JPS626986Y2

JPS626986Y2 -

Info

Publication number: JPS626986Y2
Application number: JP1981065586U
Authority: JP
Priority date: 1981-05-08
Filing date: 1981-05-08
Publication date: 1987-02-18
Also published as: JPS57179638U

Description

【考案の詳細な説明】従来、油圧作動方式の変速装置には流体圧漸増
装置を設けて、クラツチ切換の際に低下した回路
圧を徐々に設定圧まで上昇させるようにしたもの
であり、また、その流体圧漸増装置は、通常、ク
ラツチ油圧の変化に即応して作動する油圧作動機
構によつて制御されている。

しかし、従来の流体圧漸増装置では、制御手段
として用いられている機構がオリフイス、バネ等
であつて機能が特定され、流体圧の漸増時間、漸
増開始のタイミング、流体圧波形等が一義的に定
まり、例えば、車輌に取付けたクラツチの油圧路
に用いる場合には、その車種、走行条件等に合せ
る調整が難しく汎用性に乏しい。また、クラツチ
油圧変化に即応させるために加工精度が要求さ
れ、バネ等の設定が難しいなどの難点がある。

本案は、従来の流体圧漸増装置における前記の
ような難点を解消する考案に係り、入、出力ポー
トを連通する流路とロードピストン室を備えたバ
ルブボデイと、バルブボデイ内の前記流路の部分
に嵌挿されオリフイスを介して前記流路に連通し
た作動用受圧室および前記流路の絞り部を備えた
スプールと、出力ポート側に連通された前記ロー
ドピストン室内に嵌装されその排出路開放時に内
部流体を排出しかつ内部流体圧が上昇した時に前
記スプールの絞りを解除するバネ付勢されたロー
ドピストンと、前記スプールに突設され前記ロー
ドピストンに対設されたストツプロツドと、前記
排出路を開閉および絞り制御をする比例電磁弁と
を具備した点に特徴を有するものであつて、その
目的とする処は、簡単な構造にして流体圧の漸増
機能が変更可能な汎用性のある流体圧漸増装置を
供する点にある。

本案は、前記したような構成になつており、比
例電磁弁の電気信号の変更操作により、流体圧漸
増の開始タイミング、漸増開始圧、漸増時間等を
変更でき、任意の流体圧波形が得られるので汎用
性があり、例えば、クラツチ切換油路に用いる
と、各種クラツチに使用でき、クラツチ係合時
間、油圧波形等を車種、走行条件等に合せて設定
し、滑らかな変速特性が得られ、変速時のシヨツ
ク、時間遅れなどが解消される。

さらに、本案においては、簡単な構造であると
ともに、電気信号によつて作動されるため、作動
が確実となり信頼性が向上され、また、ロードピ
ストンによつてスプールの絞り作用を解除するた
め確実に作動し、スプールに突設されたストツプ
ロツドが流体圧漸増終了時にスプールを固定し、
流体圧漸増終了時におけるクラツチの保持圧が安
定されて確保されるなどの効果を有している。

以下本案の実施例を図示について説明する。第
１図において、１１はバルブボデイであつて、同
バルブボデイ１１は、入力ポート１７と出力ポー
ト１８を有し、その間を連通した流路ａと、左側
に延設されたロードピストン室２０とを備え、バ
ルブボデイ１１の流路ａの部分には、オリフイス
２７を介して流路ａに連通した作動用の受圧室２
８と、斜面２１よりなる絞り部２６を備えたスプ
ール１２が左右摺動自由に嵌挿され、同スプール
１２は、流路ａからオリフイス２７を介して受圧
室２８に流入した流体圧によつて、右側に嵌挿さ
れたスラグ１６が押されその反力によつて左側へ
動き、絞り部２６が入力ポート１７の部分の流路
ａを絞り、流路ａを流通する量を低減するように
なつている。

