JPS627148Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は病室用ロツカーに関するものである。
従来の病室用ロツカーは、通常、更衣室等に設置
されている様な、間口が狭く奥行の深いものを、
患者のベツド頭部側に設置し使用していた。この
為、必要以上に場所をとり、患者の治療や看護の
妨げになつたり、あるいは付添人、見舞客の居場
所を制限する等の欠点があるばかりか、ロツカー
の天板上に埃りがたまり不衛生となつたり、ある
いは患者の所持品等の収納しきれないものを天板
上に載置して、非常に見苦るしくなつたり、又、
それら収納物が不測の際落下する等の危険があつ
た。

本考案は、上記欠点を改善する事を目的とする
もので、その構成は、比較的奥行の浅い側板を天
井面まで立設し中仕切板にて仕切られた下方部を
ガウン、コート等の丈の長い衣服の収納部とな
し、上部を開口部とし、該開口部に、前面遮蔽パ
ネル、あるいはキヤビネツトを選択的に取りつけ
可能とした事により、必要に応じたロツカーの使
い分けが出来るものである。

以下、本考案を図面に基づいて説明する。

第１図において、１は、本考案の病室用ロツカ
ーで、上部に前面遮蔽パネル２を、扉３の上部前
面に吊りキヤビネツト４を取りつけた使用状態
で、第２図においては、ロツカー１の上部に、前
面遮蔽パネル２の代わりにキヤビネツト５を取り
つけた使用状態を示している。１０は患者のベツ
ド、２０はワゴンであり、下端後部に突出しても
うけた案内突部２０′がロツカー１の下端部に収
納される構成となつている。

ロツカー１は、ほぼ天井面まで達する高さの左
右の側板６，６′と、側板６，６′間の中程上部に
取りつけられた中仕切板７と、側板６，６′間の
下端部に、床面から所定高さの間隔を有して取り
つけられた底板８と、側板６，６′間、後端部
で、中仕切板７の下方にもうけられた後板８１
と、側板６，６′間の上端部後方にもうけられた
後継ぎ材８２、及び、側板６，６′間前端で、中
仕切板７、底板８間にもうけられた扉３によつ
て、基本的な形態が構成されている。

８３は、後板８１の上部にもうけられたガウン
等のハンガーつり下げ用のフツク、８４はワイヤ
ー棚である。

側板６，６′は、150〜200mm程度の奥行で対向
した左右対称形をなしており、中仕切板７上に位
置する前端部を内方に折り曲げて前縁６１，６
１′を形成し、扉３が位置する個所では、さらに
内側に折り曲げて扉当り縁６２，６２′を形成
し、後端を内方にＬ字形に折り曲げて後縁６３，
６３′を形成している。そして、前縁６１，６
１′の上部には後述するキヤビネツト５等の取付
孔６４，６４′をもうけている。

中仕切板７は、前端を下向きにＬ字形におりま
げて扉上端当り縁７１を形成し、さらに左右側端
を下方に折り曲げて取付け縁７２を形成、側板
６，６′間に固着されている。

そして扉上端当り縁７１の上面には、後述する
前面遮蔽パネル２、又はキヤビネツト４の取付孔
７３を形成している。

そして、後板８１は、その上端を内方に折り曲
げて、上記中仕切板７の後端下面に固着され、左
右側端を側板６，６′の後縁６３，６３′の内面に
固着している。底板８は、前端を下向きＬ字形に
折り曲げて、扉下端当り縁８３を形成し、さらに
左右側端を下方に折り曲げて取付け縁８４を形成
して、側板６，６′間に固着されている。

そして、底板８の後端は下方に折り曲げられ後
板８１の内面に固着されている。

扉３は、表面上部に吊りキヤビネツト４が取り
つけられる係止突起３１の取付孔３２……を上下
に所定間隔でもうけ、蝶番３３……を所定個所に
有し、側板６，６′内面の所定位置にもうけた蝶
番取付座３４……に取りつけられ、側板６，６′
間の前面で開閉自在となつている。

ロツカー１は上記の如く構成され、中仕切板７
の上部に前面が開口した開口部７０が形成され
る。

扉３の前面に係脱自在に取りつけられる吊りキ
ヤビネツト４は、前面に、透明ガラスの引違い戸
４１を有し、前端下面に合成樹脂等からなる保護
縁４２を取りつけ、後面にもうけた取付孔（図示
せず）を、扉３の前面に着脱自在に取りつけた係
止突起３１に係止して取りつけられる。

次に、上記開口部７０を他の用途に使用せず、
開口部７０の前面を隠蔽する時に使用される前面
遮蔽パネル２は、上端内方にＬ字形におりまげて
形成した上縁２１と、左右側端を内側に折り曲げ
て形成した側縁２２と、下端を内方にＬ字形にお
りまげた後、さらに後方におりまげて段部２３を
形成した下縁２４からなり、さらに上縁２１の下
方で上向きＬ字形に突出せしめた係合突片２５が
内面に固着されて、下縁２４には取付孔２４′が
形成されている。

２６は、前面遮蔽パネル２を取りつける場合使
用される前継ぎ材で、断面略コ字形をなし、前記
側板６，６′の前縁６１，６１′にもうけた取付孔
６４，６４′にネジにて着脱自在に取りつけられ
る。

