JPS625070Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は下水中のし渣がスクリーンに滞溜せ
ず、且つスクリーン内に巻込まれるのを防止し得
るようにした下水処理装置に関するものである。

従来の下水処理装置は第１図により説明する
と、図中ａはチエーンｂに所要の間隔で取り付け
た棒状のレーキ、ｃは傾斜部ｇを有するスクリー
ン、ｄはし渣シユートである。斯かる従来装置で
はスプロケツトｅを駆動することによりチエーン
ｂが移動し、下水ｆ中のし渣はレーキａに掻き上
げられてスクリーンｃ面に沿い上昇しつつ水を切
られ、頂部を通過した後し渣シユートｄ内に投入
される。図中ｈはレーキａ先端の軌跡である。

しかし、上記装置では、スクリーンｃは頂部か
らし渣シユートｄ側へ突出した形状になつている
ため、し渣はチユート投入部で落下しにくく、ス
クリーンｃのし渣シユートｄ上方部に滞溜し易く
かつた。又レーキ先端の軌跡は傾斜部ｇで該傾斜
部ｇの角度と平行であるため、レーキａがスクリ
ーンｃから離れる時にし渣をスクリーンｃ内へ巻
込み再び下水ｆ中に落下させ易くかつた。更に、
し渣と一緒に掻き上げられた空缶をし渣に混入し
たままで焼却しようとした場合、アルミ缶の溶融
が焼却炉を損傷する原因となるため、人間が３〜
４人がかりでし渣から空缶を選別しており、省力
化の観点から好ましくなかつた。

本考案は上記観点に鑑み、し渣がスクリーンに
滞溜せず、且つ一旦掻き上げられたし渣が下水に
再び落下することもなく、しかもし渣から空缶を
選別し得るようにした下水処理装置を提供するこ
とを目的としてなしたものである。

本考案においては、スクリーンに掻き上げ部と
水平部と下方に行くに従い装置後方側へ延びる傾
斜を付した逆傾斜部を設けると共にスクリーンに
沿い移動しし渣を掻き上げるレーキを配設し、ス
クリーン逆傾斜部の垂線に対する傾斜角を、前記
レーキの移動軌跡がスクリーン逆傾斜部で垂線に
対して形成する傾斜角より小さくしている。従つ
てし渣がスクリーンに滞溜したり、或いはスクリ
ーン内に巻込まれるのを防止し得られる。

以下、本考案の実施例を添付図面に基いて説明
する。

複数のスプロケツト１に無端状のチエーン２を
巻掛け、該チエーン２に、チエーン進行方向及び
チエーン進行方向に対して直角方向へ向けて所要
の間隔で棒状のレーキ３を固着し、チエーン２の
外周部に、昇り勾配の掻き上げ部４、水平部５、
掻き上げ部４と略平行な逆傾斜部６から成るスク
リーン７を配設する。スクリーン７は第３図に示
すごとく、チエーン進行方向に対して直角方向に
所要の間隔で配設されたバー８とバー８に挾まれ
た空隙部９を備えており、前記レーキ３は空隙部
９内をバー８に沿い移動し得るようになつてい
る。又、スクリーン７の逆傾斜部６の垂線に対す
る角度θ_１は逆傾斜部６部でレーキ先端軌跡１７
が垂線に対して成す角度θ_２より小さく、逆傾斜
部６ではチエーン２の移動によりレーキ３はスク
リーン７の空隙部９から抜けるようになつてい
る。

スクリーン７の逆傾斜部６の下方にし渣シユー
ト１０を配設し、し渣シユート１０の上方に軸１
１を中心に前後へ揺動し得るようにしたシユート
ダンパー１２を取付け、該シユートダンパー１２
の反スクリーン側の一端に、シユートダンパー１
２がスクリーン７から離れる方向へ向けて下り勾
配となるようバランスウエイト１３を取付け、前
記し渣シユート１０の下部にし渣を搬送するコン
ベヤ１４を配設すると共にシユートダンパー１２
の反スクリーン側端下方に、し渣から選別した空
缶を回収するための空缶回収ボツクス１５を配設
する。

