JPS6258932B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、屋根と前壁と後壁と側壁とで構成さ
れ、側壁部分が開放できるように構成された荷台
を有する貨物自動車に関する。

従来の技術 屋根と前壁と後壁と側壁とで構成され、側壁部
分が開放できるように構成された荷台を有する車
輌はよく知られている。そのような車輌の荷台の
１例が特公昭49−34922号公報に開示されてい
る。この公報に記載の貨車の荷台は、側壁部分を
上下に分割し下部側壁部分を上部側壁部分に沿つ
て上方にスライドさせて重ね、重なつた側壁部分
を更に上方に上げるように構成されている。この
公知の荷台の側壁は、上記のように大きく開放さ
れるので、荷物を積んだり、あるいは下ろしたり
する作業が楽に行える利点がある。

発明が解決しようとする問題点 しかし、この公知の荷台の問題点は、側壁を開
放させた場合、側壁が上方に延び出すためそのた
めの空間を必要とする欠点がある。また、２つに
分割した側壁部分を上下にスライドさせる構成を
採用しているために、構造が複雑にならざるを得
ない。

従つて、本発明の目的は、簡単な構成でありな
がら、上方への突出量が最小に抑えられ、しかも
その開放範囲が広くて荷物の積み下ろし作業が楽
に行える荷台を備えた貨物自動車を提供すること
にある。

問題点を解決するための手段 本発明は、かかる目的を達成するため、屋根と
前壁と後壁と側壁とで構成され、側壁部分が開放
できるように構成された荷台を有する貨物自動車
を改良するものである。

すなわち、本発明によれば、側壁が少なくとも
２つの、上下に分割された側壁部分で構成され、
下部側壁部分の上端縁が上部側壁部分の下端縁に
ヒンジ連結され下部側壁部分を外側に旋回させて
該下部側壁部分を上部側壁部分に重ねるようにな
つており、前記屋根の、上部側壁部分に隣接する
一定幅の部分が、他の固定屋根部分に対してヒン
ジ連結されて該固定屋根部分の上に重なるように
旋回可能にされており、この可動屋根部分は、前
記上部側壁部分の上端縁に対して、該上部側壁部
分が内側にのみ旋回できるようにヒンジ連結され
ており、前記上部側壁部分の下側部分は、固定の
前壁または後壁に枢着されたステーによつて支持
されており、前記下部側壁部分の下端部分には引
張ロープが取付けられ、該引張ロープは、可動屋
根部分と上部側壁部分とに隣接した位置に固定さ
れた回転自在の第１の案内ローラと前記固定の屋
根部分に隣接した位置に固定された第２の案内ロ
ーラとを介して巻上手段に接続されていることを
特徴とする貨物自動車が提供され、これにより、
下部側壁部分が上部側壁部分に重ねられ、更に両
側壁部分が可動屋根部分とともに固定の屋根部分
に重ねられ、全体としてこれらの部分は偏平に積
み重ねられるので、簡単な構成でありながら、上
方への突出量が最小に抑えられ、しかもその開放
範囲が屋根部分にまで拡大されて荷物の積載や荷
下ろし作業が楽に行える。

また、本発明によれば、上記の構成に加えて、
可動屋根部分には、第２の引張ロープが取付けら
れ、この引張ロープは荷台に固定された引張ばね
に連結されており、前記可動屋根部分が固定の屋
根部分の上に重なるように旋回すると引張ばねを
緊張させる手段が設けられて、固定屋根部分の上
に、可動屋根部分と上部側壁部分と下部側壁部分
とが重なる速度を落とすように機能し、また、折
り重ねられた可動屋根部分と上部側壁部分と下部
側壁部分とを元の閉じ状態に復帰させる際の力を
与えるように作用することを特徴とする貨物自動
車も提供される。従つて、開放作業時における衝
撃的な折り重なりが防止され、また、側壁部分を
閉じる作業が楽に行える。

