告されている〔キャンサー・
リサーチ(Cancer Res、) 42 、150
(1982)、キャンサー・リサーチ(Cancer 
Res、) 42.3187(1982)、  ジャー
ナル、オブ・サージカル・リサーチ(J、 Surgi
calRes、)、 30 、403(1981)、 
 )ランスプランテーション・プロシイ−ティング(T
ransplantationProceed、)、 
 X[I(4)、 1942(1981)、 ジャーナ
ル・オブ・イムノロシイ(J、 Immunol、)、
 131  (1)497 (1983)、免疫学会要
旨P、212 (演題番号107番) (1983)京
泉誠之〕。
しかし、それらの単クローン性抗体の多くは、肺癌以外
の癌や、ヒト正常細胞とも反応するものがほとんどで肺
癌特異的といえるものは少ない。
最近、ンアル酸化された糖蛋白質、糖脂質を抗原として
認識する単クローン性抗体を用いる肺腺癌の血清診断が
報告されている〔キャンサー・リサーチ(Cancer
 Res、) 47 、1267−1272 (198
7)、インターナショナル・ジャーナル・オブ・キャン
サ−(International  Journal
  of  (:ancer)  36  、 421
−425 (1985) 、  キャンサー・リサーチ
(Cancer Res、)45 、3711−371
7(1985)、特開昭62−805583が、蛋白質
を抗原として認識する単クローン性抗体で、肺腺癌の血
清診断を行ったという報告はない。
発明が解決しようとする課題 肺腺癌に特異的に反応する単クローン性抗体が得られれ
ば、肺腺癌の診断および治療に有用である。肺腺癌の単
クローン性抗体は知られているけれども、さらに優れた
抗体の開発が望まれている。
課題を解決するための手段 本発明者らは、ヒト肺腺癌患者の有水の高分子分画で免
疫した抗体産生マウスの牌細胞とマウス骨髄腫細胞とが
融合したハイブリドーマが生産する単クローン性抗体が
、肺腺癌に対して優れた反応性を示し、肺腺癌の血清診
断、病理診断および治療に有用であることを見出し本発
明を完成させた。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、ヒト肺腺癌患者の有水の高分子分画で免疫し
たマウスの牌細胞とマウス骨髄腫細胞とを融合させてハ
イブリドーマを作製し、ヒト肺腺癌に特異性を有する単
クローン性抗体を選択し、該ハイブリドーマを培地中に
培養するかマウスに投与して該マウスを腹水化し、該培
養物または腹水より採取することにより得られる抗ヒト
肺腺癌単クローン性抗体を提供する。
本発明の単クローン性抗体は、I g G r クラス
に属し、肺腺癌細胞に対して反応性を有し、蛋白質を抗
原として認識する。
本発明の単クローン性抗体の具体例としては、バイブド
ーマ細胞株ALC−864(昭和63年3月9日付で、
工業技術院微生物工業技術研究所にFEIIM BP−
1783として寄託しである)が生産するΔLC−86
4があげられる。
以下に本発明の単クローン性抗体の製造法を詳細に説明
する。
(1)  動物の免疫と抗体産生細胞の調製3〜10週
令、望ましくは8週令のマウスに、肺腺癌患者有水の高
分子分画を免疫して、その動物の牌、リンパ節、末梢血
中の抗体産生細胞を調製する。免疫するマウスはヒト正
常肺細胞で前処理して免疫寛容にしたマウスを用いるの
が好ましい。免疫の方法は、動物の皮下あるいは静脈内
あるいは腹腔内に、適当なアジュバント〔例えば、フロ
イントの完全アジュバント(Complete Fre
und’s Adjuvant)または、水酸化アルミ
ニウムゲルと百日咳菌ワクチンなど〕とともにヒト肺腺
癌患者膨水の高分子分画く10〜500μg/匹)を投
与する。以後、1〜2週問おきに抗原を2〜5回投与す
る。各免疫後3〜7日目に眼底静脈叢より採血し、その