図中２２はバルブボデイ１１の右側に設けた段
部であり、スプール１２の右端に設けた肩部２９
が段部２２の左側に当つて、スプール１２の過度
の左動を制限する。

また、バルブボデイ１１の左側のロードピスト
ン室２０の底部側は、出力ポート１８に連通した
回路８を介し、オリフイス６，回路９，２３，２
４によつて出力ポート１８に連通され、同ロード
ピストン室２０内にはロードピストン１３が左右
動自在に嵌挿され、そのロードピストン１３は、
ロードピストン室２０の底部側に回路２４を介し
て連通した排出路１９が開いている時に内部の流
体を排出するように、スプール１２との間に介装
したバネ１５によつて付勢されている。

また、排出路１９が閉塞された時にはロードピ
ストン室２０内の圧力によりロードピストン１３
がバネ１５を圧縮しつつ右側に動き、スプール１
２から突設したストツプロツド１４を押してスプ
ール１２を右端に動かすようになつている。

さらに、排出路１９には、それを開閉するコイ
ル３１、永久磁石３２、プランジヤ３３とよりな
る電磁弁３０が設けられ、その電磁弁３０は、図
示外の電気制御部からの電気信号に応じて動作す
る比例電磁弁になつており、電気信号による通電
によつてコイル３１の磁場をつくり永久磁石３２
との反撥力でプランジヤ３３を右側へ動かして排
出路１９を閉塞するようにし、またその反撥力は
電流の強弱で変更できるようにしている。

図示の実施例は前記したようになつており、ク
ラツチの切換油圧路に用いた場合について説明す
ると、レギユレータバルブ２を有するオイルポン
プ１の吐出側の油路７が入力ポート１７に連結さ
れ、出力ポート１８に連結された油路８がシフト
バルブ３を介してクラツチ４，５の両シリンダに
連設される。

前記具体例の作用は、定常状態では、第１図の
ようにオイルポンプ１より吐出される圧油が、レ
ギユレータバルブ２で調圧され、油路７、入力ポ
ート１７、流路ａ、出力ポート１８、油路８、ク
ラツチ４のシリンダがクラツチ油圧P₄に保持さ
れ、また、ロードピストン室２０、受圧室２８内
の油圧も同様になつている。

この時、比例電磁弁３０は電気信号により励磁
されてそのプランジヤ３３で排出路１９を閉塞
し、ロードピストン室２０内の油圧によつてロー
ドピストン１３が第１図のように右側に動いてス
プール１２を右端に押つけ、流路ａは絞られてい
ない。

次に、シフトバルブ３を第２図のように切り換
えると、クラツチ４のシリンダは戻りタンク側へ
連結されて減圧され、油路８がクラツチ５のシリ
ンダに連通する。前記のクラツチ切り換えと同時
に比例電磁弁３０が消磁されるので排出路１９が
開かれ、ロードピストン室２０内の圧油はバネ１
５付勢のロードピストン１３によつて排出路１９
側へ排出されるようになる。

前記のクラツチ切換の瞬間に、油路８内の油圧
が急激に降下し、クラツチ５のシリンダに至る油
路へ、油路７、入力ポート１７、流路ａおよび出
力ポート１８のラインと、受圧室２８、油路９か
ら圧油が充填され、第３図に示すように充填中の
油圧はクラツチ５のリターンスプリングの取付荷
重により決まるP₁となり、時間t₁で充填される。

前記の充填が終ると、油路８，流路ａの部分の
油圧が急上昇するようになり、オリフイス２７を
介して流路ａから流入した受圧室２８内の上昇油
圧によつて、スラグ１６が押されその反力によつ
てスプール１２が少し左側へ動き、その絞り部２
６が入力ポート１７側の流路ａを絞るようになる
ため、流路ａの圧油流通量が大幅に低減されて前
記の油圧上昇が漸増の状態になる。

一方、その時には電気信号により比例電磁弁３
０のコイル３１が励磁され永久磁石３２との反撥
力によつてプランジヤ３３が右へ動き、排出路１
９を閉塞するように作動されており、オリフイス
６を通り油路９，２３，２４からロードピストン
室２０内に流入した圧油により内部の油圧が上昇
し、ロードピストン室２０内の上昇油圧は、比例
電磁弁３０のプランジヤ３３を左へ動かす作用を
して、排出路１９を少し開き圧油の一部を排出路
１９に排出し、ロードピストン室２０内の油圧の
作用力と比例電磁弁３０の反撥力との均衡により
排出路１９が絞り状態になり、ロードピストン室
２０内の油圧が一定になる。よつて、ロードピス
トン室２０内の油圧は、電気信号によるコイル３
１の励磁の強弱操作により左右される。

