JPS62667Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、身体の自由のきかない患者等を仰
臥の状態で入浴、洗浄等の作業が行なえるように
したベツドに関するものである。

マツト支持フレーム上に患者等を支持するタン
カを置き、そのタンカの支持枠を上昇動して上記
タンカとその下方のマツトとの間に空間を形成
し、上記空間に簡易浴槽を設置してタンカの下降
動によつて浴槽内に患者を漬けるようにしたベツ
ドは従来から存在する。

しかし、上記従来のベツドにおいては、タンカ
支持用の昇降可能なタンカ支持枠を油圧装置等に
よる複雑な機構を採用して昇降動させるようにし
ているためコストが高く、また組立てにも手間が
かかるという欠点がある。

そこで、この考案は上記の欠点を解決し、タン
カを支持する昇降可能なタンカ支持枠をスプリン
グの弾力を利用して上昇動させるようにした簡単
な構造の組立ての容易なベツドを提供することを
目的としている。

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

図示のように、角形のマツト支持フレーム１の
四隅にはガイド支柱２，２′が起立し、その前側
二本のガイド支柱２間および後側二本のガイド支
柱２′間に一対のタンカ支持枠３が配置されてい
る。

前記タンカ支持枠３は、角形に形成され、その
両側パイプ４の下部にガイド筒５を取付け、上記
ガイド筒５をガイド支柱２，２′にスライド可能
に嵌合してある。

また、タンカ支持枠３の両側パイプ４の上部に
は掛吊り片６を取付け、その掛吊り片６に吊棒７
を介してタンカ８が吊り下げ支持されている。

なお、タンカ８は、第４図に示すように、並行
に配置した二本の支持パイプ９，９間に複数の帯
状帆布１０を渡してあるが、これに限定されず、
任意のタンカを採用することができる。

マツト支持フレーム１の前側ガイド支柱２間に
渡した前パイプ１１および後側ガイド支柱２′間
に渡した後パイプ１２には複数のばね収納筒１３
が起立し、この各ばね収納筒１３の外側にタンカ
支持棒３に設けた筒体１４が嵌合し、そのばね収
納筒１３の内側にスプリング１５が収納してあ
る。このスプリング１５はタンカ支持枠３を上方
向に押し上げるようになつており、そのタンカ支
持枠３は、ガイド支柱２，２′の上端に取付けた
ストツパ１６とガイド筒５との衝合によつて上昇
量が制限されるようになつている。また、タンカ
支持枠３は、ストツパ機構２０の作用によつて下
降位置で停止保持される。

ここで、ストツパ機構２０は、第５図に示すよ
うに、タンカ支持枠３の下部パイプ２１に一対の
突片２２を取付け、その突片２２間に渡したピン
２３で下端を半円形としたＬ字形係合杆２４を揺
動可能に支持し、この係合杆２４をマツト支持フ
レーム１の方向に向けて偏向するスプリング２５
を設け、かつ前記突片２２に係合杆２４の偏向量
を制限するストツパ２６を設け、一方マツト支持
フレーム１の前パイプ１１および後パイプ１２に
は角形の係合枠２７を取付け、その係合枠２７の
横桟２８に前記係合杆２４を係合させるようにし
ている。

また、マツト支持フレーム１の前パイプ１１お
よび後パイプ１２に支持枠２９を取付け、その支
持枠２９の下部に揺動可能に取付けたペダル３０
と前記係合杆２４で支持した揺動可能なカム片３
１とをロツド３２で連結し、そのペダル３０の踏
み込みによるカム片３１の揺動によつて係合杆２
４を係合解除方向に揺動させるようにしてある。

なお、３３は、カム片３１の復帰回動用のスプ
リングである。

実施例で示すベツドは上記の構造から成り、こ
のベツドは通常のベツドと同様にマツト支持フレ
ーム１上にマツト３４を載置し、その上に敷布団
（図示省略）を敷いて使用し、患者等の入浴に際
しては、上記患者をタンカ８の上に乗せ、そのタ
ンカ８を上昇動してタンカ８とマツト３４との間
に簡易浴槽を配置する。

