JPS625606B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は加圧炊飯機能と長時間保温機能とを備
えた圧力ジヤー炊飯器に関するものである。すな
わち断熱構造の本体ならびに蓋体よりなる保温容
器内に収納した鍋および圧力蓋からなる圧力容器
は、内圧が上昇している時、もしくは内圧が上昇
できる状態にある時には、保温容器から蓋体を開
放できないようにしたものである。従来において
は、圧力容器が内圧上昇状態にある時には、鍋と
圧力蓋とは気密に結合されているので、蓋体を開
放すると蓋体と嵌合した圧力蓋は鍋を結合したま
ま持ち上げられる恐れがあつた。したがつてこの
ような場合、圧力容器に振動等が加えられると、
内圧調整用の圧力弁から急激に内部の蒸気が噴出
したり、鍋の重さにより圧力容器が蓋体から外れ
て落下したりする欠点があつた。本発明において
は、圧力蓋が鍋に結合されていない時のみ蓋体を
開放すると圧力蓋も開放できるようになし、圧力
蓋が鍋に結合されている時には蓋体の開放ができ
ないようにしたロツク機構を設けることを目的と
する。

以下本発明の一実施例について詳述する。

１は内底部に炊飯ヒータを取付けている保護枠
で、外側上部に保温のための保温ヒータ２を装備
している。３は嵌合部３ａと他端にヒンジ部を一
体に成形したリング状の樹脂材よりなる上枠で、
内周上部に保護枠１を取付け、外周下部にボデイ
４を嵌合してなる二重構造の本体５内に、有底筒
状の鍋６を着脱自在に収納している。７は鍋パツ
キン８を介して鍋６の上方開口部を気密に覆う圧
力蓋で、第３図の如く周縁には断続的に切欠き部
７ａを設けてフランジ状の係止部７ｂを形成して
おり、一方鍋６の上方開口部には上記係止部７ｂ
に対応する切欠き部６ｂを設け、他の部分は前記
係止部７ｂを抱持する断面形状の嵌合部６ａを形
成している。この嵌合部６ａの下面に係止部７ｂ
が重合することにより鍋６は圧力蓋７により密閉
されて圧力容器を構成する。なお鍋６の内圧が上
昇し過ぎた場合に鍋６内の蒸気を噴出させて内圧
を調整するためにノズル９が圧力蓋７に設けら
れ、このノズル９の先端はオモリ１０により常時
は閉塞されている。また圧力蓋７には保持軸１１
を中央上面に設け圧力蓋７を介して連結軸１２と
締結されており、この連結軸１２の下端と着脱自
在に嵌合する内蓋パツキン１３を中央に挿着した
内蓋１４を圧力蓋７の下部に設け、前記鍋パツキ
ン８は、内蓋１４の外周壁にて圧力蓋７の周縁下
部に支持されている。

１５はハンドル部を一体に成形した樹脂材より
なる外蓋で、上枠３のヒンジ部と嵌合する支持部
をヒンジ軸１６にて回動自在に枢支し、他端にフ
ツクボタン１７を固着したフツクレバー１８を取
付けている。１９は外蓋１５の内面に設けた放熱
板で、上面に保温のための蓋ヒータ２０を貼り付
け、中央の貫通孔に可撓性を有するホルダー２１
が挿着され、圧力蓋７に締結した保持軸１１がこ
のホルダー２１に着脱かつ回動自在に取付けられ
ている。このように蓋体２２は外蓋１５と放熱板
１９とで二重構造に形成されている。２３はフツ
クボタン１７の下方に設けたロツク軸で、中央に
ツバ２３ａを有し、上部は外蓋１５の貫通孔に挿
入して上下動自在に軸支され、フツクレバー１８
の下面と当接し、下部はツバ２３ａの下面と圧接
する大略椀状でシリコンゴムや可撓性のプラスチ
ツク等からなるロツクパツキン２４の中央の貫通
孔に摺動可能に挿入されている。上記ロツクパツ
キン２４は放熱板１９の貫通孔に挿着されてロツ
ク軸２３を上方へ押圧しているものである。

