JPS621962Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は病室用ワゴンに関するものである。

従来、入院患者の持ち物を収納する什器とし
て、床頭台（以下ワゴンと称す。）が使用されて
来たが、長期入院患者の場合等、特に所持品が次
第に増加して収納しきれなくなり、収納しきれな
くなつた所持品を、紙袋、あるいはバツク等に収
納して、ベツド周辺に置いていた。

また、入院時に着用して来たスーツ等の衣服、
あるいはガウン等は従来のワゴンでは収納出来な
かつた。その為病室内に一般的な更衣ロツカーを
設置し、使用していた。

このため、清潔さを必要とされる病室内の清掃
が、ロツカーあるいはバツク等がじやまになつて
十分に行えなかつたり、また室内が雑然とするば
かりか、治療の妨げになつたり、さらに見舞客の
居場所を制限したり、あるいは患者にとつても非
常に使いづらく、又他の患者にも不快な感じをあ
たえる等種々の欠点があつた。

本考案は、上記欠点を一挙に解決する病室用ワ
ゴンを提供する事を目的とするものである。

以下本考案を図面に基づいて説明する。

第１図において、Ａは本考案の病室用ワゴン、
１は収納庫、２は収納庫１の上面にとりつけられ
る載置板、３はキヤビネツト、４は後方遮蔽板、
５は側方遮蔽板、１００はフツク、６は台板、６
１……は台板下面４隅にとりつけられた自在キヤ
スターである。

収納庫１は、左右側板１１，１１、後板１２、
左右側板１１，１１の前後上部を連結補強する上
前框１３、下前框（図示せず。）等から略箱体に
形成され、左右側板１１，１１内面には縦方向の
補強材（図示せず。）、レーム受け等をとりつけ
て、上部に引出し１５、下部に開き戸１６を構成
している。

そして、上前框１３、側板１１，１１の上下折
曲片１１１……、後板上下折曲片１２１，１２１
等に載置板２の取付孔１１２……、及び台板６と
の連結孔（図示せず）が形成されている。また収
納庫１は後面左右角部を内方に縦方向に窪ぼませ
て、後記する後方遮蔽板４の側柱４１，４１の側
柱取付凹部１０，１０を形成し、該取付凹部１
０，１０の内面に側柱取付孔１０１……をもうけ
ている。

一方後板１２は下方部を内方下方に傾斜せしめ
て、収納庫１の下方後部内に突出させ、後面凹部
１２２を収納庫１の背面下部に形成している。１
７は側板１１の上部外面にネジ止め等にてとりつ
けたタオル掛けである。

載置板２は、前記収納庫１の上面巾方向にやや
大きめで、前面から、側柱取付凹部１０までの奥
行寸法をなし、裏面に収納庫１にもうけた各取付
孔１１２……に対応して連結孔（図示せず）を形
成している。

２１，２１は、載置板２の左右端部にとりつけ
られた物品の落下を防止するガード枠である。後
方遮蔽板４は、左右の側柱４１，４１と、該側板
４１，４１間にとりつけた前面パネル４２及び上
面パネル４３よりなり、側柱４１，４１は、上端
を斜め上方に折り曲げて後方に突出せしめて、略
逆Ｌ字型となした、取付枠４１１，４１１と、天
井枠４１２，４１２より形成されている。

そして取付枠４１１，４１１の内面側には、前
記収納庫１の側柱取付孔１０１……に対応して取
付螺孔４１２……が、後面には後述する側方遮蔽
板５をとりつける為のダボ穴４１３が、前面上部
にはキヤビネツト３を取りつける為の取付螺孔
（図示せず）形成されている。そして、取付枠４
１１，４１１の下端には収納庫１側に突出し、前
記後面凹部１２２の側面を隠蔽する凹部隠蔽部材
４１４，４１４がとりつけられ、該凹部隠蔽部材
４１４には、後述するくつ置きガード７の取付孔
４１５を形成している。

一方、前面パネル４２は、取付枠４１１，４１
１の上部で、後方遮蔽板４がとりつけられた状態
で、収納庫１の後部上方を前方より遮蔽する位置
にとりつけられており、薄板鋼板にて内部を空洞
に形成して取付枠４１１，４１１と１体化され、
後面に衣服吊り下げ用のフツク１００がとりつけ
られている。又上面パネル４３は天井枠４１２
と、薄板鋼板にて前面パネル４２同様内部を空洞
に形成し一体化されている。

そして、上面パネル４３の左右端下面には、後
方遮蔽板４をとりつける為の取付孔（図示せず）
が形成されており、上面パネル４３は、上方のほ
こりの進入を防止している。

キヤビネツト３は、薬品、食品、調味料、食器
等の収納に供されるもので、前面に透明あるいは
半透明の引違いとした扉３１を有し、後面に、前
記取付枠４１１，４１１の前面上部にもうけた取
付螺孔に対応して、キヤビネツト取付孔３２……
を形成している。

３３はキヤビネツト上面にもうけられた物品落
下防止のガード枠である。

側方遮蔽板５は、後方遮蔽板４の後方側面にと
りつけられ、本考案のワゴンＡが後部を、患者の
ベツト頭部側方の壁面に当接して使用された場
合、隣の患者より、後方遮蔽板４の側部を隠蔽す
るものであり、上端に取付金具５１を有し該取付
金具５１にもうけた取付孔と前記上面パネルの取
付孔を一致せしめネジ止めされる。