血清がヒト肺腺癌と反応することを以下に示す酵素免疫
測定法〔酵素免疫測定法(ELISA):医学書腕利1
976年〕などで調べる。
酵素免疫測定法: 96穴のEIA用プレート〔フロー・ラボラトリーズ(
Flow Laboratories)社製〕に、正常
あるいは腫瘍細胞1組織の膜成分(蛋白量として10〜
1.OOOμg/ml含有する膜断片)を100〜20
0μβ/穴ずつ分注し、4℃で1〜2晩放置して、上清
を抜き去った後、レジン水あるいは、PBS (リン酸
二ナトリウム1.83g、リン酸−カリウム0.21g
、食塩7.65g。
蒸溜水1ffi、  pH7,2)でよく洗浄後、1%
flsA(牛血清アルブミン)を含むPBS溶液(EI
SA−PBS)をl0CI〜200μl/穴分注し、4
℃で1〜2晩放置して、プレート上に残った蛋白質との
結合残基をブロック(ブロッキング)した。
その後、BS’A−PBSを捨て、レジン水あるいはP
BSでよく洗浄した後、第1抗体として、BSA−PB
Sで希釈した試料(マウス血清。
ハイブリドーマ培養上清、 #I!g製単クローり性抗
体)を100μl/穴分注し、4℃で1晩放置する。レ
ジン水で1回、2MNaC1溶液で6回洗浄した後、第
2抗体としてウサギの抗マウスイムノグロブリンIgG
−ペルオキシダーゼ結合物〔ダコ(DAKO>社製、販
売元協和メデックス〕の100倍希釈液を100d/穴
分注し、室温で2時間放置する。
PBSでよく洗浄後、ABTS基質液〔2゜2′−アジ
ノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸
)ニアンモニウム550mgを0.1Mクエン酸緩衝液
(pH4,2)izに溶かした溶液に、使用直前に過酸
化水素Iμ(1/ m lを加えた溶液〕を用い、発色
をOD 415n*の吸光度で測定する。このとき、肺
腺癌細胞、組織あるいはそれらの膜成分に対して強く反
応するマウスをヒト肺腺癌免疫マウスとしてハイブリド
ーマ作製のための抗体産生細胞の供給源として用いる。
酵素免疫測定法を行うにあたって、抗原として、細胞そ
のものを用いる場合は、ファルコン(Falcon) 
3072プレート中で、標的細胞を培養し、0.25%
ゲルタールアルデヒド〜PBSを加え、室温に1〜2時
間放置し、PBSでよく洗浄後、1%BSA−PBS 
l 00〜200〃を加え、2時間放置し、レジン水ま
たはPBSでよく洗浄し、そのプレートを用いて、一般
の抗原コートプレートを用いるのと同様の方法にて、抗
体価の測定を行った。
細胞融合に供するにあたって、免疫化マウスに融合処理
の3〜4日前に、ヒト肺腺癌患者有水の高分子分画10
〜400q/匹を腹腔内に投与し、膵臓細砲を摘出し、
肺細胞を調製する。
膵臓をMEM (日永製薬社製)中で細断し、ピンセッ
トでほぐし、120Orpm、5分間遠心分離し、上清
を抱で、トリス−塩化アンモニウム緩衝液(p H7,
65)で1〜2分間処理し赤血球を除去し、MEMで3
回洗浄して融合用肺細胞として提供する。
免疫原として用いる肺腺癌患者有水の高分子分画の調製
は以下の通り行う。
すなわち−80℃に保存しておいた肺腺癌患者有水を融
解後、3. OOOrpm、 I 0分間遠心分離し、
固形分を除いた上清をセルロファインGCL−2000
SF (生化学工業社製)カラムに通塔し、分子i 1
,000.000以上の高分子画分を集め、肺腺癌患者
有水の高分子分画とする。
(2)骨髄腫細胞の調製 骨髄腫細胞としては、マウスから得られた株化細胞を使
用する。たとえば、8−アザグアニン耐性マウス(BΔ
LB/c由来)骨髄腫細胞株P3−X63Ag8−01
 (P3−Ul)〔カレント・トピックス・イン・ミク
ロバイオロジイ・アンド・イムノロシイ−1((:ur
rentTopics  in  Microbiol
ogy  and  1mmunology  −1)
