JPS6250172B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はフイルタプレスの板送り装置に関
するものである。

板把手部をサイドバーに係架して板を板
重合方向に進退自在とする一方、板把手部に係
脱する板送り手段をサイドバーに沿つて進退自
在に設け、板送り手段の往復駆動によりフイル
タプレス固定端板側に待機する板をフイルタプ
レス可動端板側に順次移送するようにしたフイル
タプレスの板送り装置においては、板送り手
段の可動端板側への移送動作に伴い重合圧接状態
にある板群から１枚宛板を直接可動端板側へ
向けて引き離すので、その引離し作用で他の待機
板間に緩みが生じて、これら板間より残留
液や未過原液あるいはケーク片などを落下させ
るおそれがある。

しかも、この種の従来の板送り装置では、
板の移送のさいに、板把手部がサイドバーに摺
接するだけでなく、板把手部に係脱する板送
り手段がサイドバーに沿設されるガイドレールな
どにローラーなどを介して転接するようにしてい
るので、板把手部とサイドバーの間および板
送り手段とガイドレールの間に摺動摩擦が生じ、
板の左右で移送が不均衡になつて板が傾き、
円滑な移送を妨げたり板を破損させるなどの不
都合を有する。また板の重量が増大するにつれ
て前記の摺動摩擦も増大するので、板送り手段
の駆動により大きな動力源が必要になりコストが
増大する。

この発明は、従来のフイルタプレスの板送り
装置における如上の問題点を解消し、板移送の
さい待機板間に緩みが生じないばかりでなく、
摺動摩擦も生じず円滑な板移送を行うことので
きるフイルタプレスの板送り装置を提供するこ
とを目的とするものである。

以下、図に基づいてこの発明のフイルタプレス
の板送り装置の一実施例を説明すれば、板１
……の重合方向に向けて一対のサイドバー２，２
を並設し、板１をその両側面に突設される把手
部１ａ，１ａによりサイドバー２，２間に摺動自
在に係架して、固定端板３と可動端板４の間で各
板１……が進退自在となるようにする一方、前
記サイドバー２の外向き面に沿つて移動基台５を
板重合方向に進退自在となるように設けるとと
もに、この移動基台５に対し把手部係架部材６を
昇降自在に設け、各板１……が待機する固定端
板３側に移動基台５がきたとき把手部係架部材６
を上昇させて板把手部１ａをサイドバー２から
持ち上げ、そのまま移動基台５を可動端板４側へ
移動させ、移動基台５が可動端板４側の所定位置
にきたとき把手部係架部材６を降下させて板把
手部１ａを把手部係架部材６からサイドバー２に
移し替えることにより、各板１……を固定端板
３側から可動端板４側へ順次移送しうるようにし
た板送り装置であつて、第５図ないし第８図に
示すように下方に向け開放する開口５ａを移動基
台５の底面部に形成するとともに、サイドバー２
のに沿つて設けた基台移送路面７と移動基台底面
の開口５ａとで囲まれる空気溜り空隙Ａに圧縮空
気を供給する浮上用給気手段８を、移動基台５の
移動を許容しうるように移動基台５に接続して、
空気溜り空隙Ａへ供給される圧縮空気で移動基台
５を基台移送路面７上に浮上させるようにしたも
のである。

移動基台５を進退駆動する基台移送手段９は、
サイドバー２の前後部に分設したプーリー１０，
１０、これらプーリー１０，１０間に掛けたロー
プ１１および図示しないモータなどからなり、ロ
ープ１１の途中に移動基台５を接続している。

移動基台５の開口５ａは、底面部周縁にスカー
ト１２を周設して形成し、この開口５ａ内に配設
したレールガイド１３……で基台移送路面７上の
レール１４を挾むようにしている。前記スカート
１２の前後部には切欠き１２ａ，１２ａを形成し
て、レール１４の逃げ部としている。

把手部係架部材６は、ピストンロツド６ａの先
端にＵ字状の受け部６ｂを形成したエアシリンダ
からなり、サイドバー２に係架される板把手部
１ａに対し下方より受け部６ｂが対向しうるよう
に、移動基台５の上方に向け突設している。

