JP2646908B2 - 油圧作動機器の制御油圧回路 - Google Patents

油圧作動機器の制御油圧回路

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JP2646908B2
JP2646908B2 JP3263765A JP26376591A JP2646908B2 JP 2646908 B2 JP2646908 B2 JP 2646908B2 JP 3263765 A JP3263765 A JP 3263765A JP 26376591 A JP26376591 A JP 26376591A JP 2646908 B2 JP2646908 B2 JP 2646908B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動変速機のロ
ックアップ制御油圧回路等の制御油圧回路に関する。
【0002】油圧作動機器における作動油圧制御回路
で、作動油圧系に、コントロールユニットからの出力制
御信号に基づき該信号に応じた油圧を発生させる機構を
有して、対象作動要素を油圧作動させる所要の制御圧を
得るよう構成するものでは、電子制御による作動圧の調
整制御が可能である。例えば、自動変速機の場合でいえ
ば、日産自動車(株)発行「RE4R01A型オートマ
チックトランスミッション整備要領書」に記載の如く、
トルクコンバータのロックアップクラッチの作動のため
ロックアップソレノイドを制御してロックアップ(L/
U)制御を行う。このものについていえば、ロックアッ
プ締結へ移行する際に、スリップ制御を行い、ショック
低減を図ることもできる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかして、このような
作動油圧回路において、電子制御されるソレノイドの制
御量が或る制御値の場合に対応して得られる調整制御圧
は予めそれに対して設定された油圧値のもので、ゲイン
は、一つのソレノイドに対する制御で実現されるのは1
種類のものに留まり、2種以上のゲイン特性のものを使
い分けて油圧作動を行えるといったような機能までは有
してはいない。前掲文献のロックアップ制御は、従前制
御に比べきめ細かな油圧制御がなし得るものであるとこ
ろ、特にこうしたロックアップ切換えにおいて、例えば
ゲインを互いに異なる2つの特性のものに切換えられれ
ば、スリップL/Uと完全L/Uとを一層高度なレベル
で両立させることが可能で、より一層のショック低減を
図る一方で容量の確保をも実現し得てロックアップ制御
の機能を更に高めるものにすることができるが、ゲイン
が一律であるときは、そのままでは、かような制御は行
いにくく、対応は難しい。
【0004】本発明の目的は、制御信号により制御可能
なソレノイドの作動に基づき対象作動要素を油圧制御す
るのに用いる油圧を得る油圧作動系に改良を加え、ゲイ
ンの使い分けが可能で、制御の幅を拡大し対応性を高め
ることのできる制御油圧回路を提供することである。更
には、自動変速機でのロックアップ制御に適用して好適
な制御油圧回路を提供しようというものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記の
制御油圧回路が提供される。制御信号により制御可能な
ソレノイドの作動に基づき、油圧作動機器の作動要素を
油圧制御するのに用いる油圧を得ることのできる油圧作
動系において、前記制御信号によりデューティ制御で電
子制御される前記ソレノイドからのソレノイド出力圧で
あって油圧制御における前記制御信号に対するゲインが
第1の状態のデューティソレノイド出力圧を一端に作用
させ、これに対応して油圧を調圧してその第1の状態と
異なる第2の状態のゲインの出力圧を出力する調圧弁
と、互いにゲインの異なる前記デューティソレノイド出
力圧と調圧弁出力圧とを切換えて出力する切換手段とを
備えてなる油圧作動機器の制御油圧回路、及び上記にお
いて、前記調圧弁と切換手段によるゲイン切換えが、自
動変速機におけるロックアップ制御でのロックアップゲ
インの切換えであり、前記ソレノイドが、デューティ制
御されるロックアップソレノイドであって、該ロックア
ップソレノイドによるデューティソレノイド出力圧を利
用し、ロックアップ締結へ移行する際のスリップロック
アップの第1の制御のときと、そのロックアップ締結の
状態での第2の制御のときとで、該第1の制御における
ゲインG1 と第2の制御におけるゲインG2 とが、 G1 <G2 となるようロックアップゲイン切換えを行うロックアッ
プ制御用の油圧作動機器の制御油圧回路である。また、
制御信号によりデューティ比に応じたデューティソレノ
イド出力圧が得られるようデューティ制御可能なロック
アップソレノイドの作動に基づき、トルクコンバータの
ロックアップクラッチの締結、解除を制御する自動変速
機のロックアップ制御油圧回路であって、前記ロックア
ップソレノイドのデューティソレノイド出力圧が導か
れ、前記ロックアップクラッチの油圧作動のためのロッ
クアップ制御圧を調圧するロックアップコントロール弁
と、該ロックアップ制御での制御ゲインを、前記デュー
ティソレノイド出力圧を利用してゲインの小なる状態と
大なる状態とに切換えるゲイン切換え機構とを備え、該