実施例 図示の実施例において、同じ部分には共通の符
号が付されている。第１図〜第８図に示す本発明
による第１の実施例は、固定の床０１とその上に
取付けられた荷台構造を有する貨物自動車であつ
て、本発明に係る荷台構造は、側壁の全体及び屋
根の一部が上方へ旋回せしめられ、全体がはね上
げられることができる。本発明の実施例としての
構成は、全長12ｍにも至る大型のトレーラの構造
として特に有利である。

側壁は下部側壁部分１及び上部側壁部分２より
成り、これらの両部分はヒンジ３により全長にわ
たつて互いに結合されている。上部側壁部分２は
同じくヒンジ４により上方へ旋回して開放する旋
回可能な屋根部分６の下縁５に結合されている。
上方へ旋回可能な屋根部分６はヒンジ７により固
定の屋根部分０６に結合されている。このヒンジ
７は可動の屋根部分６及び固定の屋根部分０６の
面よりも高い位置にある。それというのは、上方
へ旋回可能な屋根部分６及び固定の屋根部分０６
上には高い縦桁８，９及び１０が配置されている
からである。これらの桁は、鋼の薄板を曲げ加工
してフード型横断面形状を有するように製作する
のが好ましい。これらの縦桁は主に、全長12メー
トルに及ぶ屋根の撓みを避けるために役立つ。

はね上げ可能な屋根部分６上に取付けられてい
る縦桁８及び９は、屋根部分６がはね上げられた
場合に、固定の屋根部分０６に取付けられている
縦桁１０に重ならないで、その両側に位置するよ
うに適当な相互間隔で配置されている（第６
図）。これらの高い縦桁８，９，１０の更に別の
利点は、屋根上に積雪した場合、屋根及び側壁を
旋回させてはね上げる際に積雪が障害にならない
点にもある。縦桁取付けに基づいて生じる条件を
充たすために、はね上げ可能な屋根６用のヒンジ
点７は高い位置に、例えば、縦桁８，９及び１０
の全高さの1/2よりも幾分高い位置に、配置され
ているのが好ましい。

第１図〜第８図の実施例では、下部側壁部分１
は、その下縁の両端に、引張ロープ１２用の固定
部１１を有し、このロープは、閉じられた状態で
は、上下に位置する両側壁部分１，２に対して、
案内ローラ１３のところまで、ほぼ平行に延びて
いる。案内ローラ１３は、はね上げ可能な屋根部
分６の外縁すなわち側壁部分２の上縁に近い、自
動車の前壁及び後壁に配置されている。引張ロー
プ１２は、案内溝を有する案内ローラ１３から第
２の案内ローラ１４に至る。この案内ローラ１４
も前壁及び後壁部分に固定されている。この案内
ローラ１４は、自動車の長手方向の中心線に対し
て適当な距離だけ隔つていて、第６図もしくは第
８図に示すように屋根及び側壁が完全にはね上げ
られた場合でも、ローラ１４は、はね上げられた
下部側壁部分１の下縁から十分に離れた位置にあ
り、その結果引張ロープ１２はなお傾斜した状態
で下部側壁部分１の下縁に作用している。

引張ロープ１２は、案内ローラ１４から下方へ
案内され、自動車車体の底部すなわち荷台０１の
下側にある、手動又はモータにより駆動されるウ
インチ１５まで延びている。図示の実施例ではこ
のウインチ１５は自動車の下側の、ほぼ長手方向
中心線の位置に配置されている。勿論必要に応じ
て、引張ロープ用の案内ローラを別に加えて、ウ
インチ１５が荷台０１の一方の側縁の下側にくる
ように、配置することも可能である。

