JPS624731Y2

JPS624731Y2 -

Info

Publication number: JPS624731Y2
Application number: JP1981066690U
Authority: JP
Priority date: 1981-05-11
Filing date: 1981-05-11
Publication date: 1987-02-03
Also published as: JPS57179639U

Description

【考案の詳細な説明】従来、油圧作動方式の変速装置には流体圧漸増
装置を設けて、クラツチ切換の際に低下した回路
圧を徐々に設定圧まで上昇させるようにしたもの
があり、この流体圧漸増装置は、通常、クラツチ
油圧の変化に即応して作動する油圧作動機構によ
つて制御されている。

しかし、従来の流体圧漸増装置の機構では、制
御手段として用いている機構がオリフイス、バネ
等であつてその機能が特定され、油圧の漸増時
間、漸増開始のタイミング、油圧波形が一義的に
定まり、クラツチに用いた場合にその車種、走行
条件に合せる調整が難しく汎用性に乏しい。ま
た、クラツチ油圧の変化に即応させるための加工
精度が要求され、かつ、バネ等の設定が難しいな
どの難点がある。

本案は、従来の流体圧漸増装置における前記の
ような難点を解消する考案に係り、入、出力ポー
トを連通する流路とパイロツト室とを備えたバル
ブボデイと、同バルブボデイ内に摺動自在に嵌装
されオリフイスを介して前記流路に連通された作
動用の受圧室および前記流路の絞り部を備えたス
プールと、同スプールを絞り開放側へ付勢するバ
ネと、前記出力ポート側から前記パイロツト室に
連通したオリフイス付き油路および前記パイロツ
ト室の排出路と、同排出路の開閉および絞り制御
をする比例電磁弁とを具備した点に特徴を有する
ものであつて、その目的とする処は、簡単な構造
にして漸増機能を変更可能にした汎用性のある流
体圧漸増装置を供する点にある。

本案は、前記したような構成になつており、比
例電磁弁の制御信号の変更操作により流体圧漸増
の開始タイミング、漸増開始圧、漸増時間、漸増
中の流体圧波形、漸増終了圧を変更でき、即ち任
意の流体圧波形が得られるため汎用性があり、例
えば、クラツチ油圧路に用いると、各種クラツチ
に汎用でき、クラツチ係合時間、油圧波形等を車
種、走行条件等に合せて設定し、滑らかな変速特
性が得られる。

さらに、本案においては、簡単な構造であると
ともに、電気信号により操作できるため、作動が
確実となり信頼性が向上される。また、比例電磁
弁により排出路を絞つて発生するパイロツト室内
の油圧がスプールに直接に動作するため、漸増中
の流体圧波形が著しく多様化されるとともに、応
答性が良く、精度の高い漸増機能が得られる。

以下本案の実施例を図示について説明する。

第１図において１１はバルブボデイであつて、
同バルブボデイ１１は、入力ポート１７と出力ポ
ート１８、両者を連通した流路ａの部分と、左側
に延設されたパイロツト室２０を備え、バルブボ
デイ１１の流路ａの部分には、オリフイス２７を
介して流路ａに連通した作動用の受圧室２８と、
流路ａの絞り部２６とを備えたスプール１２が左
右摺動自在に嵌挿され、同スプール１２は、右側
への動きがカバー１６により制限され、また、受
圧室２８内の油圧によつてスラグ１４を押しその
反力によつて左側へ動かされ、バルブボデイ１１
に設けた段部２２によつて左側への動きが制限さ
れるようになつており、スプール１２の左側への
移動によつて絞り部２６が流路ａを絞るようにな
り、パイロツト室２０内にはスプール１２を右側
に押すバネ１３が介装されている。

また、パイロツト室２０は、出力ポート１８側
に連結された油路８、オリフイス６を介装した油
路９、油路２３，２４によつて出力ポート１８側
に連通され、さらに、油路２４に連通した排出路
１９が連設されている。

