JPS6250045B2 - - Google Patents

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JPS6250045B2
JPS6250045B2 JP56172797A JP17279781A JPS6250045B2 JP S6250045 B2 JPS6250045 B2 JP S6250045B2 JP 56172797 A JP56172797 A JP 56172797A JP 17279781 A JP17279781 A JP 17279781A JP S6250045 B2 JPS6250045 B2 JP S6250045B2
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JP
Japan
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bismuth oxide
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oxide
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JP56172797A
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Takeo Yamazaki
Tadahiko Mitsuyoshi
Ken Takahashi
Shinichi Oowada
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は酸化亜鉛を主成分とし、少なくとも酸
化ビスマスを副成分として含む焼結体からなる電
圧非直線抵抗体及びその製法に関する。 従来、酸化亜鉛を主体とし、これに酸化ビスマ
ス、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化アンチモ
ンなどを添加し成形、焼結した電圧非直線抵抗体
が電圧安定化素子、サージアプソーバ、アレスタ
などに利用されている。この酸化亜鉛系の電圧非
直線抵抗体は、炭化ケイ素からなる電圧非直線抵
抗体などに比べて電圧−電流特性の非直線性が優
れているが、サージ吸収あるいは長時間の定電圧
課電によつて特性の劣化が起り、漏れ電流が徐徐
に増加してついには熱暴走に至るという問題があ
つた。こうした劣化の原因としては (1) 電圧非直線抵抗体素子を窒素雰囲気中で熱処
理すると、課電の場合と同様に特性劣化するこ
と、 (2) 特性劣化した素子を大気中又は酸素雰囲気中
で熱処理すると特性が元に戻ること、 などから、焼結体中の結晶粒界層中の酸素又は結
晶粒子表面の吸着酸素が課電時に脱離して外界に
散逸し、この結果粒界層の静電ポテンシヤルが低
下して、漏れ電流が増加するものと考えられる。 なお、焼成時焼結体から一部酸化ビスマスが揮
散することから粒界又は酸化ビスマスの抜けた穴
の部分を通つて酸素が脱離するものと思われる。 こうした酸化亜鉛系非直線抵抗体の課電に対す
る安定性を増して特性劣化を小さくするための方
法として、 (1) 焼結体の全表面から酸化ビスマスを気相拡散
する。 (2) 酸化ビスマスを含むガラスを添加する。 (3) 焼結体中に含有される酸化ビスマスの一部又
は全部をγ型酸化ビスマス相として含ませる。 などの方法が知られている。しかし、このような
方法で作られても100〜150年の長時間の定電圧課
電に対して十分に安定な酸化亜鉛系非直線抵抗体
素子を得ることができなかつた。 本発明の目的は、長時間の課電に対して特性が
安定な電圧非直線抵抗体とその製法を提供するに
ある。 すなわち本発明を概説すれば、本発明の電圧非
直線抵抗体の特徴は酸化亜鉛を主成分とし、副成
分として少なくとも酸化ビスマスを含む焼結体に
電極を設けてなる電圧非直線抵抗体において、前