ゲイン切換え機構は、ゲイン切換弁を有し、前記デュー
ティソレノイド出力圧に応じて、該ソレノイド出力圧
が、該切換弁の切換え圧未満であるときは該ソレノイド
出力圧を出力する第1の切換え位置をとり、該切換え圧
を上回っているときはソレノイド出力圧を出力しない第
2の切換え位置をとる構成とされるとともに、前記切換
弁の出力圧を前記ロックアップコントロール弁に対し、
前記ロックアップソレノイドからのデューティソレノイ
ド出力圧と対向する方向に作用させる構成とし、ロック
アップ締結へ移行する際のスリップロックアップの第1
の制御のときと、そのロックアップ締結の状態での第2
の制御のときとで、前記切換弁が第1の切換え位置と第
2の切換え位置とに切換えられ、該第1の制御における
ゲインG1 と第2の制御におけるゲインG2 とが、 G1 <G2 となるようロックアップゲイン切換えを行うロックアッ
プ制御用の作動油圧機器の制御油圧回路である。
【0006】
【作用】請求項1では、油圧作動系において、制御信号
により制御可能なソレノイドの作動に基づき油圧作動機
器の作動要素を油圧制御するのに用いる油圧を得るが、
油圧制御における制御信号に対するゲインは一律のもの
ではなく、電子制御されるソレノイドのデューティソレ
ノイド出力圧を利用したゲイン切換えを行えるので、そ
の第1の状態での制御と第2の状態での制御を使い分け
ることが可能であり、ゲインの小なる状態とゲインの大
なる状態とを使い分けられる。これにより、油圧制御
で、例えば、容量はそれ程要求されないがよりきめ細か
な制御を要求されるような場合には第1の状態を、また
容量重視で大容量が望まれるような場合には第2の状態
を、夫々使用するよう各ケースにより適合する選択的な
使用も可能ならしめ、しかも、これを1つのソレノイド
に対する制御をもって行うことができる。また、この場
合、制御信号によりデューティ制御で電子制御されるソ
レノイドからのソレノイド出力圧であって油圧制御にお
ける制御信号に対するゲインが第1の状態のデューティ
ソレノイド出力圧を一端に作用させ、これに対応して油
圧を調圧して異なる第2の状態のゲインの出力圧を出力
する調圧弁と、これら互いにゲインの異なるデューティ
ソレノイド出力圧と調圧弁出力圧とを切換えて選択的に
出力をする切換手段からなる構成とできるので、従って
請求項1では、2つの弁で、狙いとするゲイン変更、即
ち1つのデューティソレノイドに対する制御によるゲイ
ン切換えが実現され、上記の如くの効果が得られる。従
ってまた、請求項1のように、かかる調圧弁と、互いに
ゲインの異なるデューティソレノイド出力圧と調圧弁出
力圧とを切換えて出力をする切換手段(調圧弁ではな
い)によるものは、スペース、コストともに有利なもの
となる。請求項2の場合には、請求項1記載の油圧作動
機器の制御油圧回路において、前記調圧弁と切換手段に
よるゲイン切換えを、自動変速機におけるロックアップ
制御でのロックアップゲインの切換えとするもので、こ
れも、自動変速機のロックアップ制御でのデューティ制
御される使用ロックアップソレノイドとしては1つでよ
く、当該ロックアップソレノイドによるデューティソレ
ノイド出力圧を利用し、ロックアップ締結へ移行する際
のスリップロックアップの第1の制御のときは、ロック
アップゲインはゲインG2 より小さなゲインG1 を使用
し、ロックアップ締結の状態での第2の制御の場合では
ゲインG1 より大きなゲインG2 となるようにロックア
ップゲインを切換える。これにより、請求項1の場合と
同様の作用効果に加え、請求項2では、自動変速機のロ
ックアップ制御において、スリップロックアップ制御で
は低容量きめ細かな制御をより正確に行える一方、完全
にロックアップすることが必要で容量が大きい場合には
よりそれに合うように制御をすることを可能ならしめ、
ロックアップでの第1の制御と第2の制御も高度レベル
で両立させられる。また、請求項3は、同じく、自動変
速機のロックアップ制御に適用したものであるが、後述
する第2実施例に従うゲイン切換えによる形式に対応す
る。この場合にあっては、ロックアップソレノイドのデ
ューティソレノイド出力圧が導かれ、ロックアップクラ
ッチの締結、解除の油圧作動のためのロックアップ制御
圧を調圧するロックアップコントロール弁を備える構成
のロックアップ制御用の油圧回路を基本として、これ
に、請求項3記載の如くにゲイン切換弁を設けてロック
アップコントロール弁へ該切換弁の出力圧を作用させる
ものである。ここに、デューティソレノイド出力圧を利
用してゲインの小なる状態と大なる状態とに切換えるゲ
イン切換え機構のゲイン切換弁は、デューティソレノイ
ド出力圧に応じて、該ソレノイド出力圧が、該切換弁の
切換え圧未満であるときは該ソレノイド出力圧を出力す
る第1の切換え位置をとり、該切換え圧を上回っている
ときはソレノイド出力圧を出力しない第2の切換え位置
をとる構成とし、かつソレノイド出力圧が該切換弁の切
換え圧未満であるとき、該切換弁がソレノイド出力圧を
出力し、この出力圧を前記ロックアップコントロール弁
に対し、前記ロックアップソレノイドからのデューティ
ソレノイド出力圧と対向する方向に作用させる構成とし
て、ロックアップ締結へ移行する際のスリップロックア