ここで、本体５を蓋体２２により覆蓋して、圧
力炊飯可能にする場合、鍋６を保護枠１内に位置
規制して収納し、蓋体２２の下面に挿着したホル
ダー２１に圧力蓋７の保持軸１１を嵌合する。圧
力蓋７の係止部７ｂと鍋６の切欠き部６ｂが対応
する位置にて圧力蓋７を蓋体２２に係止させ本体
５に覆蓋すると、シーソ型のフツクレバー１８の
下端に形成したロツク爪部１８ａが上枠３の嵌合
部３ａに係止して施錠されると、前記圧力蓋７の
係止部７ｂは鍋６の切欠き部６ｂ内に収まる。次
に圧力蓋７と直結し本体５の外方に有する圧力ツ
マミ２５を閉方向に回動すると、圧力蓋７の係止
部７ａは鍋６の嵌合部６ａ内に入つて重合される
ことにより密閉され、圧力容器となつて圧力炊飯
が可能となる。このとき、蓋体２２の開放を試み
ると、ロツクパツキン２４にて押圧されたロツク
軸２３の上下端がフツクレバー１８の下面と、圧
力蓋７の上面に当接してフツクボタン１７が可動
できなくなつているため、圧力蓋７が鍋６に結合
されているときには蓋体２２の開放ができなくな
る。逆に、蓋体２２を開放する場合は、圧力ツマ
ミ２５を開方向へ回動し、嵌合前の位置に圧力蓋
７をもどすことで、フツクボタン１７を押すと、
今まで圧力蓋７の上面と当接していたロツク軸２
３が、圧力蓋７の上面に設けた凹部７ｃへ下降
し、その結果フツクボタン１７が可動し、フツク
レバー１８は支点軸２６のまわりに回動してロツ
ク爪部１８ａが上枠３より離れる方向に移動し、
嵌合部３ａとの係止が外れ蓋体２２の開放が可能
となる。なおフツクボタン１７を離すとロツクパ
ツキン２４にてロツク軸２３は上方の元の位置に
移動し常時フツクレバー１８の下面と当接してい
る。

したがつてこの実施例では、圧力蓋により覆つ
た鍋を収納した本体と、この本体を覆蓋する蓋体
の開放は、上記鍋の非密閉時にのみ可能にし、外
蓋と放熱板とで二重構造にした蓋体に、上記本体
と結合するシーソ型のフツクレバーを取付け、こ
のフツクレバーの一端に固着したフツクボタンの
下方に、このフツクレバーの下面と当接し、上記
放熱板より下方へ突出するロツク軸を位置させ、
このロツク軸の中央に形成したツバより上部は上
記外蓋の貫通孔に上下動自在に挿入し、かつロツ
ク軸下部が摺動する貫通孔を中央に有し、上記ツ
バの下面と圧接する大略椀状で可撓性のロツクパ
ツキンを上記放熱板に挿着して調理器の蓋体ロツ
ク機構を構成しているので、次のような効果を奏
する。

すなわち本体ならびに蓋体よりなる保温容器内
に収納した圧力容器への安全性等を考慮した蓋体
のロツク機構であるので、蓋体ロツク解除ボタン
となるフツクボタンの下方に位置するロツク軸
を、放熱板に挿着した大略椀状で可撓性なロツク
パツキンにより常時はフツクボタンを固着したフ
ツクレバーの下面に当接させ、ロツクパツキンの
貫通孔より下方へ突出したロツク軸はフツクレバ
ーの移動と連動して上下動自在に設け、この貫通
孔とロツク軸間より蒸気が蓋体内に入らぬように
気密性を良くして設けることで、蓋体内の蓋ヒー
タの絶縁、寿命等に支障をきたすことなく保温性
能を維持でき、樹脂材よりなる外蓋の変形もなく
なる。また圧力容器が非密閉時のみ蓋体の開放を
可能にし鍋の内圧が上昇している時に誤つて蓋体
を開放することができなくして安全性、性能、品
質、信頼性等をより高めることができる。

以上のように本発明によれば、圧力蓋と鍋とよ
りなる圧力容器を収納した本体とこの本体を覆蓋
する蓋体とを結合するフツクレバーの一端に固定
したフツクボタンの下部に、上端が前記フツクボ
タンのフツクレバーの下面と当接し、かつ上方に
付勢させるとともに、下端を圧力蓋の上部まで位
置させたロツク軸を設け、かつ前記圧力蓋は、鍋
に対して圧力蓋が開放可能な位置にある時のみ、
ロツク軸のストロークを大きくしてフツクレバー
のロツクを解除する上面形状としているため、圧
力蓋と鍋とが結合されている圧力調理時には蓋体
を開放することができず、したがつてその安全性
は簡単な構成にして極めて高いものを得ることが
できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す圧力ジヤー炊
飯器の要部断面で示した側面図、第２図は第１図
におけるＡ部の拡大断面図、第３図は圧力容器と
ロツク機構との要部分解斜視図、第４図はロツク
軸部の分解斜視図である。 ５……本体、６……鍋、７……圧力蓋、１７…
…フツクボタン、１８……フツクレバー、２２…
…蓋体、２３……ロツク軸、２４……ロツクパツ
キン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 圧力蓋と鍋とよりなる圧力容器を収納した本
   体とこの本体を覆蓋する蓋体とを結合するフツク
   レバーの一端に固定したフツクボタンの下部に、
   上端が前記フツクボタンのフツクレバーの下面と
   当接し、かつ上方に付勢させるとともに、下端を
   圧力蓋の上部まで位置させたロツク軸を設け、か
   つ前記圧力蓋は、鍋に対して圧力蓋が開放可能な
   位置にある時のみ、ロツク軸のストロークを大き
   くしてフツクレバーのロツクを解除する上面形状
   とした調理器。