記焼結体の一部又は全部がγ型酸化ビスマス相を
含み、且つ、前記電極のうち少なくとも一方を形
成する片方の主面のγ型酸化ビスマス相濃度が最
も高く、焼結体の中心部に向つて低くなるような
濃度分布を持つことを特徴とする電圧非直線抵抗
体に関する。 本発明の電圧非直線抵抗体の1つの製法は酸化
亜鉛を主成分とし、これに少なくとも酸化ビスマ
スを添加して焼成して得た焼結体に電極を形成す
る電圧非直線抵抗体の製法において、少なくとも
一方の電極を形成する未焼結体の片方の主面の表
面層に酸化ビスマス含有量が他の該未焼結体内部
より多い層を設けて成形し、焼成後、加熱処理を
行つて焼結体中の酸化ビスマス相を一部又はすべ
てγ型酸化ビスマス相とすることを特徴としてい
る。上記においての加熱処理温度は500〜800℃が
好ましい。 また、本発明の電圧非直線抵抗体の他の1つの
製法は酸化亜鉛を主成分とし、これに少なくとも
酸化ビスマスを添加して焼成した後、焼結体に電
極を形成して得られる電圧非直線抵抗体におい
て、焼結体の片方の主面から酸化ビスマスを加熱
拡散することにより、該表面層のγ型酸化ビスマ
ス相の濃度を焼結体の他の部分のそれより高くす
ることを特徴としている。酸化ビスマスの拡散温
度としては、酸化ビスマスの融点(840℃)より
高温ないし、前記焼結体の焼結温度より低い温度
範囲が実用的である。 本発明を図面を用いて説明する。 第1図及び第2図は本発明の電圧非直線抵抗体
の構造を示す断面概略図である。各図において、
1は電圧非直線抵抗体素子、11はγ型酸化ビス
マス相の高濃度層、12はγ型酸化ビスマス相の
低濃度層、2及び3は電極、4は高抵抗層を意味
する。 本発明は少なくとも酸化ビスマスを含む酸化亜
鉛系焼結体1の少なくとも一方の電極2が形成さ
れている主面の表面層11に含まれている酸化ビ
スマスを他の部分より多くし、且つ前記酸化ビス
マスの一部又はすべてをγ型酸化ビスマス相にし
ている。また、第2図のように両方の電極を表面
層に設けることもできる。この結果、長時間課電
に対する特性の安定性が大幅に向上したものであ
る。この理由としては次のことが考えられる。 (1) 電圧非直線抵抗体の抵抗(動作領域)はZnO
の粒界に析出したγ型酸化ビスマス相の含有量
が多いほど低下する傾向にある。本発明の構造
はこの抵抗の低い層を焼結体の片面表面層11
に設けているために、通電時には片面の表面層
11で発生する発熱量が他の部分に比べて少な
くなりこの部分は劣化しにくい。一方、内部で
発熱しても表面層11によつて酸素の散逸が押
えられるため、焼結体内部も劣化しにくい。 (2) γ型酸化ビスマス相は体心立方晶の構造を持
ち、α型酸化ビスマス相(単斜晶)及びβ型酸
化ビスマス相(正方晶)などに比べてその体積
が大きい。このために粒界に存在する隙間を埋
める効果があり、酸素イオンの移動を阻止する
働きがある。 (3) γ型酸化ビスマス相中には3価のビスマスの
他に一部5価の酸化ビスマスも含有されている
と考えられる。5価の酸化ビスマスは粒界層に
存在する酸素イオンを安定化して外部への散逸
を阻止する効果を持つ。 などの理由が考えられる。 本発明において、前記表面層11に含まれるγ
型酸化ビスマス相の含有量は、他部の約1.05倍以
上であることが望ましい。この場合の表面層11
の厚さとしては、全体の厚さに対して1/25〜1/10
程度あれば十分である。これによつて周囲温度40
℃、初期電流1mA相当の電圧印加で100〜150年
の寿命が予測されるものが得られる。 本発明において、前記表面層11のγ型酸化ビ
スマスの含有量を他の部分より多くする方法とし
ては、あらかじめ焼成前に表面層11の酸化ビス
マス含有量を他の部分より多くした原料粉を成形
し焼成した後、これを所定の温度条件下で熱処理
することによつて得られる。また、酸化ビスマス
を含む拡散剤を焼結体表面に付着又は塗布し、こ
れを熱処理によつて拡散すると同時にγ型酸化ビ
