JPS6261867B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、スクラツプを原料として供給するよ
うにした溶解炉におけるスクラツプ原料の予熱ガ
スの処理方法及びその装置に関するものである。

溶解炉にスクラツプを原料として供給する際、
溶解炉の排ガスを利用してスクラツプを予熱する
ことにより溶解炉運転費の省エネルギー化を図る
ことが考えられている。

しかし従来のスクラツプ予熱装置は、溶解炉か
らの排ガスを単純にスクラツプに通気させて加熱
を行うようにしているため、加熱によつて排ガス
温度が低下し、従つてスクラツプ内に含まれる油
分等の可燃成分、プラスチツク等の分解による臭
気成分が燃焼及び加熱分解されることなく大気に
排出されて著しく環境を悪化させる問題を生じて
いた。

本発明は上記従来設備のもつ問題点を解決すべ
くなしたもので、溶解炉排ガスを燃焼炉にて燃焼
せしめて予熱用ガスとし、該予熱用ガスを用いて
スクラツプの予熱を行つた後、そのガスを熱交換
器にて昇温させて分解炉に導き、該分解炉にて前
記予熱後ガス中に含有する可燃成分の燃焼及び臭
気成分の分解を行わしめ、該燃焼、分解後のガス
を前記熱交換器に導いて前記予熱後ガスの昇温に
供することを特徴とするスクラツプ予熱ガスの処
理方法及びその装置に係るものである。

以下本発明の実施例を図面を参照しつつ説明す
る。

図面は本発明の概略をフローシートで示したも
ので、溶解炉、例えば電気炉１からの排ガス（通
常830〜850℃程度）をエルボ２を介して燃焼炉３
に導入する。燃焼炉３は排ガス中の含有COを完
全に燃焼させて低発熱量のガスとすることができ
爆発等の危険性を無くすことができるように設計
されており、且つプレダスターとしての機能を充
分備えている。前記燃焼炉３にて燃焼させた予熱
用ガス４を予熱器５に導いてスクラツプを予熱
し、該予熱によつて温度が低下し（300〜500℃程
度）且つスクラツプ中に含まれる油分及びプラス
チツク等により生じた可燃成分、臭気成分を含有
したガス６を、熱交換器７を介して分解炉８に導
入する。

分解炉８はその上部に火種として作用するパイ
ロツトバーナ９を備えている。パイロツトバーナ
９は灯油、酸素を供給する燃料導入部１０と、空
気予熱器１１を備えて予熱された空気を供給する
燃焼空気導入部１２と、前記予熱用ガス４の一部
を分岐して供給する高温ガス導入部１３を備えて
前記分解炉８内に柱状火炎を形成させて前記予熱
器５からのガス６を直接接触させ且つ該分解炉８
内温度を750℃程度以上に保持できるようにして
いる。

前記分解炉８にて加熱された加熱ガスを、配管
１４を介して前記熱交換器７に導き、予熱器５に
て予熱を行つた後のガス６と熱交換させた後、集
塵器保護のためのガスクーラー１５、集塵器１
６、コントロールダンパー１７、排風機１８を順
次介して煙突１９より大気に排出するようにして
いる。

以下作用について説明する。

電気炉１からエルボ２を介して排出され燃焼炉
３にて燃焼された予熱用ガス４は、予熱器５に導
入されて該予熱器５内のスクラツプを予熱する。
予熱されたスクラツプは原料として電気炉１に供
給する。上記予熱によつてガス６は、低温となり
且つスクラツプ中に混入している油分による可燃
成分及びプラスチツク等による臭気成分を含んだ
まま、熱交換器７において分解炉８から配管１４
を介して導かれる加熱ガスにより加温されて分解
炉８に導かれる。分解炉８に導入されたガスは、
それが含有している可燃成分を分解炉８内に形成
されている火炎に直接接触することにより効果的
に燃焼せしめられ、且つ臭気の原因となる硫化メ
チル、メチルアミン、アンモニア、アセトアルデ
ヒド等の臭気成分を750℃程度以上に保たれてい
る分解炉８内温度によつて分解されて無臭の物質
に変化せしめられる。なお分解炉８の機能を短時
間で完了させるには800℃以上とすることが好ま
しい。上記分解炉８内において、燃焼、分解を終
了した加熱ガスは配管１４を介し前記熱交換器７
に導いて予熱器５からのガス６を加熱する。この
ように分解炉８からの加熱ガスから熱回収を行つ
てガス６の温度上昇を行うようにしていることに
より、前記燃料導入部１０からの供給燃料量の減
少、燃焼空気量の減少とそれに伴う空気予熱器１
１及び図示しないブロワーの小型化と、分解炉８
の燃焼及び分解の機能を高めることができる。熱
交換器７に送られて熱を回された後のガスは、ガ
スクーラー１５により集塵器１６に支障を来さな
い温度まで冷却された後、集塵器１６にて集塵せ
しめられ、コントロールダンパー１７によりその
吸引力を調整されつつ排風機１８にて吸引され、
煙突１９より大気に排出される。なお前記予熱用
ガス４から分岐して高温ガス導入部１３よりパイ
ロツトバーナ９に導くようにしている高温ガス
は、予熱用ガス４がスクラツプを予熱するのに必
要な量以上に発生するのでこの余剰分を利用する
ようにしているものである。また高温ガス導入部
１３を介してパイロツトバーナ９に高温ガスが導
入されていることにより、パイロツトバーナ９に
て高温の火種が形成され、分解炉８内の燃焼、昇
温が効果的に行われるようになつている。