下部側壁部分１の下縁１６には広巾の条片１７
がヒンジ連結されており、この条片は引張ロープ
１２用の固定部１１と同じ個所に位置している。
これにより、広巾の条片１７は側壁部分１の下縁
と一緒に懸架されかつこの下縁と一緒に旋回せし
められる。広巾の条片１７は、下部側壁部分１が
上方にはね上げられる際にその全長にわたつて過
度に撓みを生じないように側壁部分１を補強して
おり、また閉じられた状態での下部側壁部分１の
保持固定のためにも役立つている。固定のため、
荷台０１の下側のヒンジピン１９には鉤片１８が
旋回可能に取付けられている。この鉤片１８は、
外側に曲げられた部分２０を有し、広巾の条片１
７に形成されたスリツトへ係合する。鉤片１８が
上方へ旋回すると、外側に曲げられた部分２０は
条片１７のスリツトに入り、下部側壁部分１の下
縁を、荷台０１の外縁２１に引付け、これにより
錠止状態を得る。荷台０１の全長にわたり多数の
鉤片１８を分配して配置してもよい。鉤片１８を
下方へ旋回させると、条片１７ひいては下部側壁
部分１が解放され、鉤片１８の曲げられた部分２
０は条片１７のスリツトから下方に外れる。

さらに別の鉤片２２が、下部側壁部分１の上縁
２３に配置されている。この鉤片２２は、自動車
車体の前壁もしくは後壁に固定されたそれぞれ１
つのピン２４と協働する。図面から分るように、
この鉤片２２は内側に曲げられた部分２５を有
し、下部側壁部分１がその旋回中心点３を中心に
して下方へ旋回せしめられる際に、ピン２４の後
側へ係合し、下部側壁部分１がさらに下方へ旋回
せしめられると、下部側壁部分１の上縁２３（ひ
いては上部側壁部分２の下縁）を車体の前後壁に
引付け、鉤片２２がピン２４と係合して下部側壁
部分１を上部側壁部分２に固定する。

鉤片２２は下部側壁部分１にヒンジ２６（第１
図参照）を中心にして旋回できるように取付けら
れており、完全開放時（第６図）には鉤片２２は
下部側壁部分１に接面するように倒れるすなわち
旋回できる。この旋回は、下部側壁部分１の上方
への旋回の際に自動的に行なわれ、その結果、鉤
片は第６図の完全開放状態では下部側壁部分１の
面に接面した状態になり、従つて危険を生じな
い。下部側壁部分が下方へ旋回して下ろされる
と、鉤片２２は自重作用で再び第２図の位置に旋
回し、その結果、鉤片２２は最後の旋回及び閉鎖
の際にはピン２４の後側へ係合する。

上部側壁部分２はその下縁の近くで旋回可能な
ステー０７により支持される。ステー０７はその
下端部で、第１図に示すように、上部側壁部分２
の下側の内側端部に旋回可能に結合しており、か
つ上端部で、車体の前壁もしくは後壁に旋回可能
に連結されている。

車体の上側の側縁に沿つて引張ロープ１２を案
内するための案内ローラ１３は第７図にその正面
図で拡大して示されている。図面から判るよう
に、この案内ローラ１３は広巾の案内溝を有し、
従つて引張ロープはこのローラから浮いても、そ
のまま引張ると再び掛けられる。

第７図及び第８図には上記実施例の装置に適し
た操作装置が示されている。上部の旋回可能の屋
根部分６には、半円形状のロープ案内盤５６が取
付けられている。ロープ案内盤５６内には細長い
スリツト２７が配置されており、該スリツトを通
して２つのネジ２８，２９が配置されていて、案
内盤５６をはね上げ可能の屋根部分６の前側及び
後側の側縁に固定している。従つて、可動屋根部
分６がばね上げによつて旋回すると、ロープ案内
盤も回転して半円が回転する。スリツト２７によ
りこのロープ案内盤５６の取付け位置の調節が行
なわれる。案内盤５６には第２の引張ロープ３０
が取付けられており、これらは車体の前壁及び後
壁にそれぞれ１つずつ設けられている案内ローラ
３１を介してさらに下方に配置されている引張ば
ね３２へ延びている。この引張ばねはその反対側
の端部３３で車体の前壁及び後壁にそれぞれ掛止
され、それぞれ１つの調節装置３４を有し、これ
により引張ばね３２の張力が調節される。