把手部係架部材６に昇降制御用圧縮空気を供給
する手段は、先の基台浮上用給気手段８で兼用す
る。この給気手段８と移動基台５を結ぶ給気管１
５は可とう管からなり、前記基台移送路面７と平
行にサイドバー２に対し吊持体ガイドバー１６を
併設し、この吊持体ガイドバー１６に摺動自在に
懸架した複数の吊持体１７……により、螺旋状に
巻回した給気管１５を吊持して、給気管１５が移
動基台５の進退動作のさまたげにならないように
している。

把手部係架部材６と給気管１５とは、移動基台
５内に装置した４方口電磁弁１８を介して接続
し、この電磁弁１８の切換え動作により給気管１
５から送られてくる圧縮空気を、把手部係架部材
６の上昇駆動と降下駆動とに切り換えて利用でき
るようにしている。給気管１５と電磁弁１８とを
結ぶ給気路１９の途中には、第５図および第６図
に示すように前記開口５ａに連通する分岐路２０
を形成している。分岐路２０の途中には、開口５
ａへ供給される圧縮空気の圧力調整をはかるニー
ドル弁２１を設けている。

移動基台５の上部には固定端板３側に待機する
板群のうち最前部の板１の把手部１ａの真下
に把手部係架部材６がきたとき、これを検知する
往路停止位置検知センサ２２ａと、把手部１ａを
把手部係架部材６で持ち上げられて可動端板４側
に移送された板１が可動端板４またはすでに可
動端板４側に移送済みの板１に接する位置まで
きたとき、これを検知する復路停止位置検知セン
サ２２ｂとを設け、往路停止位置検知センサ２２
ａの出力する位置検知信号に対応する制御信号を
基台移送手段９のモータが受けて、移動基台５の
可動端板４側から固定端板３側への進出動作を停
止させるとともに、この位置検知信号に対応する
制御信号を電磁弁１８が受け把手部係架部材６を
上昇駆動する側に切り換えて、把手部係架部材６
の上昇動作が完了したあと移動基台５が可動端板
４側に向かう方向に基台移送手段９のモータの回
転を切り換える一方、復路停止位置検知センサ２
２ｂの出力する位置検知信号に対応する制御信号
を基台移送手段９のモータが受けて、移動基台５
の固定端板３側から可能端板４側への後退動作を
停止させるとともに、この位置検知信号に対応す
る制御信号を電磁弁１８が受け把手部係架部材６
を降下駆動する側に切り換えて、把手部係架部材
６の降下動作が完了したあと移動基台５が固定端
板３側に向かう方向に基台移送手段９のモータの
回転を切り換えるようにしている。前記の各セン
サ２２ａ，２２ｂから出力される位置検知信号
は、第８図で示すように一旦制御回路２３で受
け、電磁弁１８の駆動に十分な制御信号に変換し
て出力される。移動基台５と分離して固設される
制御回路２３と前記各センサ２２ａ，２２ｂおよ
び電磁弁１８の間を接続する配線は、例えば先の
給気管１５に沿つて配設することにより、移動基
台５の移動のさまたげになるのを回避できる。

前記の各停止位置検知センサ２２ａ，２２ｂ
は、板把手部１ａに作用可能となるようにリミ
ツトスイツチを配置して構成してもよいが、例え
ば各板１……の把手部１ａ下面に磁石を設け、
この磁石に接近してスイツチング動作する近接ス
イツチなどを前記停止位置検知センサ２２ａ，２
２ｂとして移動基台５上に配設するなどの構成も
採用しうることは勿論である。

各停止位置検知センサ２２ａ，２２ｂの配設間
隔は、板１の厚みにほぼ等しく設定して、移動
基台５の可能端板４側への移動において、復路停
止位置センサ２２ｂが可動端板４側へ移送済みの
板１の把手部１ａの真下にきて位置検知信号を
出力する状態で、把手部係架部材６に持ち上げら
れて移送されてきた板１が移送済み板１と接
面しうるようにしている。なお、移動基台５の可
動端板４側への最初の移動のさいには、復路停止
位置検知センサ２２ｂは、可動端板４の側面に突
設されサイドバー２上に摺接するガイドピン４ａ
に作用することにより、位置検知信号を出力しう
るようにしている。