]〔ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・イムノロシイ(
Buropean J、  1mmunolo3y) 
6. 511−519(1976)] 、S P 2 
/ 0−Δg14  (SP−2)〔ネイチ+−(Na
ture)276、269−270 (1978)]、
P 3−X 63−Ag8653 (653) Cジャ
ーナル・オブ・イムノロシイ (J、Immunolo
gy) 123.1548−1550 (1979) 
〕、〕P3−X63−Ag8(X63) 〔ネイチ+−
(Nat、ure) 256. 495−497(19
75) 3などが用いられる。これらの細胞株は、8−
アザグアニン培地CRPMI−1640培地にグルタミ
ン(1,5mM)、2メルカプトエタノール(5X10
−’M)、 ジエンタマイシン(10、IJ g/ml
>および牛胎児血清(Fe2)(CS L社製、10%
)を加えた正常培地に、さらに8−アザグアニン(15
μg/ml)を加えた培地〕で継代するが、細胞融合の
3〜4日前に正常培地に継代し、融合当日2X10’以
上の細胞数を確保する。
(3)細胞融合 (1)で免疫した抗体産生細胞と(2)で得られた骨髄
腫細胞をMEM培地またはPBSでよく洗浄し、細胞数
が、抗体産生細胞:骨髄腫細胞=5〜10:1になるよ
う混合し、遠心分離(1,200rpm、  5分)し
た後、上清を捨て、沈殿した細胞群をよくほぐした後、
撹拌しながら、37℃で、ポリエチレングライコール−
i、oo。
(PEG−1,000)2 g、MEM2mlおよびジ
メチルスルホキシド0.7mlの混液0.2〜l ml
/103抗体産生細胞を加え、1〜2分間毎にMEMI
〜2mlを数回加えた後、MEMを加えて全量が50m
1になるようにする。遠心分離(900rpm、 5分
)後、上清を捨て、ゆるやかに細胞をほぐした後、正常
培地(FC3IO%を含むRPMI−1640培地)1
00n+1を加え、メスピペットによる吸込み、吹出し
でゆるやかに細胞を懸濁する。
この懸濁液を96穴培養用プレートに100u(1/穴
ずつ分注し、5%CO2インキユベーター中、37℃で
24時間培養する。培養プレートに100μQ/穴のH
AT培地〔正常培地にヒポキサンチン(10−’M)、
チミジン(1,5X10−’M)およびアミノブチリ:
/(4X10−’M)を加えた培地〕を加え、さらに2
4時間培養する。以後2日間、24時間毎に、培養上清
100頭を捨て、新たに同量のHAT培地を加え、5%
CO,インキュベーター中、37℃で10〜14日間培
養する。
コロニー状に生育してきた融合細胞の認められる穴につ
いて、上清100μgを捨て、HT培地(HAT培地か
らアミノプテリンを除いた培地)を同量加え、以後2日
間、24時間毎にHT培地への変換を行う。
HT培地で3〜4日間培養後、培養上清の一部をとり上
記の酵素免疫測定法又は、免疫組織学的判定法〈ΔBC
法) (酵素抗体法、学際企画刊、100頁、1985
年)により、ヒト肺腺癌に対する抗体価を測定する。こ
のとき、同様の方法で、ヒト正常細胞9紐織あるいはそ
の膜成分などとの反応性も測定し、ヒト肺腺癌細胞1紐
織あるいはその膜成分に特異的に反応するものを選択す
る。ヒト肺腺癌細胞1紐織あるいはその膜成分に強く反
応し、ヒト正常細胞。
組織あるいはその膜成分などに反応しない穴について、
限界希釈法によりクローニングを2回繰り返し、安定し
てヒト肺腺癌細胞1紐織あるいはその膜成分に強い抗体
価の認められたものを抗ヒト肺腺癌単クローン性抗体産
生バイプリドーマ株として選択する。
(4)単クローン性抗体の調製 ブリスタン処理C2,6,to、  14−テトラメチ
ルペンタデカン(Pristane) 0.5 mlを
腹腔内投与し、2週間飼育する〕した8〜10週令のB
ALB/C雌マウスに、(3)で得られた抗ヒト肺腺癌