ロープ案内盤５６は引張ロープ３０及び引張ば
ね３２と協働し以下の機能を発揮する。即ち、旋
回可能の屋根６が上にはね上げられると、ロープ
案内盤５６は回転して引張ロープ３０を引張り、
ばね３２を緊張せしめ、これにより、上にはね上
げられた屋根部分６及び両側壁部分１，２の荷重
を軽減する。第８図の完全にはね上げられた状態
において、ばね３２の引張力は、屋根部分０６上
に折り畳まれた屋根部分６及び側壁部分１及び２
を起こす時に必要とする力よりも大きくされてい
る。従つて、これらの部分を再び旋回させて下ろ
す場合には、ロープウインチ１５の引張ロープ１
２への引張力を弛めると、緊張したばね３２の作
用によつて前記部分の旋回が開始する。ばね３２
の張力は、屋根部分６及び側壁部分１，２が旋回
によつて折り返されるとき、ロープ案内盤５６が
半円形状であるため高い位置で大きく作用し、そ
れ以降の復帰運動では、ウインチの操作によつて
ゆつくりとすることができ、これにより、衝撃を
伴う急激な旋回運動をさけることができる。

上記の実施例の動作について説明する。下側の
鉤片１８が下方へ旋回させられ、広巾の条片１７
が開放されると、ウインチ１５が作動せしめられ
る。これにより、引張ロープ１２を介して下部側
壁部分１の下縁１１が上方へ旋回せしめられ、下
部側壁部分１はヒンジ３を中心として第１図の閉
鎖位置から第２図の位置へ旋回する。この場合、
下部側壁部分１の上縁にある鉤片２２もピン２４
から外される。第３図の位置まで更に旋回運動が
進むと、下部側壁部分１の外側の面が上部側壁部
分２の外側の面に当てられる。ウインチ１５によ
り引張ロープ１２が更に引張られると、上部側壁
部分２がステー０７によつて案内されながら、旋
回可能な屋根部分６と一緒に外方であつて上方
に、固定の屋根部分０６にあるヒンジ７を中心と
して、旋回させられ、第４図の位置に達する。こ
の位置では、引張ロープ１２は案内ローラ１３か
ら上がつて離れ、更に引張られと、第２の案内ロ
ーラ１４によつて第５図の位置に達する。この場
合、折り畳まれた側壁部分１及び２はステー０７
及び可動屋根部分６とともに移動する。更に旋回
運動が進むと今度は、旋回可能な屋根部分６の縦
桁８，９が固定屋根部分０６上の縦桁１０の両側
に置かれ、側壁部分１及び２は固定屋根部分０６
の上に折り重ねられる。この位置では、鉤片２２
はそのヒンジ２６の所で自重で倒れ、平らに寝た
状態になる。第６図から判るように、この位置で
は荷台は、側壁部分だけでなく、屋根の一部も含
めて広く開放され、例えば一点鎖線で示されてい
るフオークリフトによつて荷積みや荷下ろしの作
業が可能になる。これは、荷積みや荷下ろし作業
の邪魔になる側壁部分が全くなく更に屋根部分も
その一部が開いているからである。そして、両側
壁部分や一部の屋根部分が平らに重なつているの
で、高さ方向のスペースも広がる。

第８図から判るように、開放の過程において、
ばね３２は、半円形状のロープ案内盤５６の半円
部分にロープ３０が当付けられるので、緊張させ
られ、このばね３２の引張力によつて、重ね合わ
される２つの側壁部分及び可動屋根部分の全体と
しての荷重が軽減される（なお、前述のように、
この引張力は、側壁部分や屋根部分の復帰のため
に相当強く設定されているので、これらの部分の
荷重は無くなつている）。

側壁部分及び可動屋根部分の閉鎖過程は、上記
の順序と逆になる。すなわち、先ず、引張ロープ
１２が弛められると、緊張したばね３２の引張力
によつて、可動屋根部分６が２つの側壁部分１及
び２とともに第５図の位置に移動する。次いで、
第５図の位置から側壁部分１及び２と可動屋根部
分６とが自重により、ステー０７の規制を受けな
がら、第１図または第７図の閉鎖位置に下降させ
られる。この位置では、広巾の条片１７は床０１
の外縁２１の下側へ旋回し、鉤片１８の湾曲部分
２０が上方へ旋回して広巾の条片１７のスリツト
内へ入る。その結果、下部側壁部分１の下縁２１
に引き付けられ、側壁が閉ざされる。