ップの第1の制御のときは、ロックアップゲインはゲイ
ンG2 より小さなゲインG1 を使用し、ロックアップ締
結の状態での第2の制御の場合ではゲインG1 より大き
なゲインG2 となるようにロックアップゲインを切換え
る。これにより、請求項2の場合とは異なる手段ながら
も、同様に、自動変速機のロックアップ制御において、
スリップロックアップと完全ロックアップとの両立を高
度のレベルで達成でき、デューティ比に応じたデューテ
ィソレノイド出力圧が得られるようデューティ制御可能
な1つのロックアップソレノイドに対するデューティ比
制御をもって、これら夫々の領域での制御に合うよう前
記ロックアップコントロール弁によるロックアップ制御
圧の調圧を実現することができる。また、請求項3で
は、ロックアップコントロール弁とゲイン切換弁からな
る構成とできるので、請求項1及び請求項2と同様、2
つの弁でゲイン切換えが実現できるほか、この場合にお
いて、そのロックアップコントロール弁は調圧弁構成で
あるものの、そのゲイン切換弁については、デューティ
ソレノイド出力圧に応じて、ソレノイド出力圧が、当該
切換弁の切換え圧未満であるときは該ソレノイド出力圧
を出力する第1の切換え位置をとり、該切換え圧を上回
っているときはソレノイド出力圧を出力しない第2の切
換え位置をとるON/OFF切換えの弁(調圧弁構成で
はない)とすることができ、かかる構成の簡易な弁を用
いてロックアップ制御油圧回路を得ることができる利点
がある。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1及び図2は、本発明の一実施例を示す。
図1に示すように、本実施例回路では、コントロールユ
ニット1により電子制御可能なソレノイドであるデュー
ティソレノイド2を有する他、ソレノイド2の出力信号
圧(ソレノイド圧)を利用したゲイン切換え機構を構成
する調圧弁3、電磁切換弁4を有する。
【0008】デューティソレノイド2は、コントロール
ユニット1からの制御信号により一定周期でON−OF
F制御されると共に、該一定周期に対するONまたはO
FF時間の比率(デューティ比)を制御されて、油路5
内に、デューティ比に応じた圧力を制御圧として発生さ
せる。ここでは、油路5には、パイロット圧Pp を図2
に実線で示すような調圧特性(イ)で調圧して得られる
油圧(第1調圧圧)が生ずるものとする。該第1調圧特
性に従ってデューティ比に応じた値のものとして発生せ
しめられる油圧Pは、ソレノイド2でのデューティ制御
で得られるソレノイド圧そのものであり、後述の電磁切
換弁4による切換え作動で該ソレノイド圧側が選択され
ている状態では、これがデューティ比に対応した制御圧
としてそのまま適用される。
【0009】上記油路5には、更に分岐油路5aを設
け、これを調圧弁3に至らしめて油路5の油圧、従って
上述のソレノイド圧を調圧弁3に作用させる。該調圧弁
3は、ソレノイド圧に応じ、油路6から供給される油圧
o (元圧)を調圧(減圧)して油路7にその調整圧を
得るよう調圧する弁であり、ソレノイド圧は、かかる調
圧をするための信号圧として該弁3に供給され、油路7
の油圧調整の用にも供されることになる。その弁構造
は、基本的には減圧弁であって、デューティソレノイド
2で得られるソレノイド圧に対応して、従って換言すれ
ば該ソレノイド2でのデューティ制御によるデューティ
比に応じたものとして減圧が行われ、結果、油路7に
は、油圧PO を図2に破線で示すような調圧特性(ロ)
で調圧して得られる油圧(第2調圧圧)が生ずる。こう
して、調圧弁3を介した場合の第2調圧特性に従う油圧
Pも、デューティ比に応じた値のものとして発生せしめ
られることとなり、1つのデューティをもって、デュー
ティ比に対する変化度合が図2に示す如く特性(イ)と
特性(ロ)のように異なる2種類のものを本例では得る
ことができる。
【0010】即ち、コントロールユニット1によるデュ
ーティソレノイド2の制御時に、デューティ比を可変す
るとデューティ比に応じて変わる制御圧を生じさせるこ
とができるわけであるが、この場合に、油路5側には図
2の特性(イ)のような第1調圧特性による油圧を得る
ことができると共に、1つのデューティソレノイド2に
対するデューティ制御によって、油路7側には上記特性
(イ)と制御ゲインの異なる特性(ロ)のような第2調
圧特性に従う油圧を得ることかできるのである。従っ
て、本実施例では、デューティ比が何%と設定されたと
きに得られる油圧は2種類(第1調圧で得られる低い
値、第2調圧で得られる高い値)あり、また、ゲインも
一律の1種類ではなく1つのデューティソレノイドに対
して2種類のものが得られ、これらを状況によって使い
分けることができる。
【0011】そのため、上記の各油路5,7は、これを
電磁切換弁4に接続する。該切換弁は、ON/OFFソ
レノイドの作動により切換える二位置切換弁で、油路5
側を油路8へ通じるか、油路7側を油路8へ通じるかを
選択的に切換えるものとする。この場合の電磁切換弁4
の切換えは、そのON/OFFソレノイドをコントロー
ルユニット1により制御してこれを行うこととし、電磁
切換弁4に対してはそのための切換制御信号をコントロ
ールユニット1から送出するものとなす。
