JPH086097Y2 - 固液分離装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、下水処理場等により回収されたスクリーン
渣を流水トラフ内を流下させて所要位置で、掻き揚げて
固液分離を行う装置に関するものである。

〔従来の技術〕

下水処理場等において多数の除塵機を配置し、各除塵
機より掻き揚げられたスクリーン渣を流水トラフへ排出
し、トラフ内を流下させ、トラフ終端位置にピットを設
け、スクリーン渣を流下水とともにピットに投入し、ピ
ット内に設けたスクリーン渣掻揚装置で掻き揚げ排出す
るようにしている。

〔考案が解決しようとする課題〕

各除塵機で掻き揚げたスクリーン渣を流水トラフ内を
流下させることにより、スクリーン渣は簡易に１箇所に
集められ、かつ洗浄される利点があるが、流水トラフ内
を流下するスクリーン渣の量は極めて多量となる。

このため、流水トラフの出口にスクリーンを配設し、
スクリーン渣をスクリーンにて捕捉し、流水とスクリー
ン渣とを分離し、このスクリーンに捕捉されたスクリー
ン渣をスクリーン渣掻揚装置のレーキにて掻き揚げ排出
する際、スクリーン渣がスクリーンに詰まり、レーキが
スクリーンに正確に噛み込むことができない場合があ
る。レーキがスクリーンに噛み込まなければ、スクリー
ンにて捕捉したスクリーン渣の掻揚は不可能となる。

本考案は、スクリーンにスクリーン渣が詰まらないレ
ーキ導入部を形成することにより、レーキがスクリーン
に大きな負荷なく、円滑かつ正確に噛み込むことができ
るようにした、固液分離装置を提供することを目的とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案の固液分離装置は、
スクリーン渣を搬送する流水トラフの終端部にピット形
成し、ピットの入口部に、下端にレーキの挿入方向の厚
みを大にしたレーキ導入部を形成し、上端を水面上にま
で延設したスクリーンを配設し、ピット内にスクリーン
に捕捉されたスクリーン渣をスクリーンの裏面より掻き
揚げるレーキを備えたスクリーン渣掻揚装置を配設した
ことを要旨とする。

〔作用〕

流水トラフ内を流下してきたスクリーン渣は流水トラ
フの終端部に形成されたピットの入口部に配設したスク
リーンにて捕捉される。

スクリーンに捕捉されたスクリーン渣は、スクリーン
の裏面より掻き揚げるレーキを備えたスクリーン渣掻揚
装置にて掻き揚げられ、シュート内へ排出される。

スクリーン渣掻揚装置のレーキが、スクリーンに噛み
込む位置、すなわち、スクリーンの下端に、レーキの挿
入方向の厚みを大にしたレーキ導入部を形成しているた
め、この部分のスクリーンにはスクリーン渣が詰まら
ず、レーキは、スクリーンに大きな負荷なく、円滑かつ
正確に噛み込むことができ、固液分離を支障なく行うこ
とができる。

〔実施例〕

以下、本考案を図示の実施例に基づいて説明する。

図において１は並列する除塵機２のスクリーン渣排出
口下方に配置した流水トラフで、各除塵機２にて掻き揚
げられたスクリーン渣は流水トラフ１内へ排出され、こ
の流水トラフ１内の流水により流水トラフ端側へ流下す
る。

この流水トラフ１の終端部は始端側に比べ低くなるよ
うに傾斜して設置されるとともに、流水トラフの終端部
にピット11を形成する。

ピット11内には、斜上方に突出するスクリーン渣掻揚
装置３を設設するとともに、ピット11の入口部に、下端
にスクリーン渣掻揚装置３のレーキ35の挿入方向の厚み
を大にしたレーキ導入部36aを形成し、上端を水面上に
まで延設したスクリーン36を配設する。