さらに、前記排出路１９には、それを開閉およ
び絞り制御をするコイル３１、永久磁石３２、プ
ランジヤ３３よりなる電磁弁１５が設けられ、そ
の電磁弁１５は、図示外の電気制御部からの電気
信号に応じて動作する比例電磁弁になつており、
電気信号により通電すると、コイル３１の磁場と
永久磁石３２による反撥力でプランジヤ３３が排
出路１９を閉じるようになつており、その反撥力
を磁力変更により変えるようにしている。一方、
オリフイス６を通り油路９，２３，２４からパイ
ロツト室２０へ流入した上昇油圧が、前記励磁に
よる反撥力に対向してプランジヤ３３を押し戻す
ように作用し、排出路１９を少し開き、油路１９
からの供給油量と排出路１９から出る油量がバラ
ンスしたところで、プランジヤ３３が排出路１９
を絞つた状態になり、パイロツト室２０内の油圧
は、比例電磁弁１５のコイル３１の励磁電流の強
弱によつて決まり、一定油圧に保たれるようにな
る。

さらに、第１図は前記構成よりなる流体圧漸増
装置をクラツチ切換の油圧路中に介装されたもの
が示されており、リリーフバルブ２を有するオイ
ルポンプ１側の油路７を入力ポート１７に連結
し、出力ポート１８に連結した油路８をシフトバ
ルブ３を介して両クラツチ４，５のシリンダに連
設している。

前記の具体例についてその作用を説明すると、
定常状態においては、第１図に示すようにオイル
ポンプ１から吐出される圧油がリリーフバルブ２
で調圧され、その圧油が油路７、入力ポート１
７、流路ａ、出力ポート１８、シフトバルブ３の
ラインを通りクラツチ４のシリンダに流入して、
第２図に示すクラツチ油圧P₁として作用し同クラ
ツチ４を接続し、前記ラインは油圧P₁になつてい
る。この時のスプール１２は右側に位置し流路ａ
は絞られていない。

次に、クラツチ４からクラツチ５に切り換える
場合について説明すると、油路８の油圧変化が第
２図に示すａ〜ｆのようになり、ａ点は、受圧面
積比からパイロツト室２０内の油圧によるスプー
ル１２への作用力が受圧室２８内の油圧による作
用よりも大きく、スプール１２が右端に動かさ
れ、流路ａはスプール１２の絞り部２６で絞られ
てなく開放され、また比例電磁弁１５が励磁され
てそのプランジヤ３３が排出路１９を大きく絞つ
てパイロツト室２０内の油圧が最大になつている
状態であり、前記のように油路８内の油圧はP₁と
なりクラツチ４が接続されている。

ａ，ｂ間は、シフトバルブ３を切り換えて油路
８をクラツチ５のシリンダ側へ連通した時の状態
を示し、この時は比例電磁弁１５が消磁されパイ
ロツト室２０内の油圧は排出路１９へ排出され
る。このクラツチ切換えの瞬間に油路８内の油圧
が急激に降下し、同時にパイロツト室２０、受圧
室２８内の油圧も降下するが、スプール１２はバ
ネ１３によつて右端に押しつけられた状態にあ
る。

ｂ，ｃ間は、油路８からクラツチ５の間の圧油
充填時を示し、充填圧油は入力ポート１７、絞ら
れていない流路ａ、出力ポート１８ラインと、受
圧室２８、油路９からの補充により供給され、そ
の間の油圧はクラツチ５のシリンダのリターンス
プリングの取付荷重により決まるP₂となり、比例
電磁弁１５を励磁してプランジヤ３３で排出路１
９を閉塞すると、パイロツト室２０内の油圧が上
昇し始め、ｃ点より油路８内の油圧が急上昇する
ようになる。