【0012】上記構成において、油路8の油圧を制御圧
として油圧作動機器の作動制御に供する場合、高い圧が
得られるようにする場合と、低い細かな制御ができるよ
うにする場合とに切換えることができ、ON/OFFソ
レノイドの作動で電磁切換弁4を切換えれば、第1,第
2の調圧特性のうちの対応するものが選択されゲインが
切り替わる。例えば、容量が重視されて大きな容量が望
まれるような場合には、油路7側に切換えて、図2の第
2調圧の方をそのための制御圧として使用すればよい。
この場合は、同一のデューティ比であっても、第1調圧
の方に比べ高い制御圧Pがデューティ制御で得られ、大
容量に適し、容量を確保したい場合の制御により適合す
るものとすることができる。
【0013】一方、容量はそれ程要求されないが、より
きめ細かな制御を要求されるような場合には、上記に代
えて、油路5側に切換えるように制御し、図2の第1調
圧の方を使用すればよい。図2の特性(イ)、(ロ)で
も示されるように、同じ制御圧範囲でも、第2調圧特性
(ロ)のものの場合にはデューティ制御の範囲が狭い
分、細かな制御は、第1調圧特性の場合に比し行いにく
いものとなるところ、特性(イ)の第1調圧の方は、低
容量を正確に制御したい場合に適する。従って、このよ
うな場合には、第1調圧によるソレノイド圧そのものを
制御圧として使用するべく、コントロールユニット1で
電磁切換弁4を切換えればよく、これにより制御の範囲
が広がり、その分よりきめ細かな制御が可能となる。
【0014】ソレノイド2の信号圧を利用したゲイン切
換え機構は、上述の如く、きめ細かな制御と大容量の制
御の使い分けが可能で、1つのソレノイド2でこれらの
制御の両立を図ることができ、本発明に従う油圧回路の
如くのゲイン切換え機構を有しないものに比べ、制御性
の幅を拡大し、対応性を高めることができる。
【0015】更にまた、上記は次のような点でも、その
機能を効果的に高めるとこができる。調圧特性におい
て、一般的にいうならば、その特性上の下限側や上限側
と、中央部分とを比較するときは、前者は後者に較べて
制御精度が出にくいといえることから、使いにくく、従
って、特性上後者の中央部分の方が使い易い。そこで、
なるべく特性の中央寄りの領域を使いたいのであるが、
1つのデューティソレノイドで調圧値としての1種類の
ゲインしか得られないときは、そのままでは上記のよう
な要望に応えにくいものであるのに対し、図2のような
2種類の特性が得られる場合は、特性(イ)、(ロ)の
どちらのものでも、比較的夫々の特性の中央寄りの部分
を使用することができる結果、そうした要求にも応えら
れることとなり、制御精度の向上にも寄与し、特により
きめ細かく正確な制御をしたいときに特性(イ)の方を
選択的に使用できるのは、かかる点でも効果的である。
【0016】なお、本実施例回路は、種々の用途に適用
可能で、例を挙げれば、自動変速機におけるロックアッ
プ(L/U)切換えにおいてスリップL/U制御と完全
L/U(フルL/U)の切換え用などに応用することも
でき、その場合は、図1の油路8の制御圧はL/U制御
圧として適用される。
【0017】次に、本発明の他の実施例に係るロックア
ップ信号圧のゲイン切換えについて説明する。本実施例
は、前記第1実施例によるものが図2に示すような特性
のものを得るものであったのに対し、図4に示す如く所
定のデューティ比D1 においてゲインが切換わるように
したものである。より詳しくは、図3のように、自動変
速機のトルクコンバータ10におけるロックアップ制御
に適用したもので、その場合のロックアップのゲインを
図4の如くに切換えるものとする。本実施例でも、コン
トロールユニットにより電子制御されるソレノイドは1
つであり、ゲイン切換えは、やはり該ソレノイドの出力
信号圧を利用してこれを行う。
【0018】図3において、自動変速機(A/T)のト
ルクコンバータ(TC)10は、アプライ側油圧
APP 、レリース側油圧PREL が制御されるアプライ室
10a、レリース室10bを有する。トルクコンバータ
10内のロックアップクラッチ(不図示)の油圧作動の
ための制御油圧回路は、ロックアップコントロール弁2
0、ロックアップソレノイド21としてのデューティソ
レノイドを有する。ロックアップコントロール弁21
は、トルクコンバータ元圧(PTC)を供給され、ロック
アップを作動または非作動とするためのコントロール弁
で、その弁構造自体は例えば前掲文献記載の構造のもの
であってよい。該コントロール弁21は、パイロット圧
を基にそのデューティ制御でロックアップソレノイド2
1によって得られる油圧、即ちソレノイド出力圧に応じ
てトルクコンバータ10のアプライ室及びレリース室へ
の油圧の供給方向、油圧値を調整し、ロックアップクラ
ッチの締結・解除を制御する。ロックアップソレノイド
21の制御は、A/Tコントロールユニット22からの
制御信号によりこれを行う。
【0019】本実施例では、上記のような基本的なロッ
クアップ制御用の油圧回路において、ロックアップゲイ
ンコントロール弁23を設け、該コントロール弁23に
ソレノイド21の出力圧を導き、これを利用してゲイン
切換えをなすものとする。この場合のロックアップゲイ
ンコントロール弁23は、前記図1の電磁切換弁4によ