以上の説明では、一方のサイドバー２側の構成
についてのみ示したが、同様の構成を他方のサイ
ドバー２側にも付設して、両方の機能が同期して
行われるようにしている。

この板送り装置の動作を以下に説明する。

フイルタプレスのプレス処理が終了して、各
板１……を固定端板３側に残し可動端板４が後退
した状態で、移動基台５は可動端板後退側に待機
している。

給気手段８および基台移送手段９に駆動指令を
与えると、給気手段８より送出される圧縮空気が
給気管１５、給気路１９を経て、移動基台５の開
口５ａと基台移送路面７で囲まれる空気溜り空隙
Ａに及び、その噴出圧力で移動基台５は基台移送
路面７よりわずかに浮上し、その浮上姿勢のまま
基台移送路面７のレール１４に沿つて板１……
の待機する固定端板３側に進出し始め、最前部に
待機する板１の把手部１ａの真下に把手部係架
部材６がさしかかる位置まで移動基台５がくる
と、往路停止位置検知センサ２２ａが位置検知信
号を出力する。

この位置検知信号に対応する制御信号を制御回
路２３より受けて基台移送手段９が駆動停止する
ため、第３図に示すように移動基台５がこの位置
に停止する一方、電磁弁１８も制御回路２３より
前記位置検知信号に対応する制御信号を受けて切
り換わり、それまで降下位置にあつた把手部係架
部材６を上昇駆動して、最前部板１の把手部１
ａを持ち上げる。

このような持ち上げ作用により、最前部の板
１は隣接する他の板１と切り離されて上昇する
が、このとき残される板群には可動端板４側へ
の引張り力が及ばないので、各板間に緩みが生
じることがなく、板押え装置などの付加装置が
なくても板間の隙間より残留液や未過原液
あるいはケーク片などが落下することはない。

把手部係架部材６による板１の持ち上げが終
了すると基台移送手段９のモータが反転駆動を開
始し、移動基台５は可動端板４側へ移動しはじめ
る。この板移送動作において、板把手部１ａ
がサイドバー２上に浮上しているばかりでなく、
移動基台５も基台移送路面７上に浮上しているの
で、板１とサイドバー２の間および移動基台５
と基台移送路面７の間には摺動摩擦が生じず、
板１の左右で移送が不均衡になつて板１が傾い
たりするのを回避でき、板１を円滑に移送でき
る。

移動基台５上の復路停止位置検知センサ２２ｂ
が可動端板４のガイドピン４ａの真下にさしかか
る位置、すなわち把手部係架部材６に持ち上げら
れた板１が可動端板４と接面する位置まで移動
基台５が後退すると、復路停止位置検知センサ２
２ｂが位置検知信号を出力する。

この位置検知信号に対応する制御信号を制御回
路２３より受けて基台移送手段９が駆動停止する
ため、移動基台５がこの位置に停止する一方、電
磁弁１８も前記位置検知信号に対応する制御信号
を制御回路２３より受けて切り換わり、それまで
上昇位置にあつた把手部係架部材６の降下駆動し
て、移送してきた板１をサイドバー２上に係架
する。

把手部係架部材６の降下動作が終了すると、基
台移送手段９のモータが再び反転駆動し、移動基
台５は固定端板３側へ進出しはじめる。

以後、同様の動作を繰り返して、固定端板３側
に待機する板１……は１枚宛順次可動端板４側
へ移送される。なお２回目以後の移送において
は、移動基台５上の復路停止位置検知センサ２２
ｂは、第４図に示すように可動端板４側の移送済
み板１……のうち最後部板１の把手部１ａの
真下にさしかかる位置で、この把手部１ａに作用
して位置検知信号を出力する。

この実施例では、把手部係架部材６をエアシリ
ンダで構成し、その駆動源として給気手段８を基
台浮上用駆動源と兼用するようにしているが、こ
れに限らず、例えばソレノイドで把手部係架部材
６を構成してもよい。

また移動基台５の浮上は、前記実施例のように
往路と復路の両方で行う必要はなく、板１の荷
重が加わる復路においてのみ浮上させるようにし
てもよい。なお、この板送り装置は、単式フイ
ルタプレスに限らず複式フイルタプレスにも適用
可能である。