単クローン性抗体産生ハイブリドーマ細胞2〜4X10
6細抱/匹を腹腔内注射する。
10〜21日でハイブリドーマは腹水癌化する。このマ
ウスから腹水を採取し、遠心分離(3,00Orpm、
5分)して固形分を除去後、50%硫酸アンモニウムに
て塩析し、0.04 M IJン酸緩衝液(pH8,0
,0,03M  NaCj+を含む)で透析後、D E
 52(Whatman社製)(ベットボリューム50
m1)のカラムに流速20〜30m1/時で通塔し、I
gG画分を集め、精製単クローン性抗体とする。
抗体のイソタイプの決定は、オクタロニイ(Oucht
erlony)法(二重免疫拡散法)(免疫学実験入門
、生物化学実験法15、学会出版センター刊、74頁、
1981年)によって行う。
蛋白機の定量は、フォーリン法および280umでの吸
光度(1,4(OD2Ilo )ζイムノグロブリンl
ff1g/ml]より算出する。
得られた単クローン性抗体の特異性の決定は複数の検体
から得られたヒトの各種の&1器由来の正常あるいは腫
瘍組織あるいはその膜成分との反応性、各種ヒト正常あ
るいは腫瘍細胞培養株またはヒト胎児細胞培養株もしく
はそれらの膜成分との反応性、従来から知られている癌
胎児性抗原(例えばCEA)との反応性1正常。
患者ヒト血清との反応性などを、酵素免疫測定法、蛍光
抗体法、免疫組織学的判定法(ABC法)などにより行
い、いずれの測定法においてもヒト肺腺癌以外とは、反
応しないものを選択する。
また、このようにして得られた、ヒト肺腺癌に特異的に
反応する単クローン性抗体は、血清診断9組織診断、イ
メージングなどによる肺癌の診断、さらには、抗体その
ものを、あるいは、抗体に制癌剤や毒素を結合させた、
いわゆるイムノトキシンを癌患者に投与することにより
肺癌の治療を行うことができるものと期待される。
さらに、この腫瘍特異抗原クローン性抗体を用いるアフ
ィニティーカラムにより、腫瘍特異抗原を精製し、その
抗原の解析ひいては、肺癌ワクチンの開発にも使用でき
るものと期待される。
(5)肺癌血清診断法 酵素免疫測定法による血清診断は次の通り行う。
96穴EIA用プレートに、第1抗体lO〜100 μ
g/mlを50〜200μ+!/穴ずつ分注し、4℃で
1〜2晩あるいは、室温で2〜4時間放置する。PBS
で洗浄後、BSA−PBS 200d/穴を加え、さら
に4℃で1晩あるいは室温で2時間放置する。このプレ
ートをPBSでよく洗浄後、各式に血清検体を1〜10
0倍希釈で、50〜1004を加える。4℃で1晩ある
いは室温で2時間放置後、PBSでよく洗浄する。次に
、ビオチン化した第2抗体あるいは、ペルオキシダーゼ
標識した第2抗体(10〜100■/4)を50〜1o
ad/穴加え、さらに4℃で1晩あるいは室温で2〜4
時間放置する。第2抗体として、ビオチン化抗体を使用
する場合には、プレートをPBSでよく洗浄後、アビジ
ン−ビオチン−ペルオキシダーゼ(10μg/ml)を
50〜100μQ/穴加え、室温で30分間放置後PB
Sでよく洗浄する。次に基質液として、ABTS基質液
を50〜100威/穴加え、室温で10〜30分間放置
し、5%SO3溶液50〜100μp/穴を加え反応を
停止する。
各式の○D、13、値を測定し、その発色度より血清検
体中の抗原量を算出する。このようにして得られた健常
人血清中の抗原量と肺癌患者血清中の抗原量を比較する
ことにより、正常値を決定し、その正常値を超えるもの
を肺癌陽性とする。
ラジオイムノアッセイ法による血清診断はキャンサー・
リサーチ((:ancer Res、) 45 、43
5(1985)記載の方法に従って行う。
また、この血清診断を用いて、患者の血清中の癌抗原を
経時的に測定(モニタリング)することにより、癌治療
の効果の判定又は再発の予知を行うことができる。
(6)抗原解析 前述の酵素免疫抗体法、免疫組織化学的染色法あるいは
血清診断法の実施に際して、抗原(肺腺癌膜成分、肺癌