るものと異なり、油圧により切換わるゲイン切換弁とし
て機能し、所定の予め設定されたデューティ比D1 のと
き、該弁が油圧作動で切換わり、これにより圧をロック
アップコントロール弁側へフィードバックするようにし
デューティ比に対するロックアップ圧PLUの特性を勾配
を急なものとなして(傾を変えて)、図4に示す特性を
実現している。
【0020】図4の特性の場合も、ロックアップゲイン
を2種類のものとすることができ、ロックアップゲイン
コントロール弁23が切換わるデューティ比D1 の前後
の夫々の領域で、低容量の場合をスリップL/U領域と
し、大容量の場合をフルL/U領域とすれば、より適切
なロックアップ制御が可能となる。スリップロックアッ
プ制御のように、ロックアップ締結状態へ移行する際の
ショックを低減し、なめらかなロックアップを行うとき
には、きめ細かな制御に適するスリップL/U領域の特
性を使用し、完全にロックアップすることが必要で容量
が大きい場合にはその状態に適するフルL/U領域の特
性を使用して、ロックアップ制御ができるのであり、こ
れらスリップロックアップと完全ロックアップとを高度
なレベルで両立させることができる。
【0021】更に、本実施例の場合は、第1実施例のよ
うなON/OFFソレノイドによるゲイン切換えではな
く、従ってそのための電磁切換弁などを設けないでも済
む。
【0022】次に例をもって示すのは、前記第1実施
例、第2実施例のうちの後者の図4によるゲイン切換え
による形式のものであって、以下図5を参照して具体的
に説明する。同図において、ロックアップトルクコンバ
ータは、アプライ室10a、レリース室10b、ロック
アップクラッチ10c等を有する。各室10a,10b
はロックアップコントロール弁30が接続され、アプラ
イ室10aは油路41を介して、またレリース室10b
は油路42を介して、夫々接続する。油路41,42へ
の油圧の供給状態がロックアップコントロール弁30に
よって制御される。
【0023】ロックアップコントロール弁30は、スプ
ール30a、プラグ30b、ばね30cを備えると共
に、スプールの図中左端側に室30dを、またプラグの
図中右端側に室30eを有し、更にドレンポート30f
を有する。ロックアップコントロール弁30にはまた、
前記油路41,42の他、油路43,44,45,46
及び47を夫々図示の如くに接続する。油路43には、
不図示のトルクコンバータリリーフ弁からトルクコンバ
ータ元圧としてのトルクコンバータ作動油圧が供給され
る。かかるトルクコンバータリリーフ弁は、これも不図
示のプレッシャーレギュレータ弁から供給される油圧を
用いて調圧作用を行い、当該油路43に出力する。油路
44は、これを油路48を介しオイルクーラーと接続
し、クーラーアウトの油はこれを潤滑の用に供する。
【0024】また、油路45は、これによって前記室3
0dへの圧力供給をなし、該油路45はオリフィス49
を介し、一定のパイロット油圧が供給されている油路5
0へ至らしめる。油路45には、上記オリフィス49下
流側においてその途中にデューティ制御されるロックア
ップソレノイド51を設ける。
【0025】上記ロックアップソレノイド51は、プラ
ンジャ51aを有し、OFF時(非通電状態)でプラン
ジャ51aを進出されてドレンポート51bを閉状態と
し、ON時(通電状態)でドレンポート51bを開状態
として油路45をドレンに通じさせるものとする。ロッ
クアップソレノイド51のそのコイルは、A/Tコント
ロールユニットからの制御信号により一定周期でデュー
ティ比制御される。ON、OFF信号の割合は、A/T
コントロールユニットが各種センサ信号を基に車両走行
状態に応じて決定し、ロックアップソレノイド51は一
定周期に対するON時間の比率(ONデューティ比)を
制御され、それに応じてドレンポート開時間割合を制御
されて油路45の油圧をオン時間割合に反比例するよう
に調圧し、油路45内にデューティ比に応じた制御圧を
発生させる。例えば、デューティ比0%では、油路45
の制御圧は元圧である油路50のパイロット油圧と同じ
であるが、デューティ比を増大させると、即ちドレン回
路の開時間割合が多くなって、ロックアップコントロー
ル弁30の室30dに作用するロックアップデューティ
ソレノイド圧、即ち制御圧は低下する。
【0026】ゲイン切換えの用に供するロックアップゲ
イン切換弁60は、スプール61及びばね62を備える
と共に、図示の如くのポート63〜65を有する。これ
らポートについては、ポート63は油路66と、ポート
64はロックアップコントロール弁30に接続の油路4
7と夫々接続し、ポート65はドレインポートとする。
上記スプール61に関し、前記の油路45には更に油路
67を分岐して設けて該分岐油路内圧力をスプール受圧
面に作用させるべく切換弁60に接続し、また、ポート
63に接続の油路63は、これを前記オリフィス49上
流位置で油路50へ接続する。
【0027】ロックアップコントロール弁30は、その
スプール30a及びプラグ30bを同軸に突合せて構成
し、スプール30aが上半部図示の限界位置の時、油路
43をトルクコンバータレリース室10bからの油路4
2に通じさせると共に、アプライ室10aの油路41を
油路44に通じさせ、スプール30aが下半部位置へ左