この時、側方遮蔽板５の前端面にもうけたダボ
５２が、前記取付枠４１１にもうけたダボ穴４１
３に嵌合する。

側方遮蔽板５の内面下端部には、前記クツ置ガ
ード７を取りつける為のガード保持金具５３がと
りつけられている。

台板６は、前記収納庫１より後方に突出する大
きさで後部をくつ置き部として使用されるもの
で、上面前部に収納庫取付孔６２……が形成さ
れ、下面４隅に自在キヤスター６１がとりつけら
れている。

６０は台板６の下面に後方に突出してもうけた
クツシヨン材である。

くつ置きガード７は平面コ字形をなし、先端部
を平偏に仕上げ取付部７０を形成し、該取付部に
前記後方遮蔽板４の凹部隠蔽部材４１４，４１４
にもうけた取付孔４１５に対応して、ガード取付
孔７１，７１を形成し、凹部隠蔽部材４１４，４
１４とネジ止めされる。そして側部７２は前記側
方遮蔽板５のガード保持金具５３に上方より係合
し、後部７３の下面にもうけた先端を偏平に仕上
げたガード脚７４，７４の取付孔７５，７５と台
板６がビス止めされる。そしてくつ置ガード７
は、台板６、後方遮蔽板４、側方遮蔽板５と相互
に連結され、台板６の後部上面に前部が、前記底
板１２の後面凹部１２２内に位置して置かれたく
つが、後方に落下するのを防止している。

以上の如く各部材は構成されており、まず台板
６上の前部に引出し１５をひき抜いた状態の収納
庫１を設置し、取付孔６２……と連結孔を一致せ
しめ収納庫１側よりネジ止めにて連結固定し、さ
らに収納庫１上に載置板２を設置し、取付孔１１
２と連結孔を一致せしめ、収納庫１側よりネジ止
めにて連結する。つづいて、後方遮蔽板４の側柱
４１，４１を収納庫１の側柱取付凹部１０，１０
に後方より嵌合して、側柱取付孔１０１……と、
取付螺孔４１２……を一致せしめ収納庫１側より
ネジ止め、連結固定し後方遮蔽板４の後方に衣
服、ガウン等の収納部Ｂを形成する。この時、凹
部隠蔽部材４１４，４１４は収納庫１の後面凹部
側面を隠蔽し、台板６、凹部隠蔽部材４１４，４
１４にて、後板１２下端にてくつの収納空間を形
成し、次に前述した様に側方遮蔽板５、くつ置き
ガード７を取りつける。さらに、キヤビネツト３
を後方遮蔽板４の上部前面に位置せしめ、キヤビ
ネツト取付孔３２……と取付螺孔を一致せしめキ
ヤビネツト３側よりネジ止め固定し、本考案は完
成する。

尚、本実施例では後方遮蔽板４を側柱４１，４
１、前面パネル４２、上面パネル４３等にて構成
しているが、１枚のパネルにて構成してもよく、
また側方遮蔽板５と後方遮蔽板４を一体に、横断
面Ｌ字形に形成してもよい事はいうまでもない。

以上の如く本考案は、収納庫の後面に上方に突
出する後方遮蔽板をもうける事により、この遮蔽
板後面に衣服、ガウン等を吊り下げて収納して
も、前方より隠蔽する事が出来て非常に体裁がよ
く、ベツドの頭部壁面に設置すれば、患者は側方
より衣服の取り出しが出来るので、そのつどワゴ
ンを移動させる必要はなく、また場所をとらない
で治療のさまたげにもならず、見舞客の居場所を
制限する事もない。しかも収納庫の上面に載置板
をもうける事により必要なものが載置出来、後方
遮蔽板の上部前方に載置板から所定空間を有して
内部の収納状態が確認出来る透明、あるいは半透
明の扉を有するキヤビネツトをとりつける事によ
り、薬、食品、タオルを収納出来、しかも内部が
見透せるので、つねに清潔に保管され、不足のも
のも一目で判別出来、多くの物をコンパクトに収
納できる実用に即した有益な考案である。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示し、第１図は本考案の
側面図、第２図は本考案の正面図、第３図は本考
案の要部分解斜視図、第４図は第３図のＣ−Ｃ線
拡大断面図である。 Ａ……病室用ワゴン、Ｂ……収納部、１……収
納庫、２……載置台、３……キヤビネツト、３１
……扉、４……後方遮蔽板、１００……フツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前部に収納庫をうけ、該収納庫の上部に物品の
   載置板を取付け、収納庫の後面に上方に突出する
   縦断面逆Ｌ字形の後方遮蔽板を立設せしめ、該後
   方遮蔽板の一方の側端に後方に突出する側方遮蔽
   板を連設せしめて、後方遮蔽板の後方をガウン等
   の収納部となすと共に、前記後方遮蔽板の前面
   に、前記載置板から所定空間を有して、内部の収
   納状態が確認できる、透明あるいは、半透明の扉
   を有するキヤビネツトをとりつけ、前記収納庫の
   前方下方と、収納部下方に、自在キヤスターをと
   りつけた事を特徴とする病室用ワゴン。