JPS625169Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は入浴補助具に関するものである。

身体障害者、老人、傷病人、幼小児にとつて適
度の入浴が不可欠の場合が多いが、自力で入浴が
出来ない場合には介添者が必要である。介添者は
不自然な姿勢を強いられることから過度の肉体的
負担がかゝる場合が多く、腰痛その他身体の不調
をきたし、介添人の職業病として社会的問題とな
つている。

現在種々の入浴補助具が開発されているが、何
れも構造が複雑なため高価であり、且つ油圧シリ
ンダ、水圧シリンダ、又はねじ等によつて作動さ
せるものが多く、駆動源にはモータ、あるいは人
力による繰り返し動作、例えば油圧、水圧プラン
ジヤペダルを踏むとか、ラチエツトレバーを往復
させるなどを必要とするため、取り扱いが面倒
で、時には浴場に油が混入したり、入浴者が簡単
に自力で操作しにくい欠陥を有していた。

これに対して本願は上記欠陥を解消し、極めて
簡単な構成で、入浴者自身でも操作でき、介添者
の労力を極度に軽減することのできる入浴補助具
を安価に提供しようとするものである。

以下本考案の一実施例について図を参照しつゝ
説明する。第１図は本考案による入浴補助具を浴
槽１内に設置した正面図、第２図は第１図の左側
面図、第３図は第１図の平面図である。床面Ｌに
固定されている浴槽１内に設けられ、滑動溝６′
を有するベース台６と滑動溝７′を有する昇降台
７は両台を結ぶ２対のリンク３，３′（昇降台７
のすべり溝７′内を摺動するピン３″、ベース台６
のすべり溝６′内を摺動するピン３″、昇降台７と
ベース台６に回転滑動する如く取り付けられた滑
動ピン３及びリンク３の中心に設けられた滑動
固定ピン４によつて構成されている。）と水道水
の注水、排水により伸縮するベローズ５によつて
床面Ｌに対して垂直方向に上下動する如く構成さ
れている。次に順を追つて本考案の動作を説明す
る。

第２図において、ベローズ５が満水され、排水
バルブＶが閉じられて昇降台７が上昇しており、
且つ背もたれ２′を有する人体支承台２が、補助
台８の上に移動しているものとする。（人体支承
台２はローラーなどからなる摺動装置９により容
易に補助台８と昇降台７上を矢印Ｐ，P′方向に移
動することができるよう構成されている。）こゝ
で人体を人体支承台２に乗せ、人体支承台２を
P′方向に昇降台７の上へ移動する。

こゝで、第１図に示す如く水道バルブＩを閉
じ、排水バルブＶのハンドルＨを開く（このハン
ドルＨはリンク３′の昇降台７側の滑動ピン３
に設けられたラチエツトギアR′を固定している
ラチエツト爪Ｒと連動しており、排水バルブＶを
開くべくハンドルＨを操作した時のみラチエツト
爪ＲがラチエツトギアR′から離れる如くなつて
いる。）と、ベローズ５の中の水は人体及び人体
支承台２の重量による下降に従つて排水口Ｅから
排水されて、ベローズ５の長さが小さくなり昇降
台７は下降する。必要な位置で昇降台７を停止さ
せるには、水道バルブＩを閉じ、排水バルブのハ
ンドルＨを操作して排水バルブＶを閉じると、昇
降台７は下降を停止する。排水バルブＶが閉じて
いると排水バルブのハンドルＨに連動しているラ
チエツト爪ＲがラチエツトギアR′を固定するの
で、何かのアクシデントによりベローズ５の中の
水が洩れても昇降台７の不慮の下降を防止する。
この状態で人体は入浴を行なう。

入浴が済み、水道バルブＩを開くと、水道水は
矢印Ｑの方向に注水ホース１０を通り、ベース台
６に取り付けられた注水口１０′を通してベロー
ズ５内に水道水が注水され、ベローズ５の長さが
大きくなり、昇降台７は上昇する。この時リンク
３，３′に設けられた摺動ピン３″が昇降台７及び
ベース台６に設けられた各々のすべり溝７′，
６′の左端に接するため、昇降台７は浴槽１の上
縁まで上昇し、人体及び人体支承台２も浴槽の上
縁に移動して停止する。この時ラチエツトギア
R′はラチエツト爪Ｒにより固定されているので
昇降台７の不慮の下降を防止する。

第２図に示す如く、人体及び人体支承台２をＰ
矢印方向に移動し、人体支承台２を補助台８上に
移動して、入浴を終る。

以上述べた如く、本考案にかゝる入浴補助具は
一般の水道水の圧力によるベローズの伸縮により
昇降台を上下させるように構成されているので、
極めて安価に生産することができ、且つ簡単な操
作で使用することができると共に上昇中即ち、排
水バルブＶを閉じるべくハンドルＨを操作した場
合にはラチエツト爪ＲがラチエツトギアR′を固
定しているので、不慮の下降を防ぐことができる
特徴を有しているため、身体障害者、老人、傷病
人、幼小児の入浴に絶大な効果を期待できるもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による入浴補助具を浴槽１内に
設置した正面図、第２図は第１図の左側面図、第
３図は第１図の平面図である。 １……浴槽、２……人体支承台、２′……２の
背もたれ、３，３′……２対のリンク、３″……摺
動ピン、３……滑動ピン、４……３，３′の滑
動固定ピン、５……ベローズ、６……ベース台、
６′……６に設けられたすべり溝、７……昇降
台、７′……７に設けられたすべり溝、８……補
助台、９……摺動装置、１０……注水ホース、１
０′……注水口、Ｐ，P′……２の摺動方向、Ｌ…
…床面、Ｉ……水道バルブ、Ｑ……注水水流方
向、Ｒ……ラチエツト爪、R′……ラチエツトギ
ア、Ｖ……排水バルブ、Ｈ……Ｖのハンドル、Ｅ
……排水口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水道水の圧力により注水され得る注水口および
   人体支承台の重量により排水され得る排水口を有
   しこの注水および排水により垂直方向に伸縮する
   ベローズの上部および下部にそれぞれ固定され共
   に浴槽内に設けられる昇降台およびベース台と、
   上記の人体支承台を上記の昇降台上で水平に移動
   して上記の浴槽外に至らせ得る摺動装置と、上記
   の昇降台および上記のベース台を結ぶリンクに係
   合するラチエツトギアのラチエツト爪に連動しか
   つ排水バルブを操作し得るハンドルと、および、
   注水用の水道バルブとより成り、排水バルブの上
   記の操作により上記のラチエツトギアが固定され
   上記のベローズの伸縮が制御されることを特徴と
   する入浴補助具。