この発明の板送り装置によれば、板把手部
１ａをサイドバー２から持ち上げる把手部係架部
材６を移動基台５に対し昇降自在に設け、下方に
向け開放する開口５ａを移動基台５の底面部に形
成するとともに、サイドバー２に沿つて設けた基
台移送路面７と移動基台底面部の開口５ａとで囲
まれる空気溜り空隙Ａに圧縮空気を供給する浮上
用給気手段８を、移動基台５の移動を許容しうる
ように移動基台５に接続して、空気溜り空隙Ａへ
供給される圧縮空気で移動基台５を基台移送路面
７上に浮上させるようにしたので、次に挙げるよ
うな効果が得られる。

(イ) 固定端板３側から各板１……を引き離すさ
いに、固定端板３側に残る板１……に引張り
力が及ばず、したがつて板押え装置などの付
加手段を講じなくても固定端板３側に待機する
板間に緩みが生じることがなく、板間から
残留液や未過原液あるいはケーク片などが
こぼれ落ちるのを防止することができる。

(ロ) 把手部係架部材６で板１をサイドバー２か
ら持ち上げるだけでなく、移動基台５も基台移
送路面７上に浮上させて板移送がはかられる
ので、板１とサイドバー２の間および移動基
台５と基台移送路面７に摺動摩擦が生じること
がなく、板移送を円滑に行うことができる。
したがつて、板１の送りが左右で不均衡にな
つて板１が傾き破損するといつた不都合を回
避できるとともに、基台移送手段９の駆動源を
小容量に抑えることができ、コストを低減でき
る。

(ハ) 実施例のように、把手部係架部材６をエアシ
リンダで構成することにより、給気手段８を基
台浮上用とに兼用することができ、全体の構成
を簡略化できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す概略側面
図、第２図はその要部縦断面図、第３図は移動基
台が往路停止位置にある状態を示す部分側面図、
第４図は移動基台が復路停止位置にある状態を示
す部分側面図、第５図は移動基台の拡大断面図、
第６図は一部を破断して示す移動基台の平面図、
第７図は移動基台の正面図、第８図は移動基台の
制御系統を示す説明図である。 １……板、１ａ……把手部、２……サイドバ
ー、３……固定端板、４……可動端板、５……移
動基台、５ａ……開口、６……把手部係架部材、
７……基台移送路面、８……給気手段、９……基
台移送手段、１２……スカート、１４……レー
ル、１６……吊持体、１７……吊持体ガイドバ
ー、２０……分岐路、２１……ニードル弁、１５
……給気管、係架部材昇降制御手段、１８……電
磁弁、係架部材昇降制御手段、１９……給気路、
係架部材昇降制御手段、２３……制御回路、係架
部材昇降制御手段、２２ａ……往路停止位置検知
センサ、係架部材昇降制御手段、２２ｂ……復路
停止位置検知センサ、係架部材昇降制御手段、Ａ
……空気溜り空隙。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 板把手部を摺動自在に係架するサイドバ
   ー、サイドバーに沿つて進退自在とした移動基
   台、移動基台に対し昇降自在に設けられ板把手
   部をサイドバーから持ち上げる把手部係架部材、
   移動基台を駆動する基台移送手段、フイルタプレ
   ス固定端板側に待機する板のうち最前部板の
   把手部係架部材による持ち上げが可能な位置に移
   動基台がきたとき把手部係架部材を上昇させると
   ともにフイルタプレス可動端板側の所定位置に移
   動基台がきたとき把手部係架部材を降下させる係
   架部材昇降制御手段を備えたフイルタプレスの
   板送り装置であつて、下方に向け開放する開口を
   移動基台の底面部に形成するとともに、サイドバ
   ーに沿つて設けた基台移送路面と移動基台底面部
   の開口とで囲まれる空気溜り空隙に圧縮空気を供
   給する浮上用給気手段を、移動基台の移動を許容
   しうるように移動基台に接続して、空気溜り空隙
   へ供給される圧縮空気で移動基台を基台移送路面
   上に浮上させるようにしたことを特徴とするフイ
   ルタプレスの板送り装置。 ２ 把手部係架部材はエアシリンダからなり、浮
   上用給気手段を前記エアシリンダの駆動源に兼用
   した特許請求の範囲第１項記載のフイルタプレス
   の板送り装置。