スマス相に変化させることによつても得ることが
できる。 上記において、前者の酸化ビスマス含有量を多
くした原料を表面層に成形する方法によれば、酸
化ビスマス含有量を多くした面を上に向けて焼成
することができ、焼成時の酸化ビスマス揮散によ
る非直線係数の低下を防止でき、且つ得られる素
子特性のバラツキが小さい。一方、成形体の両面
から酸化ビスマス含有量を多くした原料を成形す
る場合には、その厚さ制御など成形工程が煩雑化
し、特性の再現性及び原価低減に支障を来すとい
う欠点が生じる。 また、上記の拡散法は拡散された酸化ビスマス
相が焼結体中に存在する気孔及びZnO粒界に在る
気孔などを通つて拡散する結果、これらの気孔を
充てんし、焼結体から外部へ散逸しようとする酸
素イオンが逸脱するのを防ぐ大きな効果があると
考えられる。また、酸化ビスマスの濃度分布を表
面から連続的に変化させることができるので、長
時間課電の際に発熱量を連続的に緩和できるとい
う利点がある。更にまた、焼成時に揮散した酸化
ビスマスが補充されるので、拡散後の非直線係数
が大きくできる。なお、拡散方法は通常公知の方
法で行うことができる。例えば、酸化ビスマスを
水及び/又は有機溶媒を用いて塗布して行う。あ
るいは蒸着などによつて拡散層を形成することが
できる。拡散には酸化ビスマス以外に酸化ホウ
素、酸化ケイ素、酸化コバルトなど他の添加物
は、特に必要でない。本発明の焼結体の片方の面
のみから酸化ビスマスを拡散する方法によれば、
拡散面を上に向けて拡散できるため、拡散時にほ
ぼすべての酸化ビスマスが焼結体に拡散し、拡散
の再現性が良い。一方、焼結体の両面から拡散す
る場合には、下側の拡散面に付着した酸化ビスマ
スが熱処理時に下に垂れて落ちて、拡散の再現性
が悪くなるという欠点を生じやすい。 本発明の電圧非直線抵抗体の望ましい組成は、
酸化亜鉛を主成分とし、少なくとも酸化ビスマス
が0.2〜4モル%範囲内の組成である。酸化ビス
マス量がこの範囲外になると、低電流領域(例え
ば3×10-6〜3×10-4A/cm2)における非直線係
数が低下するおそれがある。これは課電時に漏れ
電流が増加する原因となり、課電寿命を低下する
傾向にある。また、酸化ホウ素含有量の望ましい
範囲は0.01〜4モル%である。酸化ホウ素はγ型
酸化ビスマス相を安定化する効果があり、これよ
り添加量が少ないとγ型酸化ビスマス相が不安定
となり、逆に多くなり過ぎると非直線係数が低下
する。 本発明の電圧非直線抵抗体には前記酸化ビスマ
ス、酸化ホウ素添加物の他に酸化マンガン、酸化
アンチモン、酸化コバルト、酸化クロム、酸化ニ
ツケル、酸化ケイ素、及び酸化アルミニウムの1
種以上を各各0.001〜5モル%添加することがで
きる。この添加物は素子の非直線係数の向上ある
いは課電寿命及びインパルス耐量の向上に効果が
ある。 本発明者らの検討によれば、酸化ビスマスがγ
型相に変化するときの温度範囲は、酸化ビスマス
中に含まれる不純物量(例えばZnO、B2O3
ど)によつても変化する。同様に、拡散によつて
行う場合、焼結体中に最初から含有されている酸
化ビスマスと拡散された酸化ビスマスとでは相変
化温度が異なる。そして、拡散された酸化ビスマ
スが焼結体中に最初から含まれる酸化ビスマス
(α・β型相などの混合と考えられる)と反応し
て、共にγ型相になる時に得られる電圧非直線抵
抗体は課電寿命が特に長くなり、極めて好まし
い。このためには、拡散温度を高くしたり、時間
を長くしたりして焼結体の中心まで十分拡散する
こと及び拡散する酸化ビスマス量を比較的多くし
て拡散時に拡散された酸化ビスマスが焼結体中に
最初から存在する酸化ビスマスと反応して焼結体
中に存在する酸化ビスマスをすべてγ型相にする
ことが必要である。 拡散による熱処理温度としては、既述のように
酸化ビスマスの融点より高温ないし焼結温度より
低温の範囲とするのが良い。特に再現性良くγ型
酸化ビスマス相を形成させるためには、熱処理温