第９図〜第１１図は、本発明の別の実施例を示
しており、側壁は３つに分割されている。すなわ
ち、下部側壁部分３６の下側に、更に第３の側壁
部分３５が付加され、上部側壁部分３７を含めて
３つの側壁部分に分けられている。第３の側壁部
分３５は、下部側壁部分３６に対してヒンジ３８
により連結されており、下部側壁部分３６は、前
記の実施例と同様に、上部側壁部分３７にヒンジ
３９によつて連結されている。引張ロープ１２は
この実施例でも下部側壁部分３６に下側縁４０に
取付けられている。他の全ての部分は先に述べた
実施例の部分と同じ機能を有しており、同じ符号
が付されている。

従つて、第９図〜第１１図の実施例については
直ちにその動作の説明に入る。閉鎖された位置か
らまず鉤片１８が旋回中心点１９を中心にして下
方へ旋回せしめられ、その結果、湾曲部分２０が
広巾の条片１７のスリツトから外れ、側壁の下縁
が解放される。次いで、３つの側壁部分が懸垂状
態にされる。ロープウインチ１５の操作により引
張ロープ１２は下部側壁部分３６の下縁４０に作
用する。これによつて、第３側壁部分の下側部分
が床０１から持上げられる。引張ロープはまず第
９図の一点鎖線で示す位置まで引張られる。この
位置では、下部側壁部分３６はそのヒンジ結合点
３９を中心にして傾斜し、これに対して、第３の
側壁部分３５はヒンジ部分３８から垂直方向に垂
れ下がる。下部側壁部分３６がさらに引上げられ
ると、この側壁部分３６の外側は上部側壁部分３
７の外側に対面し（第１０図参照）、第３の側壁
部分３５もその自重により側壁部分３６に対面す
る。このことは付加的な利点をもたらす。即ち懸
垂している側壁部分３５と側壁部分３６との角度
位置により山形の構造部分が形成され、これによ
り、12メートルの長い間隔の車体であつてもたわ
むことなく、前と後の壁に設けた両引張ロープ１
２だけで保持できる。

さらに、図面から判るように、全部の３つの側
壁部分が互いに折畳まれている第１０図の位置で
は、下側が広巾の条片１７によつて覆われてい
る。この位置では引張ロープ１２は、先に述べた
実施例について述べたように、案内ローラ１３か
ら既に上つている。引張ロープ１２がさらに引張
られると、今度は上側の屋根部分６がそのヒンジ
７を中心にして上方へ旋回せしめられ、互いに重
ね合わされた側壁部分は第１０図に示されている
直角の位置状態から一緒に旋回せしめられる。こ
れによつて、この開放旋回運動中全長12メートル
の長さの屋根部分６のたるみの発生が防止され
る。旋回運動がさらに進行すると、今度は全側壁
部分が可動の屋根部分６上に乗せられ、該屋根部
分６自体は、その縦桁８，９を固定の屋根部分０
６上の縦桁１０の両側に位置せしめた状態で固定
の屋根部分０６上に載せられる。

上方への旋回のさいの荷重の軽減及び閉鎖仮定
における戻し運動の開始のために、やはり、先に
述べた第７図及び第８図の実施例において詳細に
説明されたように、引張ロープ及びばね３２を有
するロープ案内盤が設けられるのが好ましい。閉
鎖の過程は開放過程と逆の順序で、第１１図、第
１０図及び第９図に示す順序で行われる。図面か
ら判るように、この実施例においても、荷積み及
び荷下しのために車体の側壁が完全に開かれるだ
けでなく、更に外側の屋根部分もはね上げられ、
その結果荷積み及び荷下し作業を、殊にフオーク
リフト等の機械的荷役装置を用いて、著しく容易
に行うことができる。

