JPS627321Y2

JPS627321Y2 -

Info

Publication number: JPS627321Y2
Application number: JP13863885U
Authority: JP
Priority date: 1985-09-12
Filing date: 1985-09-12
Publication date: 1987-02-20
Also published as: JPS6151837U

Description

【考案の詳細な説明】＜産業上の利用分野＞本考案は、室内の空気を清浄してそれに芳香を
与え、かつ不快臭を消去する蓄香剤入り蓄香器に
関する。

＜従来の技術＞従来室内の空気に芳香を与え、不快臭を消すに
は昇華して芳香を放つ化学薬品を用いたり、香料
をフエルト布地に含浸させてこれを気化させた
り、また香をたくなどの方法が採られている。

また従来からの脱臭剤等は、いつたん袋に詰め
て容器に収納されていた。

＜考案が解決しようとする問題点＞しかし、芳香を与えるいずれの方法も芳香成分
の保持能力が弱く、不快成分を消すにはこの臭に
打ちかつ芳香成分を使用するので、室内の空気は
複雑な臭となり、また室内の芳香が使用始めと終
り頃とでは均一でない欠点を有している。

また、従来の脱臭剤等はいつたん袋に詰めたも
のをプラスチツク等の容器に入れるため空気の対
流が非常に悪く、このため香料を使用したときは
その香を持続させるために香料を強く吸着させて
やらなければならないし、袋に詰める手間もかか
る。

＜考案が解決しようとする手段＞本考案の蓄香剤入り蓄香器は空気の不快成分を
消去又は吸収除去し、かつ任意の芳香成分を含浸
吸蔵して芳香を均一に、さらに対流をよくし、効
率のよい脱臭、かつ芳香を長期に発揮し得るよう
にしたもので、その要旨は粒状の活性炭に香料を
含浸、吸着、吸蔵させてなる蓄香剤を内部に網で
区分されて室を形成してなる蓄香器に収容したこ
とを特徴とするものである。

＜作用＞本考案の実施態様を図面について説明する。

第１図において１は上面２及び下面２′のそれ
ぞれに通気孔を有する蓄香剤入り蓄香器で、さら
に蓄香剤入り蓄香器１は内部を網３，３′で三つ
に区分された室を設け、中央部の室には蓄香剤４
が充填されている。

上面及び下面はそれぞれふた、及び底の機能を
与え、着脱され得るようにすることが望ましい。

活性炭の粒度は任意であるが、取扱いの点及び
圧力損失の点から１〜35メツシユ程度が好まし
い。

香料は液状のほか気体さらに昇華する固形体を
も使用することができ、これらにはα−ピネン、
カンフエン、リモネン等の炭化水素系、メントー
ル、シトロネロール、シンナミルアルコール等の
アルコール系、ピヘロナール、アミルシンナミツ
クアルデヒド、シクラメンアルデヒド等のアルデ
ヒド系、ジヤスミン、ムスコン、ベンジリデンア
セトン等のケトン系、安息香酸エチル、酢酸エチ
ル、サリチル酸メチル等のエステル系、アニソー
ル、オイゲノール、ネロリン等のフエノールエー
テル系、クマリン、アンブレントリド、エキサル
トリド等のラクトン系、Ｐ−オキシアニソール、
ヒドロキノンジメチルエーテル等のキシレン系及
びケイ皮酸、フエニル酢酸、シトロネル酸等が例
示される。

活性炭に香料を少なくとも含浸、吸着、吸蔵の
いずれかを行なうには香料が気体、液体、昇華性
固体のいずれかであつても活性炭をその気流下に
おくか、その香料の雰囲気中におくことで可能と
なる。香料が液状であれば香料を活性炭に含浸さ
せるか、香料を活性炭にスプレーする方法も可能
であり、また香料が昇華し得る固体の場合にはこ
れを粒状としたものと活性炭とをこんじたものを
用いられる。

本考案の蓄香剤は前述したように活性炭が主体
であるので、混合吸着の原理によつて室内の不快
成分を吸着・除去する可能性もあり室内の空気は
芳香成分の効果による単なるマスキング効果より
も大きい。

また、本考案の蓄香剤は芳香成分が空気によつ
て脱着されるので保持時間が長く均一に流出す
る。

本考案の蓄香剤入り蓄香器は蓄香剤を内部が網
で区切られた上部及び下部の両面に通気孔を有す
る容器に袋等に入れず直接充填するので、空気対
流に直接触れ、脱臭・芳香の効果が大きく、ま
た、持続力も長くなり、香料の吸収量も従来品の
ように多量にする必要がない。

網３の目孔は、蓄香剤が外部に突出しないよう
に設ければよく、特に限定はない。

＜実施例＞つぎに、本考案の一実施態様を実施例で説明す
るが、本考案はこれらによつて限定されるもので
はない。

実施例１４〜６メツシユの粒状活性炭にピペロナール
（ヘリオトロープの芳香）を０℃で活性炭に対し
て1wt％吸着させて蓄香剤を得た。

この蓄香剤を内径25mmφで上面及び下面に通気
孔を有する多孔性の蓄香器で内部に金網で区分し
てなる室に入れ、その一端から他端へ20℃の乾燥
清浄空気を0.3m／secの流速で流入した。その結
果清浄空気流入後から25時間に渡りその他端から
排出された空気にはほぼ均一した芳香成分が感ぜ
られた。

25時間後、前記他端より活性炭を取りだし、こ
れにピペロナールを活性炭に吸着させ得られた蓄
香剤を前述した操作を行なつたところ前記蓄香器
他端から排出される空気には前回と同じように均
一に芳香成分が感ぜられた。

実施例２粒度が４〜６メツシユの粒状活性炭にピペロナ
ールを０℃で活性炭に1wt％吸着させた。この蓄
香剤を第１図及び第２図に示すような上面及び下
面に通気孔を有し、かつ内部に金網で区分されて
室を形成している蓄香器の室に入れたものを、20
m³の建物の一室の一隅に吊るした。かつこの建物
の室には30分に１本の割合で煙草をたいたが、室
内の空気は煙草の臭がせず、実施例１の場合とほ
ぼ同じ芳香が感ぜられた。

実施例３８〜24メツシユの粒状活性炭100ｇを20mm×100
mm×150mmの金網製の容器に充填し、この活性炭
を０℃でアミルシンナミツク・アルデヒド（ジヤ
スミンの香）を活性炭に対して1.5wt％吸着さ
せ、得られた蓄香剤を蓄香器に入れ、エアーコン
デイシヨナーの除塵フイルター上に置き空気温度
23℃で73m³の室内の空気を循環した。一方室内に
は線香を絶えずたいたが室内はほとんど線香の臭
いはせずジヤスミンの香りが53時間にわたつて感
ぜられた。

比較例実施例３の方法で得た蓄香剤を紙製の袋に入れ
上面及び下面に通気孔を有するプラスチツク製容
器に入れ、実施例３の条件下で線香をたいたとこ
ろジヤスミンの香りは42時間で消滅した。

＜効果＞本考案の蓄香剤入り蓄香器によれば、対流がよ
くなるので、効率が良く、かつ均一・長期にわた
る脱臭及び芳香が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の蓄香剤入り蓄香器の斜視図、
第２図は第１図において−′線に沿う縦断面
図を示す。１：蓄香剤入り蓄香器、２，２′：上面及び下
面、３，３′：網、４：活性炭。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

活性炭に芳香成分を添加してなる蓄香剤を上面
及び下面が多孔性にされた一つの容器内部に網で
三区分し、その中央部の室に収容してなる蓄香剤
入り蓄香器。