度は1100℃より低温とするのが良い。 以下、本発明を実施例に従つて説明するが、本
発明はこれらに限定されない。 なお添付図面において、第3図から第5図は本
発明の実施例で得られた電圧非直線抵抗体と従来
の電圧非直線抵抗体との特性を比較した特性曲線
図であり、第3図は課電時間1/2〔(hr)1/2〕(横
軸)と抵抗分電流/初期電流(縦軸)との関係を
示すグラフである。第4図は厚さ方向の距離
(mm)(横軸)とγ型酸化ビスマス相の分布(中心
部を1に規格化)(縦軸)との関係を示すグラフ
である。第5図は厚さ方向の距離(mm)(横軸)
と抵抗分布(中心部を1に規格化)(縦軸)との
関係を示すグラフである。 実施例 1 酸化亜鉛に酸化ビスマス0.5モル%、酸化マン
ガン0.6モル%、酸化コバルト1.0モル%、酸化ア
ンチモン1.0モル%、酸化クロム0.5モル%、酸化
ニツケル0.5モル%、酸化ケイ素0.5モル%、酸化
ホウ素0.1モル%及び硝酸アルミニウム0.01モル
%を加え、遠心ボールミルを用いて5時間湿式混
合した。混合原料粉を乾燥した後、5%ポリビニ
ルアルコール水溶液を7重量%加えて造粒した。
これを35mmφ×24mmの円板状に成形し、大気中
1230℃で3時間焼成した。得られた焼結体の両端
面を0.5mmずつ研磨して30mmφ×19mmの素子を得
た。次に、この素子の両研磨端面のいずれかの片
端面に酸化ビスマス15g、エチルセルローズ0.2
g、ブチルカルビトール15gからなるペーストを
均一に塗布し、1000℃で7時間熱処理して酸化ビ
スマスを拡散した。最後に両端面にAlを溶射し
て電極を形成した。 得られた素子の特性は非直線係数(電流1.4×
10-6〜1.4×10-4A/cm2)が61、平担率(電流1.4
×103A/cm2の電圧と1.4×10-4A/cm2の電圧の
比)が1.60で、2mSの矩形波耐量が2700A以上
であつた。 第3図は本発明の電圧非直線抵抗体を温度95℃
課電率100%(20℃において直流1mAを流すに
必要な電圧と同じ電圧ピーク値)で交流連続通電
した時の抵抗分漏れ電流の時間変化の様子を示し
ている。図において、Aは本実施例で得られた素
子、Bは本実施例と同様な方法で得られた酸化ビ
スマス拡散前の素子、Cは酸化ビスマス拡散の代
りに、焼結後の素子を700℃で7時間熱処理した
素子、DはCと同じく1000℃で7時間熱処理した
素子、EはAと同じ方法で酸化ホウ素を添加せず
に得られた素子の特性である。第3図に見られる
ように、本発明の素子の抵抗分電流の変化は小さ
く、課電寿命は他のものに比べ格段に長い。温度
による特性劣化速度の加速性を考慮すると95℃に
おける通電時間2000時間は実使用状態の40℃にお
いて100年以上に相当し、本発明の電圧非直線抵
抗体がUHV(1000KV以上)送電システム用アレ
スタとしても十分使用可能であることがわかる。 また、第4図及び第5図はそれぞれ、得られた
電圧非直線抵抗体中のγ型酸化ビスマス相の濃度
分布及び抵抗分布である。なお、γ型酸化ビスマ
ス相の濃度分布は試料を電極面に平行に厚さ0.3
mmずつに切断し、それぞれの切片を粉末にしてX
線粉末回折法によるγ型酸化ビスマス相の回折線
強度(面間隔2.71〜2.72Åの反射線を用い、酸化
ビスマスの回折線強度で規格化)より求めた。ま
た、抵抗分布は試料(電極形成前)の側面の丁度
対応する両側面に直径1mmの針をたて、これに電
流2μA(電流密度2.9×10-6A/cm2)を流した時
の電圧の分布の厚さ方向に針をずらしながら測定
し、この電圧分布から求めた。 第4図、第5図に見られるように、本発明の電
圧非直線抵抗体(A)においては、酸化ビスマス拡散
面に近付くに従いγ型酸化ビスマス相量が多くな
ると共に抵抗が小さくなつている。また、試料中
に含まれる酸化ビスマスはすべてγ型相であつ
た。試料B、Dにはγ型酸化ビスマス相が含まれ