また前記排風機１８による吸引を、従来は電気
炉排ガス量の約100％増し位で引つ張るようにし
ていたために、電気炉１内に不要な過剰空気を吸
引してしまい、そのために過大なエネルギー損失
を生じている。またエルボ２からの過剰空気の吸
引により排ガス温度が低下し、排熱の利用を困難
にしている。本発明の実施にあたり漏入空気の量
を従来の半分以下におさえ予熱用ガス４の温度を
高めるようにすることにより、予熱後のガス６温
度を上昇させることができるので、分解炉８の機
能の向上及びパイロツトバーナ９の小型化及びそ
の運転費の低減を図ることができ、全体としての
熱回収効果を向上させることができる。

尚、本発明は上記実施例にのみ限定されるもの
ではなく、スクラツプの予熱を行う種々の装置に
適用できること、その他本発明の要旨を逸脱しな
い範囲内において種々変更を加え得ることは勿論
である。

上述した本発明のスクラツプ予熱ガスの処理方
法及びその装置によれば、次のような優れた効果
を奏し得る。

(i) スクラツプの予熱によつてガス中に生じる可
燃成分の燃焼、及び臭気成分の分解を効果的に
行わしめることができるので、排出ガスによる
公害問題の発生を防止することができる。

(ii) 新規、既存を問わず類似の技術分野に容易に
適用して実施することができる。

(iii) 分解炉に電気炉からの高温ガスを導入するこ
とにより、分解炉内温度を容易に昇温させて燃
焼、分解効果を上げることができる。

(iv) 分解炉からの加熱ガスによりスクラツプ予熱
後ガスを加温するようにしていることにより、
分解炉内温度を上昇せしめることができ、従つ
て分解炉の機能の確保及び付帯装置の小型化、
スクラツプ予熱費の低減化を図り得る。

(v) 排風機による吸引量を調整して予熱用ガスを
高温に保つようにすれば、スクラツプの予熱効
果及び予熱後ガスの処理を更に効果的に行わし
めることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すフローシートであ
る。 １は電気炉、３は燃焼炉、４は予熱用ガス、５
は予熱器、６は予熱後ガス、７は熱交換器、８は
分解炉、９はパイロツトバーナ、１３は高温ガス
導入部、１４は配管、１８は排風機を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 溶解炉排ガスを燃焼炉にて燃焼せしめて予熱
   用ガスとし、該予熱用ガスを用いてスクラツプの
   予熱を行つた後、そのガスを熱交換器にて昇温さ
   せて分解炉に導き、該分解炉にて前記予熱後ガス
   中に含有する可燃成分の燃焼及び臭気成分の分解
   を行わしめ、該燃焼、分解後のガスを前記熱交換
   器に導いて前記予熱後ガスの昇温に供することを
   特徴とするスクラツプ予熱ガスの処理方法。 ２ 溶解炉からの排ガスの燃焼を行わしめる燃焼
   炉と、該燃焼炉からのガスによつてスクラツプの
   予熱を行う予熱器と、該予熱器からのガスの昇温
   を行う熱交換器と、該熱交換器からのガス中に含
   有する可燃成分の燃焼及び臭気成分の分解を行う
   分解炉と、前記燃焼炉からのガスを分岐して導き
   高温の火種を形成するよう前記分解炉に設けたパ
   イロツトバーナと、前記分解炉のガスを前記熱交
   換器に導びく加熱ガス用配管を備えたことを特徴
   とするスクラツプ予熱ガスの処理装置。