発明の効果 本願の第１発明によれば、側壁が少なくとも２
つの、上下に分割された側壁部分で構成され、下
部側壁部分の上端縁が上部側壁部分の下端縁にヒ
ンジ連結され下部側壁部分を外側に旋回させて該
下部側壁部分を上部側壁部分に重ねるようになつ
ており、前記屋根の、上部側壁部分に隣接する一
定幅の部分が、他の固定屋根部分に対してヒンジ
連結されて該固定屋根部分の上に重なるように旋
回可能にされており、この可動屋根部分は、前記
上部側壁部分の上端縁に対して、該上部側壁部分
が内側にのみ旋回できるようにヒンジ連結されて
おり、前記上部側壁部分の下側部分は、固定の前
壁または後壁に枢着されたステーによつて支持さ
れて、前記下部側壁部分の下端部分には引張ロー
プが取付けられ、該引張ロープは、可動屋根部分
と上部側壁部分とに隣接した位置に固定された回
転自在の第１の案内ローラと前記固定の屋根部分
に隣接した位置に固定された第２の案内ローラと
を介して巻上手段に接続されていることを特徴と
する貨物自動車が提供され、これにより、ウイン
チ等の巻上手段を操作するだけで、側壁を屋根部
分の一部を含めて広く開放し、荷物の積載や荷下
ろし作業も楽に行える。そして、下部側壁部分が
上部側壁部分に重ねられ、更に両側壁部分が可動
屋根部分とともに固定の屋根部分に重ねられて全
体として偏平に積み重ねられので、上方への突出
量が最小に抑えられる。