なお、タンカ８は、マツト３４と敷布団との間
に予め配置して敷布団の取り除きによつてタンカ
８上に患者をのせるようにしてもよく、あるいは
敷布団の上にタンカ８を置き、そのタンカ８の上
昇後に敷布団を取外すようにしてもよい。

いま、第１図に示すように、マツト３４上のタ
ンカ８に患者が仰臥する状態において、前側のタ
ンカ支持枠３の下方に位置するペダル３０の踏み
込みにより係合枠２７と係合杆２４との係合を解
除すると、ばね収納筒１３内に設けたスプリング
１５の弾力によつて前側のタンカ支持枠３が上昇
し、また後側のタンカ支持枠３の下方に位置する
ペダル３０を踏み込むと後側のタンカ支持枠３が
上昇し、第３図に示すように、タンカ８とマツト
３４との間に所要の間隙を形成することができ
る。

そこで、上記間隙に簡易浴槽３５を配置し、そ
の浴槽内に湯を入れておら後側のタンカ支持枠３
を押し下げて係合杆２４を係合枠２７に係合する
と、タンカ８は足の爪先側に向けて下り勾配をも
つて傾斜し、下半身を湯の中に漬けることができ
る。また、前側のタンカ支持枠３を押し下げて係
合枠２７に係合杆２４を係合すると、タンカ８の
全体が湯の中に漬かり、入浴状態とすることがで
きる。

なお、入浴後は、前記と同様に各ペダル３０を
踏み込んでタンカ８を引き上げ、患者の拭き取り
を行なうようにし、それより浴槽３５を取り去
り、各タンカ支持枠３を下降してストツパ機構２
０の作用によつて各タンカ支持枠３を下降位置で
保持する。

以上のように、この考案は、ストツパ機構の係
合を解除するとタンカ支持枠がスプリングの弾力
で上昇してそのタンカ支持枠で支持したタンカと
マツト支持枠で支持したマツトとの間に所要の間
隙を形成することができるため、マツト上に浴槽
をセツトしてタンカ支持枠を下降させることによ
りタンカ上に仰臥する身体の自由のきかない患者
等を入浴させることができ、医療用ベツドとして
好適である。また、タンカ支持枠をスプリングの
弾力で上昇させるようにした簡単な構成であるた
め、組立てが容易であると共に電気等を一切使用
しないので経済的であり、しかもタンカの上下動
操作が簡単で患者の入浴、洗浄、乾燥等の手当を
一人で介助することができ、きわめて便利であ
る。

さらに、一対のタンカ支持枠をそれぞれ別々に
昇降動させることができるため、タンカを傾斜状
態に支持することができ、下半身のみの洗浄作業
が行なえるなどの多くの効果を挙げることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るベツドの一実施例を示
す正面図、第２図は同上の側面図、第３図は同上
のタンカを上昇させた状態の一部切欠正面図、第
４図は同上のタンカの平面図、第５図は同上のス
トツパ機構の縦断正面図、第６図は同上のスプリ
ング収納部の拡大断面図である。 １……マツト支持フレーム、２，２′……ガイ
ド支柱、１１……前パイプ、１２……後パイプ、
１３……ばね収納筒、１４……筒体、１５……ス
プリング、１６……ストツパ、２０……ストツパ
機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 四隅からガイド支柱を起立させたマツト支持フ
   レームと、このフレームの前側ガイド支柱および
   後側ガイド支柱に沿つて昇降可能に設けた一対の
   タンカ支持枠と、そのタンカ支持枠によつて吊下
   げ支持されたタンカとから成り、前記前側ガイド
   支柱間に渡した前パイプおよび後側ガイド支柱間
   に渡した後パイプからばね収納筒を起立し、この
   ばね収納筒に嵌合可能な筒体を各タンカ支持枠に
   取付け、上記ばね収納筒の内側にタンカ支持枠の
   押上げ用スプリングを収納し、前記タンカ支持枠
   の上昇動を規制するストツパを設け、かつ各タン
   カ支持枠を下降した位置で停止保持するストツパ
   機構を設けたベツド。