一方、開口部７０及び、その前方を収納体とし
て使用する際、とりつけられるキヤビネツト５
は、後端上部に切り欠き５１を形成した左右のキ
ヤビネツト側板５２，５３と、該キヤビネツト側
板５２，５３間の切き欠き５１の前方に固着さ
れ、後端に垂下縁５３′を形成したキヤビネツト
天板５４とキヤビネツト側板５２，５３間の下端
に固着されたキヤビネツト底板５５と、キヤビネ
ツト側板５２，５３間の後端に固着され上端に水
平突平５６を有するキヤビネツト後板５７と前面
にもうけられた片開き戸５８よりなり、キヤビネ
ツト側板５２，５３の切り欠き５１の内面には後
述する上面遮蔽板５９の側端部を取りつける為の
取付板５０が固着され、該取付板５０には側板
６，６′にもうけた取付孔６４，６４′に対応して
取付孔５０′と、上面遮蔽板５９の取付孔５９′が
形成されている。又、上記天板５４の垂下縁５
３′には、上面遮蔽板５９の取付孔５４′が形成さ
れている。上面遮蔽板５９は、断面略上向きＬ字
形をなし、キヤビネツト天板５４に対する取付孔
５９１、取付板５０に対する取付孔５９２がもう
けられている。さらに、キヤビネツト底板５５の
下面には、後部に中仕切板７の扉上端当り縁７１
に当接する下方突部８５を有する補助底板８６が
とりつけられ補助底板８６には、中仕切板７にも
うけた取付孔７３に対応するキヤビネツト取付孔
８７が形成されている。

本考案は、上記の如く構成されており、患者の
ベツド１０頭側部に、ロツカー１の後板８１を、
スペイサー８１′を介在せしめて、アンカーボル
ト等にて壁面に固定する。スペイサー８１′はあ
らかじめ後板８１の所定位置に全幅にわたつて固
着され、後板８１の補強をしている。上記の如く
壁面に立設されたロツカー１が、短期の入院患者
の様に所持品が少なく、開口部７０を使用する必
要がない場合は、次の様にして前面遮蔽パネル２
を開口部７０の前面にとりつける。

まず、左右側板６，６′の前縁６１，６１′に形
成した取付孔６４，６４′に前継ぎ材６２をネジ
止めする。次に前面遮蔽パネル２を下方から上方
に移動せしめて、係合突片２５を前継ぎ材２６に
係合せしめた後、前面遮蔽パネル２の下端を中仕
切板７に押しやり、段部２３と中仕切板７の前端
を当接せしめ、下縁２４の取付孔２４′と中仕切
板７の取付孔７３を一致せしめネジ止めされる。

この様にして、前面遮蔽パネル２は開口部７０
の前面を隠蔽し、ロツカー１の上部への埃の進入
を遮断し、衛生的に保持し、全体の美感を向上さ
せる。

次に、長期の入院患者の様に、所持品が多く、
開口部７０を収納場所として使用する必要がある
場合、キヤビネツト５を開口部７０の前方より後
部を開口部７０内に挿入せしめ中仕切板７上に位
置せしめる。この状態で、キヤビネツト５の切り
欠き５１によつて、キヤビネツト側板５１，５２
の後部上端、キヤビネツト後板５７上端は、後継
ぎ材８２の下面に当接するので、キヤビネツト５
が大きく前方に突出しても落下する危険がない。
そして、さらにキヤビネツト５の前方移動を防止
すると同時に、側板６，６′の前端が外側に開く
のを防止するため、キヤビネツト５の取付孔５
０′と、側板６，６′の取付孔６４，６４′を一致
せしめてネジ止めし、次に補助底板８６の取付孔
７３と、中仕切板７の取付孔７３を一致せしめて
ネジ止めする。次に、上面遮蔽板５９を下方より
切り欠き５１の下面に位置せしめ、キヤビネツト
天板５４にもうけた取付孔５４′と、上面遮蔽板
５９にもうけた取付孔５９１を、取付板５０にも
うけた取付孔５９′と５９２′を一致せしめてネジ
止めし、上部の開口を隠蔽する。

この様にして、開口部７０が、患者等の所持品
の収納場所として使用でき、しかも、天井面近く
の上部に位置しているので、前方に突出していて
も、付添人、見舞客の邪魔になる事もない。

以上の如く本考案は、あらかじめ上部に開口部
を構成する事により、簡単にキヤビネツトを取り
つけて収納場所にする事が出来、しかも、余分に
収納場所を必要としない場合は、前面遮蔽パネル
を簡単にとりつける事により衛生的に、又体裁よ
く開口部を隠蔽して使用できる等、実用に即した
有益な考案である。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例の一つを示し、第１図は上
部に前面遮蔽パネルを取りつけた状態の斜視図、
第２図は、上部にキヤビネツトを取りつけた状態
の斜視図、第３図は本考案の要部分解斜視図、第
４図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第５図は第２図
のＢ−Ｂ線断面図、第６図は第４図のＣ−Ｃ線断
面図、第７図は第４図のＤ−Ｄ線断面図、第８図
は第５図のＥ−Ｅ線断面図、第９図はキヤビネツ
ト後部の斜視図である。 １……病室用ロツカー、２……前面遮蔽板、３
……扉、５……キヤビネツト、６，６′……左右
側板、７……中仕切板、７０……開口部、８……
底板、８１……後板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】

150mm〜200mm程度の比較的奥行が浅く上端が、
ほぼ天井まで達する左右側板と、該側板間の中程
上部に取りつけた中仕切板と、側板間の下端部に
もうけた底板と、側板の後端間にもうけられた後
板と、上記、中仕切板の下方で、側板間の前面に
開閉自在にもうけた扉によつて、中仕切板の下方
部に、ガウン等の丈の長い衣服の収納部を形成
し、中仕切板上方に開口部を形成して、背面を壁
面に固定し、該開口部に、前面遮蔽パネル、又
は、キヤビネツトを中仕切板上に選択的に取り付
け可能とした事を特徴とする病室用ロツカー。