培養細胞株、肺癌組織)をノイラミニダーゼ(neur
aminidase)、プロテアーゼ(proteas
e)などの酵素や過ヨウ素酸などの試薬で前処理した後
、単クローン性抗体と反応させ、それらの処理をしてい
ない元の抗原と単クローン性抗体の反応性との差より、
抗原の化学的性状(単クローン性抗体の認識する抗原部
位の化学的性状)を明らかにした。すなわち、ノイラミ
ニダーゼ処理により抗原性が消失すればシアル酸が、プ
ロテアーゼ処理により消失すれば蛋白質が、また過ヨウ
素酸処理により消失すれば糖鎖が、抗原決定基に関与し
ていると推定される。
単クローン性抗体を用いる病理診断法は免疫組織化学的
染色法(ABC法〉に従って行う。
以下、本発明の実施例を示す。
実施例1゜ (1)  免疫原の調製 免疫原としての肺腺癌患者有水の高分子分画の調製は、
以下の通り行った。
一80℃に保存しておいた肺腺癌患者有水を融解後、3
.00Orpm、  10分間遠心分離し、固形分を除
いた上清8mlを0.5M  NaC1を含む10mM
’Jン酸緩衝液(pH7,2)で平衡化したベツドボリ
ューム750m1のセルロファインGCL−2000S
F (生化学工業社製)カラムに通塔し、分子11,0
00,000以上の高分子画分(ボイドフラクション;
フラクション番号41〜50)を集め、これを肺腺癌患
者膨水の高分子分画とした。
セルロファインGCL−2000SFの溶出パターンを
第1図に示した。
(2)抗体産生細胞のi製□ ヒト正常肺組織膜成分(100μg蛋白質/匹)を、生
後24時間以内の新生仔BALB/cマウスに静脈内投
与した。8週間経過後のマウスに肺腺癌患者膨水の高分
子分画100μg(蛋白質換算)7匹を水酸化アルミニ
ウムゲル2mg/匹、百日咳菌死菌ワクチンlXl0’
/匹とともに腹腔内投与した。以後1〜2週おきに、同
一抗原100μg(蛋白質換算)7匹で3〜5回免疫し
た。これら免疫処理したマウスのうち、その抗血清が、
ヒト肺腺癌細胞または組織あるいはそれらの膜断片と強
く反応したマウスを免疫マウスとして、そのマウスより
、III細耳包を調製して、細胞融合に供した。
(3)  マウス骨髄腫細胞の調製 8−アザグアニン耐性マウス骨髄腫細胞株P3−Ulを
正常培地で培養し、細胞融合時に2xto’以上の細胞
を得、細胞融合に親株として供した。
(4)ハイブリドーマの作製 (2)と(3)で得られた牌細胞と骨髄腫細胞とを5:
lの割合で用い、前述した方法で融合させ、HAT培地
で37℃、14日間0025%下で培養した。融合細目
臼を選択し、HT培地に変えてさらに培養した後、抗ヒ
ト肺腺癌に対する抗体価の測定をして、活性な穴を選び
、さらに正常培地に変え、2回クローニングを繰り返し
て、酵素免疫測定法又は、免疫組織学的判定法(ABC
法)により、ヒト正常細胞や組織あるいは他の癌に全く
反応せず、ヒト肺腺癌に特異的に反応する単クローン性
抗体を産生ずるハイブリドーマ株ALC−864を選択
した。
(5)単クローン性抗体の精製 ブリスタン処理した8週令BALB/c雌マウスに(4
)で得られたハイブリドーマ株ALC−864を4X1
0’細胞/匹を腹腔内注射した。
10〜21日後に、ハイブリドーマは腹水癌化した。腹
水のたまったマウスから、腹水を採取(5〜10m1/
匹)し、遠心分子li (3,00Orpm。
5分)して固形分を除去した。50%硫酸アンモニウム
にて塩析し、0.04 M IJン酸緩衝液(pH8,
0,0,03M  NaC6を含む)で透析後、DE 
52 (Whatman社製)(ヘットボリューム50
m1)のカラムに流速20〜30m1/時で通塔し、I
gG画分を集め、精製単クローン性抗体とした。このよ
うにして得られた抗ヒト肺腺癌単クローン性抗体ΔLC
−864はオクタロニイ法によりIgG1に属すること
が判明した。