また、ロードピストン室２０内の上昇油圧は、
ロードピストン１３に作用してバネ１５を圧縮し
つつ右側へ動かす、そのためスプール１２が多少
右側へ動かされ、その絞り部２６による流路ａの
絞り度合が変わる。

従つて、電気信号による比例電磁弁３０の励磁
の時期、その強弱操作によつて、油圧漸増開始時
期、開始圧P₂、漸増中の油圧波形も変更可能であ
り、さらに、電磁弁３０の励磁を強力にしてプラ
ンジヤ３３によつて排出路１９を閉塞することに
よつて、第１図に示すようにロードピストン１３
がストツプロツド１４を押して、スプール１２を
右端に動かし、油圧漸増を終了させることがで
き、油圧漸増時間t₂も変更できる。その時の油圧
はP₃となる。

その後は、流路ａの絞り作用がなくなるので油
圧が急激に上昇して、レギユレータバルブ２が動
作する時点の油圧P₄に達し、クラツチ油圧P₄で安
定する。クラツチ５の接続は油圧漸増時t₂の最終
頃となり、油圧P₄とP₃との差圧はクラツチ接続の
維持圧となる。クラツチ４側への切換も前記と同
様である。前記ストツプロツド１４は、流体圧漸
増終了時にバネに代つてスプール１２を固定しク
ラツチの保持圧を安定、確保する。

本案の実施例は前記のようになつており、比例
電磁弁の電気信号の変更操作により、流体圧の漸
増開始タイミング、開始圧P₂、漸増時間t₂、等を
変更でき、任意の流体圧波形が得られるので汎用
性があり、例えば、クラツチ切換油路に用いる
と、各種クラツチに使用でき、クラツチ係合時
間、油圧波形等を車種、走行条件等に合せて設定
し、滑らかな変速特性が得られる。

また、簡単な構造であるとともに、電気信号に
より作動されるため、作動が確実となり信頼性が
向上され、ロードピストンによつてスプールの絞
り作用を解除するためその動作が確実に行われ
る。

前記の実施例では、電磁弁３０にプランジヤタ
イプの比例電磁弁を示したが、ボールチエツクタ
イプ等の比例電磁弁等を使用することも可能であ
る。

本案は、ブルドーザ、シヨベルローダ等の建設
機械、フオークリスト、バス、乗用等に適用で
き、クラツチに限らず一般の流体圧の漸増を要す
る回路に応用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の一実施を示す流体圧漸増装置
図、第２図は第１図の作用説明図、第３図は圧力
変化の状態図である。１……オイルポンプ、２……レギユレータバル
ブ、３……シフトバルブ、４，５……クラツチ、
６……オリフイス、７，８，９………回路（油
路）、１１……バルブボデイ、１２……スプー
ル、１３……ロードピストン、１４……ストツプ
ロツド、１５……バネ、１６……スラグ、１７…
…入力ポート、１８……出力ポート、１９……排
出路、２０……ロードピストン室、２２……段
部、２３，２４，……回路（油路）、２６……絞
り部、２７……オリフイス、２８……受圧室、２
９……肩部、３０……比例電磁弁、３１……コイ
ル、３２……永久磁石、３３……プランジヤ、ａ
……流路。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

入、出力ポートを連通する流路およびロードピ
ストン室を備えたバルブボデイと、バルブボデイ
内の前記流路の部分に嵌挿されオリフイスを介し
て前記流路に連通した作動用受圧室および前記流
路の絞り部を備えたスプールと、前記出力ポート
側に連通された前記ロードピストン室内に嵌装さ
れその排出路開放時に内部流体を排出しかつ内部
流体圧が上昇した時に前記スプールの絞りを解除
するバネ付勢されたロードピストンと、前記スプ
ールに突設され前記ロードピストンに対設された
ストツプロツドと、前記排出路を開閉および絞り
制御をする比例電磁弁とを具備したことを特徴と
する流体圧漸増装置。