行するとき油路43を油路41側へ通じさせるように
し、スプール30aが更に左行するとき下半部図示の限
界位置では油路42をドレインポート30fに完全に通
じさせるものとする。かかるスプール30aのストロー
クを制御するため、スプール30aの端面を室30aに
臨ませ、これに油路45の油圧を作用させ、プラグ30
bの端面が臨む室30eにオリフィスを介して油路46
の圧力を導く。
【0028】ロックアップコントロール弁30は室30
dに供給する圧力(油路45のロックアップデューティ
ソレノイド圧)によりスプール30aをストローク制御
され、該圧力が高い間スプール30aはそれによる圧力
(スプールへの図中右向きの力)を端面に受け、ばね力
とあわせて図中上半部位置を保つ。このとき、トルクコ
ンバータ元圧油路43の油は、油路42、レリース室1
0b、アプライ室10a、油路41、油路44に通流
し、油路48より排除される。図中上半部の状態では、
こうして、油路43のトルクコンバータ作動圧が油路4
2を介してレリース室10bに供給され、更に該レリー
ス室10bの油圧がトルクコンバータカバーとロックア
ップクラッチ10cとの間を介しアプライ室10a側へ
流入し、油路41を通してコントロール弁30へ戻り、
油路44側へと排除されることとなる。このため、レリ
ース室10bの油圧とアプライ室10aの油圧とは同一
(なお、厳密にはアプライ室10aが下流側にあるため
流路損失によりアプライ室10a側がわずかに低い状態
となる)となり、ロックアップクラッチ10cは解除状
態となる。即ち、トルクコンバータは流体を介してのみ
回転力を伝達するトルクコンバータ状態となり、かくし
て、該コンバータ状態で動力伝達を行う。
【0029】一方、この場合において、ロックアップゲ
イン切換弁60は、分岐油路67を通した油路45のロ
ックアップデューティソレノイド圧の作用により、その
スプール61を図示右半部位置に切換えられた状態にあ
り、該スプールの右半部位置では油路47はドレインポ
ート65へ通じ、その圧力は0とされる(それ故、この
とき、油路47によっては、ロックアップコントロール
弁30のプラグ、従ってスプールへの図中左向きの力は
付与されない)。かかるゲイン切換弁の状態は、分岐油
路67の油圧低下、従ってロックアップデューティソレ
ノイド圧(制御圧)の低下で、所定デューティ比D1
応じたものとなる時にばね62によりスプール61が図
示左半部位置へと切換えられるまで維持され、該切換え
後は、油路66、ポート63,64、及び油路47を介
してロックアップコントロール弁30のプラグ30bに
パイロット油圧が作用し、その時点からはスプール30
aに対し油路47側からの図中左向きの力を付与するの
である。
【0030】ロックアップコントロール弁30のスプー
ル30aは、ロックアップソレノイド51によって制御
されることになり、ロックアップゲイン切換弁60によ
るゲイン切換えをも含めてそのロックアップデューティ
ソレノイド圧により制御されるのである。例えば、ロッ
クアップソレノイド51のデューティ比が0%の場合に
はドレインポート51bがプランジャ51aによって完
全に閉鎖されるため、油路45には油路50と同一のパ
イロット油圧が発生し、これがロックアップコントロー
ル弁30の図中左端の室30dに作用することになる結
果、スプール30aは図中上半部に示す状態となり、油
圧がレリース室10b側が供給されることになって、ロ
ックアップクラッチ10cは解除状態となることは既に
みた通りである。かつまた、この場合、ロックアップゲ
イン切換弁60は図中右半部の切換状態をとることも上
述の通りである。
【0031】しかして、かようなロックアップ解除状態
からロックアップ締結状態へ移行する際、ロックアップ
ソレノイド51のON時間割合をA/Tコントロールユ
ニットが制御し、デューティ比を増大させて制御圧(ソ
レノイド圧)を低下し、これによりロックアップコント
ロール弁30を介してトルクコンバータをスリップ制御
状態で機能させる。即ち、上記した状態からロックアッ
プソレノイド51に与えるデューティ比を次第に増大さ
せると、デューティ比に応じてドレンポート51bから
油が排出され、油路45の油圧が低下していく。このた
め、ロックアップコントロール弁30のスプール30a
の室30dに作用する油圧が低下し、スプール30aは
図中左方向に移動していく。スプール30aの所定量の
左行があると、油路42がわずかにドレン用のポート3
0fに連通する状態となり、同時に油路43が油路41
と連通する状態となる。油路42の油圧は油路46を介
してプラグ30b端部の室30eにフィードバックされ
ているため、ロックアップコントロール弁30は調圧状
態となり、油路42の油圧は油路45からスプール30
aの室30d内に作用する油圧に応じて調圧されること
になる。即ち、かかる状態ではトルクコンバータには油
路41からアプライ室10aへ油圧が供給され、アプラ
イ室10aの油圧はロックアップクラッチ10cとカバ
ーとの間のすきまを通ってレリース室10bに入り、油
路42から排出されることになる。この場合の油路42
の油圧が、油路45の油圧、従ってロックアップソレノ
イド51のデューティ比に反比例して調整される油圧に