(6)ALC−864の特異性 抗ヒト肺腺癌単クローン性抗体ALC−864の反応特
異性を第1表に示した。
第    1    表 実施例2゜ 実施例1で得られた単クローン性抗体ALC−864を
用いて、肺腺癌の免疫組織化学的染色を以下のように行
った。
ミクロトームで5μmにスライスした癌組織のホルマリ
ン固定パラフィン包埋組織切片を、卵白アルブミンでコ
ートしたスライドグラスに固定し、キシレンで脱パラフ
イン後、アルコール−水で段階的に親水化した。レジン
水で5分間すすぎ、0.3%H20,を含むメタノール
中で室温30分間静置し、内因性ペルオキシダーゼをブ
ロックした。次に切片を20分間PBSで洗浄後、希釈
したウマ正常血清中で室温20分間静置した。切片から
過剰の血清を吸い取り、第1抗体(抗ヒト肺腺癌単クロ
ーン性抗体ALC−864,10■/巾l)と30分間
反応させた。
洗浄後、希釈ビオチン化抗体〔ビオチン化つサギ抗1g
G抗体、 ベク)−ル(VECTOR)社製〕を30分
間反応させ、さらに洗浄後、アビジン−ビオチン−ペル
オキシダーゼ複合体[へ9 ) −ル(VBCTOR)
社製〕を30分間反応させた。よく洗浄後、ペルオキシ
ダーゼ基質[0,02%H20,を含む0.1M)リス
−塩酸緩衝液(pH7,2)で調整した0、1%ジアミ
ノベンジジンテトラヒドロクロライド(diamino
benzidinetetrahydroclorid
e)]を22分間反させ、水冷中で反応を停止した。ヘ
マトキシレン染色後、アルコール−水およびキシレンで
脱水後、カナダバルサムで固定し、検鏡した。
7例の肺腺癌患者摘出肺腺癌パラフィン包埋ブロック切
片について検討した結果、6例で癌細胞が強く染まった
。以上の結果は、ALC−864を用いる免疫組織化学
的染色により、肺腺癌の病理診断が可能であることを示
している。
実施例3゜ 96穴EIA用プレート〔フロー・ラボラトリーズ(F
low Laboratories)社製〕に、第1抗
体としてΔLC−864(10Mg/ml)を504/
穴加え、4℃で1晩放置後、PBSで洗浄し、1%BS
A−PBS  200d/穴加え1晩放置し、PBSで
よく洗浄したプレートに、健常人血清(44検体)およ
び肺癌患者血清(92検体)を4倍希釈して40薦/穴
加え、4℃で1晩放置後、PBSでよく洗浄した。次に
、第2抗体として、ビオチン化抗肺腺癌単クローン性抗
体ALC−864(10Mg/ml>を10000薦/
穴加4℃で1晩放置し、PBSでよく洗浄した後、アビ
ジン−ビオチン−ペルオキシダーゼ複合体(104/m
l)  l 00μff/穴加え、室温で1時間放置し
た後、PBSで洗浄した。次にABTS基質液を100
d/穴加え、室温で30分間反応させ、5%SDS溶液
100m/穴を加え反応を停止した。各式の発色を吸光
度計(OD=+s、、−)で測定した。その結果、第2
図に示した様に、健常人血清では、OD、、い、が0.
50をこえる陽性例は44例中1例もなかったが、肺腺
癌患者血清ではODn+snaが0.50をこえる陽性
例が′、33例中17例あった。このことより、本抗体
を用いる血清診断法により、51.5%の確率で肺腺癌
患者を見出すことが可能であることがわかった。肺扁平
上皮癌患者血清では、OD41shmが0.50をこえ
る陽性例が、33例中8例(24%)、肺小細胞癌患者
血清では、22例中2例(9,1%)、肺小細胞癌患者
血清では、4例中2例(50%)であった。肺腺癌患者
血清では16例中6例(37,5%)であった。
実施例4゜ 単クローン性抗体ALC−864が認識する抗原を解析
するために、肺腺癌組織の膜成分を下記各種酵素および
試薬で処理した後ALC−864との反応性を調べた。
酵素および試薬 トリプシン(GIBCO社製 2.5%溶液)PBS中
  0.25% ノイラミニダーゼ(ベーリンガー・マンハイム社!I!
り 0.1M酢酸緩衝液(pH4,5)−3mMCaCj!