ないことから、試料A中のγ型酸化ビスマス相は
拡散した酸化ビスマス及び焼結体中に最初から存
在した酸化ビスマスが反応して生成していること
がわかる。なお、試料B、D、Eにはγ型酸化ビ
スマス相が含まれず、試料Cにはγ型酸化ビスマ
スが含まれているが、電極面近傍にγ型酸化ビス
マス相が少ない。これは焼成時の酸化ビスマスの
揮散によるためと考えられる。なお、試料Cの非
直線係数は12、平担率が2.2と電圧−電流の非
直線性が悪かつた。また、第5図に見られるよう
に、試料B〜Dは電極面に近付くにつれて抵抗が
大きくなる分布を示している。これは焼結体の密
度分布と焼結時の酸化ビスマスの揮散の影響と考
えられる。 実施例 2 酸化ビスマスの配合量のみを変え、その他は実
施例1と同様な配合組成で原料を混合、造粒、成
形し、これを950℃で3時間予備焼成した。予備
焼成した試料の側面に酸化ビスマス31重量%、酸
化アンチモン27重量%、酸化ケイ素42重量%の混
合粉にエチルセルローズとブチルカルビトールを
混合して得たペーストを塗布した後、これを1200
℃で4時間焼成した。なお、試料側面に塗布した
ペーストは、焼成時に素子と反応して第1図の高
抵抗層4となつた。焼結体の両端面を0.5mmずつ
研磨した後、この研磨面のいずれか一方の片研磨
面に実施例1の酸化ビスマスを含むペーストを
種々の量に塗布し、850〜1100℃の温度範囲で5
時間熱処理した。これらの素子中に含まれる酸化
ビスマスはすべてγ型相であつた。最後に両端面
に電極を付けて第1図の構造の素子を得た。 得られた試料におけるγ型酸化ビスマス相の分
布、非直線係数(電流1.4×10-6〜1.4×10-4A/
cm2)を第1表に示す。また、実施例1と同一条件
で課電試験した際、抵抗分電流が初期の2倍に達
するまでの時間も第1表に示す。
【表】 第1表からわかるように、酸化ビスマスの配合
量が0.1モル%(No.1〜4)と少ないもの及び4.0
モル%より多い(No.33、34)のものは研磨後の焼
結体の片端面に酸化ビスマスを含むペーストを少
量又は多量に塗布し、熱処理して(酸化ビスマス
塗布した表面層のγ型酸化ビスマス相)/(焼結
体中心部のγ型酸化ビスマス相)の比を大きくし
ても非直線係数が小さく、且つ課電寿命が短い。
また、酸化ビスマスの配合量が0.1モル%より多
く、4モル%以下の素子でも酸化ビスマスを含む
ペーストを塗布せず熱処理したもの8,13は
(酸化ビスマス塗布した表面層のγ型酸化ビスマ
ス相)/(焼結体中心部のγ型酸化ビスマス相)
の比が0.84以下で、非直線係数こそ大きな値を示
すが、課電寿命が短い。更に、酸化ビスマスを含
むペーストを塗布、熱処理したものでも、塗布量
が少量で(酸化ビスマス塗布した表面層のγ型酸
化ビスマス相)/(焼結体中のγ型酸化ビスマス
相)の比が1.0以下5,9,16,19,23,
26,29のものは課電寿命が比較的短い。実施
例1で述べた理由から課電寿命2000時間以上(実
用条件下に換算して約100年以上)の範囲を選ぶ
と酸化ビスマスの配合量は0.2モル%≦Bi2O3≦4
モル%、そして(酸化ビスマス塗布した表面層の
γ型酸化ビスマス相)/(焼結体中のγ型酸化ビ
スマス相)の比が1.05以上が好ましい範囲といえ
る。 次に、拡散熱処理温度の影響を見るために、前
記のもので拡散熱処理温度だけを800℃、1150℃
とした。この場合800℃では拡散温度が不充分と
なり、課電寿命が短い。また、1150℃では拡散後
の焼結体中のγ型酸化ビスマス相が少なくなり、
800℃の熱処理のときと同様に課電寿命が短かつ
た。 実施例 3 未焼結体の一方の表面層及び内部層(残りの表
面層も同じ)の添加物組成が下記のものを成形
し、1250℃で3時間焼結した。
【表】
【表】 上記の表面層の厚さを2mmとし、内部層の厚さ
を25mmにして成形し、焼結後750℃で0.2時間熱処
理した後両端面を各々0.5mm研磨し、Al電極を付