スクリーン渣掻揚装置３は、その下端を流水トラフ１
よりも低位置のピット11内に設け、上端を流水トラフ１
よりも上方位置となる所要の傾斜角を有する筒状のケー
シング31にスプロケットホイール32,33を配設し、この
スプロケットホイール32,33間にチェン34を張架し、こ
のチェン34に所定間隔でレーキ35を複数個突設し、レー
キ35の上昇方向の軌跡に沿ってスクリーン36の延長線上
にエプロン37を配設する。このスクリーン渣掻揚装置３
は、レーキ35をスクリーン36の裏面側より掻き上げるよ
うにした、いわゆる裏掻式として構成する。

スクリーン36の下端には、第１図に示すように、スク
リーン渣掻揚装置３のレーキ35の挿入方向の厚みを大に
したレーキ導入部36aを一体に形成し、このレーキ導入
部36aを流水トラフ１よりも低い位置になるように配置
する。

そして、レーキ導入部36aの背面側にスプロケットホ
イール32を配設し、レーキ35が復路側を降下し、スプロ
ケットホイール32より往路側へ方向転換する際に、レー
キ導入部36aの背面よりスクリーン36に挿入、すなわ
ち、レーキ35がスクリーン36に噛み込むようにする。

これにより、流水トラフ１内を流下してきたスクリー
ン渣は、流水トラフ１内を流下する間に洗浄され、流水
トラフ１の終端部に配設されたスクリーン36によって捕
捉される。

この時、レーキ35はチェン34を駆動することにより、
スクリーン36の背面側をスクリーン36に沿って循環移動
しているので、レーキ35はスプロケットホイール32を経
て往路側に方向転換する際、スクリーン36の下端に形成
したレーキ導入部36aの背面より、スクリーン36に挿入
される。

スクリーン36のレーキ導入部36aは、レーキ35の挿入
方向の厚みが大で、かつ流水トラフ１より下方位置にあ
るため、スクリーン渣はレーキ導入部36aには捕捉され
ず、また、スクリーン36の裏面のピット11は、ドライピ
ットとなっているため、スクリーン渣は排水と共に流出
する。

このため、レーキ導入部36aがスクリーン渣によって
詰まることはなく、レーキ35は円滑かつ確実にスクリー
ンへ挿入される。

そして、レーキ35の上昇により、スクリーン36のレー
キ導入部36aより本体部へとレーキが移動し、スクリー
ン36で捕捉されたスクリーン渣をスクリーン36、エプロ
ン37を介して掻き上げ、シュート内へ排出する。

上部のスプロケットホイール33にて上昇方向から降下
方向へ方向転換したレーキ35は、この位置で、第３図に
示すワイパー装置４に接触し、レーキ35に付着している
スクリーン渣は強制的に除去される。

ワイパー装置４は、レーキ35の反転位置にて先端がレ
ーキ35に接するワイパー本体41を支軸42にて揺動自在に
支持するとともに、ワイパー本体41の反対側にバランス
ウェイト43を突設して構成し、レーキ35の移動によりワ
イパー本体41を押し下げ、これによってレーキ35に付着
しているスクリーン渣を除去するものである。

〔考案の効果〕 本考案によれば、スクリーン渣を掻き揚げるスクリー
ン渣掻揚装置のレーキを、大きな負荷なく、円滑かつ正
確にスクリーンの裏面より挿入することができ、連続し
て流水トラフから流下してくるスクリーン渣の固液分離
を支障なく行うことができる。

【図面の簡単な説明】 図面は本考案の固液分離装置の実施例を示し、第１図は
正面図、第２図は除塵機と流水トラフとの関係を示す説
明図、第３図はワイパー装置の説明図である。 １は流水トラフ、11はピット、３はスクリーン渣掻揚装
置、32,33はスプロケットホイール、35はレーキ、36は
スクリーン、36aはレーキ導入部、４はワイパー装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】スクリーン渣を搬送する流水トラフの終端
   部にピット形成し、ピットの入口部に、下端にレーキの
   挿入方向の厚みを大にしたレーキ導入部を形成し、上端
   を水面上にまで延設したスクリーンを配設し、ピット内
   にスクリーンに捕捉されたスクリーン渣をスクリーンの
   裏面より掻き揚げるレーキを備えたスクリーン渣掻揚装
   置を配設したことを特徴とする固液分離装置。