また、本願の第２発明によれば、上記第１発明
による貨物自動車の構成に加えて、可動屋根部分
には、第２の引張ロープが取付けられ、この引張
ロープは荷台に固定された引張ばねに連結されて
おり、前記可動屋根部分が固定の屋根部分の上に
重なるように旋回すると引張ばねを緊張させる手
段が設けられて、固定屋根部分の上に、可動屋根
部分と上部側壁部分と下部側壁部分とが重なる速
度を落とすように機能し、また、折り重ねられた
可動屋根部分と上部側壁部分と下部側壁部分とを
元の閉じ状態に復帰させる際の力を与えるように
作用することを特徴とする貨物自動車も提供され
るので、開放動作の際において側壁部分や可動屋
根部分が衝撃的に積み重なつて破損を生じること
がなくなり、また、両側壁部分と可動屋根部分の
閉じ作業の場合にも、第２引張ロープの緊張によ
り、強い力を必要とすることなく、安全に且つ楽
に作業できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
閉じた状態における貨物自動車荷台の横断面図、
第２図は第１図の貨物自動車荷台の第１の開放過
程を示す図、第３図は第１図の貨物自動車荷台の
第２の開放過程を示す図、第４図は第１図の貨物
自動車荷台の第３の開放過程を示す図、第５図は
第１図の貨物自動車荷台の第４の開放過程を示す
図、第６図は第１図の貨物自動車荷台を完全に開
いた状態で示す図、第７図は第１図の貨物自動車
車体を完全に閉じた状態における操作装置を示す
図、第８図は開いた状態における第７図の実施例
の操作装置を示す図、第９図は別の実施例による
貨物自動車荷台の閉じた状態及び第１図の開放過
程における横断面図、第１０図は第９図の貨物自
動車荷台の第２の開放過程を示す図、第１１図は
第９図の貨物自動車荷台を完全に開いた状態で示
す図である。 符号の説明、０１……床、１……下部側壁部
分、２……上部側壁部分、３……ヒンジ、５……
下縁、０６……固定の屋根部分、６……可動屋根
部分、０７……ステー、８……縦桁、９……縦
桁、１０……縦桁、１２……引張ロープ、１３…
…案内ローラ、１４……案内ローラ、１５……ウ
インチ、１６……下縁、１７……条片、１８……
鉤片、２４……ピン、２７……スリツト、２８…
…ねじ、２９……ねじ、３０……引張ロープ、３
１……案内ローラ、３２……引張ばね、３５……
第３の側壁部分、３６……下部側壁部分、３７…
…上部側壁部分、３８……ヒンジ、３９……ヒン
ジ、５６……ロープ案内盤。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 屋根と前壁と後壁と側壁とで構成され、側壁
   部分が開放できるように構成された荷台を有する
   貨物自動車において、側壁が、少なくとも２つ
   の、上下に分割された側壁部分で構成され、下部
   側壁部分の上端縁が上部側壁部分の下端縁にヒン
   ジ連結され下部側壁部分を外側に旋回させて該下
   部側壁部分を上部側壁部分に重ねるようになつて
   おり、前記屋根の、上部側壁部分に隣接する一定
   幅の部分が、他の固定屋根部分に対してヒンジ連
   結されて該固定屋根部分の上に重なるように旋回
   可能にされており、この可動屋根部分は、前記上
   部側壁部分の上端縁に対して、該上部側壁部分が
   内側にのみ旋回可能にヒンジ連結されており、前
   記上部側壁部分の下側部分は、固定の前壁または
   後壁に枢着されたステーによつて支持されてお
   り、前記下部側壁部分の下端部分には引張ロープ
   が取付けられ、該引張ロープは、可動屋根部分と
   上部側壁部分とに隣接した位置に固定された回転
   自在の第１の案内ローラと前記固定の屋根部分に
   隣接した位置に固定された第２の案内ローラとを
   介して巻上手段に接続されていることを特徴とす
   る貨物自動車。 ２ 側壁部分が３つに分割されており、前記下部
   側壁部分の下方に第３の側壁部分が、該下部側壁
   部分に対して旋回可能なように、第３側壁部分の
   上端縁が下部側壁部分の下端縁にヒンジ連結され
   ていることを特徴とする特許請求の範囲第１項記
   載の貨物自動車。 ３ 屋根と前壁と後壁と側壁とで構成され、側壁
   部分が開放できるように構成された荷台を有する
   貨物自動車において、側壁が、少なくとも２つ
   の、上下に分割された側壁部分で構成され、下部
   側壁部分の上端縁が上部側壁部分の下端縁にヒン
   ジ連結され下部側壁部分を外側に旋回させて該下
   部側壁部分を上部側壁部分に重ねるようになつて
   おり、前記屋根の、上部側壁部分に隣接する一定
   幅の部分が、他の固定屋根部分に対してヒンジ連
   結されて該固定屋根部分の上に重なるように旋回
   可能にされており、この可動屋根部分は、前記上
   部側壁部分の上端縁に対して、該上部側壁部分が
   内側にのみ旋回可能にヒンジ連結されており、前
   記上部側壁部分の下側部分は、固定の前壁または
   後壁に枢着されたステーによつて支持されてお
   り、前記下部側壁部分の下端部分には引張ロープ
   が取付けられ、該引張ロープは、可動屋根部分と
   上部側壁部分とに隣接した位置に固定された回転
   自在の第１の案内ローラと前記固定の屋根部分に
   隣接した位置に固定された第２の案内ローラとを
   介して巻上手段に接続されており、前記可動屋根
   部分には、第２の引張ロープが取付けられこの引
   張ロープは荷台に固定された引張ばねに連結され
   ており、前記可動屋根部分が固定の屋根部分の上
   に重なるように旋回すると引張ばねを緊張させる
   手段が設けられて、固定屋根部分の上に、可動屋
   根部分と上部側壁部分と下部側壁部分とが重なる
   速度を落とすように機能するとともに、折り重ね
   られた可動屋根部分と上部側壁部分と下部側壁部
   分とを元の閉じ状態に復帰させる際の力を与える
   ように作用することを特徴とする貨物自動車。 ４ 引張ばねの緊張手段は、可動屋根部分の側面
   に設けられた半円形状のロープ案内盤であること
   を特徴とする特許請求の範囲第３項記載の貨物自
   動車。