、中0.IU/ml α−L−フコシダーゼ(ベーリンガー・マンハイム社製
) 0.1Mリン酸緩衝液(pH6,3)中0、IU/ml プロテアーゼ(シグマ社製) 0.1Mリン酸緩衝液(pH7,2)中100/m1 NalO=(和光純薬工業社製) PBS中50mM 肺腺癌組織の膜成分(蛋白質100μg / m I 
)を50μg/穴ずつ、ErA用プレート〔リンプロ(
Linbro)社製〕に分注し、4℃で1晩放置後、P
BSで3回洗浄し、1%BSA−PBSを200μQ/
穴分注し、30分間〜2時間室温で放置し、PBSで3
回洗浄後、上記酵素液または試薬液を50μg/穴分注
し、37℃で1時間反応させた。ついでPBSで5回洗
浄し、単クローン性抗体ALC−864(104/ml
>を50m/大分注し、4℃で1晩放置した。
Tween−20−PBS (0,05%Tween−
20を含むPBS溶液、 Tween−20は和光純薬
工業社製)で5回洗浄後、ウサギの抗マウスイムノグロ
ブリンIgG−ペルオキシダーゼ結合物〔ダコ(DAK
O)社製、販売元協和メデックス〕(400倍希釈液)
を50頭/穴加え、室温で2時間反応後、Tween−
20−PBSで5回洗浄し、ABTS基質100頭を加
え、30分間反応後、415nmにおける吸光度を測定
した。
抗原性は、第3図に示した通り、トリプシン。
プロテアーゼ処理により完全に消失した。この結果より
、単クローン性抗体A L C−864は、蛋白質を抗
原として認識しているものと推定された。
発明の効果 本発明によれば、肺腺癌の病理診断、血清診断、モニタ
リングに有用な単クローン性抗体が供給される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、セルロファインGCL−2000SFの溶出
パターンを示す。 第2図は、単クローン性抗体ALC−864による肺■
癌の血清診断の結果を示す。 第3図は、肺腺癌組織の膜成分の各種酵素、試薬処理に
よる単クローン性抗体A L C−864との反応性の
消長を示す。 ・はノイラミニダーゼ0. I U/m!、△はα−L
−フコシダーゼO,l U/ml、口はトリプシン0.
25%、閣はプロテアーゼ10 U/ml、○はNa 
IO= 50mMの処理を示す。×は無処理を示す。 特許出願人(102)協和醗酵工業株式会社第1図 40  ho  60  r70 80フラ7:/1ン
’h ”j (rmQ /1−1e )第2図 QC)4r5nm 訊漿漂晟崎状借や2

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)IgG_1に属し、ヒト肺腺癌細胞と反応し、ヒ
    ト正常細胞と反応せず、蛋白質を抗原として認識する抗
    ヒト肺腺癌単クローン性抗体。
  2. (2)IgG_1に属し、ヒト肺腺癌細胞と反応し、ヒ
    ト正常細胞と反応せず、蛋白質を抗原として認識する抗
    ヒト肺腺癌単クローン性抗体ALC−864。
  3. (3)請求項(2)記載の単クローン性抗体ALC−8
    64を用いるサンドイッチ方式による酵素免疫測定法ま
    たはラジオイムノアッセイ法により肺腺癌の血清診断ま
    たはモニタリングを行う方法。
  4. (4)請求項(2)記載の単クローン性抗体ALC−8
    64を用いる免疫組織化学的染色法。
  5. (5)請求項(1)記載の単クローン性抗体を生産する
    ハイブリドーマ。
  6. (6)ハイブリドーマ株ALC−864(FERMBP
    −1783)。
JP63163433A 1988-06-30 1988-06-30 抗ヒト肺腺癌単クローン性抗体 Pending JPH0213393A (ja)

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CA000604273A CA1337049C (en) 1988-06-30 1989-06-28 Anti-human pulmonary adenocarcinoma monoclonal antibody
EP89111857A EP0348973B1 (en) 1988-06-30 1989-06-29 Anti-human pulmonary adenocarcinome monoclonal antibody
DE68913601T DE68913601T2 (de) 1988-06-30 1989-06-29 Monoklonaler Antikörper gegen menschliches Lungenadenokarzinom.

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