けた。得られた素子の(表面層のγ型酸化ビスマ
ス相)/(内部層のγ型酸化ビスマス相)の比は
約1.5であつた。また、焼結体中にはγ型酸化ビ
スマスとβ型酸化ビスマスが約1:1の割合で存
在していた。該素子の低電流領域の非直線係数は
56で、90℃における課電率95%(20℃におい電流
1mAを流すに必要な電圧の95%のピーク値)で
交流課電寿命8200時間であつた。なお、上記にお
いて表面層の組成を内部層と同一にした素子にお
いては交流課電寿命400時間であつた。 焼結体中の酸化ビスマスの添加量を変えて得た
時のγ型酸化ビスマス相の分布、電圧非直線係数
及び上記と同様にして求めた課電寿命を第2表に
示す。
【表】
【表】 第2表より、特に電圧非直線係数が大きく、且
つ課電寿命の長い酸化ビスマスの配合量(内部
層)は0.2モル%≦酸化ビスマス≦2.0モル%で、
1.2≦(表面層のγ型酸化ビスマス相)/(内部層
のγ型酸化ビスマス相)の範囲であることがわか
る。 以上説明したように、本発明の電圧非直線抵抗
体は素子の課電寿命が従来の素子に比べて著しく
向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図は本発明の電圧非直線抵抗体の
構造を示す断面概略図。第3図から第5図は本発
明の実施例で得られた電圧非直線抵抗体と従来の
電圧非直線抵抗体との特性を比較した特性曲線図
である。 1:電圧非直線抵抗体素子、11:γ型酸化ビ
スマス相の高濃度層、12:γ型酸化ビスマス相
の低濃度層、2及び3:電極、4:高抵抗層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 酸化亜鉛を主成分とし、副成分として少なく
    とも酸化ビスマスを含む焼結体に電極を設けてな
    る電圧非直線抵抗体において、前記焼結体の一部
    又は全部がγ型酸化ビスマス相を含み、且つ、前
    記電極のうち少なくとも一方を形成する片方の主
    面のγ型酸化ビスマス相濃度が最も高く、焼結体
    の中心部に向つて低くなるような濃度分布を持つ
    ことを特徴とする電圧非直線抵抗体。 2 前記片方の主面から酸化ビスマスが拡散され
    ていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の電圧非直線抵抗体。 3 酸化亜鉛を主成分とし、少量の酸化ビスマス
    を含む未焼結体中の片方の主面の表面層に、該未
    焼結体の他の部よりも高濃度の酸化ビスマスを含
    む層を設けて成形し、焼結し、その後、焼結温度
    より低い温度で加熱処理を行い前記の酸化ビスマ
    スの一部又はすべてをγ型酸化ビスマス相に変換
    させ、前記片方の主面のγ型酸化ビスマス相濃度
    が最も高く焼結体の中心部に向つて低くなるよう
    な濃度分布を持たせた後、前記片方の主面に少な
    くとも一方の電極を形成することを特徴とする電
    圧非直線抵抗体の製法。 4 加熱処理温度が500〜800℃である特許請求の
    範囲第3項に記載の電圧非直線抵抗体の製法。 5 酸化亜鉛を主成分とし、少なくとも酸化ビス
    マスを含む焼結体の片方の主面から酸化ビスマス
    を加熱拡散させ、前記の酸化ビスマスの一部又は
    すべてをγ型酸化ビスマス相とし、前記片方の主
    面のγ型酸化ビスマス相濃度が最も高く焼結体の
    中心部に向つて低くなるような濃度分布を持たせ
    た後、前記片方の主面に少なくとも一方の電極を
    形成することを特徴とする電圧非直線抵抗体の製
    法。
JP56172797A 1981-10-30 1981-10-30 電圧非直線抵抗体及びその製法 Granted JPS5875802A (ja)

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