より、制御されることになる。アプライ室10aの油圧
よりもレリース室10b側の油圧が低くなるため、ロッ
クアップクラッチ10cはカバーの摩擦面に対して押圧
されることになるが、該ロックアップクラッチを押圧す
る力が上述のようにロックアップソレノイド51によっ
て制御されることになる。
【0032】かくして、油路45に接続のロックアップ
コントロール弁30の室30d内の圧力を低下させるに
つれ、スプール30aは油路46からの圧力作用の下、
プラグ30bを介し図中左行され、油路43からの調圧
油(トルクコンバータ元圧)が油路41、アプライ室、
レリース室、油路42、ドレンポート30fへと流れ、
トルクコンバータは、室30a内の圧力低下につれスリ
ップが減少するようなスリップ制御状態で動力伝達を行
う。
【0033】他方、デューティ比の増大による油路45
の油圧の低下に伴い、デューティ比D1 の油圧まで低下
すると、ロックアップゲイン切換弁60が切換わり、油
路47を油路63に通じさせ、ロックアップコントロー
ル弁30のプラグ30bの受圧面積差部分にパイロット
油圧を作用させることによりスプール30aに図中左方
向の力を付与する。結果、これによりゲイン切換えが行
われ、デューティ比D1 までの領域でのゲインと異な
り、その分、勾配の急なものへと変更されることにな
る。ロックアップ解除状態から締結状態にする場合、こ
うして、ロックアップクラッチ10cのカバーへの押付
け力を徐々に増して締結を完了させ、これをロックアッ
プソレノイド51の制御によって行うが、この場合に、
ゲイン切換えがロックアップデューティソレノイド圧を
利用したロックアップゲイン切換弁60によりなされて
おり、図4と同様のゲイン切換が実現される。上述した
ような過渡的なロックアップクラッチのすべり制御の如
きスリップロックアップのようにきめ細かに行う場合に
は、デューティD1 までのゲインの小なるスリップL/
U領域側を使用し、完全にロックアップすることが要求
される場合のように容量が大きいときには、フルL/U
領域のゲインが大なる高い方の容量を使用して、ロック
アップ制御を適切に行うことができる。従って、同様
に、スリップロックアップと完全ロックアップとの両立
を高度のレベルで達成でき、フルL/U領域でもデュー
ティ比D1 とデューティ比100%間におけるデューテ
ィ比により該領域での制御に合うようロックアップ圧に
調圧をすることができて、しかも、これを1つのロック
アップソレノイド51をもって実現できるのである。
【0034】ロックアップソレノイド51のデューティ
比はこれは100%とされた場合には、ドレンポート5
1bが完全に開放され、このため、油路45の油圧(ソ
レノイド圧)が0となり、ロックアップコントロール弁
30のスプール30aは完全に図中下半部に示す状態に
切換えられ、これに伴い油路42はドレインポート30
fに完全に連通されてレリース室10bの圧力を0とす
ることができる。よって、かかる場合には、油路43か
らアプライ室10aへ油圧が供給され、ロックアップク
ラッチ10cは最大押圧力をもって締結され、トルクコ
ンバータはかかるロックアップ状態で動力伝達を行うこ
ともできる。
【0035】なお、本発明は上記の実施例に限定される
ものではない。例えば、図4のような態様のゲイン切換
えについても、勿論これはトルクコンバータのロックア
ップ切換え制御の場合に限られるものではなく、他の油
圧作動機器における制御油圧回路で対象作動要素を油圧
作動させる場合にも適用可能である。また、図2の場合
には、ON/OFFソレノイドを用いてゲインを2種類
に完全に切換えるものであるが、この場合を含んで、ゲ
イン切換えは3種類以上であってもよいものである。
【0036】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、電子制御
されるソレノイドのソレノイド圧を利用したゲイン切換
えを行えるので、その第1の状態での制御と第2の状態
での制御を使い分けることが可能であり、ゲイン切換え
機能を有しないものに比べ、制御性の幅を広げ対応性を
高めることができ、しかも、これを1つのソレノイドに
対する制御をもって実現させる構成とすることができ
る。また、調圧弁と、互いにゲインの異なるデューティ
ソレノイド出力圧と調圧弁出力圧とを切換えて選択的に
出力をする切換手段からなる構成とできるので、2つの
弁で、狙いとするゲイン変更、即ち1つのデューティソ
レノイドに対する制御によるゲイン切換えが実現でき、
スペース、コストの点で有利である。請求項2では、自
動変速機のロックアップ制御に好適な制御油圧回路を得
ることができ、スリップ制御のようなきめ細かい制御を
するときは低容量を正確に制御してより一層のショック
低減をし得、完全にロックアップさせるような大容量の
場合ではそれに合わせ容量確保を図ることができ、これ
らを1つのロックアップソレノイドで両立させ、両者の
機能を効果的に発揮させたより綿密なロックアップ制御
が可能となる。また、請求項3では、自動変速機のロッ
クアップ制御において上述したのと同様の効果を得るこ
とができる。また、請求項3記載の如くのロックアップ
コントロール弁とゲイン切換弁からなる構成とできるの
で、請求項1及び2と同様、2つの弁でゲイン切換えが