なお、図中１６はチエーンを回動させるための
駆動装置、１８は下水、１９はし渣である。

次に、本考案の作動について説明する。

スクリーン７の掻き上げ部４に付着したし渣１
９はレーキ３により掻き上げられ、スクリーン７
の掻き上げ部４に沿い上昇してスクリーン７の水
平部５へ運ばれる。し渣中の水分は掻き上げ部４
及び水平部５を搬送される間に水切りされて減少
する。

し渣と一緒に空缶が掻き上げられた場合には、
空缶は水平部５の終端からシユートダンパー１２
へ落下し、空缶回収ボツクス１５に集められる。
このように、空缶は作業員によらず自動的に選別
できるため、省力化が可能であり、又焼却炉へは
し渣のみが搬入されるため、アルミ缶の溶融によ
る焼却炉の損傷もなくなる。

空缶以外のし渣は、水平部５終端を通過する時
もスクリーン７から分離することなく、レーキ３
によつて逆傾斜部６へ運ばれる。逆傾斜部６では
レーキ３が徐々にスクリーン７の空隙部９から抜
けてスクリーン７内に返るため、し渣はレーキ３
から離れて円滑にし渣シユート１０内へ落下す
る。このため、し渣は、スクリーン７に滞溜する
ことがなく、又スクリーン７内に巻込まれること
はない。

場合によつては直径30cm程度の大きなし渣の塊
が掻き上げられることがあるが、この場合は塊の
重量によつてシユートダンパー１２が第２図の二
点鎖線に示すように押し下げられる。このため、
塊はシユートダンパー１２にからみ付くことな
く、し渣シユート１０へ落下する。塊通過後シユ
ートダンパー１２はバランスウエイト１３によつ
て元の位置へ復帰する。

第４図は本考案の下水処理装置に使用するシユ
ートダンパーの他の例を示している。シユートダ
ンパー１２は蝶番２０により前後へ揺動し得るよ
うになつており、塊が通過した後はスプリング２
１により復帰し得るようになつている。

なお、本考案の実施例においては、し渣シユー
トから落下したし渣ごベルトコンベヤにより運搬
する場合について説明したが、スクリユーコンベ
ヤ等適宜の搬送手段を使用し得ること、その他、
本考案の要旨を逸脱しない範囲内で種種変更を加
え得ること、等は勿論である。

本考案の下水処理装置によれば、 シユート投入部のスクリーンに、不方へ行く
に従い装置後方側に位置するよう傾斜を付した
逆傾斜部を設けているため、シユート投入部の
スクリーンにし渣が滞溜することを防止でき
る、 スクリーン逆傾斜部ではスクリーンとレーキ
先端の軌跡に角度差をもたせ、レーキがスクリ
ーンから徐々に抜けるようにしているため、レ
ーキの返りによるし渣の巻込みを防止できる、 スクリーンには水平部を設けているため水切
り効果が向上してし渣の水分を減少でき、その
結果、し渣の処分が容易になる、 スクリーンの逆傾斜部の前方に下り勾配のシ
ユートダンパーを設ければ、掻き上げられた空
缶を自動的に回収することができ、このため、
空缶がし渣内に混入するのを防止できると共に
空缶選別用の作業員が不要となる、 シユートダンパーを前後に揺動可能にし且つ
前方に向け下り勾配を保持するような復帰手段
を設ければし渣の塊をも支障なく処理すること
ができる、 等、種々の優れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の下水処理装置の説明図、第２図
は本考案の下水処理装置の一実施例の説明図、第
３図は第２図の−方向矢視図、第４図は本考
案の下水処理装置に使用するシユートダンパーの
他の説明図である。 図中２はチエーン、３はレーキ、４は掻き上げ
部、５は水平部、６は逆傾斜部、７はスクリー
ン、１０はし渣シユート、１２はシユートダンパ
ーを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 掻き上げ部と該掻き上げ部に続く水平部と該水
   平部に続き下方へ行くに従い装置後方側へ延びる
   傾斜を付した逆傾斜部から成るスクリーン、及び
   該スクリーンに沿い移動しし渣を掻き上げるレー
   キ、を備え、且つ前記スクリーン逆傾斜部の垂線
   に対する傾斜角を、前記レーキの移動軌跡が前記
   スクリーン逆傾斜部で垂線に対して形成する傾斜
   角より小さくしたことを特徴とする下水処理装
   置。