ｃ，ｄ間は、クラツチ５側への圧油補給完了か
ら油路８、出力ポート１８、流路ａライン内の油
圧の急上昇時を示し、オリフイス２７を介して流
路ａから流入した圧油によつて受圧室２８内の油
圧が上昇すると、該上昇油圧によつてスラグ１４
を押しその反力によりスプール１２が少し左へ動
き、その絞り部２６が流路ａを絞つて、油路８側
への圧油供給量が大幅に低減されて油圧漸増の状
態となり、一方、オリフイス６を通り油路９，２
３，２４からパイロツト室２０に流入した圧油が
上昇すると、その上昇油圧で排出路１９を閉塞し
ているプランジヤ３３を左へ動かし、排出路１９
を少し開いた絞りの状態になり、パイロツト室２
０内の圧油上昇が制限され、パイロツト室２０内
の油圧でスプール１２を右へ動かすまでには至ら
ない。この時点ｄの油路ラインの油圧はP₃とな
る。

ｄ，ｅ間は、油路８、クラツチ５のシリンダ間
の油圧漸増時を示し、電気制御信号によつて比例
電磁弁１５の励磁力を強めプランジヤ３３を右へ
動かす反撥力を増すと、排出路１９の絞り即ち開
口が小さくなり、パイロツト室２０内の油圧が増
加し、その結果、スプール１２が少し右へ動いて
その絞り部２６の絞り度が変るため、油圧漸増当
初の油圧P₃が変り、油圧漸増波形が第２図のＡ，
Ｂ，Ｃのようになり、また電気制御信号による比
例電磁弁１５の励磁の強さ変更により油圧漸増ス
ピード即ち時間を変えることができ、さらに、比
例電磁弁１５の励磁を最大にして排出路１９が閉
鎖されるようにすると、パイロツト室２０内の上
昇油圧によりスプール１２を右端に押しつけて流
路ａの絞りがなくなる。その時点ｅの油圧はP₄に
なる。

ｅ，ｆ間は、排出路１９が閉塞され、流路ａの
絞りがなくなつた状態を示し、開放された油路ａ
によりオイルポンプ１からの圧油供給により油圧
が急激に上昇し、リリーフバルブ２が作動して油
圧P₁となり安定する。

本案は、前記したようになつており、油圧漸増
開始のタイミング、漸増開始圧P₃、漸増時間ｔ、
漸増中の油圧波形、漸増終了圧P₄を変えることが
でき、構成部品を変えないで制御信号により任意
のクラツチ油圧波形を得ることができる汎用性を
備えている。

よつて、その任意のクラツチ油圧波形により、
クラツチ係合時間、係合油圧、等を車種、走行条
件に合せて設定し、滑らかな変速特性を得ること
ができる。また、電気的信号により操作するた
め、作動が確実となり信頼性を向上でき、かつス
プールは直接に油圧により作動させるため応答性
が良く、精度の高い漸増機能が得られる。

本案は、ブルドーザ、シヨベルローダ等の建設
機械、フオークリフト、バス、乗用車等に適用で
き、クラツチに限らず一般の流体圧の漸増を要す
る回路にも応用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の一実施例を示す流体圧漸増装置
図、第２図は第１図の圧力変化の状態図である。１：オイルポンプ、２：リリーフバルブ、３：
シフトバルブ、４，５：クラツチ、６：オリフイ
ス、７，８，９：油路、１１：バルブボデイ、１
２：スプール、１３：バネ、１４：スラグ、１
５：比例電磁弁、１７，１８：入、出力ポート、
１９：排出路、２０：パイロツト室、２２：段
部、２３，２４：油路、２６：絞り部、２７：オ
リフイス、２８：受圧室、３１：コイル、３２：
永久磁石、３３：プランジヤ、ａ：流路。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

入、出力ポートを連通する流路およびパイロツ
ト室を備えたバルブボデイと、同バルブボデイ内
に摺動自在に嵌装されオリフイスを介して前記流
路に連通された作動用の受圧室および前記流路の
絞り部を備えたスプールと、同スプールを絞り開
放側へ付勢するバネと、前記出力ポート側から前
記パイロツト室に連通したオリフイス付き油路お
よび前記パイロツト室の排出路と、同排出路の開
閉および絞り制御をする比例電磁弁とを具備した
ことを特徴とする流体圧漸増装置。