実現できるほか、この場合において、そのロックアップ
コントロール弁は調圧弁構成であるものの、そのゲイン
切換弁については、調圧弁構成でなく、デューティソレ
ノイド出力圧に応じて、ソレノイド出力圧が、当該切換
弁の切換え圧未満であるときは該ソレノイド出力圧を出
力する第1の切換え位置をとり、該切換え圧を上回って
いるときはソレノイド出力圧を出力しない第2の切換え
位置をとるON/OFF切換えの弁とすることができ、
かかる構成の簡易な弁を用いてロックアップ制御油圧回
路を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図である。
【図2】同例でのゲイン切換えの説明に供する特性図で
ある。
【図3】本発明の他の例を示す図である。
【図4】同例でのゲイン切換えの説明に供する特性図で
ある。
【図5】本発明の更に他の例を示すもので、図3と同じ
く自動変速機のロックアップ制御に適用した場合の構成
を示す図である。
【符号の説明】
1 コントロールユニット 2 デューティソレノイド 3 調圧弁 4 電磁切換弁 10 トルクコンバータ 20 ロックアップコントロール弁 21 ロックアップソレノイド 22 A/T コントロールユニット 23 ロックアップゲインコントロール弁 30 ロックアップコントロール弁 51 ロックアップソレノイド 60 ロックアップゲイン切換弁

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御信号により制御可能なソレノイドの
    作動に基づき、油圧作動機器の作動要素を油圧制御する
    のに用いる油圧を得ることのできる油圧作動系におい
    て、前記制御信号によりデューティ制御で電子制御される前
    記ソレノイドからのソレノイド出力圧であって油圧制御
    における前記制御信号に対するゲインが第1の状態のデ
    ューティソレノイド出力圧を一端に作用させ、これに対
    応して油圧を調圧してその第1の状態と異なる第2の状
    態のゲインの出力圧を出力する調圧弁と、 互いにゲインの異なる前記デューティソレノイド出力圧
    と調圧弁出力圧とを切換えて出力する切換手段とを 備え
    てなることを特徴とする油圧作動機器の制御油圧回路。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の油圧作動機器の制御油圧
    回路において、前記調圧弁と切換手段による ゲイン切換えが、自動変速
    機におけるロックアップ制御でのロックアップゲインの
    切換えであり、前記 ソレノイドが、デューティ制御されるロックアップ
    ソレノイドであって、該ロックアップソレノイドによる
    デューティソレノイド出力圧を利用し、ロックアップ締
    結へ移行する際のスリップロックアップの第1の制御の
    ときと、そのロックアップ締結の状態での第2の制御の
    ときとで、該第1の制御におけるゲインG1 と第2の制
    御におけるゲインG2 とが、 G1 <G2 となるようロックアップゲイン切換えを行うことを特徴
    とするロックアップ制御用の油圧作動機器の制御油圧回
    路。
  3. 【請求項3】 制御信号によりデューティ比に応じたデ
    ューティソレノイド出力圧が得られるようデューティ制
    御可能なロックアップソレノイドの作動に基づき、トル
    クコンバータのロックアップクラッチの締結、解除を制
    御する自動変速機のロックアップ制御油圧回路であっ
    て、 前記ロックアップソレノイドのデューティソレノイド出
    力圧が導かれ、前記ロックアップクラッチの油圧作動の
    ためのロックアップ制御圧を調圧するロックア ップコン
    トロール弁と、 該ロックアップ制御での制御ゲインを、前記デューティ
    ソレノイド出力圧を利用してゲインの小なる状態と大な
    る状態とに切換えるゲイン切換え機構とを備え、 該ゲイン切換え機構は、ゲイン切換弁を有し、前記デュ
    ーティソレノイド出力圧に応じて、該ソレノイド出力圧
    が、該切換弁の切換え圧未満であるときは該ソレノイド
    出力圧を出力する第1の切換え位置をとり、該切換え圧
    を上回っているときはソレノイド出力圧を出力しない第
    2の切換え位置をとる構成とされるとともに、 前記切換弁の出力圧を前記ロックアップコントロール弁
    に対し、前記ロックアップソレノイドからのデューティ
    ソレノイド出力圧と対向する方向に作用させる構成と
    し、 ロックアップ締結へ移行する際のスリップロックアップ
    の第1の制御のときと、そのロックアップ締結の状態で
    の第2の制御のときとで、前記切換弁が第1の切換え位
    置と第2の切換え位置とに切換えられ、該第1の制御に
    おけるゲインG 1 と第2の制御におけるゲインG 2
    が、 1 <G 2 となるようロックアップゲイン切換えを行うことを特徴
    とするロックアップ制御用の作動油圧機器の制御油圧回
    路。
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